北海道の生活費をエリア別に紹介 | 家賃や光熱費を数値で解説!

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「光熱費がどのくらい必要なのか不安」
「都心よりも家賃が安くなるのかな?」
「北海道はどこでも必要な生活費は同じ?」

このような悩みを抱えていませんか。北海道移住を考えていると、生活費はどのくらいなのか心配になりますよね。

結論をいうと、北海道の生活費は都心よりも家賃が安く、光熱費が高い傾向にあります。

この記事では、北海道の生活費をエリアごとに簡単に紹介します。実際の数値をもとに紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

北海道エリア別の生活費

北海道のエリア別の生活費

北海道はエリアによって気候が変わるため、光熱費を抑えるなら、暮らしやすい温暖なエリアがおすすめです。

北海道は日本で一番寒い地域のため、暖房費は自ずと高くなってしまいます。温暖なエリアを選択すると、暖房費を抑えられるメリットがあります。

しかし北海道には魅力的な町がたくさんあるため、自分に合ったエリア探しが大切です。

ここでは北海道をエリア別に分けて、生活費を簡単に紹介していきます。すでに住みたいエリアがある方や、気になるエリアがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

出典:北海道での移住生活イメージ-北海道庁

空知エリア

北海道中央部の少し西側にあり、札幌市と旭川市の間に位置しています。北海道のほぼ中心ともいえるエリアで、各都市へのアクセスしやすいことがポイントです。

空知エリアには、ぶどう畑の風景が広がる岩見沢市の宝水ワイナリーや、夏に約200万本も咲き誇る北竜町のひまわり畑、夕張メロンで有名な夕張市があります。また、移住先として人気の高い長沼町や秩父別町なども空知エリアに位置しています。

空知エリアは降雪が多いエリアとして有名ですが、四季がはっきりとしており、冬以外は穏やかな気候で人気が高いエリアです。また、災害が少ない地域としても人気があり、移住先として注目が集まっている地域でもあります。

ここでは、空知エリアでもっとも人口が多い岩見沢市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK47,750円
家賃2LDK59,050円
都市ガス(使用量11㎥)4,277円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)1,984円
灯油(使用量40L)3,520円

岩見沢市は医療施設が50施設以上あったり、保育料の無料化、産前産後ヘルパー制度などの子育て支援が充実しています。

札幌市へは、車で30分とアクセスがとても良いエリアです。

岩見沢市の気候は降雪が多く、最低気温が氷点下になることも多いことから、暖房費がやや高くなる傾向にあります。しかし、8月の最高気温は平均26度、最低気温は平均で18度と涼しく、冷房代がそこまでかからないというメリットがあります。

石狩エリア

北海道中央部の西側に位置し、北海道の中心部でもある札幌市があることから、北海道でもっとも栄えているエリアです。

石狩エリアはサッポロビール工場がある恵庭市、日本海に沈む絶景の夕日が見られる恋人の聖地、厚田展望台が石狩市にあり、千歳市には支笏湖があります。

北海道に住んでいる人を対象にした「SUUMO住民実感調査2022北海道版」では、札幌市中央区が1位に輝いています。

ここでは、石狩エリアでもっとも人口が多い札幌市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK54,750円
家賃2LDK86,150円
都市ガス(使用量11㎥)2,846円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)2,112円
灯油(使用量40L)3,480円

札幌市は政令指定都市で4位の大都市ながら、1LDKに5万円代で住めます。

他の政令指定都市である横浜市や大阪市は、6万〜10万円代と高く、札幌市は家賃が安い傾向にあります。都市圏での生活をしながら、家賃を低く抑えたいという方におすすめです。

後志エリア

北海道の南西部に位置し、東側には札幌市や新千歳空港があり、アクセスが良いため、年間2,300万人以上の観光客が訪れるエリアです。

後志エリアはニセコやルスツリゾート、キロロスノーワルドなどの国際的なスキーのリゾートエリアがあり、夏はラフティング、秋には紅葉も楽しめます。

ほかにも、年間約600万人の観光客で賑わう小樽市があります。

ここでは、さまざまなアウトドアが楽しめる倶知安町の必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK70,300円
家賃2LDK87,650円
LPガス(使用量5㎥)6,327円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)1,845円
灯油(使用量40L)3,600円

倶知安町は、ニセコのパウダースノーに魅了された日本や世界の投資家たちが、土地や不動産を大量に購入しており、物価が跳ね上がっています。

地価が上昇しているため、家賃も他のエリアよりも高い傾向にあります。別荘やリゾートマンションでの2拠点生活を目指している方にとっては、ぴったりなエリアではないでしょうか。

胆振・日高エリア

北海道の中央南部に位置し、日胆(にったん)と略して呼ばれています。

胆振エリアは北海道の中では、温暖な地域で生活しやすいエリアです。洞爺湖温泉や登別温泉などの温泉街や、イルカやクジラウォッチングをできる室蘭市があります。

日高エリアには、アイヌ文化の施設が多くある平取町、競馬関連施設で賑わう浦河町、日高昆布で有名な新ひだか町があります。

ここでは、温暖な地域にある室蘭市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK54,200円
家賃2LDK62,100円
都市ガス(使用量11㎥)3,124円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)2,535円
灯油(使用量40L)3,520円

室蘭市は温暖な気候であるため降雪が少なく、暖房費はあまり高くならずに済みます。寒さが厳しいイメージのある北海道では、比較的暮らしやすい場所といえるでしょう。

札幌市へは車で約1時間30分、新千歳空港までは電車で約1時間とアクセスが良い街です。家賃も比較的リーズナブルなため、移住を検討する方が増えているエリアでもあります。

渡島・檜山エリア

北海道の南西部に位置し、北海道の中では温暖な気候のエリアです。

渡島エリアは、100万ドルの夜景や星形の五稜郭公園がある函館市、自然の風景を満喫できる大沼国定公園がある七飯町、日本さくら名所百選に選ばれた松前公園の松前町などがあります。

檜山エリアは、豊かな自然や海の幸が魅力の奥尻島、勝山館跡がある上ノ国町、地形を活かした海のプールを開催している乙部町などがあります。

ここでは、渡島・檜山エリアで人口が多い函館市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK43,700円
家賃2LDK60,600円
都市ガス(使用量11㎥)2,846円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)2,288円
灯油(使用量40L)3,560円

函館市は温暖な気候のため、ガス料金はあまり高くならずに生活できるでしょう。

電車が開通していることや、市街地の中心から約20分の場所に函館空港もあり、交通アクセスがよい街です。函館空港を利用すれば、帰省や道外の各地への移動が多くなる場合にも対応できます。

さらに、医療機関や福祉施設も充実しています。都市機能と地方暮らしのバランスに優れた地域といえるでしょう。

上川・留萌・宗谷エリア

上川は北海道の中央、留萌は北西部、宗谷は最北部にあるエリアです。

上川エリアには青い池がある美瑛町、ラベンダー畑の中富良野町、旭川市には動物を近くで見られる旭山動物園などが有名です。

留萌エリアには、日本の夕陽百選に選ばれた黄金岬海浜公園がある留萌市、国指定重要文化財の旧花田家番屋やにしん文化歴史公園がある小平町などがあります。

宗谷エリアには利尻礼文サロベツ国立公園がある礼文町、日本最北のラムサール条約指定地のクッチャロ湖がある浜頓別町などがあります。

ここでは、上川・留萌・宗谷エリアでもっとも人口が多い旭川市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK49,850円
家賃2LDK53,600円
都市ガス(使用量11㎥)2,717円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)2,328円
灯油(使用量40L)3,520円

旭川市は北海道内の第二の都市で、教育や医療、福祉などの施設が整っています。人口は約34万人と、札幌市に次ぐ多さです。

モールやショッピング街も揃っており、首都圏からの移住でも生活面での不自由を感じにくいことがポイント。

住宅は断熱・高気密化構造のため、夏は暑くなりすぎず、冬は暖房費を抑えて快適に過ごせます。

オホーツクエリア

北海道の北東部に位置し、冬は厳しく冷え込みますが、穏やかな気候のエリアです。

オホーツクエリアには、冬に流氷が見られる網走市、国内最大のパークゴルフ場がある置戸町、日本最大のコスモス園がある遠軽町などがあります。

ここでは、オホーツクエリアで経済の中心である北見市の必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK48,150円
家賃2LDK60,150円
LPガス(使用量5㎥)6,282円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)3,018円
灯油(使用量40L)3,560円

北見市は雪の量が少なく、旭川市と比べると約半分の降雪量です。また、年間を通して晴天が多いエリアとなっていますが、夏と冬で気温の差が大きいという特徴もあります。

光熱費はやや高くなりますが、総務省の家計調査によると、東京と比較して年間200万円も生活費が抑えられます。地方移住のメリットである、生活費を抑える暮らしがしたい方にはぴったりでしょう。

十勝エリア

北海道の南東部に位置し、北海道地域の中でもっとも広いエリアです。

雪雲が日高山脈で遮られるため、雪が少なく晴天の日が続くことから「とかち晴れ」と呼ばれています。

十勝エリアには、全国から参加者が集まるバルーンフェスティバルを開催している上士幌町、航空宇宙関連の展示施設「大樹町宇宙交流センターSORA」がある大樹町などがあります。

ここでは、北海道の中核都市である帯広市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK48,450円
家賃2LDK51,650円
都市ガス(使用量11㎥)3,763円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)2,119円
灯油(使用量40L)3,520円

帯広市は、AERAの2020年8月「コロナ時代の移住先ランキング」において北海道内で第1位に輝いています。

十勝エリアの中心都市で、総合病院や商業施設、高校や大学などがあり、中心部から車で15分ほど行くと、農業地帯が広がっています。

夏は30度を超えることや、冬はマイナス20度になることもあり、やや温暖差が大きいです。帯広市への移住を検討する際は、住宅選びに注意することがおすすめです。

釧路エリア

北海道の東部に位置し、茨城県とほぼ同じ面積のエリアです。

夏になると、海流の影響で海霧が発生するため、天然の避暑地として快適に過ごせます。

釧路エリアには、北海道最大のアイヌ民族の集落である阿寒湖アイヌコタンや火山の噴火でできた阿寒湖、タンチョウが観察できる釧路市丹頂鶴自然公園などがあります。

ここでは、釧路市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK49,200円
家賃2LDK65,250円
都市ガス(使用量11㎥)2,539円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)3,116円
灯油(使用量40L)3,520円

釧路市は北海道体験移住「ちょっと暮らし」で、平成23年度から利用者数1位を記録するほどの人気ぶりです。

また東京と比較すると平均で約10度も涼しく、心地よい夏を過ごせます。降雪量は、降雪量が多い旭川市の4分の1、札幌市の3分の1で、暖房費があまりかかりません。

また、スギやヒノキが自生していないため、多くの人が春に悩まされる花粉症の影響を受けにくいというメリットもあります。地方移住で快適な暮らしを手に入れたい方は、釧路市を検討してみてはいかがでしょうか。

根室エリア

北海道の最東端に位置し、北東海はオホーツク海、南部は太平洋に面しているエリアです。

日本で一番早く日の出が見られる根室市の納沙布岬、オジロワシやオオワシの飛来地がある羅臼町、日本一の生乳生産量を誇る別海町などがあります。

ここでは、根室市で必要な生活費を以下の表にまとめました。

費用(1ヶ月/単身世帯想定)
家賃1LDK60,250円
家賃2LDK47,550円
都市ガス(使用量11㎥)6,215円
電気5,963円
水道(使用量5㎥)3,942円
灯油(使用量40L)3,600円

根室市は、三方面が海に囲まれた水産都市です。「根室花まる」といった、人気の首都圏でも人気な回転ずしがあったり、新鮮な海鮮が水揚げされています。

夏は涼しいですが、降雪量は少ないにもかかわらず、マイナスになることがあるため冬は暖房費がかかる傾向があります。夏と冬で光熱費のバランスをとったり、断熱構造の住宅選びなどの対策を検討することで、生活費を節約することがおすすめです。

北海道で生活費を安く抑える3つのポイント

北海道で生活費を安く抑える3つのポイント

生活費を少しでも安く抑えるためには、以下の3つがポイントです。

  • 暖房費を節約
  • プロパンガスは選択しない
  • 車が必要ないエリアに住む

それぞれのポイントについて、順番に説明していきます。

暖房費を節約

北海道に移住をすると、光熱費が他の地域よりも上がりやすくなります。

2021年度に実施された総務省の家計調査によると、光熱・水道代は北海道では年間277,087円、関東では200,144円です。

北海道は1年の3分の1が雪の日のため、冬の光熱費が上がり、77,000円も高くなると考えられます。

引越先を決めるときには、北海道の中でも温暖な地域を探したり、日当たりがよい部屋を探したりと工夫が必要です。

プロパンガスは選択しない

北海道のガス料金は都市ガスよりもプロパンガスの方が高く、おすすめしません。

一般財団法人プロパンガス消費者協会によると、プロパンガスを契約すると関東で生活するガス代よりも約1.5倍も料金が高くなる傾向にあります。

都市ガスの場合は首都圏と比較すると料金は高いものの、東北や東海よりも安く利用できます。

ガスは、都市ガスと契約するのが良いでしょう。

車が必要ないエリアに住む

車を所有せずに済む、アクセスが良いエリアを選択しましょう。

車を所有すると、ガソリン代や税金などの維持費が必要です。

維持費がかからなければ、維持費の分を他の生活費に当てられます。

どうしても必要になった場合は、比較的安く利用できるカーリースやコンパクトカーがおすすめです。

北海道移住した人のリアルな生活費を紹介

北海道移住した人のリアルな生活費を紹介

北海道の生活費は、移住前よりも住居費が安くなり、光熱費が高くなる傾向にあります。

住居費を安く抑えられると、ほかにお金を回せてお得です。

ここでは、北海道に移住をした3組のリアルな生活費を紹介します。

岡山県から新日高町へ移住した1人暮らし女性

岡山県から日高エリアの新日高町に移住した女性は、移住後の生活費が88,500円も安くなりました。

北海道移住体験を知ったのがきっかけで、体験後も新日高町に住んでいます。

下記表は、移住前と移住後の月額の生活費です。

移住前移住後
食料71,793円35,840円
住居00
光熱・水道21,737円15,094円
家具・家事用品12,934円3,000円
被服および履物8,499円2,000円
保健医療13,978円15,000円
交通・通信39,241円12,000円
教育費00
教養娯楽232,252円20,000円
合計191,434円102,934円

出典:北海道で暮らす人・暮らし方

新日高町での生活が気に入り家を建てたため、移住後の家賃は0円です。新居を建てるということから、初期費用は多くかかりますが、資産としてその家賃がかからないのは大きなメリットといえます。

新日高町では看護師として働いています。

埼玉県から美幌町へ移住した5人家族

福島県からオホーツクエリアの美幌町へと移住した家族は、移住後の生活費が約148,000円も安くなりました。

新規就農セミナーの参加がきっかけで、美幌町に移住をしています。仕事は、自宅近くの畑で小麦やアスパラガスなどを育て生計を立てています。

下記表は、移住前と移住後の月額の生活費です。

移住前移住後
食料80,638円75,000円
住居100,000円0
光熱・水道21,716円26,070円
家具・家事用品12,214円6,500円
被服および履物11,880円3,300円
保健医療15,262円15,000円
交通・通信58,346円49,000円
教育費14,602円4,000円
教養娯楽33,014円20,000円
合計347,672円198,870円

出典:北海道で暮らす人・暮らし方

住居は購入し、リフォームには助成金を利用しています。地方移住では、さまざまな助成金や支援金が用意されていますので、少しでも費用を抑えるためにしっかりと活用しましょう。

光熱費は高いですが、畑から調達した薪を薪ストーブで利用しているため、暖房費を安く抑える工夫をしています。

東京から札幌へ移住した夫婦

東京から札幌へ移住した夫婦は、移住後の家賃が大幅に抑えられました。

駅から徒歩5分のオートロック付きの1LDKが、管理費込みで59,000円です。

都心と比較すると、十分に安いことがわかります。

下記表は、移住後の月平均の生活費です。

移住後
食料32,083円
住居59,000円
光熱・水道13,009円
交通・通信7,521円
外食14,846円
合計126,459円

出典:都会なのに家賃が安い!「札幌」での生活費や住み心地を細かくご紹介

夫婦はともに在宅ワークをしており、常に電気を使用しているため月額平均4000円以上と高額です。

そのため夏場はクーラーを使用せずに扇風機で生活し、電気代を抑える工夫をしています。

なにをポイントに移住をするのかを明確にしよう

今回は、北海道の各エリアの生活費をまとめてみました。

生活に大きな変化がともなう移住は、移住後の生活をイメージしながら準備を進める必要があります。とくに費用面は、生活を大きく左右する要素ですので、しっかりと準備していきたいです。

また、移住後の生活に求めることをしっかりと決めておくことも重要です。しっかりと目的にあった移住ができるように、生活で大切にしたいことを決めておきましょう。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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