近場への引っ越しを検討する際、「距離が近いから楽だろう」と安易に考えてしまうと、思わぬ出費や手間がかかることがあります。
引っ越しの相場は距離や荷物の量によって変わるため、遠方の場合と同じコストになってしまうこともあるからです。
また、なぜ近距離の引っ越しが良くないといわれることがあるのか、その理由を正しく理解しておくことが大切です。
近場の引っ越しだからこそ発生しやすいリスクや注意点について把握し、新生活に備えましょう。
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目次
近場の引っ越しが良くないといわれる理由は?
近場に引っ越すこと自体が良くないわけではありません。情報収集不足や対策不足によって、結果的に失敗することがあるため良くないといわれることもあります。
詳しく見ていきましょう。
意外と費用と手間がかかる
近距離だからといって、引っ越し費用が劇的に安くなるとは限りません。
引っ越し業者の料金体系は人件費や車両費が大きな割合を占めるため、移動距離が1kmでも10kmでも基本料金に大差がないケースも多いといわれています。
また、自力で荷物を運ぶ場合、何度も往復することでガソリン代やレンタカー代が積み重なり、結果として手間ばかりが増えてしまう可能性もあります。
とくに、体力に自信がない人や腰痛のリスクがある人は、自力で引っ越しした場合に体調を崩す可能性が高いので、注意が必要です。
引っ越し準備や各種手続きについては下記記事でも解説しているので、あわせてお役立てください。
関連記事:ストレスフリーな引っ越し準備のコツは?各種手続きについても解説
セルフ引っ越しは新居を傷つけるリスクあり
「近所だから自分たちで運ぼう」と、養生をせずに家具を運び入れるのは危険です。
慣れない作業で壁や床に傷をつけてしまうと、賃貸物件であれば退去時の原状回復費用が発生したり、新築物件では資産価値を損ねたりする恐れがあります。
プロの引っ越し業者が行うような適切な保護(養生)を個人で完璧に再現するのは難しく、慎重な判断が求められるポイントといえるでしょう。
引っ越しのリフレッシュ効果が薄い
環境が大きく変化しない近場への住み替えは、安心感がある一方で、新生活への高揚感やリフレッシュ効果が薄れがちです。
「近いから」とセルフ引っ越しをした結果、疲れてしまい、いつまでも段ボールに囲まれた生活が続いてしまうといった懸念もあります。
心理的な切り替えが難しい点は、近距離引っ越し特有の課題といえるかもしれません。
近距離引っ越しの費用相場は?
「近場への引っ越しなら、費用はかなり安く抑えられるのでは」と考える人も多いでしょう。しかし、引っ越し費用は距離や荷物の量によって変動します。
ここでは、パターンごとの引っ越し費用の相場について解説します。
近距離の目安は15km以内
引っ越し業界における「近距離」の目安は、一般的に同一市区町村内や、移動距離が15km程度を指すことが多いようです。
中には、徒歩圏内や1km以内を専門に扱うプランを提示している引っ越し業者も存在します。
移動時間が短いため、作業開始時間を業者の都合に合わせる「フリー便」などを活用すると、さらに費用を抑えられる可能性があります。
単身の近距離引っ越しなら2万円台が相場の目安
荷物が少ない単身者の近距離引っ越しであれば、通常期で2万円から3万円程度が相場の目安となるようです。引っ越し距離が1km~5kmほどの超近距離であれば、さらに安くなる例も考えられます。
ただし、これは大型家電が少ない場合や、梱包をすべて自分で行うことを前提とした価格帯です。
繁忙期や土日祝日を指定すると、近距離であっても料金が数割増しになることがあるため、見積もり時にカレンダーを確認しておくと良いでしょう。
下記記事で賃貸や引っ越しの繁忙期について解説しているので、こちらもお役立てください。
関連記事:賃貸の繁忙期はいつ?引っ越しのピークと4月入居の逆算スケジュールを解説!
家族の近距離引っ越しは4万円以上の予算が目安
近距離引っ越しは、荷物量に応じてトラックのサイズや作業員の数が増え、予算が変動します。ケースバイケースですが、一般的に家族の人数が増えれば予算も増えるため、4万円から8万円程度、場合によってはそれ以上の予算を見込んでおくべきです。
距離が近くても、積み込みと積み降ろしの時間は荷物量に比例してかかります。
少しでも安く抑えたい場合は、不用品を事前に処分して荷物自体を減らす工夫をするなどの対策が有効です。
セルフ引っ越しの隠れコスト
「自力の引っ越しなら費用が抑えられる」と思いがちですが、実際にはレンタカー代・梱包資材代・手伝ってくれた友人への謝礼や飲食代など、細かな出費が発生します。
また、作業中に壁を傷つけた場合の修理代や、無理をして体調を崩した際の医療費といった「見えないリスク」も考慮しなければなりません。
これらの合計が業者への依頼費用を上回らないか、事前に試算してみましょう。
近場の引っ越しを成功させるには?
近場への引っ越しを成功させるには、搬入導線や養生など、いくつかのコツがあります。詳しく見ていきましょう。
新居を傷つけない搬入動線を作る
家具や家電をスムーズに運び入れるためには、事前に正確なサイズ計測を行い、搬入動線を確保することが不可欠です。
玄関だけでなく、廊下の幅やドアの高さ、搬入時に角を曲がれるかどうかを細かく確認しておきましょう。
また、動線上に障害物がない状態を作ることで、接触による破損リスクを大幅に下げられる可能性があります。
引っ越しの養生を行う際の注意点
自分で引っ越しの養生を行う場合、まず、「どこからどこまで養生するか」を決めましょう。「傷つけやすい」と考えられる箇所を選んだ方が、すべてを養生するより効率的かつ効果があります。
養生した方が良い箇所などのチェックリストを下記にまとめましたので、参考にしてみてください。
| 養生箇所 | アイテム名 | 目的 |
|---|---|---|
| 廊下の壁、エレベーター周り | プラスチック段ボール (プラダン) | 家具類が衝突してできる傷を防止。 |
| 玄関から部屋までの床面 | 養生マット・ブルーシート ※厚手の方が安心 | 床の擦れ傷や汚れを防止。 |
| 資材の固定、ドアの仮止め | 養生テープ | 家具・建具の損傷防止。 剥がしやすく糊が残りにくい緑色のテープが一般的。 |
| 柱の角、ドア枠の角 | コーナーガード (L字当て) | ぶつけやすい角をピンポイントで保護し、傷を防止。 |
| 家具・家電の梱包 | ジャバラ (キルティング) | 伸縮性のある布製カバー。 大物を丸ごと包む。 |
| 大型家具 | 毛布 ※汚れても良いもの | 大型家具の保護。 床を引きずる際のクッションとしても使用。 |
ほかにも、階段や手すりなど、「荷物を持っていたらぶつけるかも」という懸念がある場所は、養生しておいた方が無難です。
養生用のアイテムは、ホームセンターなどに売っています。時間があるならネット通販で購入するのも良いしょう。
疲労を避ける段取りを組む
近距離だからと一気に終わらせようとせず、スケジュールに余裕を持つことが疲労軽減のコツです。
使用頻度の低いものから計画的に梱包を進め、当日は「大型家具のみ引っ越し業者に任せる」といった分担を検討するのも良いでしょう。
無理なスケジュールは怪我やトラブルの元になりかねないため、体力を過信しすぎない計画を立てましょう。
セルフ引っ越しと引っ越し業者を比較する
自力での引っ越しは「安さ」が魅力ですが、引っ越しのプロに依頼すれば「安心と時短」が手に入ります。
重い荷物の運搬や、万が一の破損に対する補償がある点も引っ越し業者を利用する大きなメリットです。
荷物量や自分の体力、確保できる時間を冷静に見極め、トータルのコストパフォーマンスで判断するのが賢明です。
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大型家具・家電のみ運ぶ料金は?引っ越し業者と便利屋を比較
近距離引っ越しの際に、「大型の家具・家電は自分で運びたくない」という人もいるでしょう。
引っ越し業者によっては大型家具・家電だけを運ぶプランもあります。詳しく見ていきましょう。
引っ越しで大きいものだけ運んでもらう場合の相場は?
同一市内で冷蔵庫や洗濯機、ベッドなどの大型家具・家電のみを運んでもらう場合、1万円から2万円台が一般的な相場とされています。
サイズや数量によっては追加料金が発生することもありますが、通常の引っ越しパックよりも安価に抑えられる可能性が高いでしょう。
大手業者の限定プランを活用する
サカイ引越センターやヤマトホームコンビニエンスなど、大手引っ越し業者の中には「家具1点」や「少量の家具」の配送を請け負うサービスがあります(2026年3月の情報です)。
これらのプランにはプロによる梱包と設置が含まれているため、大切な家具を傷つける心配が少ないのが利点です。
補償内容も明確な場合が多いので、高価な家電や思い出の品を運ぶ際には、信頼性の高い大手プランを検討してみてはいかがでしょうか。
便利屋に1時間単位で依頼し安く抑える
「とにかく費用を最小限にしたい」という場合、便利屋へ時間制で依頼する方法も選択の一つです。
1時間あたり数千円〜という設定のところも多く、近距離であれば短時間で終わるため、引っ越し業者に依頼するより安く済む可能性があります。
また、中古品の買い取りを行っている便利屋もあるので、引っ越しと同時に不必要になった家具・家電などを売却して、引っ越し費用をさらに抑えることも考えられます。
ただし、便利屋は引っ越し専門ではないため、養生の質や破損時の補償内容については事前に十分な確認が必要です。
超近距離引っ越しは安いって本当?失敗しないコツ
ここでは、5km以内の「超近距離」引っ越しについて解説します。
超近距離の目安は徒歩圏内や5km以内
「超近距離」引っ越しの目安は、同じ町内やエリア内に該当する1km~5km以内といわれています。引っ越し業者によっては10km以内を超近距離とみなす場合もあり、定義は明確ではありません。
「超近距離ならセルフ引っ越しで十分だろう」思いがちですが、意外な時間・手間がかかることもあります。たとえば、建物の構造によってはトラックを停める位置が遠くなったり、エレベーターの往復回数が増えたりといったパターンが考えられます。
移動距離が短いからこそ、搬入経路を意識した計画を立てましょう。
超近距離引っ越しの費用相場は?
超近距離であっても、引っ越し業者の基本料金(最低拘束時間分)が発生するため、「数千円」といった低価格にはなりにくいのが実情です。
たとえば、単身者の場合、近距離引っ越しの相場2万円台に対して、超近距離引っ越しは1万円台に収まる場合が多いようです。
繁忙期でなければ、交渉次第では相場より安くなる可能性もあるでしょう。複数の業者に見積もりを依頼し、近距離ならではの割引を提示してくれるところを探してみると良いかもしれません。
超近距離だからこそ梱包は丁寧に
近距離引っ越しで「すぐそこだから」と、中身が透けるゴミ袋で運んだり、食器を緩衝材なしで箱に詰めたりするのは避けましょう。
距離に関わらず、運搬中の振動や揺れによって破損の原因になりかねません。
また、近隣住民の目に触れる機会も多いため、プライバシーの確保という観点からも、しっかりとした箱詰めを行うのが推奨されます。
不用品は事前に処分し荷物量を減らす
引っ越しは、これまでの持ち物を見直す絶好の機会です。
超近距離の移動であっても、不要なものを新居に持ち込むのは、スペースの無駄遣いになってしまいます。
とくに、大型の家具や家電で買い替えを検討しているものがあれば、引っ越し前に処分しておくことで運搬費用を抑えやすくなります。
自治体の回収ルールや引っ越しスケジュールを確認し、計画的に不用品を処分していきましょう。
近場の引っ越しに関する質問・疑問をスッキリ解消
近場の引っ越しに関する質問や疑問に答えるコーナーです。
Q1.徒歩圏内なら自力で荷物を運ぶべき?
A1.徒歩圏内の引っ越しであれば台車などを使って自力で運ぶことも可能ですが、悪天候のリスクや体力の消耗を考えると、すべてを一人で行うのは負担が大きいかもしれません。
とくに、雨で家具が濡れてしまうと、カビやシミが発生する可能性があります。小物類は自力で運び、重いもの、大きいものだけプロに任せる「ハイブリッド形式」が、効率的で安心できる方法といえるかもしれません。
Q2.近距離でも引っ越しの一括見積もりは必要?
A2.近距離こそ、引っ越しの見積もり比較が重要です。
引っ越し業者によって「近距離割引」の有無や、大物限定プランの料金設定が大きく異なるからです。1社だけの提示額では、それが適正価格かどうか判断するのは難しいでしょう。複数の引っ越し業者から見積もりを取ることで、自分の求める条件に適しているか、コストが見合っているかを判断しやすくなります。
Q3.近場の引っ越しで起きやすい失敗例は?
A3.近場の引っ越しでよくある失敗として「旧居の掃除が疎かになる」という点が挙げられます。
近場ゆえに「後で掃除に来ればいい」と考えがちですが、引っ越し当日は予想以上に疲弊し、時間が取れなくなるケースが多いようです。退去時のトラブルを避けるためにも、清掃も引っ越し準備のスケジュールに組み込み、当日の作業を減らすことが推奨されます。
Q4.近場の引っ越しは運気が下がる?
A4.「近場の引っ越しは運気が下がる」という言葉の裏には、環境の変化が少ないことによる「心理的な停滞感」が関係していると考えられます。
遠方への引っ越しに比べて生活圏が変わらないため、新生活への切り替えがうまくいかず、モチベーションが上がりにくいことが原因の一つかもしれません。近場へ引っ越したからといって「運気が下がったのでは」と過度に心配せず、新生活を前向きな気持ちで始めることが大切です。
Q5.近場での引っ越し先の決め方にコツはある?
A5.近場での住み替えでは、現在の生活圏の利便性を維持しつつ「今の住まいの不満点」を解消できる物件を選ぶのが成功のコツといえます。
たとえば「日当たりが悪い」「収納が少ない」といった具体的な悩みを明確にし、それをクリアする物件に絞り込むことで、近距離でも引っ越す価値が高まるでしょう。引っ越し先の決め方については関連記事「引っ越し先の決め方は?決める時期、やること、おすすめエリアなどを解説!」もご覧ください。
近場に引っ越しするなら事前に情報収取しよう!
近場の引っ越しは、一見すると簡単で費用の負担が少ないように感じますが、事前の準備や引っ越し業者の選び方一つで大きく変わります。早めに情報収集を行い、損のない引っ越しにしましょう。
自力とプロに頼むメリット・デメリットを比較検討し、自分に合ったプランを見つけることが、近距離引っ越しの成功への第一歩です。
引っ越し費用を抑えつつ、スムーズに新生活を始めたいとお考えの方は、引っ越し予定先の物件情報や相場をチェックしてみてはいかがでしょうか。「不動産連合隊」では物件情報を豊富に掲載しています。新しい住まい探しの際に、お役立てください。
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