事件簿 不動産関連の事件・事故・夜逃などの現場写真を公開しています
入居者は、精神分裂病

落書き写真

(壁にのこされた落書き)


 
朝一番で、管理しているアパートの住人より電話があり、隣の部屋の住人が昨日の夜中、窓ガラスを割るは、壁は叩くは、大声でわめくような喧嘩をしていたので、注意をしてくれとクレームがありアパートにいってみると、腕から血を流した入居者が出てきた。だれとケンカしたのかなど理由を聞くが答えず ただ窓ガラスで腕を切ったと言うだけであった。とりあえず、入居者を病院に連れて行くが、保健証を忘れたことに気付き、本人を病院に残し部屋に戻る。
 
 部屋の中に入ると、壁は穴だらけ、床は血だらけ、なぜかネオパラエース(防虫剤)が押入れの中や食器棚の中、冷蔵庫の中にまでも散乱していた。まあ、押し入れは、理解できるとして、なぜ冷蔵庫や食器棚のなかまで防虫剤が必要なのか理解に苦しむ。
又、部屋のいたるところに、トイレットペーパー24ロール入れが30以上、ティッシュペーパー5個組みが40以上部屋に積み上げられ異様な状態であった。

 壁の穴は、隣の部屋まで貫通しており、近くには野球のバットがころがっていた、バットをもって暴れたのだろう。ひとまず、入居者が治療を受けている病院に行き、部屋に戻し落ち着いてから事情を聞くが、相変わらず何も言わない。しつこく質問をすると、だんだん入居者も興奮してきて、訳のわからない事を叫びだす。私は、身の危険を感じ、入居者を部屋に残し、会社に戻る事にした。
会社に戻り、保証人である父親に電話をして、状況を説明すると、父親はすぐに息子を引き取りに来た。

  父親と話しをすると息子さんは以前に精神分裂病と診断された事があり、突然この様な症状がでることがあるという。
 後日分かったことだが ネオパラエースは部屋じゅうから虫がでてくる幻覚のためで、夜中のケンカはもう一人の自分の幻覚と、戦っていたためである事がわかった。

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