コストカットしつつ集客率を高めたいのであれば、ロードサイド店舗は有力な選択肢です。
主要チェーンがロードサイド店舗を展開しているため、自社での出店を検討している方も多いでしょう。
とはいえ、用語の詳しい意味や、メリット・デメリットまで把握しなければ、ご自身の店舗に向いているか判断できません。
そこで本記事では、ロードサイド店舗の特徴やターゲット層、具体的なメリット・デメリットを解説していきます。
実際にロードサイド店舗を探すときのポイントもまとめましたので、参考にしてみてください。
目次
ロードサイド店舗とは?

ロードサイド店舗とは、道路沿いに展開しているお店を指し、「R・S」とも略されます。交通量が多い道路沿いにあるロードサイド店舗は、利用者のほとんどが車両や自転車などで来店します。
ロードサイド店舗は郊外に展開するケースが多く、都心部より地価が安いため、大型店舗を構えやすい点も特徴です。
基本的には郊外の幹線道路沿いにある店舗を指し、繁華街や都心部の店舗については「路面店」と区分けされます。
この項目では、ロードサイド店舗について、下記のポイントを見ていきましょう。
- ロードサイド店舗のターゲット層
- ロードサイド店舗にオススメの業種
- ロードサイド店舗にオススメの業態
ロードサイド店舗のターゲット層
ロードサイド店舗では、ファミリー層からビジネスパーソンまで、幅広い客層が期待できます。
生活道路沿いであればファミリー層の来店が、産業道路沿いであればビジネスパーソンの来店が見込めます。多くの利用者が車を使って来店するため、商圏外である遠方からのユーザー獲得も可能です。
ただ、ひとくちにファミリー層といっても、若者から高齢者まで年齢層もさまざま。
商圏の人口や年齢層・世帯収入などを調べ、エリアの状況に応じて最適な店舗を展開しましょう。
ロードサイド店舗を出店する際は、幅広いターゲット層を念頭に置き、戦略の十分な作成が重要です。
ロードサイド店舗にオススメの業種
ロードサイド店舗にオススメの業種例を、下記にまとめました。
- 自動車関連
- 衣料品店
- 飲食店
- ホームセンター
- 映画館・ゲームセンターなどの娯楽施設
ガソリンスタンドや中古車販売店などの自動車関連は、ユーザーの交通手段と一致しているので、集客が見込めます。また、ロードサイド店舗は一般的に地価が安いので、衣料品やホームセンターなどの大型店を展開しやすいです。
飲食店もファミリー層のお出かけや、ビジネスパーソンのランチ休憩にマッチしています。競合の多さが難点であるものの、他店からの流入で相乗効果が期待できるでしょう。
ただし、地元商店と類似した業種の展開は、軋轢やトラブルが発生する可能性もあるため、オススメできません。
ターゲット層との相性や、地元商店のジャンルを調査したうえで、業種を決定すると良いでしょう。
ロードサイド店舗にオススメの業態
ロードサイド店舗ならではの幅広いターゲット層に訴求するには、カジュアルな業態がオススメです。
例えばファミリーレストランのように、気兼ねなく入店できる店舗であれば、多くの集客が期待できます。ファミリー層をターゲットに据えるなら、子供連れでも入りやすい店舗が喜ばれるでしょう。
また、感染症対策の観点から、テイクアウト形式やドライブスルー営業のニーズが高まっています。
この2つは、車移動する利用客がターゲットであるため、ロードサイド店舗にも適しています。
ロードサイド店舗を展開するなら、入店や利用がしやすい業態を検討してみましょう。
ロードサイド店舗のデメリット

幅広いターゲット層に訴求できるロードサイド店舗ですが、いくつかのデメリットもあります。
出店後に理想とのギャップに苦しまないよう、以下のデメリットを押さえておきましょう。
- 競合が多い
- 管理の手間が大きい
競合が多い
ロードサイド店舗は商圏が広いぶん、競合も多くなる点がデメリットです。
利用者は遠方まで車移動できるため、地図上それほど近隣エリアではない店舗が競合となるケースも考えられます。また、近隣に大規模な商業施設が建設されると、予想以上に多くの競合が参入してくる可能性もあります。
ロードサイド店舗同士での競争に勝つには、その店舗ならではの独自性が重要です。
店舗名や接客スタイル・外装のデザインなどを軸に、コンセプトを設計してみてください。
競合に負けないために、店舗の独自性を打ち出し、差別化を図っていきましょう。
管理の手間が大きい
敷地面積を広く取りやすいロードサイド店舗は、比例して管理の手間も大きくなってしまいます。
例えば広い駐車場を完備するなら、誘導スタッフや警備員など人件費がかかります。
そのため、人件費や管理・メンテナンスの手間と、収益性のバランスを考慮した出店計画が必要です。
商圏から類似店舗を抽出・分析すると収益性を予測できるので、管理の手間と天秤にかけ、ロードサイド店舗の展開を決定してください。
ロードサイド店舗のメリット

ここまでロードサイド店舗のデメリットを解説してきましたが、もちろんメリットも多くあります。
ロードサイド店舗ならではのメリットは、下記の通りです。
- コストが抑えられる
- 集客率が高い
- 品揃えが充実しやすい
コストが抑えられる
坪単価が低いロードサイド店舗では、賃料や建築費などのコストを抑えやすいです。また、時給が安い他県での出店は、人件費の削減にもつながります。
例えば、2024年12月時点での最低賃金は、東京都と埼玉県で85円の差があります。以下の表では、それぞれの店舗で10人のアルバイトを1年間雇った場合についてシミュレーションしました。
項目 | 東京都 | 埼玉県 |
---|---|---|
最低賃金 | 1,163円 | 1,078円 |
10人分の給料/1時間 | 11,630円 | 10,780円 |
1年間に支払う給料 (1日8時間・365日営業した場合) | 33,959,600円 | 31,477,600円 |
東京都と埼玉県の人件費は、年間で2,482,000円の開きが出ていると分かります。
このように、ロードサイド店舗の展開はコストカットにつながります。
集客率が高い
ロードサイド店舗は多くの人の目に留まりやすいため、集客率が高いです。
例えばワタミ株式会社は、「幸せの焼肉食べ放題 かみむら牧場」をロードサイド店舗として出店し、コロナ禍でも8万人以上の来客数を記録しました。
外観の看板には大きく「4分で客席全体の空気が入れ替わります」と書かれており、感染症対策を気にする利用者にもひと目で情報を届けられています。
車で走行中の利用者に素早くアピール情報を提示し、高い集客を成功させた好例といえます。
交通量の多さが集客率向上につながるため、事前にチェックしておきましょう。
参考:ITmedia ビジネスオンライン、Googleマップ
品揃えが充実しやすい
床面積を広く確保できるロードサイド店舗では、品揃えを充実させられます。
豊富な品揃えは他店との差別化につながるほか、オススメ商品のピックアップや陳列のバリエーションなど、売り方に工夫もしやすいです。
また、適切な立地に出店すれば、物流面でも優位に立てるため、品揃えとコストパフォーマンスを両立できます。
充実した品揃えで利用者の満足度が上がれば、売上向上にも寄与するでしょう。
ロードサイド店舗物件を探すときのポイント

さまざまなメリットがあるロードサイド店舗ですが、どのような物件でも良いわけではありません。この項目では、ロードサイド店舗物件を探すときのポイントについて見ていきましょう。
- 車でアクセスしやすい物件を選ぶ
- 視認性が高い物件を選ぶ
- 駐車場が広い物件を選ぶ
車でアクセスしやすい物件を選ぶ
ロードサイド店舗の利用者は多くが車で来店するため、自動車やバイクでアクセスしやすい物件を選びましょう。
店舗前の道路に中央分離帯があると、反対道路を走行中の利用者はアクセスできません。
気に入った店舗物件の前の道路に中央分離帯がある場合は、交通量が多い方向をチェックしておくと良いでしょう。
また、ドライバーは交差点への侵入直前に対向車・歩行者を注視するため、店舗の存在に気づきにくいといわれます。交差点から2~3件先にある物件を選ぶと、早めに車線変更できるため、アクセスしやすくなります。
視認性が高い物件を選ぶ
自動車で走行中の利用者に来店してもらうには、どのようなお店かすぐに分かる視認性の高さも重要です。
道路から見て店舗が奥側にある場合は、分かりやすいように看板を設置します。遠距離でも視認しやすい大型看板や、期間限定商品の訴求に効果的なのぼりなどを検討してみてください。
ただし、多くの情報を詰め込みすぎると、逆にどのようなお店か分かりづらくなってしまうため、文言の取捨選択が重要です。
駐車場が広い物件を選ぶ
せっかく来店してくれたユーザーを取りこぼさないために、駐車場が広い物件を選びましょう。
駐車場の台数が多ければ、遠方からのユーザーも不安なく来店できるため、アピール材料になります。
ピーク時の来店台数や滞在時間・回転率などの情報を収集し、最適な広さの駐車場を算出してみてください。
なお、チェーン店が出店する際は、最低でも20台は停められる駐車場が必要です。
ロードサイド店舗を探すときは「テナント連合隊」も活用しよう!

ロードサイド店舗は幅広いターゲット層に訴求できるほか、人件費や賃料などコストを抑えやすいメリットがあります。コストカットと集客率向上を両立させたいのであれば、ぜひ検討したい選択肢です。
ロードサイド店舗を探すなら、当社が運営する「テナント連合隊」がオススメ。
「テナント連合隊」では、出店する際にオススメの業種も掲載しているため、ご自身に合った物件をイメージしやすいです。さらに、周辺の主要施設や店舗を絞り込み検索できるので、どのくらい競合が出店しているか事前に調査ができます。
ぜひ「テナント連合隊」を活用して、ご自身にぴったりなロードサイド店舗を探してみてください。
テナント物件をお探しの方へ
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