北海道にお試し移住!体験移住のメリットや自治体の制度を解説

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北海道にお試し移住!体験移住のメリットや自治体の制度を解説

生活スタイルが多様化する昨今、地方移住に関心を寄せる人が増えています。
特に北海道は、豊かな自然環境や美味しい食材をはじめ魅力的な要素が多く、移住先として人気のエリアです。

しかし、地域での人間関係や北海道ならではの冬の寒さなど、実際に現地で確かめてみないとわからないこともあります。
そこで本記事では、本格的に移住をする前に北海道での暮らしを体験できる、お試し移住の制度についてご紹介します。

「移住を考えているものの、不安要素が多くて一歩が踏み出せない」「まずは北海道での暮らしをお試し感覚で体験してみたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

お試し移住という選択肢

お試し移住という選択肢

2020年から世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスの影響により、人々の生活スタイルは大きく変化しました。

現在はテレワークが普及し、場所を選ばず仕事ができたり、ECサイトで気軽に買い物が楽しめるようになったりと、地方でも大きな不便を感じずに暮らせることも多いでしょう。

2020年に内閣官房が行った、「東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査」でも、東京圏在住者のおよそ半数が地方で暮らすことに関心を持っているという結果が出ています。
参考:内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局|東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査

しかし、地方移住は、これまでの働き方やライフスタイルを大きく変える決断でもあります。
「知り合いのいない土地でうまくやっていけるのか」「仕事は見つかるのか」など、不安なこともいろいろと出てくるでしょう。

このような中、地方移住を促進している自治体では、移住を検討している人向けにさまざまな支援策を設けています。
その一つが、一定の期間現地に滞在することで地域の魅力や実際の暮らしぶりを体感してもらう、お試し移住です。

お試し移住をすることで実際にどんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

北海道にお試し移住をするメリット

北海道にお試し移住をするメリット

お試し移住を体験することで、現地に行かなければわからないリアルな情報を得られます。

ここでは、お試し移住のメリットを詳しくご紹介します。

住んでみたいエリアに低コストで滞在できる

お試し移住では、自治体が提供する宿泊施設や移住体験用の施設に滞在できます。

家具・家電・寝具など、生活に必要なものは自治体が用意してくれるケースも多いため、最低限の荷物だけで済むのは大きなメリットです。
宿泊費用がかかる場合もありますが、個人で宿泊施設を探すよりも低コストで済むため、気軽に移住体験ができます。

ただし施設によっては、宿泊費用とは別に光熱費や共益費が必要な場合もあるため、申し込み前に確認しておきましょう。

また、「北海道に移住を検討しているものの、具体的にどのエリアに住むか絞り込めていない」という方は、複数の自治体でお試し移住をして比較検討するのもおすすめです。

移住先での暮らしを具体的にイメージしやすい

移住先に関する基本的な情報はインターネットや本で調べられるとしても、その土地の気候や地域住民同士の人間関係、子育て制度の充実度などは、実際に暮らしてみないとなかなかわからないものです。

特に北海道は雪国のため、他の地域から移住する場合は「思っていた以上に寒さが体に応えた」「雪かきが大変だった」ということもあるでしょう。

現地の環境に適合できるか否かを判断するためにも、前もって冬の寒さを体感しておくことをおすすめします。

結果として、移住後に感じるギャップを極力排除し、失敗や後悔のリスクを抑えられるでしょう。

地元の人とのつながりが生まれる

都会から地方に移住するとき、特に気になるのは人間関係ではないでしょうか。

「地域のコミュニティでうまくやっていけるだろうか」「移住者として受け入れてもらえるだろうか」と、不安になる方もいるでしょう。
お試し移住は人間関係の不安を解消する場合にも効果的です。

地元の人とコミュニケーションをとることでつながりが生まれるため、移住してからも地域に溶け込みやすくなるメリットがあります。

また、移住前に現地の人の意見や情報をヒアリングすると、仕事や住まいに関するリアルな情報を取得できます。

滞在中に自分向けの仕事が探せる

地方移住を考えるうえで仕事探しも重要なポイントです。

都市部に比べて地方は求人数や企業の数が少ない傾向にあるため、移住先で仕事が見つからないケースも考えられます。

そこで、お試し移住の段階から仕事に関する情報を集めておけば、「自分が求める仕事に就けるか」「収入が減らないか」などの不安を減らせるでしょう。

企業の中にはインターネットに求人情報を掲載せず、知り合いからの紹介のみで募集を行っているところもあるため、地元の人と知り合いになっておくことも大切です。

また、地域によっては自治体の担当者が現地を案内してくれたり、職業体験などのイベントを開催していたりする場合もあります。

北海道で実際に生活しながら移住体験!「ちょっと暮らし」

北海道で実際に生活しながら移住体験!「ちょっと暮らし」

お試し移住のメリットがわかってきたところで、具体的にどのような移住体験の制度があるのか見ていきましょう。

北海道には、長期滞在しながら移住体験ができる「ちょっと暮らし」という制度があります。

ここでは制度の概要に加え、ちょっと暮らしの利用者が多い地域ベスト3をご紹介します。

ちょっと暮らしの利用者が多い地域ベスト3
1. 釧路市(利用者数ナンバーワン)
2. 東川町(東京からのアクセス良好)
3. 浦河町(過ごしやすい気候で人気)
参考:北海道ホームページ|北海道体験移住「ちょっと暮らし」令和3年度実績

「ちょっと暮らし」とは

ちょっと暮らしとは、自治体が提供する家具家電付きの住宅や長期滞在用の施設を利用し、地域での暮らしを体験できる北海道独自の取り組みです。

実際に現地で生活しながら交流会や就業体験といったイベントに参加することで、地域の魅力や暮らしぶりを深く理解できます。

ちょっと暮らしの利用申し込みは、滞在を希望する自治体の窓口を通じて行います。
滞在できる期間や人数は自治体や施設ごとに異なるため、事前に自治体の窓口に確認してください。

参考:北海道で暮らそう!|体験移住「ちょっと暮らし」

利用者数ナンバーワン:釧路市

北海道の東部に位置する釧路市は、釧路湿原国立公園・阿寒摩周国立公園という2つの国立公園がある自然豊かな町です。

夏場の平均気温は16~18℃と涼しい気候のため、避暑地としても人気を集めています。

港町なので新鮮な魚介類が採れ、ザンギや炉端焼きなどのご当地グルメが楽しめるのも魅力の一つです。

釧路市はちょっと暮らしの利用者数・延べ滞在日数が11年連続1位を記録しており、根強い人気を誇っています。

不動産や観光に携わる地元企業と釧路市が連携して運営する「くしろ長期滞在ビジネス研究会」では、ちょっと暮らしで滞在できる施設の情報提供や、移住希望者向けのイベントの企画運営を行っています。

また、長期滞在者や二地域居住者を対象として、公共施設の利用料金などを釧路市民と同じ条件で適用できる「くしろステイメンバーズカード」という制度もあるので、ちょっと暮らしで釧路市を訪れた際はぜひ活用しましょう。

参考:釧路市ホームページ|移住体験に関すること

東京からのアクセス良好:東川町

北海道のほぼ中央に位置する東川町は、道内第二の都市といわれる旭川市に隣接しています。

町の中心部から旭川空港までは車で約10分、旭川空港から羽田空港まではおよそ1時間45分と、東京からのアクセスが良いエリアです。

標高2,291mの旭岳がある東川町では、町のどこからでも雄大な山の景色を見渡せます。

妊産婦への家事サポート、中学生までの子どもは医療費無料など、子育て支援が充実しているのも東川町の魅力です。

そのため移住先として人気が高く、ここ20年以上にわたって人口が増加し続けています。

また、東川町を象徴するキーワードに「適疎」というものがあります。
適疎とは過密でも過疎でもなく、ほどよいゆとりがある状態を目指し、豊かな町づくりをしていこうという考え方です。

東川町のちょっと暮らし向け施設は、貸別荘やワンルームなど3パターンから選択でき、滞在可能な期間や人数はそれぞれ異なります。
詳しくは以下のホームページよりご確認ください。

参考:東川町ホームページ|町に住む(移住体験)

過ごしやすい気候で人気:浦河町

浦河町は、日高山脈と太平洋に囲まれた自然豊かな町です。

夏は平均気温17~20℃と涼しい気候で、冬も雪かきがほとんど必要ないほど降雪量が少ないため、年間を通して過ごしやすい気候です。

浦河町は、子育て支援に力を入れていることでも知られています。
18歳までの子供の医療費を町内で使えるポイントとして還元したり、安心して子育てができるよう子育て支援住宅を新設したりと、さまざまな取り組みを行っています。

お試し移住向けの施設は町営のものと民間が管理しているものがあり、いずれも家具家電つきです。
他の自治体ではなかなかない、ペットOKの物件もあります。

初めてお試し移住をする際は町の担当者が町内を案内してくれたり、乗馬体験が1回無料でできたりと、充実したサポートが特徴です。
お試し移住の利用者が多い夏には交流会が開催され、移住希望者同士のコミュニケーションの場になっています。

参考:浦河町ホームページ|移住ポータルサイト

北海道での暮らしを短期間でお試し!移住体験ツアー

北海道での暮らしを短期間でお試し!移住体験ツアー

北海道の一部の自治体では、より短期間で気軽にお試し移住ができる移住体験ツアーを用意しています。

ここでは、北海道内の主な移住体験ツアーの取り組み事例をご紹介します。

美瑛町

丘の町として知られる美瑛町は、旭川市と富良野市の間に位置しています。

なだらかな丘陵地帯と、その背景に広がる雄大な景色が最大の魅力です。

観光地として国内外から多くの人が訪れる美瑛町ですが、近年は子育て支援や住宅支援などの制度面が整っていることから、移住先としての人気も高まっています。

美瑛町の「移住体験プライベートツアー」では、日程から内容まで利用者の希望に沿ってオーダーメイドのプランを設定できます。
美瑛町の担当者の案内で町を見て回ったり、先輩移住者の家を訪問したりと、さまざまな体験プログラムを通じて移住の疑問や不安を解消できるツアーです。

申し込みは、美瑛町のホームページから行えます。

なお、現地までの交通費や宿泊費、体験プログラムにかかる費用は自己負担なので注意が必要です。

参考:美瑛町ホームページ|移住体験プライベートツアーで移住の疑問を解消しよう!

名寄市

北海道北部の中核都市といわれる名寄市は、豊かな自然と生活の利便性という、2つの魅力をあわせもつ町です。

夏には広大な大地にひまわりの花が咲き誇り、冬には美しい雪景色や星空が見られるなど、四季折々の風景を身近に感じることができます。
一方で、スーパーやショッピングモール、病院といった生活に必要な施設がコンパクトにまとまっており、ほどよい都市機能が備わっています。

名寄市の移住体験ツアーは、例年5月から翌2月に実施されており、「暮らし」や「住まい」など7つのモデルコースの中から2つの移住体験を選択できるのが特徴です。

体験者の宿泊費は最大2泊まで助成され、同一年度内に1回のみ利用できます。

参考:名寄市ホームページ|移住体験ツアーのお知らせ

鷹栖町

旭川市の北部に位置する鷹栖町は、基幹産業である農業を中心に発展してきました。
現地ではお米や野菜のほか、鷹栖牛やエゾ鹿肉など、地元産の豊富な食材が楽しめます。

鷹栖町は移住者の開業支援に力を入れているのが特徴です。

例えば「新規開業等支援事業補助金制度」では、飲食店や小売業を対象に、店舗の新築や空き店舗・空き家の改修工事などに対して最大300万円が補助されます。

移住体験ツアーは約5日間の日程で実施されており、参加費用や宿泊費用を自治体が負担してくれるメリットがあります。

ただし、現地までの交通費や滞在中の食費などは自分で負担する必要がある点には注意が必要です。

鷹栖町の移住体験ツアーでは、受け入れ先での就業体験や意見交換会を通じて、現地でのリアルな暮らしを体験できます。

参考:鷹栖町ホームページ|移住体験ツアー

お試し移住で北海道での暮らしをシミュレーションしよう

お試し移住で北海道での暮らしをシミュレーションしよう

本記事では、お試し移住を体験するメリットや、北海道の各自治体が実施しているお試し移住の制度についてご紹介しました。

本格的に移住を始める前にお試し移住を行うと、移住後の後悔やミスマッチのリスクを最小限に抑えられるでしょう。

ぜひお試し移住を利用して、北海道での暮らしを体験してみてください。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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