福岡でスタートアップ・中小企業が資金調達を成功させる方法

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福岡でスタートアップ・中小企業が資金調達を成功させる方法

福岡県は国内外から多くの人やモノが集まる交通の要であり、豊かな食文化と利便性の高さが人気の都市です。

経済発展を続け、活力がある福岡は今、スタートアップや中小企業の起業地として注目を集めています。

そのような勢いのある福岡でビジネスを成功させるため、資金調達を検討している企業も多いでしょう。
しかしどのような方法で調達できるのか・自分に合う方法はあるのかなど、悩みも出てきますよね。

そこで本記事では、福岡でスタートアップ・中小企業が資金調達を成功させるために知っておきたい制度や方法、成功のコツを紹介します。

関連記事:福岡でテナントを構えるのにおすすめのエリアは?街の特徴や物件の選び方を解説

福岡は起業家にやさしい?その理由とは

福岡は起業家にやさしい?その理由とは

福岡市は「日本一創業しやすい都市」を目指して、さまざまな取り組みを行っています。
その内の、いくつかの事例を紹介するのでご確認ください。

スタートアップ都市ふくおか宣言

福岡市は2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を行い、創業支援に力を入れ続けています。その結果、多くのスタートアップや中小企業が進出しており、開業率は五年連続で全国一位となりました。
雇用創出や経済活性化を目的に支援体制を整えており、今後もビジネスの中心地として発展していくと期待されています。

参考:「グローバル創業都市・福岡」ビジョン
   開業率(21大都市比較)

Fukuoka Growth Next

創業支援策のひとつとして、福岡市は官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」を設立しました。ここでは、入居するスタートアップ企業や第二創業者へ細やかな支援が行われています。

■主なサービス

  • 資金調達支援
  • セミナーやイベントの開催
  • メンター制度による個別指導
  • 創業・経営に関する専門的な相談

参考:Fukuoka Growth Next

国家戦略特区 福岡市グローバル創業・雇用創出特区

国家戦略特区とは、国が主導し自治体と民間企業で経済活動や社会実験の促進を目的とした制度です。

その中のひとつ「グローバル創業・雇用創出特区」に指定された福岡市では、起業支援拠点や人材マッチングなど、創業をサポートするさまざまなサービスを提供しています。
専門家のアドバイスを受けられるほか、必要な人材を見つけたり、事業運営に必要な情報を収集したりできます。

■主なサービス

  • 起業相談窓口
  • スタートアップカフェ
  • 雇用労働相談センター
  • 人材マッチングセンター

参考:国家戦略特区 福岡市グローバル創業・雇用創出特区

このように公的な支援制度が充実していることから、福岡は資金調達をスムーズに進めたい事業者にとって魅力的な都市だといえるでしょう。

資金調達とは

資金調達とは

資金調達とは、ビジネスを始めるために必要なお金を集めることをいいます。
起業や事業拡大を考えている方にとって、資金調達は事業を継続できるかどうかに直結する大きな課題です。

資金調達には、大きく分けて2つの目的があります。

資金調達の目的:開業前の初期費用をまかなう

開業前には、事業を立ち上げるために必要な設備や備品、人件費、広告費などの初期費用がかかります。これらの費用を自己資金でまかなうことが難しい場合に、資金調達が必要となります。

資金調達の目的:開業後の事業運営費をまかなう

開業後には、事業を継続していくために必要な経営・運転資金、さらには事業拡大や新規事業のための投資など、さまざまな資金が必要となります。
これらの資金をどのように調達していくかが、事業の成功や成長の加速度を左右します。

続いて、資金調達の具体的な方法を紹介します。

資金調達の方法5つ

資金調達の方法5つ

資金調達の方法は多種ありますが、スタートアップや中小企業が挑戦しやすい5つの方法を紹介します。

自己資金:最も身近な方法

経営者自身の貯金や退職金、親族からの援助など、返済義務のない資金を事業にあてがう方法です。事業を始めることを目的に、長期にわたって貯蓄を続ける方も多いでしょう。

■自己資金のデメリット

  • 投入できる資金額が限られる
  • 資金繰りが悪化しないように念入りな事業計画が必要

■自己資金のメリット

  • 返済義務や金利負担が発生しない
  • 自己資金比率が高いことで金融機関からの信用度が高まる

借入金:安定資金を手に入れる

借入金は金融機関や公的機関から借りる方法でまとまった資金を調達できます。開業前の初期費用、運転資金、投資資金など、さまざまな目的で利用が可能です。

もし事業が順調に進んでいない場合は、借入の相談が難しくなる可能性があるため、「開業前」の相談が有利です。

■借入金のデメリット

  • 返済義務と金利負担が発生する
  • 審査基準が厳しく、必ずしも融資を受けられるとは限らない

■借入金のメリット

  • 金利は比較的低い
  • 自己資金に比べて大きな資金調達が可能

出資金:事業のパートナーを見つける

出資金とは投資家やベンチャーキャピタルから提供されるお金です。返済義務のない資金を得られます。ベンチャーキャピタルとは、新規事業や事業拡大に資金を提供する投資会社です。

開業後の事業拡大や新規事業のための投資資金として使えます。

■出資金のデメリット

  • 経営の自由度が低下する
  • 投資家との合意形成が必要
  • 事業の一部を譲渡することになる

■出資金のメリット

  • 返済義務がない
  • 事業の成長に応じて利益を分配できる
  • 投資家から経営ノウハウや人脈を得られる

補助金・助成金:公的な支援を活用する

国や地方自治体などが提供する補助金・助成金は、返済義務のない資金です。
事業の負担を軽減し、成長を後押しします。

補助金・助成金は、事業計画に沿って目標を達成した後に支払われることが多いため、主に開業後の経営資金として使うことができます。

■補助金・助成金のデメリット

  • 受給までに時間がかかる
  • 申請条件や審査基準が厳しい

■補助金・助成金のメリット

  • 返済義務がない
  • 事業の負担を軽減できる

クラウドファンディング:多くの人から支援される

インターネット上のプラットフォームを通じて、プロジェクトに賛同する人から資金を集められる仕組みです。「購入型」「融資型」「株式投資型」「ファンド型」など複数の形式があり、とくに、「購入型」クラウドファンディングが人気です。

購入型クラウドファンディングは少額から支援できるため、多くの人が気軽に応援に参加しやいという特長があります。
リターンに魅力的なサービスを用意し、支援者を増やしましょう。

開業前の初期費用や開業後の事業拡大など、さまざまな用途で募ることが可能です。

■クラウドファンディングのデメリット

  • 審査に時間がかかる
  • 定めた期間内で成果を出す必要がある

■クラウドファンディングのメリット

  • 事業のアイディアや魅力を発信できる
  • 販売前からユーザーの反応を得られる

資金調達の注意事項

資金調達は、事業を成功させる手段のひとつですが、リスクを伴う場合もあります。
借入金や出資金を利用する場合、金利や返済義務が発生するためです。

下記の条件を事前にしっかりと理解し、返済計画を立てましょう。

  • 金利:借入金に対する利息
  • 返済期間:借入金を返済する期間
  • 返済方法:一括返済、分割返済、利益分配など

具体的な資金調達の計画に不安がある場合は、専門家に相談することをオススメいたします。

福岡で資金調達の相談窓口を活用

福岡で資金調達の相談窓口を活用

福岡では、創業や資金調達に関する相談をできる窓口が複数あります。適切なアドバイスをもとに、リスクを減らして事業を成功に導きましょう。

福岡商工会議所

福岡商工会議所は、福岡県内の商工業者の代表団体として、創業や事業の成長・再生支援・事業継承など、幅広い相談に対応しています。
とくに、福岡市内で事業を営む方のために、事業資金の相談・受付・斡旋も行っています。

■福岡商工会議所で受けられる支援

  • 創業支援制度の紹介
  • 事業に関するさまざまな相談
  • 資金調達に関する各種セミナー
  • 融資、補助金・助成金、投資などの資金調達相談

参考:福岡商工会議所

福岡銀行

福岡銀行は、福岡県内の多くの企業にメインバンクとして選ばれています。全国でもトップクラスの規模を誇っており、幅広いサービスで創業・開業を支援しています。

■福岡銀行で受けられる支援

  • 販路紹介
  • 経営相談
  • 創業融資
  • 経営改善融資
  • 事業拡大融資
  • 事業計画の作成支援
  • 資金調達に関する相談
  • 補助金・助成金制度の紹介

参考:福岡銀行|資金の調達

福岡県よろず支援拠点

福岡県よろず支援拠点は、国が設置した無料の経営・創業相談所です。起業希望者、個人事業主、中小企業の方々が、経営に関するあらゆるお悩みを無料で相談できる窓口です。

費用は一切かからず、 55名のコンサルタントが各分野の経験とノウハウにもとづいてアドバイスをします。オンライン相談やオンラインセミナーを中心に、できるだけお金をかけずに事業を進められる方法を相談できます。

■福岡県よろず支援拠点で受けられる支援

  • 資金調達
  • 販路開拓
  • 人材採用
  • 経営改善
  • 事業継承
  • 創業計画の作成
  • 経営に関するあらゆる悩みの相談

参考:福岡県よろず支援拠点

福岡の支援制度を活用しよう

福岡の支援制度を活用しよう

福岡市は、起業家や中小企業を支援するためにさまざまな制度を設けています。その内の、資金調達という視点から役立つ制度を紹介します。

福岡市ステップアップ助成事業

成長性の高いビジネスプランを持つ創業者に対して、最大100万円の補助金を交付する事業です。
審査をするのは福岡市創業者応援団です。福岡を拠点に事業を展開している経営者で構成された団体で、経営者視点で様々な支援を行っています。

■対象となる事業者

  • 創業して10年未満の中小企業
  • 福岡市内に本社を置く中小企業
  • 市税を滞納していない など

■補助金の額

  • 最大で100万円
  • プレゼンテーション方式により審査を行う

なお、2024年度の申請スケジュールはまだ公表されていません。(2024年2月1日現在)
随時、公式サイトをご確認ください。

参考:福岡市ステップアップ助成事業 ~補助金最大100万円~

法人税の軽減措置

福岡市には、独自的な市税軽減の措置が設けられています。法人市民税の法人税割を最大5年間全額免除するという制度です。
税負担が軽減されることで、資金繰りの改善につながります。

■対象となる事業者

  • 法人設立から5年未満である
  • 国家戦略特区の規制の特例措置等を活用している
  • 医療・国際・農業・一定のIoT・先進的なITの分野で革新的事業を行う

参考:スタートアップ法人減税 〈 市税 〉

資金調達の成功のコツ

資金調達の成功のコツ

福岡での事業進出を後押しできるよう、資金調達の成功のコツを3つ紹介します。

適した時期やタイミングを見きわめる

資金調達には、事業の立ち上げ期、成長期、成熟期など、それぞれの段階に適した方法があります。

  • 立ち上げ期:自己資金・補助金・クラウドファンディングなど
  • 成長期:融資・ベンチャーキャピタルなど
  • 成熟期:自己資金の再投資・借入金・株式市場など

事業の状況や資金ニーズに合わせて、最適な方法を選択しましょう。

計画書作成のポイントを見直す

投資家や金融機関は、ビジネスプランや事業計画書の評価をもとに事業の将来性や収益性を判断します。計画書は数字を具体的に示し、わかりやすく説明しましょう。
信頼を得るために、リスクを隠さずに正直に伝えることも必要です。

■計画書に盛り込むべき内容

  • 明確なビジョン
  • 実現可能な戦略
  • 具体的な財務計画
  • リスク要因とその対策

信用力を高める

信用力とは、「借入金を返済する能力」と「約束を守る信頼性」を指します。何をもとに判断されるかというと、主に過去の返済実績や財務状況などです。信用力の高い企業は、資金調達しやすくなります。

■信用力を高めるための要素

  • 収益性
  • 返済能力
  • 資産状況
  • 直近の業績傾向
  • 取引履歴、融資返済状況 など

「適した時期やタイミングを見きわめる・計画書作成のポイントを見直す・信用力を高める」の3つのコツを取り入れて、資金調達に活かしてください。

福岡で物件をさがすなら、福岡テナント連合隊!

福岡で物件をさがすなら、福岡テナント連合隊!

福岡はスタートアップや中小企業の開業地として魅力的な都市です。
本記事では、福岡での資金調達を成功させるために、福岡ならではの制度や取り組み・資金調達の方法・相談先や資金調達のコツなどを紹介しました。

福岡でビジネスを始める際は、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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