転勤の内示が出た瞬間、多くの方が「何から始めよう?」とあせってしまいがちです。
引っ越しの準備や新居探し、新生活に対する不安が次々と押し寄せてきて、落ち着かないでしょう。しかし、転勤は事前の準備が万端であればスムーズに進められます。
本記事では、転勤にともなう引っ越しのステップや、費用・やるべきこと・注意点など、必要な情報を詳しく解説しています。転勤が決まって不安を覚えた方は、ご覧ください。
目次
転勤が決まったら、何から始める?
転勤の内示が出たら、まず赴任日を確認しましょう。
企業でもっとも多い転勤の準備期間は、約一カ月です。しかし、なかには2週間前に内示を出す企業もあり、急いで引っ越し準備を終わらせなければならないケースもあります。
ここでは、転勤のスケジュールの立て方と、新居探しの重要性について解説していきます。
転勤が決まったらスケジュールを作ろう
転勤が決まって、まっさきに取り掛かるべきなのはスケジュール作りです。引っ越しの日を確認し、逆算しながら予定を立てます。
単身赴任にするのか、家族も一緒に引っ越すのかの話し合いの時間も、予定に組み込みましょう。
スケジュールを作る際、とくに重視すべき項目は次のとおりです。
- 新居探し・退去手続き
- 荷造り
- ライフライン(電気・ガス・水道)の手続き
- 転入届などの公的な手続き
転勤の辞令が出てから引っ越しまでの準備期間でもっとも一般的なのは、約1カ月です。
しかし、「転勤の〇日前までに社員に伝えなければならない」という法律はないため、企業ごとに引っ越しの準備期間には差があります。
「転勤の辞令が出てから引っ越しまで2週間しかない」という例もありますが、計画を立てて優先順位を把握しておけば、間に合わせることは可能です。
関連記事:転勤で引っ越しが決まった人へ!2週間で準備が完了するスケジュールを紹介
重要なのは新居探し
新居が決まらないと引っ越し業者に予約ができず、引っ越しの日程を確定できません。そのため、新居探しは、転勤においてもっとも重要なステップです。
福利厚生の一つとして、「社有社宅」や「借り上げ社宅」を利用できる場合があるので、まずは会社に確認してみてください。条件が良ければそのまま入居を決めてしまいましょう。
「社宅がない」または「社宅は自分が求める条件と合わない」といった場合は、自分で新居を探します。
転勤先が遠方であれば、現地での住居探しが困難な場合もあります。そのような場合は、不動産ポータルサイトや不動産会社のオンラインサービスを活用するのも一つの手です。
不動産ポータルサイトとは、複数の不動産会社が賃貸や売買の物件を掲載しているサイトです。
たとえば、ラルズネットの不動産ポータルサイト「不動産連合隊」では各地域に特化した不動産情報を掲載しています。駅からの距離や間取りなどの条件を入力して探せるので、急いで新居を探したい人にオススメです。
転勤でかかる費用は?
転勤による引っ越しの費用負担の範囲は、企業ごとに大きな違いがあります。
引っ越し代や新居の敷金・礼金などの「引っ越しで最低限かかる費用」は基本的に会社負担です。
しかし、新居に合わせた家具・家電の買い替えや、自家用車などの特殊な荷物の搬送代は会社負担にならない場合が多く、「思っていたより自己負担額が多かった」という人もいます。
会社の規定や人事部で会社負担の対象となるものを確認し、自己負担額をできるだけ減らすように工夫しましょう。
関連記事:転勤で引っ越しする際にかかる費用は?会社負担と自己負担について解説
引っ越しでやるべきことって?
引っ越しの作業にストレスを感じる人は多いでしょう。しかし、それは「何を優先すべきかわからない」という状況だからです。
まず、引っ越しに必要な段ボールやガムテープを用意し、日常的に使わないものからどんどん詰め込みましょう。
次に、市区町村役場での転出届や、電気・ガス・水道の解約・開始手続き、余裕があれば郵便物の転送手続きなども行います。
新居に引っ越したら、転入届やガス・電気などのライフラインの手続きを行い、荷解きは体調や時間の余裕を見て行いましょう。
「荷造りする時間がない」「荷解きの時間がもったいない」という人には、有料で荷造り・荷解きしてもらえるサービスもあります。引っ越しの追加サービスは基本的に会社負担にならないものの、新生活を余裕をもって始められます。
転勤が決まったら、やることリストを作って、計画的に進めるとより効率的です。
関連記事:ストレスフリーな引っ越し準備のコツは?各種手続きについても解説
持ち家があるのに転勤になったら?
持ち家がある状態で転勤の内示を受けると、家をどうするか悩むものです。
賃貸に出すのか、それとも空き家にしておくのかは、慎重に判断する必要があります。
賃貸に出す場合は定期的な収入が得られるものの、管理会社に依頼する手間や、入居者が退去した際のリフォーム費用も考慮しなければなりません。
一方、空き家は「いつでも住み慣れた家に戻れる」という安心感がありますが、転勤の期間が長いほど家の劣化が進んでしまいます。
家族の状況やメリット・デメリットを理解したうえで選択しましょう。
転勤で持ち家をどうしたらいいか迷っている方は、下記の記事で選択肢ごとのメリット・デメリットを解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:【転勤決定】持ち家を活かす方法5選!それぞれメリット・デメリットを比較
転勤で引っ越しする日は出勤扱いになる?
転勤による引っ越しで会社を休んだ場合、どのような扱いになるか気になりますよね。
実は、転勤によって休んだ場合の公的なルールはありません。企業ごとに規則が異なるため、転勤が決まったら人事課や総務課などで確認しましょう。
基本的には、次の3つの扱いが多いです。
- 出勤:
引っ越しに関する休みを出勤扱いとする。給料も普段の出勤と変わらず支払われる。 - 赴任休暇:
「特別休暇」と呼ばれる場合もある。引っ越しに関する休みを公休として対応するため、有給休暇が減らない。2~3日程度の休みがもらえる。無給扱いか有給扱いかは企業によって異なる。無給扱いの場合でも、赴任手当が支給されることが多い。 - 有給休暇:
出勤扱いにならないため、有給休暇を使って引っ越し作業を行う。赴任手当が支給されることもある。
引っ越し作業に関しては、基本的に出勤扱いや手当の支給で対応してくれると考えてよいでしょう。
しかし、引っ越し先の新居探しにかける時間について、休暇を設定している会社は多くありません。引っ越し先の環境を下見したり、新居候補の内見をしたりといった時間がどのような扱いになるのか、会社に確認してみてください。
出勤や赴任休暇の扱いにならない場合は、不動産連合隊のような不動産ポータルサイトを使って新居を決めてしまうのも一つの方法です。
転勤による引っ越しの注意点
転勤による引っ越しが決まったら、次のような点に注意しましょう。
- 勤務先の社内規定
- 引っ越し業者の素早い選定
- メンタルケア
勤務先の社内規定
転勤にともなうサポートや条件は、各企業の社内規定によって大きく異なります。
転勤にかかる費用負担や、引っ越し先での住宅補助など、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
企業の福利厚生が充実している場合、メリットは最大限活用しましょう。
一方、転勤による費用負担に上限や制限がある場合は、できる限り節約を意識し、自己負担額を減らすのが重要です。
関連記事:転勤で引っ越しする際にかかる費用は?会社負担と自己負担について解説
引っ越し業者の素早い選定
3月・9月は転勤の内示の出る時期です。大多数の企業が転勤の内示が出た翌月に着任日を設定しているので、4月・10月は転勤による引っ越しが増えます。
とくに、3~4月は進学・就職の時期と重なり、引っ越しの繁忙期です。
そのような時期は引っ越し業者の予約が取りにくくなります。すぐに入居先を探し、引っ越し業者を決定しましょう。
とはいえ、引っ越しのハイシーズンだと、条件の良い部屋はあっという間に契約が決まってしまいます。内見の時間が取りづらい人は、写真や動画だけで入居を決めてしまった方が良い場合もあります。
繁忙期は料金も割高になるため、できるだけ早めに計画を立てて決断することが、費用を抑えるためにも重要です。
メンタルケア
転勤は環境の変化が大きいため、ストレスが溜まりやすいイベントです。
引っ越し後はしっかり休養を取り、趣味などでストレス解消をはかりましょう。
家族がいる人はコミュニケーションを大切にし、転勤にともなう不安を共有することがメンタルケアにつながります。
また、同じ会社であっても、地域が変わると業務方法ががらりと変わるのはよくあることです。仕事に関する不安を覚えたら赴任先の上司や同僚にすぐ相談し、できるだけ早く解決しましょう。
メンタルの不調が長引く場合は、カウンセリングを受けることも検討してみてください。
転勤は断ってもいい?
「転勤は断れるのだろうか?」という疑問を持つ方も少なくありません。
しかし、転勤のある企業に入社した場合、その条件を受け入れているとみなされます。就業規則や雇用契約書に「転勤がある」といった内容が記載されているのであれば、断ることはできません。
拒否し続けた場合、懲戒や解雇などの処分を受けることもあります。
ただし、就業規則や雇用契約書に転勤に関する文言がない場合は、会社に転勤を命じる権利がなく、断ることが可能です。
また、病気や家族の介護などの重大な理由がある場合は、転勤を拒否できる場合もあります。断りたい理由があるのなら、転勤を命じられた際に会社に相談してみましょう。
転勤の目的
企業側にとって転勤には次のような目的があります。
- 異なる地域で経験を積んでもらいキャリアアップをはかる
- 従業員の適性に合わせた場所への配置
- 地域に特化した知識や人脈を広げてもらうため
- 人材の固定化を防ぎ組織の活性化をはかる
- 事業拡大などに対する人員補充
- 幹部の育成
このように、転勤は単なる人員配置の一環ではなく、個々の成長や企業の戦略の一環として実施されるのです。
人事評価と転勤の関連性
転勤と人事評価は密接に関連しています。キャリアアップを目指すなら、転勤を受け入れて社内評価を上げましょう。
社員が1,000人以上・支店が100カ所以上ある規模の企業では転勤を命じられる可能性が高いものの、出世などによる将来的なリターンが期待できます。
また、手当やボーナスのほか、基本給が上がるなどの対応があり、転勤のある従業員の方が年収は高い傾向です。
一方、転勤を断ってしまうと、どのような事情があっても「会社命令に背いた」という扱いになり、昇進のチャンスがめぐってこなくなる可能性があります。最悪の場合、社内での居心地が悪くなり、「退職せざるを得ない」といった状況になりかねません。
転勤による従業員のメリット
転勤となると住み慣れた土地を離れることへの抵抗から、ネガティブな気持ちになる人も多いかもしれません。また、引っ越し作業・子どもの転校・単身赴任など、転勤は従業員や家族に負担が多いイベントです。
しかし、転勤は従業員にとって次のようなメリットがあります。
- 収入アップが期待できる:
転勤によって出世し、年収が高くなる可能性がある。転勤期間中は各種手当が得られる - キャリアアップの可能性:
赴任地で新たな業務を経験することでキャリアの幅が広がる - 転勤先の支店について情報が得られる:
転勤によって各支店の実情を把握することで重宝される可能性が高い - 人脈を増やせる:
他支店の社員や地域の人と知り合うことで人脈が広がり、仕事に必要な人材や情報が得られる - 新しい環境を楽しめる:
それまでの環境を刷新できるので、マンネリが苦手な人にとって転勤は楽しめるイベントになる
転勤のある企業に入社した以上、基本的に転勤は断れません。メリットを把握し、前向きに転勤を受け入れましょう。
転勤が多い時期
日本では企業の大半が、3月・9月のいずれかを決算期にしています。決算期には人事異動が行われるため、転勤の内示も出やすい傾向です。
また、転勤の期間は平均3~5年と言われています。赴任先で3年以上経ったら、決算期に転勤の内示が出る可能性は高いでしょう。
大企業は3月決算が多く、4月はとくに転勤による引っ越しが増えます。
転勤で引っ越しが決まったら不動産連合隊で新居を探そう!
転勤は時間や体力の負担が多く、面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、転勤によって出世や昇給などのリターンが期待できます。将来的なキャリアを希望する方にとって、転勤は大きなチャンスと言えるでしょう。
本記事では、転勤による引っ越しに必要な情報をご紹介しました。転勤が決まった方の参考になれば幸いです。
転勤によって新居を探す際には、不動産連合隊がオススメです。さまざまな条件を入力できるので、ネット上でご希望の賃貸物件を探せます。ぜひご活用ください。