福岡への転勤を控えている方や移住をお考えの人にとって、まず気になるのが治安状況ですよね。
とくにお子様がいらっしゃる方は、安心して暮らせる街を選びたいと願うのは当然のことです。
今回は、福岡市に土地勘がない方に向けて、最新のデータやマップを基にした治安の実情を詳しく解説します。イメージだけで判断せず、客観的な情報を知ることで、理想の住まい探しをよりスムーズに進められるでしょう。
目次
福岡の治安は?データで見る実情
福岡について、噂やニュースから得た情報で「治安が悪い」というイメージを持っているかもしれません。しかし、データを見ると印象が異なる場合もあります。
詳しく見ていきましょう。
福岡市7区の犯罪数・犯罪率
福岡市には7つの区があり、それぞれの犯罪率には差が見られます。下記の表に区ごとの犯罪件数と人口1,000人あたりの犯罪件数をまとめました。
| 順位 | 区名 | 刑法犯認知件数 (2024年) | 人口(人) (2024年12月1日) | 人口1,000人あたりの犯罪件数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 早良区 | 1,258 | 225,716 | 5.5 |
| 2 | 南区 | 1,726 | 273,436 | 6.3 |
| 3 | 城南区 | 997 | 135,036 | 7.3 |
| 4 | 西区 | 1,630 | 214,591 | 7.5 |
| 5 | 東区 | 2,675 | 341,648 | 7.8 |
| 6 | 博多区 | 3,321 | 266,295 | 12.4 |
| 7 | 中央区 | 2,846 | 215,056 | 13.2 |
| 福岡市全区 | 14,453 | 1,671,778 | 8.6 | |
| 全国 | 737,679 | 123,802,000 | 5.9 |
※参考:福岡県警察 福岡県刑法犯市区町村別認知件数
福岡市 推計人口・登録人口
福岡市7区の犯罪率を比較すると、もっとも低いのは早良区の5.5件(人口1,000人あたり)で、全国平均の5.9件を下回る良好な水準です。
南区も6.3件と落ち着いており、これらの住宅エリアはファミリー層も安心して暮らしやすい環境といえるでしょう。
一方、中央区(13.2件)や博多区(12.4件)は数値が高い傾向にありますが、これは多くの人が集まる繁華街ならではの事情が影響していると考えられます。
数値とあわせて、地域の特性を理解することが大切です。
犯罪数が多いのは繁華街
福岡市全体の犯罪認知件数を詳しく見ると、その多くが天神駅周辺や博多駅周辺といった人流の多い繁華街エリアに集中していることがわかります。
2018年のデータでは、人口1,000人あたりの犯罪認知件数は天神駅周辺で42.6、博多駅周辺で35.4と突出していました。
参考:第2章 犯罪の現状 – 福岡市
こうしたエリアは県外からも多くの人が集まるため、どうしてもトラブルの件数も増えてしまう傾向にあるようです。
また、2023年の福岡市の犯罪種別は、下記のとおり窃盗犯が多い結果でした。とくに自転車盗難が多く、市民生活に身近な犯罪の一つです。
| 刑法犯認知件数の包括罪種別 | 割合 |
|---|---|
| 窃盗犯 | 70.7% |
| 粗暴犯 | 8.7% |
| 知能犯 | 5.3% |
| 風俗犯 | 1.7% |
| 凶悪犯 | 0.7% |
| その他 | 12.9% |
住宅街に目を向けてみると、街灯の整備が進んでおり、穏やかな環境が保たれている場所も少なくありません。
利便性と治安のバランスを考慮しながら、エリアを選ぶことが重要だといえるでしょう。
なぜ福岡の治安は悪いと言われる?昔と現在の差
漠然と、「福岡は治安が悪い」というイメージを持つ人もいます。その理由について過去のエピソードを交えて解説します。
過去のイメージを持ち続けている人がいる
かつて福岡では、暴力団同士の対立や過激な事件が報道された時期がありました。そうした過去のニュースが強い印象として残り、「福岡は怖い」というイメージに繋がっているのかもしれません。
しかし、現在は警察による取り締まりが非常に強化されており、日常生活で暴力団による危険を感じる場面はほとんどないといわれています。暴力団の構成員は12年連続過去最少を記録し、ピーク時から7割も減少したと県警が報じました。
福岡県警が公開している暴力団分布図でも、福岡市で確認されている暴力団は少ないことがわかります。
参考:福岡県警察 暴力団の壊滅
過去のエピソードと現在の街の様子は大きく異なっているため、過度に心配する必要はないと考えられます。
人口が増加傾向にある
福岡市は人口が増加している地方都市です。多くの地方自治体が人口減少に悩まされている状況ですが、福岡市の将来人口推計によると、2040年頃まで人口が増え続け、約170万人に達すると見込まれています。
参考:福岡市の将来人口推計
人口が増えれば比例して軽微なトラブルや交通違反の数も増えるため、統計上の件数が多く見えてしまう側面があるようです。
活気がある街だからこそ、賑わいによる騒音や人混みが「治安の不安」として捉えられることもあるでしょう。一方で人口が増えることで税収が増え、防犯カメラの整備といったインフラ投資を行う可能性も見込まれるため、「治安が悪くなる一方」とは言い切れません。
移住を検討する際は、人口増加の背景にある「街の利便性」と「住みやすさ」にも目を向けてみるのが良さそうです。
下記記事で福岡市の移住に関する情報を解説しているので、あわせてお役立てください。
関連記事:福岡市に移住する魅力とは?おすすめエリアや補助金制度を紹介
福岡の治安や災害リスクをマップで可視化!
福岡の治安を知りたい方には、さまざまなマップが有効です。詳しく見ていきましょう。
福岡市の犯罪発生マップはある?
福岡市には「犯罪発生マップ」はありません(2026年1月の情報です)。
ただし、福岡市では区ごとに「安心安全マップ」が公開されており、交通事故や事件で気をつけた方が良いポイントを紹介しています。
「福岡市 安心安全マップ」という文言で検索するとヒットするので、気になる方は調べてみましょう。
また、福岡県警が公開している事件事故発生・検挙掲示板で、事件の発生に関する情報が確認できます。掲載期間は短いものの、直近の事件を知りたい場合に役立つでしょう。
マップで確認!交通事故数が多いエリア
治安と同じくらい注意したいのが交通事故です。
福岡市は交通量が多く、大きな幹線道路が交差するエリアでは事故の発生率が高まる傾向にあります。
とくに、お子様と一緒に歩く機会が多い方は、歩道が広く確保されているか、ガードレールが設置されているかをGoogleマップのストリートビューで事前に確認しておくのがおすすめです。
交通事故の発生状況については福岡県警察が公開している「交通事故発生速報」で確認できます。
また、国土交通省が公開している「事故危険箇所検索マップ」を使用すると、交通事故に注意が必要な住所・地図が表示されるので便利です。
交通事故の発生状況を把握しておけば、事故の少ないエリアで物件探しができるため、欠かせないチェックポイントとなります。
災害リスクを知るならハザードマップ
安全な暮らしを実現するためには、防犯だけでなく自然災害への備えも欠かせません。
福岡市のハザードマップでは、浸水想定区域や土砂災害警戒区域などが詳細に記されています。
近年は局地的な豪雨も増えているため、治安だけでなく水害のリスクも確認しておくのが望ましいでしょう。
地盤の強さや避難場所の確認を含め、トータルで「安全」と言える場所を見つけることが、長く快適に住み続けるコツです。
参考:福岡市総合ハザードマップ
福岡で治安が懸念される地域5つ
口コミや歴史、イメージなどの理由から「治安が悪い」と言われがちな福岡市の地域5つについて解説します。
1.博多区 中洲の治安|繁華街ならではの注意点
九州最大の歓楽街として知られる中洲エリアは、夜遅くまで多くの人で賑わいます。
飲食店や娯楽施設が密集しているため、お酒にまつわるトラブルやキャッチの多さが指摘されることもあるようです。
大きな通りは明るく活気がありますが、一歩路地に入ると雰囲気が変わる場所も見受けられます。
一人歩きには一定の注意が必要とされるため、女性やファミリー層が住む場所というよりは、グルメや観光を楽しむためのスポットとして捉えるのが一般的でしょう。
2.中央区 天神の治安|人流の多さに注意
天神は福岡のトレンドが集まる中心地であり、ショッピングや通勤で多くの人が行き交います。利便性に優れますが、人の流れが絶えないため、置き引きや接触事故などのトラブルが発生しやすい環境といえるでしょう。
とくに、週末の夜間は賑やかさが増すため、静かな環境を求める方には向かないかもしれません。また、公園や緑地が他のエリアに比較して少なく、子育てには向かないという口コミもありました。
天神は活気がある一方で、防犯意識を常に持っておくことが求められるエリアといえます。ただし、防犯カメラの設置数は非常に多いのも特徴です。
参考:福岡県警察 繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証
3.東区 箱崎の治安|再開発エリア特有の死角に注意
箱崎エリアは、九州大学の移転に伴う大規模な再開発が進んでおり、街の景観が大きく変わりつつあります。大学跡地周辺には人通りが極端に少なくなる場所もあり、特有の死角が生まれやすい環境と言えるでしょう。
また箱崎ふ頭周辺は大型トラックなどの交通量が多く、排気ガスが気になるという意見もありました。
利便性の高い地域ですが、夜間は暗さに不安を感じる人も多いようです。
4.早良区 西新の治安|居酒屋・飲み屋が多い
西新は活気ある商店街が魅力の学生街ですが、居酒屋や飲み屋も多いため、夜間は騒がしくなる場面があるようです。
とくに路地裏などは酔客によるトラブルを心配する声もありますが、基本的には親しみやすい街として知られています。
お子様がいる家庭では、繁華街から少し離れた閑静な住宅街エリアを選んだ方が安心かもしれません。賑やかさと静けさの境界線を見極めることが大切です。
5.中央区 春吉の治安|歓楽街に近いエリアは注意
春吉は中洲や天神に隣接しており、近年はおしゃれな飲食店が増えて人気が高まっているエリアです。
しかし、場所によっては歓楽街の延長のような雰囲気が残っており、深夜まで人通りが絶えない場所もあります。
便利な立地ではありますが、住居として選ぶ際はオートロックやモニター付きインターホンの有無を確認するなど、セキュリティ面を重視した方が良いかもしれません。
福岡で治安がいいと言われる場所のランキング
ここでは福岡市の中でも治安がいいと言われるエリアを、特徴も踏まえて5つ紹介します。
1.早良区 藤崎の治安|落ち着いた住宅街が魅力
藤崎は、福岡市内でも有数の文教地区として知られ、非常に落ち着いた雰囲気が漂うエリアです。
区役所や図書館などの公共施設が集まっており、治安が悪いという口コミも少ない地域です。街路樹が整備された歩道も多く、お子様連れでも安心して散歩を楽しめる環境が整っています。
繁華街がないため、夜間も静かに過ごせることが多く、平穏な日常を大切にしたいファミリー層にとって、有力な候補地の一つといえるでしょう。
2.中央区 大濠公園の治安|夜も静かで安全
市民の憩いの場である大濠公園周辺は、高級住宅街としても名高く、治安の良さには定評があります。
公園内はランニングや散歩をする人が多く、夜間でも一定の人通りがあるため、死角が少ないのが特徴です。
周辺には警察署もあり、パトロールが頻繁に行われていることも安心感に繋がっています。家賃相場はやや高めですが、静かな環境で暮らしたい方には魅力的なエリアといえるでしょう。
3.城南区 七隈の治安|文教地区で子育てに最適
福岡大学のキャンパスがある七隈エリアは、穏やかな学生街としての側面を持っており、治安も比較的安定しています。
住宅街が広がっているため、近隣住民同士の目も行き届きやすく、防犯面での安心感があるようです。子育て世帯が多く住んでいることもあり、公園や教育施設が充実している点も魅力といえるでしょう。
派手さはありませんが、等身大の暮らしを安心して送れる街として、多くの方に選ばれているエリアです。
4.西区 姪浜の治安|女性も安心のエリア
姪浜は地下鉄空港線の始発駅であり、通勤の利便性と治安の良さが両立した人気の街です。
駅周辺にはスーパーや商業施設がまとまっており、夜でも明るく人通りがあるため、女性の帰宅時も安心感があるといわれています。
海に近い開放的な雰囲気も相まって、のびのびと子育てをしたい家庭にも選ばれることが多いようです。再開発が進んで街並みが整っていることも、防犯や安全性の向上に一役買っていると考えられます。
福岡市は地下鉄七隈線の橋本駅・姪浜駅間を延伸することも検討しており、将来的に、さらに利便性が高まる可能性もあります。
5.南区 大橋の治安|学生も多く活気ある住宅街
西鉄電車の特急が停車する大橋駅周辺は、適度な活気と落ち着きが同居するエリアです。
大橋エリアは南区のなかでも利便性が高く、さらに文教地区としての一面もあることから、治安を乱すような大きなトラブルは少ないエリアとされています。近隣には九州大学の大橋キャンパスや純真学園大学などの大学が点在しており、学生街としての活気もあります。
駅周辺には飲食店が多いものの、少し歩けば閑静な住宅街が広がっており、バランスの取れた住環境が魅力です。
利便性を重視しつつ、安心して暮らしたい方に適した街といえます。
福岡で一人暮らしする女性が治安面で後悔しない物件の選び方
福岡市は魅力的な住環境や就業機会の多さから女性からの人気が高く、女性比率が高い政令指定都市です。
参考:福岡市の将来人口推計
ここでは福岡市で女性が一人暮らしする際のエリアの選び方や、防犯について解説します。
繁華街から遠いエリアを選ぶ
女性が安心して暮らすためには、天神や博多といった大規模な繁華街から、電車で数駅離れた住宅メインのエリアを選ぶのがおすすめです。繁華街周辺は便利ですが、不特定多数の人が集まるため、どうしても予期せぬトラブルに遭遇する危険性が高まってしまいます。
また、福岡市の中では、人口1,000人あたりの犯罪件数が少ない早良区(5.5)、南区(6.3)で物件を探すのもよいでしょう。
「福岡で治安がいいと言われる場所のランキング」で紹介した、藤崎や七隈のような落ち着いた住環境が保たれているエリアであれば、賃料が割高でも治安面で安心が得られるはずです。
利便性・コスト・安心感の優先順位を整理してから、エリアを絞りましょう。
街灯の多さと帰宅ルートを必ずチェック!
物件を決める前には、最寄り駅から住まいまでの道を実際に歩いてみましょう。
昼間は問題なくても、夜になると街灯が少なく、人通りが途絶えてしまう場所も少なくありません。
とくに、狭い路地や高い塀が続く道は死角になりやすいため、できるだけ大きな通りを通って帰れるルートを確保できる物件を選ぶのが望ましいでしょう。
街灯の明るさや、周囲にコンビニなどの24時間営業の店舗があるかどうかも大切なポイントです。
2階以上を選ぼう!防犯設備が整った物件選び
住まい自体のセキュリティを高めることも、安全に暮らすポイントの一つです。
1階の物件は外からの侵入リスクが相対的に高まるため、基本的には2階以上の部屋を検討するのが良いでしょう。
また、オートロックやモニター付きインターホン、防犯カメラが設置されている物件は、心理的な安心感だけでなく実質的な抑止力にもなります。少し予算を上げても、防犯設備が充実した物件を選ぶことで、日々の不安を大きく軽減できるかもしれません。
福岡不動産連合隊では、このようなセキュリティを条件に物件を探すことも可能です。物件探しの際に、ご活用ください。
参考:福岡不動産連合隊
福岡の治安に関する質問・疑問
福岡の治安や、福岡市と比較されがちな北九州の治安に関する疑問・質問について回答します。
Q1.北九州の治安が悪いって本当?
A1.いいえ、むしろ住みやすさランキングで上位に食い込むこともあります。
福岡市と同様、北九州市も以前のイメージで語られがちですが、現在は市を挙げての防犯活動も実を結び、治安は改善傾向です。夜間や人通りの少ない路地などで通常の注意を払う必要はあっても、市全体が危険というわけではありません。
Q2.福岡の親不孝通りの治安は?
A2.親不孝通りは若者が集まるクラブや飲食店が多いため、かつては深夜の騒乱やトラブルが懸念された時期がありました。
イメージを払拭しようと、一度は「親富孝通り」へと改称されましたが、旧称に親しみを覚えていた住民も多く、元に戻した経緯があります。警察や地域住民による清掃・パトロールが強化されており、現在は落ち着いた商業エリアとしての側面が強くなっているようです。
Q3.福岡に移住して店舗開業するのは難しい?
A3.福岡は人口増加が続いており、ビジネスチャンスが多い街とされています。
人気エリアは物件の競争も激しいため、事前の市場調査や余裕を持った計画が重要といえるでしょう。その際、治安が良く災害に強いエリアを見つけることも重要です。関連記事「福岡で起業・開業する人向けの支援制度や相談窓口|飲食店ならではのポイント」も参考にしてみてください。
Q4.福岡市博多区千代の治安は?
A4.千代エリアは古くからの街並みと新しい再開発が混在しており、場所によって受ける印象が大きく異なります。
かつては治安を不安視する声もありましたが、千代エリアでは近年は大型商業施設のオープンやマンション建設が進み、街の雰囲気は明るく変わりつつあるようです。利便性は非常に高いため、周辺環境を納得いくまで把握した上で検討するのが望ましいといえます。
福岡で安心の家探しは不動産連合隊!
今回は、福岡の治安について、データやエリアごとの特徴を交えて解説しました。イメージだけで不安を感じるのではなく、正しい情報を手に入れることが納得のいく住まい探しへの第一歩となります。
実際に福岡で物件を探す際には、地元の不動産会社が多数参加している「福岡不動産連合隊」のようなポータルサイトを活用するのが近道です。
理想の住まいを見つけるために、まずは豊富な物件情報から自分にぴったりのエリアを探してみてはいかがでしょうか。