事件簿 不動産関連の事件・事故・夜逃などの現場写真を公開しています
入居者は、覚醒剤所持犯

 暑い日々が続いていた8月の昼時、会社に1人の刑事さんが来て、「○○アパートの101号室のAに覚醒剤所持の疑いで逮捕状が出ておりますので、部屋を家宅捜査するので立ち会ってほしい」という申し入れがあり、さっそく合い鍵を持ち現場アパートに向かう。

 現場につくと、すでに刑事らしい人が4人待機していた。会社に来た刑事さんが、「これから、部屋に入りますが、部屋の中に犯人が居る可能性も有り、危険ですので、車の中でカギをロックして見ててください。安全が確認とれましたら、手招きしますので、部屋の家宅捜査の立会をお願いします」と言う。

 なるほど、人質になんかになってしまったら大変だ。言われたとおり、100mほど離れて車の中で見ていると、いよいよ踏み込むらしく、外の窓の下に刑事が2人、入口に3人が向かいチャイムを鳴らす。「おお〜何と言う緊張感、テレビと同じだ」と思いながら見ていると、部屋から犯人が出てきて、あっさり逮捕、あっけなく終わってしまった。

 警察は、犯人を逮捕して終わりだが、不動産屋さんは、その後がタイヘン。警察に捕まるような人だから、家賃は2ヶ月分払っていないし、本人がいつ警察から出てくるか判らないし、部屋の中の家財道具を、どうするかなど問題は山積み。

 とりあえず、部屋を契約解除するのか本人に確認するため、警察の留置所に面会に行く。今回で留置所に面会に行くのは3人目なので、1回で用を済まそうと思い、今回は初めから、「賃貸契約解約書」と、最悪の場合こちらで家財道具を処分しないとならないので、処分しても良い旨の「誓約書」を持参した。本人と面会すると、本人は「もう、どうにでもしてくれ」という態度だったので、簡単に署名と拇印(印鑑が無いので)を貰った。会社に帰ってきて、保証人である親に電話すると母親が出て、父親も現在、刑務所に服役中であることを知らされる、最悪の事態である。

 これは、こちらで処理しなくてはならなくなったと、覚悟を決めて、まずは、大家さんに事情を話し、滞納分の家賃をあきらめ貰い、最後に、ダメ元で、入居者の母親に10日以内に部屋から荷物を出したら、滞納家賃は支払わなくても良いが、出さなかった場合は、滞納家賃2ヶ月分と処理に掛かった費用を全額請求する旨を伝える。

結果、1週間後に全て母親が荷物を運び出し、無事、解決 ! 言ってみるものだ。

PS: 荷物を出してから1週間後、何も無い部屋に、ガラスを破って泥棒が入った。
   何を持っていったのやら ?

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