高校や大学に進学の際、初めて一人暮らしをする人もいます。さまざまな賃貸物件がありますが、学生用に特化した「学生マンション」を検討する人も多いでしょう。
学生マンションは、原則学生のみ入居できる物件です。
一般の賃貸物件に比べてセキュリティが高く、学生が安心して生活できるメリットがあります。一方で、賃料が高く、供給量が少ないという点がデメリットです。
本記事では「学生マンション」について詳しく解説しています。進学による一人暮らしを予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:大学生の一人暮らし!部屋探しのポイント6選|よくある失敗を避けるには?
大学入学前の部屋探しを徹底解説!アパートの仮押さえをするならいつから?
目次
学生マンションと一般の賃貸物件の違い

学生マンションと一般の賃貸物件には、次のような大きな違いがあります。
- 学生だけが入居できる
- 卒業後は退去が求められる
- 更新が年に1度
それぞれ詳しく見ていきましょう。
学生だけが入居できる
一般向けの賃貸物件は、基本的に誰でも入居が可能です。しかし、学生マンションに入居できるのは原則「学生のみ」です。専門学校生や大学生など、入学証明書の提出が可能な人しか入居できません。
また、学生マンションには学生に配慮した食事付きの物件もあります。提供される時間帯は朝7~9時、夜は18時30分~20時が多い傾向です。このようなサービスがあるのも、一般の賃貸物件との大きな違いと言えるでしょう。
食事のサービスが付帯する物件であれば、食事の時間は守らなければなりません。しかし、基本的に学生マンションは一般的な賃貸物件と同様、自由な暮らしが可能です。門限もなく、友人や恋人を招けます。
入居できるのが学生に限定されるため、学生マンションは、初めて一人暮らしをする学生にとって、安心感が得やすい物件と言えるでしょう。
卒業後は退去が求められる
学生マンションは基本的に「学生の間のみ」というのが入居の条件です。そのため、物件が気に入っていたとしても、大学や専門学校を卒業したタイミングで退去しなければなりません。
ただし、卒業後にほかの学校に進学したり、大学院に進んだりした場合は、住み続けることが可能です。
「卒業後も同じエリアで暮らしたい」と考えている人は、一般の賃貸物件を選んだ方が引っ越しの手間を省けるでしょう。
更新が年に1度
賃貸物件の更新は、2年おきが一般的です。
しかし、学生マンションは1年更新のところが多く、毎年更新料や入館料が発生する可能性があります。
1年更新の理由として、1年制・3年制の専門学校に通う学生や留学・転学によって退去する学生がいることが挙げられます。
更新の頻度については、入居者の入れ替わりが多い学生マンションならではの事情と言えるでしょう。
学生マンションのデメリット

学生マンションのデメリットには次のようなものがあります。
- 費用が高め
- 物件数が少ない
- 音に悩まされる場合がある
- 自由とは限らない
学生マンションは物件ごとに特徴が異なるので、事前に管理会社などに問い合わせてミスマッチを防ぎましょう。
費用が高め
学生マンションはセキュリティや設備が充実している反面、家賃や管理費が一般の賃貸に比べて高めです。
一般的な賃貸物件との違いの例を、表で比較してみました。
種類 | 学生マンション | 一般的な賃貸物件 |
---|---|---|
家賃例 | 6万円 | 5万円 |
食事のサービス | 基本的になし ※食事提供のサービス付き物件もある | なし |
セキュリティ | 防犯カメラやオートロックがある | なし |
ルール | 基本的になし ※ルールが定められている物件もある | なし |
管理人 | 管理人付きの物件もある | なし |
立地が良かったり、家具・家電が備え付けだったりといった物件は、さらに月々の家賃が高くなります。
費用を抑えたいと考えている人にとって、学生マンションは割高に感じるでしょう。
また、家賃が高いために仕送りだけでは生活費が足りず、アルバイトなどで補わなければならない場合は、学業に集中できないデメリットも発生します。
物件数が少ない
学生マンションは学生が入居対象なので、供給数が限られています。一般の賃貸物件と同じ感覚で探すと、苦戦する可能性が高いでしょう。
とくに、人気のある学校が近い・便利な立地といった条件の良い物件は、争奪戦になりがちです。
また、学生マンションは数が少ないので、希望の地域や条件(ペット可や演奏可など)に合う物件が見つからない場合も多々あります。
学生マンションに入居したい人は、早めの行動がオススメです。「学生マンションは合格前に仮押さえできる?」で解説しているとおり、進学先が決まった段階で合格前予約を利用すると良いでしょう。
音に悩まされる場合がある
学生マンションは入居者が学生に限られるという特性上、学生同士が集まりやすい傾向です。結果として、騒音に悩まされるケースがあります。
セキュリティはしっかりしていても、防音に力を入れている学生マンションとは限りません。騒音はもちろん、壁が薄いせいで生活音や話し声が気になる人もいるようです。結果的に退去に追い込まれるなどのトラブルが考えられます。
また、学生寮(学生会館)であれば、ルールが厳しく、寮母などの管理者が常駐しているため、騒ぐ学生がいればすぐに注意されます。しかし、学生マンションは管理人が常駐しているとは限りません。
「音に悩まされたくない」と考えている人は、学生寮や、閑静なエリアの賃貸物件を選んだ方が良いかもしれません。
音楽大学の近くにある学生マンションは楽器演奏が許可されている場合もあるので、そういった物件を避けるのも対策の一つです。
自由とは限らない
学生マンションは一般的な賃貸物件と同様、自由な生活が可能です。
しかし、「音に悩まされる場合がある」で解説したようなトラブルを防止するために、行動を制限するルールが設定されている学生マンションもあります。
たとえば、「友人・異性の訪問禁止」や「外泊時の届け出が必要」などです。また、女性専用の学生マンションは、家族であっても異性の訪問は原則禁止です。
「学生マンションは自由に行動できるはず」と思いこまず、契約の内容を確認して自分に合った物件を見つけましょう。
学生マンションのメリット

デメリットが多いように感じるかもしれませんが、学生マンションには、次のようなメリットもあります。
- 安全性が高い
- 通学しやすい
- 隣人トラブルが少ない
進学によって初めて一人暮らしをする人にとって、重視したいポイントが含まれています。詳しく見ていきましょう。
安全性が高い
学生マンションは、防犯に力を入れている物件が多いのが特徴です。一般の物件と違ってオートロックや防犯カメラなどが完備されています。
また、日勤の管理人がいたり、24時間体制でコールセンターに相談可能だったりといった物件もあります。初めての一人暮らしだからこそ、困った時に相談できる相手がいるのは心強いと感じるでしょう。
女性に対するセキュリティも充実しており、学生マンションの中には女性専用のフロアを設けているものや、一棟すべて女性専用という物件もあります。
一人暮らしに期待を持つ一方、防犯面で不安を覚える人は少なくありません。遠方に子供を送り出す家族にとっても、「犯罪に巻き込まれない物件に住んでほしい」と考えるのは当然です。
学生マンションは安全性を求める人にとってメリットが多いと言えるでしょう。
通学しやすい
学生マンションの多くは学校の近くに立地しています。
通学時間を短縮できる分、勉強・アルバイト・サークル活動などに時間が使えるため、充実した学校生活を送りやすいというメリットがあります。
隣人トラブルが少ない
一般的な賃貸物件で多いトラブルは、騒音やゴミ出しのマナー違反などです。
しかし、学生マンションは住人の年齢やライフスタイルが似ています。そのため、生活リズムの違いからくるトラブルが一般の賃貸に比べて少ない傾向です。
また、学生同士で友人関係を築きやすく、安心して過ごせる環境が整っている点も魅力です
とはいえ、マナーを守らない人がいる場合は、トラブルに発展しかねません。
自宅で友人とよく集まる人は大声で騒いでいないか、ゴミ出しは決められたルールを守っているかなど、マナー違反に気を付けましょう。通常の賃貸物件と同様に、他の入居者に対する配慮は必要です。
学生マンションに向いている人

学生マンションのメリットとデメリットを見てきました。しかし、「一般の賃貸物件と、どちらが良いだろう?」と迷われる方もいるでしょう。
ここでは、「学生マンションに向いている人」について解説します。
- 費用が高くても安全性を重視する人
- 初期費用を抑えたい人
- 学生寮よりも自由度の高い生活を送りたい人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
費用が高くても安全性を重視する人
学生マンションには次のようなセキュリティシステムがそろっている物件が多いです。
- 防犯カメラ
- オートロック
- カメラ機能付インターホン
- 警備会社への通報システム
- 宅配BOX
- 管理人の巡回
通常のアパートやマンションで、学生マンションと同等のセキュリティ対策を行っている物件はほとんどありません。
また、学生マンションの多くは学校から近く、通学時間が短い点も防犯に有利です。
高い家賃を「防犯費用」として納得できる人は、学生マンションの方が安心して暮らせるでしょう。
初期費用を抑えたい人
学生マンションには、家具・家電が備え付けられている物件や、Wi-Fiが設置されている物件が多く、初期費用を抑えたい人にオススメです。
洗濯機・冷蔵庫などの家電や、ソファー・テーブルといった家具を一式そろえると、10万~20万円は必要です。
また、Wi-Fiをマンションに設置する場合、ルーター代と工事費で2万~3万5千円ほどかかります。
家具・家電やWi-Fiが備え付けられている学生マンションは、家賃が割高になる傾向です。しかし、「一般の賃貸で良いものが見つかるまで利用する予定」「学生生活を送る数年だけだから」と割り切っている人であれば、学生マンションが適しています。
卒業後に家具・家電を処分する費用や手間がかからないのもメリットです。
学生寮よりも自由度の高い生活を送りたい人
一般の賃貸物件は自由な生活ができますが、誰でも入居が可能です。「防犯を考えると、他の入居者がどこの誰かわからないのは不安」という人もいるでしょう。
とくに、初めて一人暮らしをする場合は、入居者が学生のみというのは安心できる条件です。「入居条件が学生」で探す場合は、学生寮(学生会館)か学生マンションに絞られます。
しかし、学生寮には門限や交友ルールが設けられていることが多く、自由に生活することはできません。また、洗濯・風呂・洗面所などが共有になっている場合があり、プライバシーを守って生活したい人には向かないでしょう。
一方、学生マンションには、厳格なルールが定められていない物件が多く、一般の賃貸物件と同様にマナーさえ守っていれば問題なく生活できます。
自立した生活や自由度の高い交友関係を望む人には、学生マンションがオススメです。
学生マンションは合格前に仮押さえできる?

学生マンションの多くは、「合格前予約」が利用できます。「合格前予約」または「合格発表前予約」は、受験前に入居の予約が入れられるシステムです。
大学の合格発表時期である2~3月は部屋探しをする人も多く、条件の良い物件から埋まっていってしまいます。場合によっては、部屋探しに難航する可能性もあるでしょう。
学生マンションに合格前予約をしておけば、そういった不安がありません。
また、合格後に契約するため、仮押さえの期間は費用が発生しません。安心して入学準備が進められます。
ただし、不合格の場合はキャンセル料が発生するケースもあるので、事前に契約内容を確認しておきましょう。
合格発表前の部屋探しについては、下記の記事でも解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:大学入学前の部屋探しを徹底解説!アパートの仮押さえをするならいつから?
進学でマンションを探すなら不動産連合隊!

進学で地元を離れて一人暮らしをする際の選択肢として、学生マンションがあります。
学生マンションは、学生のみが入居できるマンションです。一般の賃貸物件に比べて高いセキュリティを備えていることが多く、初めての一人暮らしでも安心して生活できます。
一方で、家賃が高かったり、物件数が少なかったりといったデメリットもあります。
本記事では学生マンションについて詳しく解説しました。学生マンションを検討している方の参考になれば幸いです。
不動産ポータルサイト『不動産連合隊』では、地域や条件に応じた物件検索が可能です。初めての一人暮らしを考えている学生の方は、ぜひご利用ください。
また、不動産連合隊では10月から翌年3月までの期間限定で、春から家賃が発生する物件を掲載しております。進学でマンションやアパートをお探しの方は「春から家賃発生OK」にチェックを入れて検索してみてください。該当エリアに物件があれば表示されます。