日本の夏は年々暑くなっており、猛暑日に悩まされる人が増えています。そのような人にオススメの避暑地が釧路です。
釧路は7~9月の平均気温が21.2度と夏でも非常に涼しく、大自然に囲まれた魅力的な街です。また、春先の花粉に悩まされる人にとっても、スギ・ヒノキが自生していない釧路はアレルギー症状が出づらく、過ごしやすい街と言えるでしょう。
本記事では避暑地として釧路に滞在するメリットのほか、釧路の特徴や移住について解説しています。「避暑地を探している」という人は、ぜひご一読ください。
目次
釧路が避暑にオススメな理由
近年、日本の夏は猛暑日が増え、2023年は40度に達する地域が出るなど危険な暑さになっています。気象庁の大都市圏の気温データでも、猛暑日が右肩上がりで増加しているのが分かります。
しかし、釧路は次のような理由から避暑地としてオススメです。
- 真夏の平均気温は21.2度
- 釧路市が体験移住を推進
- アクティビティが充実
それぞれ詳しく見ていきましょう。
真夏の平均気温は21.2度
釧路の7~9月の平均気温は21.2度(2019~2021年)で、夏でも非常に涼しい町です。
近年は温暖化によって、釧路でもまれに猛暑日が観測されるようになりました。2022年7月31日に観測開始以来の最高気温である33.5度の記録を更新しています。
しかし、30度を超えたのは1日のみで、釧路の2022年7~9月の平均気温は22.1度です。2023年7~9月の平均気温は24度と多少上がりましたが、30度を超える日はありませんでした。
2022年7~9月の東京都の平均気温が30.8度、大阪府が32.3度であることを踏まえると、釧路は避暑地にオススメのエリアと言えるでしょう。
7~9月でも20度以下になる日があり、夕方には急激に気温が下がるので、釧路で避暑中は長袖の服が必須です。
次のような理由で夏の過ごし方に悩んでいる人は、釧路で避暑体験をしてみてはいかがでしょうか。
- 夏バテで体調が悪くなる
- 暑さで眠れず睡眠不足に悩まされている
- 日射病や熱中症が怖くて夏に外出できない
釧路では短期・長期滞在のどちらもメリットがあり、オススメです。
参考:釧路市 そもそもくしろってどんなまち?
国土交通省 気象庁 過去の気象データ検索
釧路市が体験移住を推進
北海道では移住者の増加を目的に、道内の各地域で気軽に滞在体験ができる「ちょっと暮らし」制度を整えています。
釧路市でも避暑を目的にした長期滞在を推奨しており、2022年の「ちょっと暮らし」において、1,587組2,267人が長期滞在しました。
2011年から連続して「ちょっと暮らし」で全道1位の座をキープしており、釧路市は避暑地として高い魅力があることを証明しています。
また、釧路では「くしろお試しワーキングホリデー」も推奨しています。北海道外に住んでいる人が対象で、釧路の企業で働きながら長期滞在ができる制度です。時期は秋・冬ですが釧路への移住を検討している方であれば、利用して損はありません。
アクティビティが充実
釧路は海・山・川・湖・湿原と雄大な大自然に囲まれており、夏の間はカヌーや釣り、登山などが楽しめます。
代表的な自然 | 特徴 |
---|---|
釧路湿原国立公園 | 日本最大の湿原。総面積28,788ヘクタール。日本で初めてラムサール条約登録湿地になった。 |
阿寒摩周国立公園 | 公園内のほぼ9割以上が未開発地域の自然。まりもで有名な阿寒湖がある。 |
厚岸霧多布昆布森国定公園 | 国定公園。40,000ヘクタールの広大な範囲で、釧路・厚岸・浜中・標茶の4つの町をまたがる公園。カヌーやキャンプが楽しめる。 |
釧路川 | 下流に釧路湿原がある。カヌーやボートができる。 |
雌阿寒岳 | 標高1,499mの活火山。登山道が3コースある。 |
ほかにもホーストレッキング、ゴルフ、バードウォッチングなど、さまざまなアクティビティがあります。
夏は熱中症の危険があるため、外でのアクティビティを控えるという人もいると思いますが、釧路なら涼しさを堪能しながら体を動かすことが可能です。
また、釧路は霧は多いものの、北海道の中でも日照率が高いエリアなので、滞在中は快適に過ごせる可能性が高いでしょう。
釧路近郊には温泉もあるので、車があればアクティビティの後に汗を流すのもオススメです。
釧路は花粉を避けたい人にも理想的!
避暑にオススメの釧路ですが、毎年花粉に悩んでいる人は次のような理由から、2~4月頃に行くのも良いでしょう。
- スギ・ヒノキが自生していない
- 「花粉ゼロ くしろで避粉キャンペーン」
「花粉で鼻水や目のかゆみがあり、外に行くのが億劫」という人は、釧路でならアクティブに過ごせるかもしれません。
スギ・ヒノキが自生していない
全国的に花粉の量がピークを迎えるのは2~4月頃です。毎年同じではありませんが、東北や関東、九州などには花粉の飛散量が多いエリアがあり、飛散量に比例して花粉症の発症率も高い傾向にあります。
しかし、釧路には花粉アレルギーを起こすことで有名なスギやヒノキが自生していません。シラカバの花粉はありますが、ピークは5月で釧路は飛散する量が少ないため、花粉に悩まされる時期も穏やかに過ごせる可能性が高いでしょう。
花粉アレルギーを避けたい方は、釧路の冬季間(11~3月)もオススメです。関東・東海・関西・九州などの雪がないエリアでは年間を通してさまざまな植物による花粉が観測されますが、厳寒の釧路の冬に花粉はありません。
降雪量が少ないので雪かきで大変な思いをせず、花粉症の不快な症状に悩まされないのは大きなメリットと言えるでしょう。
参考:ウェザーニュース 約半数の方が花粉症と自覚 発症率が最も高いのは山梨県
「花粉ゼロ くしろで避粉キャンペーン」
スギ花粉の多い地域では、2人に1人は花粉症を発症すると言われています。花粉が飛ぶ季節になると、日本ではアレルギー症状に悩まされる人が多く、花粉のないエリアが注目されるようになりました。
スギが自生していない釧路はアレルギーに悩まされず過ごせる町の一つです。釧路市も「花粉ゼロの街」としてPRしてきました。
2024年から「花粉ゼロ くしろで避粉キャンペーン」で期間中に滞在した人にプレゼントを贈るなど活動を強化し、花粉のない生活を送ることを推奨しています。
実際に、花粉の時期に釧路に滞在した人からは「花粉を気にせず活動できる」と好評の声が上がっています。
また、黄砂のアレルギーに悩まされている人にとっても、釧路は過ごしやすい街と言えるでしょう。黄砂は東アジア内陸部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などから大量の粉塵が強風で吹き上げられる現象です。
偏西風に乗って日本にも到達するため、黄砂に含まれる粒子で鼻水や咳などのアレルギー症状を発症する人がいます。
黄砂はゴビ砂漠やタクラマカン砂漠に近いエリアほど飛来する頻度が高くなる傾向です。釧路にも黄砂が到達しますが、西日本や関東ほど頻度は高くありません。2023年4月に5年ぶりに黄砂が飛来し、ニュースになりました。
花粉も黄砂も3~5月に多いので、アレルギー症状に悩まされている人は釧路で避粉活動をしてみてはいかがでしょうか。
釧路に短期滞在する方法
7~9月の暑い時期に釧路に短期滞在(3泊4日まで)をするなら、航空券やホテルを選べる旅行会社のプランを利用するのがお手軽です。同じホテルに連泊する場合は割引になることも多く、宿泊費の節約につながります。
釧路市内はもちろん、周辺エリアにも観光に適した施設や自然があるので、短期滞在中は暑さや花粉に悩まされず楽しめます。
もちろん、個人で航空券・宿泊・レンタカーの手配をするのもオススメです。宿泊場所を変えたり、キャンプやコテージを利用したりすれば、釧路のさまざまな魅力を堪能できるでしょう。
釧路で長期滞在する方法
釧路で長期滞在(3泊4日以上)する場合は、次のような方法があります。
- ホテルに宿泊する
- マンスリーマンションを借りる
- ゲストハウスを利用する
- くしろお試しワーキングホリデー
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ホテルに宿泊する
釧路のホテルでは、長期滞在する人に向けてプランを出しています。
7日以上滞在する人向けのウィークリープランや、15泊以上から利用できるロングステイプランなど、さまざまなプランがあるので、利用を検討しましょう。
航空券とホテルの長期滞在がセットのツアーもあり、旅行会社で手軽に申し込めます。
また、釧路では長期滞在・移住を推奨しており、地元の観光・ホテル・交通に関する企業などと連携した「くしろ長期滞在ビジネス研究会」という団体が組織されています。
「くしろ長期滞在ビジネス研究会」のホームページでは長期滞在施設としてホテルを紹介しているので、直接申し込むのもオススメです。
マンスリーマンションを借りる
釧路に1カ月以上長期滞在するなら、マンスリーマンションの利用がオススメです。滞在期間が長くなればなるほど月額が安くなるので、ホテルや民宿に泊まるより安く済みます。
マンスリーマンションは通常のマンションと同様、キッチン・風呂・洗面所などの設備があります。「釧路に宿泊」するというより「釧路で暮らす」体験が楽しめるでしょう。
過ごす時間が長くなれば、地元の人が食べる旬の食材や観光客の行かない穴場が見つかるかもしれません。
また、前述の「ホテルに宿泊する」で説明した「くしろ長期滞在ビジネス研究会」では、不動産会社とも提携しており、ホームページでマンスリーマンションを案内しています。
ラルズネットの釧路不動産連合隊でもマンスリーマンションが検索可能なので、ぜひご利用ください。
ゲストハウスを利用する
ゲストハウスとは他の宿泊客との相部屋が基本の宿泊施設です。
ホテル・旅館などの施設と違い、洗面台や風呂は共有スペースを利用するため、ホスピタリティを求める人にはオススメできません。
しかし、宿泊費用が安いので長期滞在でも費用が抑えられます。「できるだけお金を節約したい」という人にはメリットのある滞在方法です。
ゲストハウスごとにWi-Fi・PC・プリンタなどを備えていたり、ペットと宿泊が可能だったりとそれぞれ特色があるので、目的に合ったゲストハウスを選びましょう。
くしろお試しワーキングホリデー
「釧路市が体験移住を推進」でも説明しましたが、釧路市では企業に就労しながら2週間滞在できる「くしろお試しワーキングホリデー」制度が利用できます。
将来的に釧路への移住も考えている人は、疑似体験ができるためオススメです。また、宿泊施設の手配や宿泊代は釧路市が負担してくれるので、メリットの多い制度です。
次のような注意点も理解し、利用しましょう。
- 受入企業は決まっているので自分で企業を選べない
- 居住地から釧路までの移動費は自己負担
- 滞在中の生活費は自己負担
- 交流イベントに参加する必要がある
2023年の「くしろお試しワーキングホリデー」は、次の4季で募集していました。
- 7月3日~7月31日
- 9月1日~9月29日
- 11月14日~12月15日
- 12月25日~1月15日
利用したい人は、サイトをチェックしたり、釧路市へ問い合わせたりし、募集期間に間に合うようにしましょう。
釧路の特徴と魅力
釧路の魅力として、次のようなポイントを説明します。
- 釧路の特徴
- 空港や大病院がある
- 人口16万人弱でほどよく便利
釧路の特徴
釧路の語源はアイヌ語の「クスリ」からと言われています。「クスリ」の由来は「クシル=超える」や「クスリ=薬」など諸説あり、定かではありません。
江戸時代の北海道は「蝦夷地」と呼ばれ、1799年に東蝦夷地、1807年に西蝦夷地が幕府領になり、北海道各地の地名はアイヌ語由来の名称に変えられました。
「クスリ」も「釧路」となり、1899年には釧路港が開港し、炭鉱・漁業・製紙の3つの産業によって大いに発展しました。3つの産業は現在も釧路を支え続けています。
また、釧路港は国際バルク戦略港湾として、東北海道地域の流通拠点となっています。2024年には阿寒IC~釧路西IC間が開通するため釧路~札幌のアクセスが向上し、釧路港の重要性はさらに増すでしょう。
さらに、釧路は四季を通して魅力の多い街です。
春:花粉がなく、アレルギーに悩まされない
夏:平均気温が22.2度で涼しい
秋:海・山の味覚が楽しめる
冬:降雪が少なく雪かきに労力を割かなくて済む
霧の多さも釧路ならではです。
年間約100日も霧が発生することから「日本のロンドン」と呼ばれることもあります。霧の中の湿原や夜景は幻想的で、他のエリアでは見られない景色が楽しめます。霧の季節は「くしろ霧フェスティバル」が開催され、観光客や地元住民に好評です。
参考:酪農王国を支える国際バルク戦略港湾-釧路港国際物流ターミナル
ついに釧路! 東を目指す「道東道」2024年度に17km開通へ 釧路外環と直結
空港や大病院がある
釧路が短期・長期滞在にオススメの理由の一つに「釧路空港」が挙げられます。釧路空港は釧路中心部から20キロメートルの距離に位置し、次のような直行便があります。
- 札幌(新千歳空港・丘珠空港)
- 東京(羽田空港)
- 大阪(伊丹空港・関西空港)
- 名古屋(中部国際空港)
※大阪と名古屋は夏季のみ運航
「東京や大阪から釧路へ行く」と聞くと大変そうに思えますが、直行便が出ているため気軽に訪問することが可能です。
また、釧路には下記のような大病院が4つもあります。
- 釧路孝仁会記念病院
- 市立釧路総合病院
- 釧路労災病院
- 総合病院釧路赤十字病院
釧路滞在中に不調やケガに見舞われることを想定しても、大病院があれば安心して過ごせるでしょう。
人口16万人弱でほどよく便利
釧路は2024年2月の人口が156,949人で、ほどよく便利な街です。
スーパー・飲食店・図書館・博物館・ホームセンターなどさまざまな施設が揃っており、釧路市街に近ければ近いほど利便性が高くなっています。
前述の「空港や大病院がある」で説明した通り、大都市への直行便があり、大病院のほかにクリニックや個人病院もあります。
生活するうえで大きな問題はなく、便利な生活をしつつ自然も楽しみたいという人にとって、釧路は理想的な環境と言えるでしょう。
参考:釧路市 住民基本台帳人口
釧路に移住するなら
釧路に滞在したり、お試し移住をしたりした人の中には釧路が気に入って移住する人もいます。
冬は放射冷却で-20度以下に達することもありますが、冬の寒さ以外のメリットを重視するのであれば、移住もオススメです。
ここでは、釧路に移住する際の仕事や住居の選び方について説明します。
関連記事:釧路は住みやすい?移住のメリットと注意点を徹底解説
北海道移住って実際どう?食べ物や住環境などメリット14選
仕事
釧路に移住を決めたとして、重要なのが「仕事をどうするか」です。選択肢として、次のようなパターンがあります。
- 釧路で仕事を探す
- 移住前の仕事をそのまま続ける
- 起業する
釧路で仕事を探す
釧路では人材を求める企業に移住者を紹介しサポートする「釧路市UIJターン就職マッチング」を行っています。UIJとは次のような移住例を指します。
引用:釧路市 釧路市UIJターン就職マッチング
- Uターン:出身地に戻ること
- Iターン:出身地以外の地方に移り住むこと
- Jターン:出身地の近くの地方に移り住むこと
釧路で仕事を探している人は釧路市へ相談してみると良いでしょう。条件によっては「UIJターン支援金」の交付が受けられるメリットもあります。
移住前の仕事をそのまま続ける
現在の仕事を、リモートや釧路・釧路近郊の支店勤務を希望してそのまま続ける方法もあります。
近年は人手不足に悩まされる企業が多く、在職者は重要な人材です。リモートが可能な業種であれば、交渉する価値はあるでしょう。また、釧路で利益が見込めそうであれば支店を新たに配置する可能性もあります。
現在の職場で、まず確認してみましょう。
起業する
釧路では創業支援を行っており、起業する人に対して相談窓口や融資制度などの紹介を行っています。
釧路への移住を機に、経験を活かして起業を考えている人は、ぜひ利用してみてください。
住居
釧路で住居を探すなら、次のような方法があります。
- 地元の不動産会社で物件を探す
- ポータルサイトで賃貸や売買物件を調べる
物件を探す際には、釧路の不動産会社を利用するのがオススメです。地元ならではの情報や不動産会社独自の物件を持っていることがあるので、希望する条件で探しやすいのがメリットです。
Googleなどで「釧路 不動産会社」のように検索すれば表示されます。口コミや扱っている物件の内容を確認し、不動産会社選びましょう。
また、釧路市では「くしろ長期滞在ビジネス研究会」で賃貸物件や売買物件を紹介しているほか、市営住宅や道営住宅の案内もしています。
とはいっても、遠方に住んでいる人が釧路へ何度も訪れて不動産会社で物件を探すのはお金も手間もかかります。
そのようなお悩みがある人は、釧路の物件紹介に特化した不動産ポータルサイトの利用がオススメです。たとえば、ラルズネットの釧路不動産連合隊は釧路の賃貸物件や売買物件を紹介しています。
築年数・間取り・駅などさまざまな条件を入力して検索できるので、家にいながら釧路の住居を選べるのがメリットです。希望する物件情報を送ってほしいという人には、賃貸物件リクエストなどのサービスもあります。
釧路といえばエアコンいらずのイメージがありますが、猛暑日がないわけではありません。釧路不動産連合隊なら、エアコン付きの物件を検索できるので、ぜひご利用ください。
釧路は避暑地にオススメ!短期から長期滞在まで試してみよう!
2023年は、平均気温が統計開始以来最高を記録し、東京では64日も30度以上の真夏日が続くなど、日本の夏はかつてないほど暑くなっています。
しかし、釧路の2023年7~9月の平均気温は24度で他のエリアより涼しく、避暑地として理想的です。避暑をお求めの方は釧路で短期・長期滞在を試してみてはいかがでしょうか。
滞在後、釧路の魅力に惹かれて移住を検討する人もいます。そのような場合は「釧路不動産連合隊」をご利用ください。間取りや築年数、エアコン付きなどさまざまな条件から物件を検索することが可能です。
本記事が快適な生活の手助けになれば幸いです。