テナント入居先に商業施設を選ぶメリット・デメリット|募集中か調べるには?

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テナント入居先に商業施設を選ぶメリット・デメリット|募集中か調べるには?

出店を検討する際、商業施設のテナントとして入居することを考えている人もいるでしょう。

商業施設のテナント入居とは、ショッピングモールや駅ビルなどの施設に店舗を構える形態のことです。

経営の自由度が低いなどの制約はあるものの、集客がしやすく天候の影響を受けづらいなど出店者側に多くの魅力があります。

本記事では、商業施設のテナント物件のメリット・デメリット、募集中のテナント物件の調べ方などをまとめました。

商業施設のテナント物件へ入居したい方は、ぜひ参考にしてください。

商業施設のテナント物件とは

商業施設のテナントとは

「商業施設のテナント」とは、ビルやショッピングモールなどと賃貸契約する店舗です。一方、通りなどに面した店舗は、「路面店」と言われます。

商業施設には、次のような種類があります。

  • ショッピングモール
  • 駅ビル
  • 地下街
  • 百貨店
  • 大型スーパー
  • ホームセンター

集客のしやすさや天候に左右されないなどのメリットがある商業施設のテナントは、出店を考えている人にとって非常に魅力的な物件です。

商業施設がイベントやプロモーションを行うことも多く、営業時間中は人が絶えずにぎやかな雰囲気です。

しかし、商業施設には経営方針やデザイン面が制限されるなど、出店側にさまざまなデメリットもあります。

メリットとデメリットを理解し、商業施設のテナントが自分に合うか判断した上で選択しましょう。

商業施設のテナント物件に入るデメリット

商業施設のテナントに入るデメリット

商業施設のテナント物件に出店する際、次のようなデメリットに注意が必要です。

  • 経営の自由度が低い
  • 契約年数に期限がある
  • 出店に許可が必要

次から詳しく説明していきます。

経営の自由度が低い

路面店は、経営者自身が営業方針や経営方針を独自に決めます。

しかし、商業施設に出店した場合、基本的に商業施設側の方針に従わなければなりません。例えば、次のような項目があります。

  • 営業日や営業時間を商業施設の規定に合わせる
  • 商業施設のイメージに合わせた店舗作り
  • 売上実績報告など随時商業施設へ報告が必要

路面店であれば営業時間も休日も自由な設定が可能です。しかし、商業施設のテナントに出店する以上、商業施設の営業日や営業時間に準じなければなりません。

商業施設のオープンまでに開店準備をしたり、商業施設側のイベントに合わせて装飾したりなど、営業時間外にも長時間の勤務時間が必要です。一人ですべて行うのは厳しいため、シフトが組めるように従業員を雇うなど、対策が求められます。

また、路面店と違って、自由に店内の雰囲気や照明の明るさを決めることはできません。周囲の店舗と足並みをそろえ、商業施設のイメージに合わせる必要があります。

例えば、ファミリー層をターゲットにしている商業施設で、「シックな飲食店だから子供向けのメニューは作りません」と言っても、出店を断られる可能性が高いでしょう。

契約年数に期限がある

「同じ場所で営業し続けたい」という人に、商業施設のテナント物件はオススメできません。

商業施設のテナント物件に出店する際は、契約期間が定められた「定期借家契約」を結びます。一般的にテナント物件の契約期間は2~5年です。

契約期間が満了しても、商業施設(貸主)と店子(借主)の双方が合意すれば再契約も可能です。

しかし、ショッピングモールや百貨店などの商業施設ではお客様に飽きられないよう、定期的に店を入れ替えます。商業施設側が再契約を拒み、退去を求める場合も考慮しなくてはなりません。

そもそも、商業施設自体が期限付きの建物です。商業施設は土地の所有者と契約して建物を建てており、契約が終了したら更地に戻します。

基本的に商業施設で一生ものの出店は考えない方が良いでしょう。

出店に許可が必要

路面店に比べると、商業施設への出店は簡単ではありません。商業施設側へ今までの実績や業績などの資料を提出し、審査を受けるからです。

審査項目として、次のようなものがあります。

  • お店のコンセプトやターゲット層
  • 提供するメニュー
  • サービス内容
  • 売上実績

特に厳しく見られるのが売上実績です。商業施設はテナント物件を借りる側に、「最低保証売上額」を設定しています。仮に売り上げが悪くなり、月商が最低保証売上額に満たなくても一定のテナント料が徴収されるシステムです。

商業施設も利益を出さなければならないので、出店を希望する店舗が黒字を出し続けられるか細かくチェックされます。

人気店として繁盛していた、または長期的に店舗を経営していたという実績のある人は、商業施設側からオファーを受けることもあります。

しかし、初めて出店する場合は実績がないため、出店許可を得るのは難しいでしょう。

商業施設のテナント物件に入るメリット

商業施設のテナントに入るメリット

商業施設のテナント物件に出店すると、次のようなメリットがあります。

  • 集客のコストが抑えられる
  • 天候に客足が左右されにくい
  • スタッフを採用しやすい

それぞれ詳しく説明します。

集客のコストが抑えられる

商業施設と路面店で大きく違うのが、集客のしやすさです。

ショッピングモールやショッピングセンターでは、市場調査を行い、マーケティングに莫大な費用をかけて集客対策をします。テレビやインターネットはもちろん、新聞やチラシなど、多様な媒体で宣伝を行います。

クリスマスやバレンタインなどのイベントがある時期に、ショッピングモールなどの商業施設のCMが何度も流れるのをご覧になったことがあるでしょう。商業施設はプロモーションに費用をかけており、知名度や集客力は路面店とは比べ物になりません。

商業施設のテナント物件に出店するとさまざまな制約がありますが、一方で路面店ほど広告宣伝費をかけなくても集客の恩恵にあずかれるのは大きなメリットです。

また、集まるお客様の購買意欲が高いのも大きな違いです。どんなに人の多い通りでお店を出しても、目的はバラバラで購買意欲の高い人ばかりではありません。

しかし、商業施設へ訪れるのは「あれを買おう」「見て回って良いものがあれば購入しよう」と何かを購入する目的のあるお客様ばかりです。商業施設側も、さまざまなテナントを入居させ、存在価値やイメージを高めるブランディングを行っています。

目的を果たした後も、飲食店を利用したり、お土産を買ったりと消費行動にためらいのないお客様が多く、自店舗を利用してもらえるチャンスが高くなります。

商業施設の駐車場も集客コストが抑えられるポイントです。

路面店の場合、駐車場がなかったり、あっても希望する広さではなかったりと悩みがちですが、商業施設なら大規模な駐車場があります。賃料に駐車場代が含まれているため、駐車場確保のコストも抑えられます。

広告宣伝費・購買意欲の高い客層・大規模な駐車場などの理由により、商業施設では路面店より大きな売り上げになる可能性が高いのです。

天候に客足が左右されにくい

路面店の場合、天候が悪いと客足も悪くなりがちです。しかし、商業施設内に店舗があれば、天候に客足を左右されません。

特に、駅直結型や屋内駐車場のある商業施設の場合、雨や雪が降ってもお客様が濡れずに利用できるため、天候はほとんど集客に影響しないでしょう。

また、商業施設には映画やキッズパークなどの娯楽性の高いサービスが多く、悪天候でも楽しめるため、ファミリー層や若年層が積極的に利用する理由になります。

季節を問わず、空調設備で快適な温度を保っているのも、商業施設のテナントに出店する際に有利なポイントです。

猛暑日も厳寒日も買い物や食事を楽しめるので、客足が鈍ることはありません。むしろ、クールシェアやウォームシェアを目的にお客様が増える可能性もあります。

このような理由から、商業施設では一年を通して安定した客足の確保が可能です。

スタッフを採用しやすい

商業施設にはスタッフを採用しやすいというメリットがあります。

商業施設はアクセスが良いため、近隣だけでなく遠方から来てくれる可能性が高く、幅広い人材からスタッフを選べます。

商業施設の人気や知名度が高ければ高いほど、スタッフ側も「話題の商業施設で就業した」と高い意識を持って働いてくれるでしょう。職歴に箔をつけたりスキルを磨いたりする場として積極的に応募してくれる可能性があります。

また、商業施設から運営のサポートが受けられるのも、スタッフを集めやすい一因です。

クレームやトラブルなどが発生すると、商業施設に報告する義務があります。商業施設にはトラブル処理を専門とする部署があるので、サポートが得られます。

何かあるたびに報告するのは手間に感じるかもしれません。しかし、出店側でクレームやトラブル処理をせずに済むため、スタッフも安心して働けます。

もちろん、働きやすい環境を作るのも大切です。スタッフが長く続けられるよう、シフトや時給などに配慮しましょう。

商業施設がテナント募集中か調べる方法

商業施設がテナント募集中か調べる方法

「商業施設の空きテナント物件の探し方が知りたい」という人に向けて、次のような方法をご紹介します。

  • 出店希望エリアの商業施設を探す
  • 商業施設のホームページを確認する
  • ポータルサイトを使う

出店希望エリアの商業施設を探す

出店を希望するエリアが決まっているなら、Googleで検索する方法が手軽です。「商業施設 テナント 空き」などのキーワードを入力すると、検索結果に商業施設の空きテナントの情報を載せているサイトなどが表示されるので、情報が得られます。

商業施設の空きテナント物件の情報を掲載している不動産会社があれば、問い合わせて他にも情報がないか相談をしてみるのもオススメです。

また、出店したい商業施設が決まっているなら、実際に訪れてみましょう。

商業施設の中で「テナント募集」などのチラシが貼られている場合があるので、いち早く情報を得られます。商業施設内の雰囲気や傾向を確認できるので、出店について具体的なイメージが持てるのもメリットです。

商工会議所などの公的支援機関に相談するのも良いでしょう。このような機関では地域の活性化のために、テナントへの出店や資金調達などについて相談受付やサポートを行っています。相談すると、商業施設内の空きテナントの情報を提供してくれる可能性があります。

一つの方法だけでなく、いくつかの方法を組み合わせて探すのがオススメです。希望の商業施設へ出店できる可能性が高くなります。

商業施設のホームページを確認する

出店したい商業施設が決まっているなら、ホームページでテナント物件を募集していないか確認してみましょう。

商業施設に空きテナントが多いとイメージが良くありません。商業施設はできるだけ早く空きテナントを埋めたいため、ホームページ上に情報を載せ、出店者を募集します。

商業施設のホームページは詳細な情報を掲載しており、出店を検討しやすいのもメリットです。

  • 商業施設の特徴(モール型、スーパーセンターなど)
  • 所在地
  • アクセス方法
  • 周辺環境
  • 受けられるサポート
  • 募集業種
  • テナント面積
  • 階数
  • 賃料

また、ホームページのフォームから、直接問い合わせすることも可能です。

ただし、必ずしも希望の商業施設で空きテナントがあるとは限りません。定期的に商業施設のホームページをチェックしたり、他の商業施設を検討したりすることも必要です。

ポータルサイトを使う

ポータルサイトとは、複数の不動産会社が物件情報を掲載しているサイトです。広域の不動産情報を掲載しており、商業施設の空きテナントの情報も得られます。

多くの商業施設の空きテナントを一度に比較できるので、思ってもいなかった商業施設が出店の検討対象になる可能性もあります。

地域・面積・賃料など、検索オプションを使って条件を絞ることも可能です。自分の希望に合わせて探してみましょう。

ポータルサイトには、物件を紹介している不動産会社の情報が掲載されており、気軽に問い合わせが可能です。気になる空きテナントがあればすぐに連絡しましょう。

また、ポータルサイトによっては、不動産会社から直接情報を送ってもらえるサービスを提供しているところもあります。

例えば、ラルズネットには「テナント物件リクエスト」というページがあり、フォームに必要な情報を入力すると、対象地域の不動産会社から物件情報が届きます。

商業施設の空きテナントを探す際は、ぜひ利用してみてください。

商業施設のテナント物件に入る流れ

商業施設のテナントに入る流れ

商業施設のテナント物件に入る際は、次のような流れになります。

  • テナント募集中の商業施設を探す
  • 事業計画を立てる
  • 出店の申し込みを行う

詳しく見ていきましょう。

テナント募集中の商業施設を探す

初めに行うのは、テナント募集中の商業施設を探すことです。Googleで検索したり、ポータルサイトで調べたりと、複数の方法で希望に合う空きテナントを見つけましょう。

その際に重要なのが、「商業施設と自店舗がマッチするか」です。商業施設はイメージを保つために、テナント店に対して細かい規定を設けています。店舗の内装や明るさ、看板のサイズなど細かく決まっていることが多く、自由度は高くありません。

実際に商業施設に行って、雰囲気などを確認することをオススメします。もし、「こんな店にしたい」という強い思いがあるなら、商業施設へのテナントは合わないかもしれません。

「出店したい」と思える商業施設の空きテナントを見つけたら問い合わせます。出店条件はもちろん、どんなブランディングをしているのか、どんなイメージのテナントを募集しているのかも確認しましょう。

商業施設のテナントを取り扱う不動産会社の中には、申し込みから契約締結まで幅広くサポートしてくれるところもあります。費用は掛かりますが、あまりにも希望の商業施設の空きテナントが見つからない場合は、利用の検討をオススメします。

事業計画を立てる

商業施設に申し込みを行う前に、事業計画を立てます。次のような項目を書き出しておくと良いでしょう。

  • 店舗のコンセプト
  • ターゲット層
  • 提供するサービス・メニュー
  • 運転資金
  • 予測される売上額
  • 経営実績

特に、商業施設では必ず最低保証売上額を徴収するので、資金計画は必須です。

出店の申し込みを行う

事業計画を立てたら、商業施設へ出店の申し込みを行います。商業施設によって違いはありますが、資料を求められる場合が多いので、事業計画の内容をまとめて提出しましょう。

申し込み後は、商業施設から審査されます。「毎月売り上げを確保できるか」「経営に問題がないか」などの項目をクリアしたら、商業施設側から出店要請が出ます。

正式契約後は、内装工事の施工会社選びやチラシの用意などを進め、オープン準備を始めましょう。

商業施設のテナント募集を探すなら「テナント連合隊」!

商業施設のテナント募集を探すなら「テナント連合隊」!

本記事では、商業施設のテナント物件に出店するメリット・デメリット、商業施設のテナントの探し方や入居までの流れを解説してきました。

商業施設のテナントへ出店を検討する際には、「経営の自由度が低い」「商業施設のイメージに合わせなければならない」などのデメリットを理解することが重要です。

しかし、商業施設のテナント物件には集客のしやすさや駐車場のコストが抑えられるなどの大きな魅力もあります。

本記事で紹介したポイントを参考に、商業施設のテナント出店を目指してみてください。

テナント物件をお探しの方へ

貸店舗・貸事務所をお探しの際は、地域特化型テナント物件探し専門ポータルサイト『テナント連合隊』を活用してみてはいかがでしょうか。

路面店、居抜き物件コーナーなど、事業者目線で詳細な検索ができるようになっています。
『テナント連合隊』が、これから出店を考えている事業者様のお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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