進学・就職の際は、「春から家賃が発生する物件」を利用してみてはいかがでしょうか。
「春から家賃が発生する物件」は新大学生や新社会人が春から新生活を始めることを見越して、家賃の発生時期をずらしてもらえる物件です。
たとえば、「12月に契約しても家賃が発生するのは4月」のような条件になっており、早めに物件を確保しつつ費用も抑えたい人にオススメです。
本記事では「春から家賃が発生する物件」について詳しく解説しています。
これから新大学生・新社会人になる方や、ご家族の方は、参考にしてみてください。
目次
春から家賃が発生する物件とは?

ここでは、「春から家賃が発生する物件」がどういったものか、次の項目について詳しく解説していきます。
- 春から家賃が発生する物件の特徴
- 通常の賃貸物件との違い
春から家賃が発生する物件の特徴
「春から家賃が発生する物件」とは、新生活の準備期間を考慮し、特定のタイミング(例:4月1日)から家賃が発生する物件を指します。
新大学生や新社会人をターゲットにした物件で、一年を通して秋から冬にかけての一時期しか募集していません。
10~12月に契約しても、家賃が3~4月に発生するのが特徴です。
早めに契約することで希望条件に合った物件を確保できるうえに、余裕をもって新生活の準備が進められます。
主な表現としては、次の2つです。
- 春から家賃発生
- 家賃スライド
ほかにも、「フリーレント」という一定期間家賃が無料になるシステムもあります。
数週間・1カ月・2カ月といった具合に、物件によって無料期間が異なります。
「春から家賃が発生する物件」と違い、フリーレントは契約したら、家賃無料期間内に入居が可能です。また、入居日までの期間が長いと家賃の負担が大きくなる点がデメリットです。
「春から家賃が発生する物件」では、賃貸契約時に家賃の発生日を指定または確認しましょう。入居前に管理費・敷金・礼金などが発生する場合もあるため、契約内容の把握は必須です。
通常の賃貸物件との違い
通常の賃貸物件ともっとも異なる点は、「家賃が発生するタイミング」です。
種類 | 家賃発生時期 | 対象の物件 |
---|---|---|
通常の物件 | 契約成立時 | 一般的な賃貸物件 |
春から家賃が発生する物件 | 特定の時期 ※3月~4月 | ・新大学生を対象にした物件 (学生会館・寮・学生マンションなど) ・新大学生・新社会人の入居を想定した賃貸物件 |
通常の賃貸物件では、契約が成立した時点から家賃が発生します。
オフシーズンに物件を探せば好条件の物件を確保できるものの、入居日までの期間が長くなるほど家賃負担が多くなります。人によっては無駄なコストに感じるでしょう。しかし、不動産業界では、契約したら家賃が発生するルールが一般的です。
一方、「春から家賃が発生する物件」では契約時期に関係なく、特定の日(多くは4月)から家賃が発生する仕組みになっています。
家賃負担が軽減できるため、新大学生・新社会人にメリットの多いシステムです。
春から家賃が発生する物件はどうやって探す?

ここでは、「新大学生向けの物件」と、「新大学生・新社会人に共通する物件」の探し方について解説しています。
新大学生向け物件の探し方
新大学生が「春から家賃が発生する物件」を探す際には、次のような選択肢があります。
- 大学の寮
- 学生会館
- 学生マンション
寮や学生会館は入居の対象が学生です。基本的に家賃は春(合格発表後や入居日)に発生します。入居したい場合は、進学予定の大学に問い合わせましょう。
学生マンションも入居できるのは学生だけです。合格してから家賃が発生する物件が多く、費用を抑えたい人に適しています。大学のホームページで通学しやすい学生マンションを紹介している場合もあるので、まずは確認してみましょう。
ただし、寮や学生会館は進学先の大学に必ずあるわけではありません。学生マンションも数が多くないため、一般の賃貸物件を探さなければならない場合もあります。
関連記事:大学入学前の部屋探しを徹底解説!アパートの仮押さえをするならいつから?
学生マンションが向いているのはどんな人?メリットとデメリットを総まとめ
新大学生・新社会人に共通する物件の探し方
ここでは、新大学生・新社会人のどちらも利用可能な、一般的な賃貸物件の検索方法をご紹介します。
不動産ポータルサイトの活用
不動産ポータルサイトとは複数の不動産会社が物件を掲載しているサイトで、春から家賃が発生する物件を探すことも可能です。
たとえば、ラルズネットの不動産連合隊には「春から家賃発生OK」の項目があります。
参考画像:札幌不動産連合隊(2024年12月)より
項目にチェックを入れると春から家賃が発生する物件が抽出されるので、効率的に物件を探せます。住所や最寄り駅など、条件を加えて検索することも可能です。
不動産連合隊は地域に特化しており、思いがけない優良物件が見つかることもあります。進学・就職予定の地域で賃貸物件を探す際には、ぜひご利用ください。
不動産会社への問合せ
不動産会社に「春から家賃が発生する物件」を取り扱っているか確認する方法です。
気になる不動産会社があれば、まずホームページをチェックしてみましょう。
「家賃スライド」「4月から家賃が発生」のような文言が並んでいるなら問題ありません。メールや電話で問い合わせて「春から家賃が発生する物件」を紹介してもらいましょう。
また、オーナーと交渉して、家賃が発生する時期をずらしてくれる不動産会社もあります。気に入った物件があるなら、進学・就職の時期を説明して相談してみましょう。
とはいえ、あまりにも早い時期に相談しても、家賃の発生時期の調整は期待できません。
「春から家賃が発生する物件」は10月頃に出始め、12月頃になると春先の入居者を確保するために、取り扱いが増える傾向です。
問い合わせは10月以降に行いましょう。
春から家賃が発生する物件のメリット

「春から家賃が発生する物件」には次のようなメリットがあり、新大学生・新社会人にとってオススメです。
- 費用が抑えられる
- 好条件の物件を探せる
- 余裕をもって新生活の準備ができる
費用が抑えられる
10月~12月に物件を契約しても3月~4月まで家賃が発生しません。一般的な物件に比べて、4~6カ月分の費用を節約できます。
たとえば、家賃5万円の賃貸物件を12月に契約したとします。4月に入居するとしたら、12月~翌年3月まで20万円の家賃を負担しなければなりません。
しかし、「春から家賃が発生する物件」であれば、その20万円を家具や引っ越しのオプションなどに回すことが可能です。

事業者ごとに差はあるものの、早めに申し込めば早割の対象となり、引っ越し費用を抑えられる可能性もあります。
ただし、「春から家賃が発生する物件」の入居日は3月~4月です。
鍵の引き渡し時期は契約内容によって異なり、契約後すぐに部屋を使えるわけではありません。ハイシーズンを避ける目的で引っ越し時期を早められるとは限らないので、注意が必要です。
好条件の物件を探せる
引っ越しのハイシーズンは1月~4月です。この時期は、進学・就職・転勤などで各地に移動する人が多く、好条件の物件はすぐに埋まってしまいます。
しかし、「春から家賃が発生する物件」であれば、引っ越しの閑散期である10~12月に物件を探せます。好条件の物件を見つけて、早めに契約することも可能です。
人気エリアの物件を早めに確保できるのもメリットです。引っ越しの繁忙期だと、人気のエリアほど物件が早く決まってしまいます。
しかし、人気エリアで「春から家賃が発生する物件」を探せば、早期に部屋を押さえることが可能です。
余裕をもって新生活の準備ができる
早めに物件が確保できれば、家具・家電の購入やライフラインの契約などを計画的に進められます。
引っ越し当日までにやることは非常に多く、準備期間が短いと慌ただしい時間を過ごすことになります。とくに、初めて一人暮らしをする人にとってはわからないことだらけで、ストレスを感じるシーンが多いでしょう。
また、物件を探しながらだと、引っ越し準備まで気が回らないものです。
しかし、「春から家賃が発生する物件」であれば、余裕をもって新生活の準備ができます。
下記の記事では引っ越しの準備に必要な情報をまとめているので、合わせてご覧ください。
関連記事:ストレスフリーな引っ越し準備のコツは?各種手続きについても解説
春から家賃が発生する物件のデメリット

「春から家賃が発生する物件」には、次のような注意点もあります。
- 対象物件が少ない
- キャンセル時のリスク
詳しく見ていきましょう。
対象物件が少ない
もともと、「春から家賃が発生する物件」「家賃スライド」は空室率の高い時期に物件の契約を進めて、入居率を高めるシステムとして作られました。発祥は札幌と言われていますが近年は全国に広がり、認知度も高まっています。
しかし、一般的な「契約成立後に家賃が発生する物件」と比べて、数は少ない傾向です。
たとえば、札幌不動産連合隊を見てみると、賃貸物件の総数の約7,800件に対し、春から家賃が発生する物件は241件でした。(2024年12月の情報)
また、「住みたい」と思った物件が「春から家賃が発生」の対象とは限りません。
一般的な賃貸物件の方が圧倒的に数が多い分、好条件のものも多く含まれます。場合によっては、数か月分の家賃を払っても、早めに契約してしまった方がよいかもしれません。
「不動産会社への問合せ」で説明したように、不動産会社が物件オーナーに交渉してくれる例もあります。気になる物件があれば家賃の発生時期について相談してみましょう。
キャンセル時のリスク
契約締結後にキャンセルした場合、キャンセル料が発生する可能性があります。家賃発生日が設定された契約では解約規定が厳しいこともあるため、事前の確認が重要です。
また、決められた更新期間未満で解約すると、通常の賃貸物件より多い解約料を求められる例もあります。
通常の賃貸物件では、解約予告期間に解約を申し入れれば、契約の解除が可能です。解約予告期間に間に合わなくても、1カ月分の家賃の支払いで解約できるケースが多いです。
しかし、春から家賃が発生する物件では、更新期間未満での解約にペナルティが発生する場合があります。たとえば、2年更新で2年経たずに解約すると、家賃2カ月分が求められるといったパターンです。
契約内容はしっかりチェックし、疑問があれば不動産会社に確認しましょう。
注意点と契約時のポイント

ここでは、「春から家賃が発生する物件」について、次のような注意すべきポイントを解説しています。
- 契約時に確認すべき重要ポイント
- 物件選びで失敗しないためのコツ
契約時に確認すべき重要ポイント
「春から家賃が発生する物件」を探す際には、家賃の発生日が具体的にいつからなのかを必ず確認しましょう。物件オーナーの意向もあるので、物件ごとに家賃の発生月が違うといった事態が考えられます。
進学・就職のスケジュールによっては入居日に間に合わない場合もあるため、ホテル住まいをしなければならないかもしれません。
また、キャンセル条件や手数料の有無、初期費用の内訳についても契約前にしっかり確認しましょう。
物件選びで失敗しないためのコツ
物件選びでは、自分の希望をまとめておくと失敗を防ぎやすくなります。
とはいえ、初めての一人暮らしだと、重視すべきポイントがわからない人も多いでしょう。快適な新生活を送るためにも、部屋探しのコツの一例をご紹介します。
項目 | 内容 |
---|---|
家賃 | 家賃は収入の3分の1が目安と言われている。 ただし、家賃が高いとほかの生活費が削られるため、できるだけ抑えたい項目。 負担のかかりづらい割合は収入の4分の1。 |
通勤・通学時間 | 徒歩圏内か、バス・JR・地下鉄などの公共交通機関を使うかで通勤・通学時間が変わる。 総務省統計局によると、通勤・通学の全国平均は往復1時間19分。 都心部ほど通勤・通学時間が長く、地方は短い傾向。 |
間取り | 新大学生・新社会人に人気があるのは1K(部屋と独立したキッチンがある間取り)。 自炊をしたい人はキッチンが部屋と別にある方が生活にメリハリが出る。 |
利便性 | 近隣にスーパーやコンビニがないと自炊しづらい。 日用品が買えないと不便。 |
治安 | 家賃が安くても、治安が悪いエリアだと安心して生活できない。 自治体や警視庁が公表している犯罪情報を調べたり、エリアの口コミをチェックしたりといった事前調査が必要。 |
ほかにも、収納数やバス・トイレが独立しているかなど、人によって気になる点は異なります。また、利用したい不動産会社の評判や口コミを調べるのも重要です。
内見時には間取りや設備をしっかり確認しましょう。物件の紹介写真だけではわからない汚れや臭いなどが気になる場合もあります。
内見を何度かすると自分が優先したいポイントがはっきりしてきます。書き出して物件探しの指標にするとよいでしょう。
下記の記事では大学生が部屋探しをする際に重視すべきポイントについて解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:大学生の一人暮らし!部屋探しのポイント6選|よくある失敗を避けるには?
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「春から家賃が発生する物件」は新大学生・新社会人の入居を見越して、秋から冬にかけて期間限定で紹介される物件です。
契約時ではなく、特定の時期に家賃が発生するため、費用を抑えられるメリットがあります。
これから新大学生・新社会人となる方は、新生活をスムーズに始めるためにも「春から家賃が発生する物件」を探してみてはいかがでしょうか。
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