北海道の南部に位置する七飯町は、町の北部に大沼国定公園があり、自然環境に恵まれています。
町内ではさまざまなアクティビティを楽しめるほか、さらに都市圏の函館市へのアクセスもしやすいため、魅力ある七飯町への移住を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ行動を起こそうとしても、「自分に合う仕事が見つかるのか」「子どもに不便な思いをさせたくない」といった不安を抱え、なかなか一歩が踏み出せないこともあります。
そこで本記事では、七飯町に移住するメリットや支援制度を詳しく解説します。移住する前に検討したいチェックポイントもご紹介しているので、七飯町との相性の良さを見極める際にご活用ください。
目次
北海道七飯町の基本データ
七飯町(ななえちょう)は、函館市の北に位置する人口27,774名(2023年5月31日時点)の町です。
七飯町は、大沼トンネルを境にして町が北部と南部に分かれています。
北部には、日本新三景にも選定されている大沼国定公園や活火山の北海道駒ヶ岳があり、豊かな自然環境に恵まれているのが特徴です。一方の南部にはJR函館本線や高速道路が通っており、その周辺に市街地が広がっています。
ゆったりとした雰囲気がある自然環境と程良い都市機能を兼ね備えているのが、七飯町の特徴です。
また、道内のなかでも気候が温暖で、初めて北海道への地方移住をスタートする方でも、比較的過ごしやすいエリアだといえるでしょう。
七飯町の基本データ |
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● 総面積: 216.73平方キロメートル(2022年時点) ● 人口: 27,774名(2023年5月31日時点) ● 教育施設: 幼稚園9園(認定施設を含む)、小学校4校、中学校2校(2022年時点) ● 医療施設: 病院2ヶ所、一般診療所17ヶ所(2020年時点) ● 総事業所数: 876ヶ所(2016年時点) ● 商店数: 小売業125軒、卸売業29軒(2016年時点) |
七飯町に移住する3つのメリット
北海道には数多くの市や町があるため、移住を検討する際はそれぞれの特性を押さえておくことが大切です。
ここでは、七飯町に移住するメリットをご紹介するので、自身との相性を見極める際に役立ててください。
都市機能に優れた函館市へ簡単にアクセスできる
七飯町は、都市機能に優れた函館市の隣町に位置しているのが大きなポイントです。
七飯町の市街地には、小型のスーパーや飲食店、コンビニなどが点在していますが、大型のショッピングセンターがありません。
しかし、町の南側にJR函館本線や高速道路が通っており、函館市の市街地へ電車で15~20分、車で約30分と短時間でアクセスできます。
函館市の中心地にはイオンやドン・キホーテ、ユニクロなどのショッピング施設が充実しているため、趣味やデート、家族での買い物などの際に便利です。
また、函館市には、市街地の東部に函館空港があります。
函館空港を活用すれば、羽田空港や大阪国際空港(伊丹空港)といった国内各地と行き来できます。さらに新千歳空港や札幌丘珠空港などの道内、海外の台湾空港といった幅広い地域にアクセスできるのも特徴です。
出張や帰省の際でも、道外へのアクセス環境に優れた函館市へ簡単に行き来できるのは、七飯町の大きなメリットだといえるでしょう。
四季折々の豊かな自然が堪能できる
七飯町は、町の北側に自然豊かな「大沼国定公園」の敷地が広がっています。
大沼国定公園では、春になると色とりどりの花が咲き、冬には辺り一面が白銀の世界と化すなど、四季折々の豊かな自然を堪能できます。また、時刻の移り変わりによって表情が変化する、北海道駒ヶ岳を望めるのも特徴です。
七飯町の北部エリアには、大沼国定公園のほかにも、「函館七飯スノーパーク」や「東大沼キャンプ場」といったレジャースポットが充実しています。
そのため、自然豊かな環境で移住後の生活や仕事をしたい方には、七飯町のなかでも北部エリアがおすすめです。南部エリアにある市街地に比べて利便性がやや見劣りするものの、大沼国定公園の周辺にJR函館本線が通っているため、市街地へも短時間でアクセスできます。
子どもから大人まで幅広いアクティビティが楽しめる
七飯町は、家族連れで地方移住を検討している方にもおすすめの町です。
七飯町にある大沼国定公園や函館七飯スノーパーク、東大沼キャンプ場などでは、1年を通じて数多くのアクティビティが楽しめます。代表的なアクティビティは次の通りです。
- 乗馬:
駒ヶ岳の麗で乗馬体験ができる。色とりどりの花や紅葉、雪景色など、季節ごとに異なる自然を体感しながら楽しめるのが魅力。 - サイクリング:
自転車をレンタルし、大沼国定公園内の湖畔を周遊。1週70分ほどで完走できるため、運動不足の解消にもおすすめ。 - セグウェイ:
電動立ち乗り二輪車のセグウェイに乗って、大沼国定公園内を周遊できる。体が浮いているような感覚を味わえる。 - 遊覧船:
遊覧船でゆったりと水上散策。所要時間は約30分で、四季折々の美しい大沼エリアを間近で体感できる。 - スノーモービル:
氷結した大沼湖では氷上スノーモービルや四輪バギーなどのアクティビティが楽しめる。
七飯町への移住を検討する際のチェックポイント
七飯町は北海道のなかで郊外に位置するため、「生活で不便に感じることはないか」「都市部にアクセスしやすいか」といった点が気になる方も多いのではないでしょうか。
実際に現地へ移住してから後悔がないよう、事前に次の点をチェックしておくのがおすすめです。
- 過ごしやすさ・快適性
- 交通事情
- 医療事情
- 仕事環境
- 子育て環境
過ごしやすさ・快適性
七飯町は、夏の平均気温が20度前後と過ごしやすい環境に特徴があります。
冬の平均気温はマイナス2度前後と、北海道の北部に位置する旭川市のマイナス6度前後に比べ、寒さも比較的落ち着いている印象です。
(気象庁の観測地域である函館市のデータを参照)
また、旭川市のような北部エリアよりも、北海道の南に位置する七飯町は降雪量が少ない傾向にあります。過去30年間の平均降雪量は、旭川市が年間557cmに対し、七飯町が年間306cmとやや少ないことがわかります。
そのため七飯町は、北海道のなかでも年間を通して過ごしやすく、冬の雪かきや雪下ろしの負担も少ないといえるでしょう。
交通事情
広大な面積を持つ北海道では、地域によって町のなかに駅がなかったり、高速道路が通っていなかったりと、交通インフラが整っていないケースもあります。
一方の七飯町は、町の北から南にかけてJR函館本線と高速道路が通っています。この2つの交通方法は、北は札幌市、南は函館市に通じているため、都市部にアクセスしやすいのが特徴です。
七飯町から函館市までの移動時間は、電車で15~20分、車で約30分です。
函館市まで行けば、札幌駅までの特急列車や、新千歳空港や札幌丘珠空港といった道内の別エリアに移動できる函館空港があります。
ただし札幌市までは、函館駅から特急列車で約3時間50分、函館空港から飛行機で約40分(フライト時間のみ)と、かなり時間がかかるので注意が必要です。ショッピングセンターや飲食店、娯楽施設などは、札幌市に行かずとも函館市の市街地にも十分に揃っています。
北海道は生活に車が必要不可欠なエリアが多いなか、交通インフラが整っているのは七飯町の大きなメリットだといえるでしょう。
医療事情
七飯町内には、さまざまな診療科目に対応した病院が2ヶ所、一般診療所が17ヶ所存在します(2020年10月1日時点)。
北海道をはじめ地方へと移住する際は、「町のなかに大きな病院がない」「入院する際は遠くの地域まで移動する必要がある」といったケースも珍しくありません。その点、入院設備完備の病院がある七飯町は、万一の病気や事故でも比較的安心だといえるでしょう。
ただし、突然の病気や事故の際に慌てないで済むよう、移住を検討中のタイミングで大きな病院の場所や診察時間などを押さえておくことが大切です。
七飯町内にある病院は、「ななえ新病院」と「なるかわ病院」の2ヶ所です。
ななえ新病院 | なるかわ病院 | |
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診療科目 | 内科 循環器内科 脳神経内科 整形外科 リハビリテーション科 | 内科 精神科 |
外来受付時間 | 午前:8:30~11:30 午後:13:00~16:30 | 9:00~12:00 |
休診日 | 土曜・日曜・祝日 | 日曜・祝日 |
病床数 | 199床 | 396床 |
所在地 | 北海道亀田郡七飯町本町7丁目657番地5 | 北海道亀田郡七飯町鳴川4丁目325番1 |
電話番号 | 0138-65-2525 | 0138-65-7131 |
※2023年6月に執筆した記事です。最新情報は七飯町ホームページ|七飯町内 医療機関一覧からご確認ください。
仕事環境
大手求人情報サイト「Indeed(インディード)」で七飯町の仕事を検索すると、約700件の求人情報がヒットします。特に、七飯町の基幹産業である農業や観光業のほか、サービス業の仕事が多い傾向にあります。
ただし、七飯町や函館市は、IT業界の求人件数が少ない点に注意が必要です。七飯町に住みながらIT業界で働きたい方は、移住前にテレワーク可能な仕事を探しておくと良いでしょう。
また、札幌市にはテレワーク可能な求人が9,000件以上あり、IT業界の仕事も多いため、札幌市圏内で仕事を探すのもおすすめです。
※2023年6月に執筆した記事です。上記の情報はすべて、大手求人情報サイト「Indeed(インディード)」を参考にしています。
子育て環境
七飯町には、認定施設を含む幼稚園が9園、小学校4校、中学校2校があります(2022年時点)。特に幼稚園は、認可保育所が5園、認定こども園が2園、私立幼稚園が2園と数が多く、子どもを通わせやすい環境が整っています。
ただし、学校の場所は、市街地にあたるJR七飯駅からJR桔梗(ききょう)駅の間に密集しています。七飯町の北部に行くと、学校の数が極端に少なくなるので注意が必要です。
幅広い選択肢のなかから幼稚園や小・中学校を選びたい方や、子どもの送り迎えにあまり時間をかけられない方には、市街地のある南部エリアへの移住が向いているでしょう。
また、七飯町には、次のような子育て支援制度が用意されているため、移住を検討中の方は活用してみてはいかがでしょうか。
- 子ども医療費助成制度:
18歳以下の子どもを対象に、医療費の自己負担相当額を助成する制度。差額ベッド代や健康診断料などは助成対象外。 - ひとり親家庭等医療費助成制度:
18歳以下の子どもを扶養・監護、または20歳未満の子どもを扶養している親に対し、医療費の自己負担相当額を助成する制度。
※2023年6月に執筆した記事です。最新情報は上記のリンク先ページをご確認ください。
七飯町への移住に役立つ支援制度
七飯町は、地方移住に不安を抱える方を対象にした支援制度が充実しています。そのなかでも代表的な制度は次の通りです。
- オンライン移住相談:
場所を問わず、オンライン会議システムを通じて自治体の職員に移住相談ができる制度。希望日時の3日前までに申し込めば、誰でも参加が可能。受付時間は平日の10~16時。 - 恋人の聖地CITY:
七飯町は全国14ヶ所の自治体と連携し、移住・定住人口の拡大プロジェクト「恋人の聖地」を運営している。ポータルサイトの「恋人の聖地CITY」にアクセスすると、移住に役立つ幅広い情報をゲーム感覚で収集できる。 - 創業バックアップ助成金:
七飯町や函館市などで創業する方に向けて、事業開始に必要な資金の一部を助成する制度。助成金額は35歳未満の場合が最大100万円、一般枠は最大500万円。
このような制度を活用すれば、移住前の悩みや疑問を解消できるほか、より有利に地域での起業を行えるでしょう。七飯町への移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
※2023年6月に執筆した記事です。最新情報は上記のリンク先ページをご確認ください。
七飯町への移住で理想的な田舎暮らしを実現しよう
豊かな自然環境に恵まれながらも、都市部への優れた交通インフラを有する七飯町。ゆったりと落ち着いた雰囲気と便利な都市機能をあわせ持つのが、七飯町の魅力です。
ただし、北海道のなかでは郊外に位置するため、移住する前に町内の生活環境や仕事環境などを確認することをおすすめします。十分に納得してから移住すれば、現地で不満を感じるケースも少なくなるでしょう。
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