美容室の居抜き物件を探す際の注意点!事例やメリットも紹介

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美容室の居抜き物件を探す際の注意点!事例やメリットも紹介

スケルトンに比べて費用を抑えられる居抜き物件。美容室を開業する際に、居抜き物件を候補の一つとして検討している方もいるのではないでしょうか。

とはいえ、「どのような点に注意すれば良いのか」「費用はどの程度かかるのか」など、さまざまな面で不安に感じるケースもあるはずです。そこで、物件探しの注意点を把握しておくことで、トラブルを未然に防げるでしょう。

本記事では、美容室の居抜き物件を探す際の注意点を紹介します。トラブル事例や居抜き物件の費用相場についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

美容室の居抜き物件を探す際の注意点

美容室の居抜き物件を探す際の注意点

美容室の居抜き物件を探す際は、費用や内装などに関して、いくつかのポイントに注意が必要です。よりスムーズに開業するためにも、注意点についてあらかじめ押さえておきましょう。

  • レイアウトの自由度は低め
  • 造作譲渡物の確認が必要
  • 前テナントの退去理由を聞いておく
  • 解体・廃棄費用が発生する可能性がある

レイアウトの自由度は低め

居抜き物件では、前テナントから内装を引き継ぐため、すでにある程度の設備や造作が整っています。

しかしその分、レイアウトの自由度が低くなりがちです。そのため、繰り返し内見を実施して、店舗デザインのイメージを膨らませておきましょう。

例えば、席数やシャンプー台を増やしたくても、電気・ガス容量が足りない場合も珍しくありません。仮に増やすとしても、電気・ガス容量を増やす工事が必要で、場合によっては高額な費用がかかってしまいます。

内装の独自性を重視する方は、スケルトン物件を検討するのも方法の一つです。その際、居抜き物件での内装工事費用と、スケルトン物件での内装工事費用を想定し、両者を比較しておくと良いでしょう。

関連記事:スケルトン物件とは?契約前に知っておきたいデメリットやメリットを解説

造作譲渡物の確認が必要

いざ契約して店舗を使用すると、内見時には存在していたはずの造作譲渡物が設置されていないケースも起こり得ます。このような場合は新たに必要な設備を購入しなければならず、不測の費用が発生します。

そこで、居抜き物件を契約する前に、造作譲渡物のリスト化を依頼しましょう。譲渡にはオーナーの許可が必要な場合もあるため、同時に承諾の有無を契約書に記載してもらうことも忘れてはいけません。

また、譲渡物のなかには、リース品が含まれているケースもあります。そのため、リストのなかにリース品の有無や、支払方法が記載されているか確認します。リースが不要な場合は、不動産会社にその旨を伝えておきましょう。

前テナントの退去理由を聞いておく

居抜き物件において、前テナントが退去した理由はさまざまです。

例えば、立地が悪く、思うように集客ができず徹底した場合、自店も開店後に客足が伸び悩む可能性があります。そのほか、競合店舗の出現や客層の変化なども要因の一つです。

このように営業不振などが撤退理由であれば、入念に市場調査を行って出店の可否を検討する必要があります。

また、共用スペースのメンテナンスが行き届いていなかったり、騒音や異臭に関するトラブルに巻き込まれたりと、物件や管理会社に問題がある可能性も考えられます。このようなケースでは、別のテナントを探し直すほうが無難です。

解体・廃棄費用が発生する可能性がある

居抜き物件の機器や備品は基本的に中古品です。新品に比べて劣化が進んでいるため、修理・交換・撤去などの作業を視野に入れる必要があります。

特に大きい機械などの撤去には、内装の一部を解体しなければならないケースもあります。予想外の費用が発生する可能性も考えて、契約前に機器や備品の状態を確認しておきましょう。

また、エアコンや給湯機などの設備が故障した際は、誰が修繕費用を負担するのかを書面で残しておくことが大切です。設備だと思っていた物品が実は造作譲渡で、物件の借主に修繕の責任があることも考えられます。

美容室の居抜き物件でのトラブル事例

美容室の居抜き物件でのトラブル事例

ここでは、美容室の居抜き物件でよく起こりがちな事例を紹介します。前述した注意点とともに、ポイントを押さえておきましょう。

レイアウト変更時のトラブル事例

シャンプー台を1台増やそうとした結果、断念した事例です。

シャンプー台を増やすべく現地調査を行ったところ、ガス容量が足りない点に加え、排水口が小さく、シャワーの水圧が弱くなる可能性があるとわかりました。

そこで、ボイラーの設置工事を行うため、オーナーに配管穴を開ける許可を求めたところ、却下されました。そのため、既存の壁穴を利用するしか選択肢がありません。

そのうえ、借主は内装デザインが気に入らず、入居後に不要な残置物をすべて撤去しました。結果として、解体・撤去費用と内装の工事費が予想外に発生してしまっています。

このように居抜き物件といっても、すべての内装をそのまま使用できるわけではありません。想定外の費用の発生を抑えるには、納得が得られるまで内見で現状確認するのが良いでしょう。

参考:SALONスターター|事例から学ぶ!居抜き物件を借りて内装を大きく変える場合に起こるトラブルとは?

造作譲渡契約に関するトラブル事例

造作譲渡の契約後にエアコンが故障し、修理代を支払った事例です。

この店舗では、美容機器や設備などを200万円の譲渡料で購入しましたが、開業後すぐにエアコンが故障します。

前テナントからは、「購入して5年以内だから壊れる心配はない」と伝えられていたため、約束が違うからと修理代金を請求します。しかし、前テナントは「所有権は新たな借主にある」と主張し、修理代金の請求に応じませんでした。そして結局、修理代金は新たな借主が負担しました。

このトラブルの主な原因は、造作譲渡契約を書面として発行していなかった点です。

同じようなトラブルを防ぐためには、造作譲渡契約を書面で残しておく必要があります。加えて、造作譲渡契約を結ぶ前に、譲渡物の状態や管理状況の確認も行うようにしましょう。

参考:SALONスターター|事例から学ぶ! 居抜き物件でありがちなトラブルと予防策【契約編】

美容室の居抜き物件で開業するメリット

美容室の居抜き物件で開業するメリット

美容室を居抜き物件で開業する場合、次のようなメリットが生まれます。

  • 初期費用が抑えられる
  • スケルトン物件に比べて開業までの期間が短くて済む
  • 前テナントの顧客に認知されやすい

居抜き物件には美容機器や店舗家具などが、ある程度そろっています。物品を新調する必要性が低いため、初期費用を大幅に抑えられるでしょう。初期費用を抑えると借り入れも少なくなり、安定した経営につながります。

また、前テナントの顧客に認知されやすいのも利点です。前テナントのイメージが良ければ、その顧客が自店に足を運んでくれる可能性があります。そのため、あらかじめ近隣住民にイメージ調査を実施しておくのも一案です。

美容室の居抜き物件を探す方法

美容室の居抜き物件を探す方法

美容室のテナントを探すには、次の2つの手段を活用するのが一般的です。状況に応じて両方とも利用し、理想に近い物件を探しましょう。

  • 不動産ポータルサイトを利用
  • 不動産会社への相談

不動産ポータルサイトを利用

ラルズネットが提供する「テナント連合隊」のような、不動産ポータルサイトを活用するのが一つ目の手段です。テナント連合隊では、特定の地域に密着した数多くの物件情報を紹介しています。

例えば、「札幌テナント連合隊」のフリーキーワードで「美容室」と検索すると、250件近くの物件情報がヒットします(2024年5月時点)。

さらに詳細なエリアや賃料、築年数、広さといった幅広い条件を指定できるのもポイントです。

数多くの不動産会社の情報が集積されているため、ワンストップで効率良く物件を探せます。「テナント連合隊の情報を見た」と伝えれば、不動産会社とのやり取りがスムーズになるのも利点です。

不動産会社への相談

不動産会社に直接相談するのも一つの方法です。

不動産会社の担当者と仲良くなると、物件情報だけでなく、物件探しのコツやお得な情報を教えてもらえる可能性があります。また、対面でやり取りするため、不明点や疑問を即座に解決できるでしょう。

ただし、不動産会社によって得意な業態や、強み・弱みなどが異なります。

美容室に詳しい不動産会社を探すには、まず上述した不動産ポータルサイトで物件情報を探し、特定の会社を絞り込むのがおすすめです。

美容室の居抜き物件の費用相場

美容室の居抜き物件の費用相場

美容室の居抜き物件は、地域や物件の広さ、内装の状態などで費用が大きく異なります。開業時の予算を設定したり、スケルトン物件と比較したりするためにも、事前におおよその費用を把握しておきましょう。

美容室の初期費用

美容室の居抜き物件は、500~750万円が初期費用の相場です。内訳は次の通りです。

内容費用相場
造作譲渡料0~300万円
敷金・礼金家賃の10~14ヶ月分
仲介手数料家賃の1ヶ月分以内

上記に加え、内装工事費や備品の購入費も見込んでおきましょう。開業前に集客を行う際は、広告宣伝費も必要です。

また、設備の状態によっては解体・撤去費用がかかる可能性もあります。そのため、内見時にしっかりと設備の状態をチェックするとともに、余裕のある予算設定が重要です。

美容室の適切な家賃比率

テナント物件を探す際は、なるべく想定売上高の10%以内に家賃を抑えるのが理想です。例えば、1ヶ月の想定売上高が300万円であれば、家賃30万円以内の物件を探すと良いでしょう。

理想的な物件の家賃が高額な場合は、オーナーに交渉してみるのも方法の一つです。

その場合は、まずほかの物件の家賃相場を理解し、客観的な事実にもとづいて価格を提示します。さらに詳細な事業計画書を提出し、自店の将来性をアピールしましょう。

居抜き物件の状態やコスト面に注意して美容室を開業しよう

居抜き物件の状態やコスト面に注意して美容室を開業しよう

美容室の居抜き物件を探す場合は、物件の状態やコスト面など、注意すべきポイントがいくつか存在します。契約後にトラブルが発生しないよう、前もって契約の詳細や物件の状態を確認しておきましょう。

貸店舗・貸事務所をお探しの際は、地域特化型テナント物件探し専門ポータルサイト『テナント連合隊』を活用してみてはいかがでしょうか。

路面店、居抜き物件コーナーなど、事業者目線で詳細な検索ができるようになっています。
『テナント連合隊』が、これから出店を考えている事業者様のお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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