日本本土の最東端にある街、北海道根室市。
地方への移住を考えている人の中には、「根室市での移住生活ってどうなの?」「子育てはしやすい?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。地方へ移住するうえで、その街がどのような街なのかを把握することは、移住後に後悔しないためにはとても重要です。
そこで本記事では、根室市へ移住する際の基礎情報を詳しく解説します。
子育て事情や支援制度についても紹介しますので、根室市への移住の判断材料として参考にしてください。
目次
北海道根室市とはどんな街?

根室市は、太平洋とオホーツク海に面した日本で最も東にある街です。日本一早い日の出が見られる「納沙布岬」や、幻想的な流氷の景色を眺められる「根室海峡」など、魅力あふれる観光地があり、多くの人で賑わっています。
また、根室市では水産加工業が盛んで、「花咲ガニ」や「根室のさんま」を目当てに訪れる観光客も少なくありません。旬の時期にはお祭りも開催しており、多くの地元民や観光客で賑わいます。
国勢調査によると2020年10月時点の根室市の人口は24,636人です。
根室市の気候は、8月の平均気温が17.4度と過ごしやすい環境だといえます。
年間降雪量は159cmと、札幌市の479cmと比べて少ないのが特徴です(過去30年平均)。このように根室市は、観光地や特産品を目的に多くの観光客で賑わうだけではなく、雪の少なさから暮らしにも適した街です。
北海道根室市へ移住する際の注意点

根室市には、住みにくいという人も一定数います。根室市総合政策部総合政策室が公表する「転入者の意識調査」によると、最も多い理由は「医療体制」、次いで「交通の便」です。
また、もともと根室市に住んでいた人が市外へ転出した理由として、「根室市に希望する職種がなかった」「根室市から出たいと思っていた」という声が多いことから、根室市に住みにくさを感じている人がいることがわかります。
一方で、一度は転職や就職で転出したものの、結婚や再就職で再転入する人が3割程度いることがわかりました。根室市に定住経験のある男女の半数以上が住み続けたいと解答したことからも根室市の住みやすさがうかがえます。
そんな住みにくい面も住みやすい面もある根室市に移住するうえで、注意すべき点について見ていきましょう。
医療体制が整っていない
根室市にはいくつかの病院や診療所がありますが、看護師が不足しているのが現状です。
参考:根室振興局ホームページ|根室地域の保健医療福祉従事者確保
看護師が不足している場合、看護師1人の負担が大きくなることから、患者に寄り添った看護が難しくなったり、ベッド数に余りがあっても受け入れができなかったりと、医療体制に問題が出てきます。
仮に根室市内の病院では診察できず、大病院に行く必要がある場合、釧路市まで行かなければなりません。根室市から釧路市までは車で約2時間かかります。
このことからも医療体制に不満を感じる人も多いようです。
都市部に比べて交通の利便性が見劣りする
根室市では、都市部に比べて公共交通機関の運行本数が少ない点に注意が必要です。
例えば、JR根室駅から釧路駅方面の電車は1日に6本程度しかありません。また、根室市内を走行する公往循環バスでは、1日に11本程度の本数に限られています。
釧路駅までは快速電車で約2時間、一番近い空港へのアクセスは根室中標津空港まで車で約1時間30分、電車で約1時間40分かかります。
根室市の中心部を移動するのであれば自転車でも可能ですが、公共交通機関の本数の少なさから、車を持っていないと移動が不便に感じることも少なくありません。
根室市へ移住するメリット

自然豊かな根室市は、多くの観光客が訪れる観光地としても有名な街ですが、移住するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
先ほどは移住時の注意点をご紹介しましたが、根室市の良い部分も理解して総合的に移住先を検討してみてください。
四季折々の景色でリラックスできる
根室市は、海や川、湖、干潟、山々などさまざまな景色を楽しめる街です。
夏には風連湖や長節湖といった湖、冬にはシベリアから押し寄せる流氷など、四季折々の景色を堪能できます。さらに夏には、エゾシカのファミリーや野鳥も観察できるため、都会では味わえない自然が楽しめるでしょう。
根室市での移住生活では、忙しい毎日を忘れ、大自然の中でリラックスできるひとときを過ごせます。
旬の海の幸を身近に味わえる
根室市は水産加工業が基幹産業であり、海の幸に恵まれ、旬の食材を身近に感じられます。
特に花咲ガニやさんまが有名で、「根室かに祭り」「根室さんま祭り」「おちいし・味まつり」など、1年を通して海の幸に関するお祭りが盛んに行われていることも魅力です。
新鮮で美味しい海の幸を身近に楽しみたい方にはおすすめの移住先といえます。
小中学校の数が多く通学しやすい
地方に移住して子育てを考えている方にとって根室市は、小中学校が多く、通いやすいのがメリットです。市内に学校が少ない場合、子どもの送迎に時間がかかる、進学先の選択肢が少なくなることがありますが、根室市にはその心配が少ないといえます。
2023年5月時点では、6つの小学校と4つの中学校が根室市内にあり、通学もしやすく、行きたい学校を選べるほどの選択肢もあります。
地方移住では、通いたい学校を選べないほど選択肢が限られているケースがほとんどであることから、学校の多い根室市は子育てにおすすめの移住先といえるでしょう。
保育士や幼稚園教諭の働きやすい環境が整っている
根室市では、保育士人材と幼稚園教諭が働きやすいような環境整備や支援を行っています。
制度名 | 概要 |
---|---|
保育人材バンク | 登録することで根室市内の保育園や幼稚園、認定こども園などで就業を希望する方に施設から連絡が届く制度。 |
根室市幼稚園教諭等修学資金貸付事業 | 幼稚園教諭養成機関や保育士養成施設に在学または入学手続きが完了し、将来根室市内で保育士や教諭として働く人を対象に、修学資金の貸し付けを行う支援事業。 |
地方移住をする際の不安要素として就職先探しが挙げられますが、これから保育士や教諭として働きたい方や、もう既に働いている方にとって、根室市は就職が見つかりやすいおすすめの移住先です。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームぺージ|こども子育て課をご確認ください。
北海道根室市の移住支援制度

根室市では移住に関する2つの支援事業を行っています。移住することに迷っている方、移住は決めたが、ここからどう進めていこうか迷っている方は利用を検討してみると良いでしょう。
- UIターン新規就業事業
- オンライン移住相談
UIターン新規就業支援事業
UIターン新規就業支援事業は、東京圏から根室市に移住した方に移住支援金を交付する制度です。マッチングサイトに掲載がある移住支援金対象法人に就職した方、またはテレワークのために根室市に移住した方が対象となります。
1世帯当たり上限100万円、単身世帯には上限60万が支給されます。
※2022年7月以降、北海道の予算が上限に達する可能性があるため、一時停止しています。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームページ|UIターン新規就業支援事業をご確認ください。
オンライン移住相談
根室市ではオンラインでの移住相談を行なっています。実際に現地に住んでいる人の話を聞くことで、移住生活をイメージしやすいでしょう。
東京圏から根室市まで出向くのはなかなか難しいという方におすすめです。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームページ|オンライン移住相談窓口の開設をご確認ください。
北海道根室市の子育て支援制度

根室市では子育て世帯が生活しやすいよう、子育てに関する独自の支援制度が充実しています。それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。
乳児おむつ用品購入券支給事業(根室市子育て世帯生活支援事業)
根室市内に住民票登録があり、年度初め(4月1日)以降に子どもを出生した方を対象に、対象児童1人につき上限9万円分(7,500円×12ヶ月)のおむつ用品購入券が支給される制度です。
対象のオムツ用品は次の通りです。
- 紙おむつ
- 布おむつ
- おむつカバー
- おむつライナー
- おしりふき
1年分のおむつ用品の購入を支援してくれるため、子育て世帯の家計の負担が軽減されます。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームページ|根室市子育て世帯生活支援事業(乳児おむつ用品購入券支給事業)をご確認ください。
根室市子育て世代包括支援センターの設置
子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期までを対象に、保育士や保健師などの専門スタッフに妊娠・子育てに関する悩み相談ができる制度です。
初めての妊娠や子育てでは、悩みがつきものです。「妊娠したらどのような準備をすれば良い」「子どもとどう関わるべき」など、妊娠や出産、子育てに関して悩みがある場合に寄り添ってくれるでしょう。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームページ|根室市子育て世代包括支援センターの開設についてをご確認ください。
根室市出産祝金
根室市出産祝金は、子育て世代の経済的負担を軽減すべく、新生児1人につき10万円を支給する制度です。
対象者は、出産後最初の住民基本台帳の登録が根室市となっている子どもです。結婚や妊娠をきっかけに移住を考えている方は、ぜひ活用してみてください。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームページ|根室市出産祝金のお知らせをご確認ください。
チャイルドシート購入助成制度
交通事故から子どもの命を守ることを目的として、チャイルドシート購入の一部費用を助成する制度です。
乳幼児1人につき1回、上限1万円が助成されます。購入対象にはベビーシートやジュニアシートも含んでいるため、必要なタイミングで助成を受けられるのが特徴です。
もらい物やおさがりがない場合などに活用すると良いでしょう。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市ホームページ|「根室市チャイルドシート購入助成制度」についてのお知らせをご確認ください。
迷っているなら体験移住制度「ちょっと暮らし」を活用

「根室市ちょっと暮らし」は、根室市が提供している体験移住制度です。
自治体または民間企業が運営する住居や施設を、数週間や数ヶ月単位で利用できます。実際にスーパー・学校・病院までの距離や交通の便などを確認したり、地域のイベントに参加したりと、生活をして体験することで移住後の生活をイメージしやすいでしょう。
また、生活に最低限必要な家具や家電も用意されているのも特徴です。
移住する前に現地の住み心地を体験しておきたいという方におすすめの制度です。
※2023年7月時点に執筆した記事です。最新情報は根室市移住定住促進ポータルサイトをご確認ください。
根室市への移住で雄大な自然を満喫しよう

根室市は雄大な自然に囲まれ、旬の食材が楽しめることから、地方でゆったりした移住生活を送りたい方におすすめの移住先です。子育て支援制度も積極的に行っており、家族で移住を考えている方も安心できます。
根室市への移住を考えている方は、「釧路不動産連合隊」を活用してみてはいかがでしょうか。賃貸物件や売買物件、土地まで広く取り扱っている地域密着型のポータルサイトなので、掘り出し物や理想の物件が見つかる可能性があります。
地方移住を考えている方は、今回の記事を参考に、根室市を選択肢の一つとして検討してみてください。
参考:釧路不動産連合隊 根室市賃貸物件一覧
参考:釧路不動産連合隊 根室市売買物件一覧