北海道札幌市で事務所を構えるにあたって、以下のようなお悩みを抱えていませんか?
「札幌で事務所を借りる家賃相場がわからない」
「事務所物件を借りるうえでの選び方がわからない」
「札幌のどのエリアに事務所を借りるべき?」
本記事では、そのようなお悩みを抱えている方に向けて、家賃相場や事務所選びのポイントを解説します。雪が多く寒さの厳しい札幌市ならではのポイントをお伝えしますので、参考になれば幸いです。
目次
札幌で事務所を借りる際の家賃相場

札幌市で事務所を借りる際の家賃相場をリサーチしたところ、坪単価10,184円でした(参考:三鬼商事株式会社「オフィスリポート」:10,184円/坪(2023年の札幌ビジネス地区))。
事務所として使う場合は、1人あたり3坪は必要なので、5人で使う事務所だと必要な家賃の計算は次のとおりです。
- 5(人)×3(坪)×10,184(坪単価)=152,760(円)
- 1人あたり30,552円の負担
札幌市で事務所物件を探す際の参考になれば幸いです。
札幌で事務所物件を選ぶポイント

札幌市で事務所物件を選ぶ際は、下記のポイントをチェックしましょう。
- 除雪・融雪などの雪対策
- 地下鉄からのアクセスの良さ
- 暖房設備
- 防災設備
除雪・融雪などの雪対策
札幌市では1年間に5mもの雪が降るため、除雪・融雪などの対策が必須です。
なお、始業前の会社付近・従業員用駐車場などの雪かきは、労働時間に該当します。雪かき時や転倒時に怪我をした場合は、労災になります。
雪かきは、本来の労働時間に影響が出るだけではなく、従業員の肉体的疲労により生産性が下がる恐れもあるため、物件選びは慎重におこないましょう。
事務所物件を選ぶ際は、下記のポイントをチェックするのがオススメです。
- 物件前の道路に公的な除雪が入るか
- ロードヒーティングが入っているか
札幌市では、8m以上の道路幅である場合に除雪が入ります。8m未満でも除雪車が入れる場合は対応してくれるものの、雪が残ってしまう場合もあるため、物件前の道路に除雪が入りそうかチェックしましょう。
また、根雪になると雪かきした雪を捨てる場所がなくなるため、会社付近や駐車場にロードヒーティングが入っていると安心です。
参考:札幌市「Q.どのような道路に除雪が入るの?」
地下鉄からのアクセスの良さ
札幌市は雪が多いので、悪天候でも通勤できるように、地下鉄からのアクセスを重視しましょう。快適にアクセスできる事務所は、従業員だけではなく来客にとっても魅力的です。
とくに地下鉄さっぽろ駅~大通駅の区間は、「札幌駅前通地下歩行空間(通称・チカホ)」があり、悪天候でも移動しやすいです。地下鉄直結でなくても、チカホ周辺の物件ならアクセスは十分に良いといえます。
事務所物件を探す際は、地下鉄沿線やチカホから徒歩数分圏内の立地で検索するのがオススメです。
暖房設備
札幌市で事務所を選ぶ際は、暖房設備もチェックしましょう。
寒さが厳しい札幌市では、効率よく室内を温められる暖房設備が必須です。暖房設備が不十分だと、従業員の生産性や健康に悪影響を及ぼしかねません。
小規模な事務所物件で使われている暖房設備の熱源を大まかに分けると、ガス暖房と灯油暖房があります。それぞれのメリット・デメリットは下記のとおりです。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ガス暖房 | ・点火が早い ・すぐに温まる ・給油の手間がない | ・ランニングコストが高め ・定期的に換気しなければならない |
灯油暖房 | ・加湿効果もある (乾燥しにくい) ・広い範囲を温められる | ・給油の手間がある ・灯油の匂いがする |
一方、中規模以上の事務所物件だと、空調設備は以下のように分けられます。
- 個別空調
→個別の部屋ごとに空調設備を設置するシステム - セントラル空調
→熱源を1か所に集中させるシステム
大規模なオフィスビルでは、「セントラル空調」が採用されているケースがほとんどです。
セントラル空調は静音性が高く、メンテナンスのコストを抑えられるメリットがあります。
しかし、個別空調とは異なり建物全体を温度管理するため、部屋ごとに室温を設定できません。また、特定の部屋を使っている場合は、ほかの部屋の室温調整にかかる光熱費が無駄になります。
暖房設備は、自分で管理する種類から一元管理のものまで多様なので、自社の特徴や規模に合った設備を選ぶのがオススメです。自分で管理する際には、凍結にもご注意ください。
防災設備
事務所物件を選ぶ際は、防災設備のチェックも必要です。古い雑居ビルだと、建築基準法を守っていない場合もあります。
2022年に国土交通省が公開した「大阪市北区ビル火災を受けた緊急立入検査の結果」によれば、全国各地の立ち入り検査対象となった10,087件のうち、「建築基準法令違反」または「不十分な維持管理状態が確認されたもの」は以下のとおりです。
- 竪穴区画(火炎や煙の流入を防ぐための区画):19.7%
- 直通階段(避難に使う階段):18.5%
この結果はオフィスビルに限った数字ではありません。しかし、約20%のビルが法令違反・もしくは不十分な維持管理状態だったことは、物件選びを慎重におこなうべき理由として十分です。
オフィスビルを選ぶ際は、以下の観点からチェックしましょう。
- 新耐震基準(震度6強以上の揺れでも倒壊しない)を満たしているか
- 非常用電源があるか
- 周辺環境に災害リスクがないか
周辺環境の災害リスクは、札幌市が公開しているハザードマップで確認できます。
参考:国土交通省「大阪市北区ビル火災を受けた緊急立入検査の結果」
事務所・オフィスのオススメ立地条件

事務所を構える際にオススメな立地条件は、下記のとおりです。
- 交通アクセスが良い
- 土地のイメージが良い・サービスに合っている
- 周辺環境が良い
- 特定の業種が集まっている
- 災害リスクが低いこと
とくに「特定の業種が集まっている」立地は、慎重に検討しましょう。有力な同業他社の存在により競争で勝ち抜けず、顧客に選ばれなくなるデメリットもあります。一方で、「〇〇の業種ならこのエリア」というイメージがある立地で事務所を構えると、ブランディングにつながります。
事務所を構える際の立地条件については、下記の記事でより詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:オフィスの立地を選ぶ5つのポイント|ビジネスに与える影響とは?
札幌で事務所物件を探す方法

札幌市で事務所物件を探すには、以下の方法があります。
- 希望エリアの不動産会社に問い合わせる
- 自治体・商工会議所に問い合わせる
- 不動産ポータルサイトで検索する
事務所を構えたい場所が決まっているなら、希望エリアの不動産会社に問い合わせる方法があります。とはいえ、住宅物件がメインの不動産会社も多いため、テナント物件を扱っているか事前にリサーチが必要です。
また、自治体や商工会議所によっては、店舗誘致をおこなっている場合があるため、事務所物件の情報を得られるかもしれません。
たとえば札幌市経済観光局は、運営する「NEXT SAPPORO企業進出総合ナビ」で、レンタルオフィス・ラボの物件募集ページを公開しています。
上記に挙げた方法で最も手軽なのが、不動産ポータルサイトでの検索です。
ラルズネットが運営する不動産ポータルサイト「テナント連合隊」では、賃料や階数・利用人数によって物件を検索できます。事務所物件を探す際にお役立てください。
事務所物件の探し方や、オフィス内見時のチェックポイントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:事務所物件の探し方|迷わず決められる!内見チェックリストあり
札幌で事務所を構える際にオススメなエリア

札幌市で事務所を構える際には、以下のエリアがオススメです。
- 札幌駅
- 大通り
- 創成川東
- すすきの
- 円山
- 白石区
- 東区
それぞれのエリアがどのような点で優れているのか、詳しくみていきましょう。
札幌駅
札幌駅の南側は、オフィスゾーンとして認知されています。
また、札幌駅の北口はJRへアクセスしやすく、札幌を起点に北海道各地で事業を展開したい企業にオススメのエリアです。札幌駅の北側には行政施設である合同庁舎があることから、公的な手続きのしやすさもポイントです。
オフィスビルや商業施設・飲食店も多いため、事務所を構えるにあたって環境が優れています。買い出しやランチ・取引先との会食にも困りません。
大通り
大通りエリアも札幌駅エリアと同じく、交通の便が良い地域です。地下鉄の東豊線・東西線・南北線がすべて通るため、市内各所にアクセスできます。
金融機関や商業施設も充実しています。「令和3年経済センサス‐活動調査結果(確報・北海道分)」によれば、中央区は金融業・保険業の事業所数が市内10区のなかで最も多いエリアです。相乗効果が見込める業種であれば、ぜひ検討したい立地です。
大通公園が近いため、従業員が昼休みなどにリラックスできます。
創成川東
創成川東は「創成川イースト」とも呼ばれ、近年再開発が進んでいるエリアです。名称のとおり、札幌市中心部を流れる「創成川」を境にした東側を指します。
札幌市では「第2次都心まちづくり計画」の一環として創成川東エリアのまちづくりを進めています。2024年8月には、新しいオフィスビル「創成クロス」もオープンしました。
JR札幌駅・地下鉄東西線のバスセンター前駅が近く、交通アクセスに優れています。
札幌市中心部でありながら、賃料が比較的安い傾向にあるため、コストパフォーマンスが高いエリアといえるでしょう。
参考:札幌市「創成東地区のまちづくり」
サッポロ不動産開発株式会社「創成クロス」
すすきの
歓楽街というイメージの強いすすきのエリアですが、近年オフィススペースも充実し始めています。2024年11月には、東急不動産のオフィスビル「CONNECT SAPPORO」が開業予定です。
地下鉄南北線や市電が通っており、交通アクセスに優れています。
参考:日本経済新聞「東急不動産、札幌・すすきのにオフィスビル 11月開業」
円山
円山エリアは高級住宅街として知られており、街のイメージが良いです。事務所の立地を企業イメージ向上に役立てたいなら、選択肢の1つとなるでしょう。
地下鉄東西線の円山公園駅があり、交通の便が良いです。
地震防災マップ(中央区版)によれば、円山公園駅付近は震度6強程度の揺れが予想されるものの、液状化現象の危険度は低いです。
白石区
白石区は、地下鉄東西線が通っており、大通りエリアへのアクセスに優れています。
また、「令和3年経済センサス‐活動調査結果(確報・北海道分)」によれば、運輸業・郵便業の事業所数が市内10区のなかで最も多いエリアです。区の東部には流通センターがあり、物流の拠点となっています。
さらに「札幌コンベンションセンター」や「国際協力機構札幌国際センター(JICA札幌)」があり、集客や国際交流の拠点でもあります。
参考:札幌市白石区「区のあらまし」
東区
東区は地下鉄東豊線が通っており、札幌駅・大通りエリアへのアクセスが良いです。JR札沼線の太平駅があるほか、地下鉄は6駅あります。また、丘珠空港から釧路・函館・女満別などの北海道内各地のほか、新潟や名古屋などへも移動が可能です。
「令和3年経済センサス‐活動調査結果(確報・北海道分)」によれば、製造業・建設業の事業所数が市内10区のなかで最も多く、苗穂地区や丘珠地区に工業団地があります。
参考:札幌市東区民ホームページ「東区のプロフィール」
札幌で事務所物件を探すなら「札幌テナント連合隊」

札幌市で事務所物件を探すなら、雪対策や地下鉄からのアクセスの良さを重視するのがオススメです。札幌市は降雪量が多いため、物件によっては従業員にかかる雪かきの負担が大きくなってしまいます。冬季の負担を見越した物件選びをおこないましょう。
札幌市で事務所物件をお探しの方には、地域に特化した不動産ポータルサイトである「札幌テナント連合隊」の活用をオススメします。物件の特徴から細かく条件を付けて検索できますので、一度チェックしてみてください。