働き方改革におけるリモートワークの促進で、より自由な勤務が可能になった現代。
なかにはゴミゴミとした都会を離れて、のんびりとした田舎暮らしを始めたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そんななか、豊かな自然と広大な大地や四季折々の新鮮な食材など、さまざまな魅力で人々を惹きつけているのが北海道です。
移住したい都道府県ランキングでは毎回6位前後をキープしており、その人気の高さが伺えます。
今回はそんな北海道のなかで、移住に人気な地域をランキング形式でご紹介します。
移住のしやすさを決めるポイントから、それぞれの地域の特色を詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
移住するときに注目したいポイント
北海道は、移住先のなかでも人気が高い地方です。
移住を検討している方のなかには、北海道が気になっている方も多いのではないでしょうか。
そんな北海道は、宝島社が行っている2022年版「移住したい都道府県」ランキングで47都道府県中6位を獲得しています。
しかし、実際に移住をしようと考えたときは、どこに注目して移住先を決めれば良いのでしょうか。
ここでは、移住をするときに注目したいポイントについて紹介します。
移住支援策の充実
移住するときにまず注目したいのが、移住者に対する支援が充実しているかどうかです。
移住支援策は、大きく分けて移住前と移住後に活用できるものがあります。
移住前に活用できる支援策は、お試し移住や移住に関する相談窓口があります。
移住をするときはとくに現地の情報収集が重要となり、理想としている生活と現地での生活に差が生まれないようにすることが必要です。
移住の前に、実際に現地での生活を体験してみることもおすすめです。
移住支援策で行われているお試し移住を活用すれば、短期間だけ現地での生活が体験できます。
移住先が自分にとって本当にベストな選択なのか、しっかりと見極めましょう。
また、移住後のサポートが充実していることも重要です。
移住後の支援には、住宅の購入やリフォームに関する助成や子育て支援、暮らしに関する相談などさまざまな種類があります。
移住後の専用窓口が設置されている場合もあり、暮らしに関する相談ができることもあります。
理想の移住生活ができるように、移住支援の充実した地域を選ぶと良いでしょう。
医療体制
移住先での緊急事態に備えるために、医療施設の充実度もチェックしておきましょう。
ある程度の健康管理はできたとしても、病気やケガのリスクは誰にでもつきものです。
病気になってしまったり、ケガをしてしまったりしたときに、自宅から通院できる病院がないとかなり致命的です。
例えば、急病で救急車を要請した場合、要請から救急車が到着するまでの所要時間は平均約8.9分で、病院へ収容されるまでの時間は平均約40.6分となっています。
移住先に救急対応のできる病院がない場合は、さらに病院までの到着が遅れてしまう可能性も考えられます。
移住を検討する場合は、医療機関に通院しやすい距離かどうかをチェックすることが重要です。
お子様がいる場合は小児科の有無も確認しておきましょう。
また、近くに病院があったとしても、周辺の住民が集中してしまうような病院は、どうしても混雑が避けられないこともあります。
とくに妊婦健診は、かなりの待ち時間になることもあります。
移住先の医療体制はしっかりと確認しておきましょう。
自然環境
せっかく田舎暮らしを満喫するのであれば、自然が充実している場所に住みたいものです。
住宅の近くに自然があるかどうかも重要なチェックポイントになります。
ただし、住宅地と自然のバランスも重要です。
山奥はたしかに自然が豊かですが、日常生活に支障をきたす可能性があります。
逆にあまりにも都心部になってしまうと、都会の暮らしとの違いがなくなってしまい、移住のメリットがあまり感じられません。
自然環境でいえば、北海道はかなりバランスが取れているといえます。
市街地には生活に必要な施設がまとまっており、少し離れると豊かな自然の広がっている地域が多く、暮らしと自然のどちらも充実しています。
自然の近くに住む際は、災害リスクが高くなることにも注意が必要です。
とくに近年は、異常気象の影響で災害の発生リスクが高くなっています。
北海道は雪国であることから、降雪に対する備えがとても重要になります。
年間の降雪量や、行政の除雪対応などをチェックして、日常生活の支障が出ないようにしましょう。
移住者数
実際に移住した人の数も、移住先を決める目安になります。
移住した人が多いほど、それだけ移住者が魅力を感じたポイントが多かったともいえるでしょう。
自治体によっては、移住検討者に向けたセミナーを実施していることもあり、実際に移住したひとから話を聞く機会も設けられています。
すでに移住した人の意見を聞くことで、移住先として自分に合っているのかどうかを感じる目安になるでしょう。
また、自治体によっては移住者同士のコミュニティーを用意していることもあります。
同じ移住者であれば、似たような悩みを経験していることもあり、快適な生活を送るためのヒントが得られるでしょう。
移住先を選ぶための情報収集や、移住後の悩みを解消するためにも、移住者が多い場所を選んでみることも考えてみましょう。
各地域へのアクセスの良さ
各地域へのアクセスのしやすさもしっかりと確認しましょう。
例えば、冠婚葬祭などで道外に行かなければならないときや、定期的に出社をしなければならないときには、自宅から空港が近い場所にあると便利です。
北海道から本州方面へ移動するためには、飛行機や新幹線を利用する必要があります。
各都府県へ移動したいときは、基本的には飛行機を利用することがおすすめです。
実は北海道内には空港が大小10個もあり、場所によってはかなり道外へアクセスしやすくなっています。
新千歳空港は北海道で一番大きな空港であり、年間利用者数も国内で5番目となっています。
移住後も定期的に道外へ移動する可能性があるときは、各地の空港へのアクセスのしやすさも考慮すると良いでしょう。
また、道内での移動のしやすさもしっかりと考えておきましょう。
都市部へのアクセスが良い場所であれば、休日に買い物や遊びで出かけることも簡単です。
北海道で人気の移住地ランキング
ここからは、北海道で人気な居住地をランキング形式で紹介します。
各地域の気候や特色、移住支援などについて紹介しますので、移住を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
北海道移住ランキング1位：沼田町
2022年の調査で、北海道で最も人気な移住先は沼田町です。
沼田町は、旭川市から西に45kmほどの場所にある町で、豊かな自然と田園風景が広がっています。
人口は約3,000人とのんびりとした雰囲気が人気の地域です。
そんな沼田町は「町内を歩いて回ることができる環境づくり～あるくらす」というテーマのもと、コンパクトな町づくりに取り組んでいます。
町外への移動拠点となる沼田駅を中心に、半径500m以内に生活に必要な施設が揃っており、移動を最小限に抑えられることがメリットです。
また、子育てに関する支援も充実しており、認定こども園の整備や小中一貫境域など、教育環境が充実していることも人気の秘密です。
さらに高校生までの医療費の全額補助など、子育てに嬉しいサポートが充実しています。
沼田市では、移住生活を体験できる「ちょっと暮らし」を実施しています。
実際の生活を体験することで、具体的な生活をイメージできるでしょう。
北海道移住ランキング2位：深川市
深川市は、北海道のほぼ中心に位置する地域です。
市内を石狩川が流れており、肥沃な大地ではりんごや深川牛などの農産物が盛んに作られています。
都市部へのアクセスのしやすさも魅力で、電車で札幌市まで約1時間、旭川市まで約20分で移動できます。
また、新千歳空港と旭川空港の2つの空港が利用でき、道外への移動もスムーズです。
さらに人口約2万人の深川市には、医療機関や教育機関が複数あることもポイント。
医療機関は、病院が5院、診療所が12箇所、歯科医院が13院あります。
深川私立病院では、婦人科や小児科などさまざまな外来に対応しており、万が一の場合も安心して生活できる医療体制が整っていることがポイントです。
また、市内には学童保育園付きの小学校が6校、中学校が2校、高等学校が3校あり、教育機関も充実していることも特筆すべき点です。
認定保育園も8園あり、待機児童0名を達成しています。
都市機能と自然のバランスがよく、生活が安定しやすいことから、深川市は居住地として非常に人気なエリアといえるでしょう。
北海道移住ランキング3位：旭川市
旭川市は北海道第2の都市として知られ、充実した都市機能が魅力です。
その反面、周囲を大雪山連峰や十勝岳連峰に囲まれており、雄大な自然も感じられる地域になっています。
農業のほかにも、製造業や建設業が盛んな地域であり、各地方への物流拠点としての機能も持っています。
また、旭山動物園やスキー場、キャンプ場などのアクティビティも充実しており、観光地としても人気が高い地域です。
旭川市では、移住に関するオンライン相談が実施されています。
具体的に移住を検討している人以外にも、将来的に移住を考えている人まで、幅広い相談に応えてくれます。
定期的に移住に関するイベントも開催しており、旭川市の情報や移住に関する情報収集が可能です。
各都府県でイベントを開催することもありますので、旭川市が気になる方はホームページをチェックしてみましょう。
北海道移住ランキング4位：下川町
下川町は北海道北部に位置する地域で、人口約3,000人の小規模な町です。
町の広さにおける森林面積が約90％と、かなり自然があふれる地域でもあります。
また下川町は、2011年に環境未来都市に指定されています。
環境未来都市とは、環境保全や少子高齢化問題など、今後社会が直面するであろう問題に先進的に取り組み、「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」を目指すプロジェクトです。
実際に下川町では、森林総合産業の創造やエネルギーの自給、少子高齢化対策に取り組んでおり、他の自治体よりも先進的な施策が実施されています。
さらに人口の少ない場所ながら医療や福祉、生活施設も充実しており、安定した生活ができる点も魅力です。
農業や林業も盛んに行われており、移住を機に一次産業への就職を検討している人にもおすすめ。
自然あふれる地域で、のんびりとした田舎暮らしを満喫しましょう。
北海道移住ランキング5位：三笠市
三笠市は、ちょうど札幌市と旭川市の間に位置する地域で、都市部へアクセスがしやすくなっています。
札幌市、旭川市や新千歳空港などの主要都市へは、約1時間程度で移動が可能です。
北海道の石炭と鉄道の発祥の地として栄えた地でもあり、歴史のある場所としても有名。
また、市の中心部にある桂沢湖や周辺を山々に囲まれた土地は、豊かな自然があふれています。
三笠市は2020年頃から急激に移住者数を伸ばしており、移住先として注目が集まっていることが特徴です。
その理由として、手厚い子育てサポートや住宅サポートが挙げられます。
子育て支援策としては、医療費の補助や紙おむつの購入補助、保育園料の助成など、幅広いサポートを実施。
また、住宅支援として住宅の購入費用の助成や若者世帯の家賃助成が実施されており、多くのサポートが受けられる点がポイントです。
また、移住に関する相談窓口も開設されていますので、安心して移住ができるでしょう。
北海道移住ランキング6位：砂川市
砂川市は札幌市と旭川市の中心に位置する地域で、都市部へのアクセスの良さが魅力です。
市内にはJR函館線のほか、国道12号線や道央自動車道が通っており、車でも移動しやすくなっています。
また、北海道こどもの国やオアシスパークなどの公園があり、市民1人当たりの都市公園面積が日本一です。
広々としたスペースでゆっくり過ごせることは、地方移住の醍醐味の1つといえるでしょう。
生活機能としては、センター病院に指定された市立病院があり、高度医療から救急救命まで幅広い医療が提供されています。
生活に必要な施設が国道沿いに集まっていることから、車がなくても生活ができることも便利です。
市内のバスや乗り合いタクシーを活用すれば、日常生活で不便を感じることは少ないでしょう。
砂川市では、独自のお試し移住を実施しています。
実際の市内の空き家に短期間の移住をすることで、リアルな生活が体験できるでしょう。
北海道への移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
北海道移住ランキング7位：池田町
池田町は帯広市の東に位置する町で、十勝平野に面しています、
人口は約7,000人と比較的小さな町で、農業や畜産業が盛んに行われています。
また、名産品として十勝ワインが有名で、広い土地を生かしたブドウ栽培も盛んです。
池田町からは帯広空港が近く、首都圏へのアクセスの良さが人気の理由のひとつ。
羽田から帯広は約1時間30分となっており、ほかの地域よりも移動しやすいことが特徴です。
また、広大な土地を活かした住宅支援も行われており、市内の約70％の人が持ち家を所有しています。
住宅の購入費用やリフォーム費用の助成も行われており、夢のマイホームを立てる場所として人気が高い場所です。
JR池田駅と利別駅を中心に街が広がっており、生活に必要な施設がコンパクトにまとまっていることもポイント。
ちょっと暮らしによる短期移住も行っていますので、気になる方はぜひ一度足を運んでみてください。
北海道移住ランキング8位：恵庭市
恵庭市は、札幌と新千歳空港のほぼ中間に位置する市で、都市機能と自然のバランスが取れた地域です。
札幌市へのアクセスもよく、電車を使えばおよそ30分以内で市内にアクセスできます。
住宅は恵庭市に構えて、札幌市内の会社に通勤するといったライフスタイルも可能です。
また、新千歳空港からも近く各都府県へのアクセスも良好。
飛行機を使えば恵庭市から約2時間前後で羽田空港に着くため、ほかの都市よりも移動しやすいことが特徴です。
また恵庭市は夏の平均気温が約20℃で、降雪が少ない地域としても知られています。
北海道のなかでは降雪量も少ない地域で、冬も安定的に生活ができるでしょう。
恵庭市では、移住担当者が市内をガイドしてくれる、オーダーメイドツアーを開催しています。
移住前に市内を見て回ることで、実際の生活をイメージしやすくなるでしょう。
さきほど紹介した通り、恵庭市は各都府県からのアクセスがしやすいため、移住を検討するときは、一度足を運んでみると良いでしょう。
北海道移住ランキング9位：栗山町
栗山町は道央に位置する町で、新千歳空港と苫小牧港から約1時間程度の場所にあります。
町の中心部は札幌市に近い北西部にあり、鉄道や国道などの移動手段が充実していることも特徴です。
札幌市が近いことや、都市機能が充実しているだけでなく、自然とのバランスが良いことも移住先としての人気を高めています。
栗山町には、国蝶であるオオムラサキの生息地としても知られており、豊かな自然ときれいな空気が堪能できるでしょう。
栗山町は、条例によって都市を「自然景観」「農村景観」「まちなみ景観」の3つの区分に分けています。
そのため、生活に必要な充実した都市機能を保ちつつ、田園風景や豊かな自然が楽しめる場所になっているのです。
移住生活の醍醐味である田舎暮らしを経験しながら、安定した生活を送りたい人におすすめな町といえるでしょう。
北海道移住ランキング10位：東川町
東川町は大雪山系の麓に位置する町で、大自然を思う存分に満喫できる場所にあります。
大雪山から流れる豊富な雪解け水が地下に染みており、全国有数のきれいな水が特徴です。
東川町は、国内でも数少ない上水道がない町として知られています。
日本国内では、約98％の場所で上水道が整備されており、ほとんどの場所で水道局などで濾過された水が供給されています。
しかし、豊富な雪解け水を地下に蓄えている東川町では、ほとんどの住宅が井戸水を利用しているのです。
つまり、蛇口をひねればいつでもミネラルウォーターが出てくるようなもので、飲水としてはもちろん、料理の味を際立ててくれます。
また、きれいな水を使った食べ物づくりも盛んであり、お米や野菜の生産、豆腐や味噌づくりなどが行われています。
都会では味わえない田舎暮らしの良さを存分に体感できるでしょう。
北海道移住ランキング11位：釧路市
釧路市は北海道東部の太平洋に面した市で、日本有数の港である釧路港でも有名です。
雄大な海に面したこの地は、涼しく過ごしやすい気候が人気の場所であります。
釧路市の7月〜9月の平均気温は約21.2℃。
同じ時期の東京都の平均気温が約29.7℃であることを考えると、かなり涼しい地域であることが分かります。
寒冷な気候であることから降雪が多い地域と思われがちですが、じつは札幌や旭川市と比べると雪が少ない地域なのです。
冬晴れの日が多く、雪かきの回数を減らせることは北海道暮らしでは大きなメリットといえます。
また、釧路市にはスギやヒノキといった花粉症の原因となる木が自生していません。
そのため、アレルギーなどの悩みを持つ人にとっては、非常に嬉しい地域ともいえます。
釧路市では、移住を検討するための長期滞在を支援する取り組みが行われています。
市内のホテルや交通事業者などと連携し、釧路での生活をリアルに体験可能です。
都会よりも快適な暮らしがしたいという方は、ぜひ釧路市のお試し滞在を活用してみましょう。
北海道移住ランキング12位：長沼町
長沼町は、メロンで有名な夕張郡の一部であり、石狩平野を臨む豊かな土地です。
都市部へのアクセスも非常に良好で、車を使えば約30分で札幌市に到着します。
また、北海道のさまざまな場所の気候が含まれていることで、道内で栽培されている農作物のほとんどが長沼市でも生産可能。
豊かな自然がある一方で、しっかりとした都市機能も備えており、市内を中心に暮らしに必要な施設がすべて揃っています。
キャンプ場やスキー場、源泉かけ流しの温泉など、充実したアクティビティが揃っていることも特徴。
全国の学生が修学旅行の地として訪れる場所でもあります。
長沼市では、移住に関する情報を提供するLINE公式アカウントが用意されています。
長沼市の魅力や、移住に関する情報が知りたい方は、ぜひ登録してみましょう。
北海道への移住で快適な田舎暮らしを
今回は、北海道で人気な居住地を紹介しました。
大きな環境の変化を伴う移住は、慎重に検討することが必要です。
とくに寒冷地である北海道では、住居選びが重要になります。
また、各自治体で取り組まれている短期移住や相談窓口などを活用して、移住前の不安はできるだけ取り除けるようにすることがおすすめです。
今回紹介した地域の移住のポイントを参考に、快適な田舎暮らしができるようにしましょう。
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