「ラーメン屋を開業したいものの、良い立地を選ぶにはどうしたらいいのか分からない」
そのようなお悩みを抱えている方に向けて、本記事ではラーメン屋の開業に適した立地を5つお伝えしていきます。
それぞれの立地ごとにメリット・デメリットのほか、激戦区で開業する際のポイントも解説していきます。
理想的なラーメン屋を開業するためのヒントになれば幸いです。
なお、ラーメン屋を開業する際に居抜き物件を検討している方には、以下の記事でチェックポイントを解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:ラーメン屋の居抜き物件の探し方&選び方|後悔しないためのチェックポイント
目次
ラーメン屋の開業時に適した立地を選ぶための基本

ラーメン屋の開業時には、ターゲットに適した立地を選ぶことが重要です。
どれだけラーメンの味が良くても、来店してくれるお客様がいなければ、商売として成立しません。
ビジネスパーソンを狙うならオフィス街、ファミリー層を狙うならロードサイド店舗や住宅街など、立地ごとに狙えるターゲットは異なります。
次の項目では、ラーメン屋の開業に適した立地について、種類別にメリット・デメリットを解説していきます。
ラーメン屋の開業に適した立地5選とメリット・デメリット

ラーメン屋の開業に適した立地は、大きく分けて以下の5つです。
- ロードサイド(路面店)
- 繁華街・飲み屋街
- オフィス街・学生街
- 住宅街
- 駅チカ
それぞれの立地で狙えるターゲット層や、メリット・デメリットを見ていきましょう。
ロードサイド(路面店)
ファミリー層や、肉体労働系の現場作業スタッフをターゲットにしたいなら、ロードサイド店舗が適しています。
ロードサイド店舗とは、国道や幹線道路沿いなど、大きな道路沿いに展開している店舗を指します。
ラーメン屋をロードサイド店舗で開業するメリット・デメリットは、下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・こってり系の味が好きなターゲット層を狙える ・都心部に比べて家賃を抑えられる ・新規顧客を開拓しやすい | ・チェーン店と競合する ・都心部に比べて宣伝に時間がかかる |
デメリットは、ロードサイドには有名なチェーン店が多いため、個人店だと知名度で勝てない点です。ロードサイド店舗の利用客は車で移動しているため、スピーディーに入る店舗を決めなければなりません。
そのため、利用客は、知名度が低く味も予想できない個人店より、有名チェーン店を選ぶ可能性が高いです。
また、ロードサイド店舗の多くは郊外にあるため、都心部に比べて宣伝・周知に時間がかかる点もデメリットです。遠くから足を運んでもらうには、広告や宣伝に予算をかける必要があります。
一方で、産業道路沿いのロードサイド店舗では、こってり系の味が好きなターゲット層を狙えるメリットがあります。産業道路とは、おもに貨物輸送に使われ、工業地域を通る道路です。そのため、肉体労働系の現場作業スタッフの通行が多く、濃い味のラーメンが好まれやすい傾向にあります。
また、商業施設が多い生活道路沿いでは、ファミリー層の利用が見込まれるため、メニューにバリエーションがあると良いでしょう。
さらに、ロードサイドは人の流れが多いため、たまたま通行していた人が来店してくれるケースもあります。駅チカや住宅街に比べて、新規顧客を開拓しやすいといえるでしょう。
ロードサイド店舗でラーメン屋を開業する場合は、車ですぐ通り過ぎてしまう利用客がパッと判断できるように、視認性が高いお店づくりを行うことが重要です。
視認性を高めるお店づくりについては、後述の項目である「視認性が高い」で解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:ロードサイド店舗とは?メリット・デメリットや特徴などを紹介
繁華街・飲み屋街
繁華街・飲み屋街は、多くの飲食店があるなかでも、独自性で勝負できる人に向いています。
競合が多い分、通行人の興味をどれだけ引けるかが勝負の分かれ目になるからです。
ラーメン屋を繁華街・飲み屋街で開業するメリット・デメリットは、下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・人通りが多いので集客しやすい ・行列が作れれば宣伝効果が見込める ・二次会にラーメン屋に行く需要が見込める | ・家賃が高い ・競合が多い ・地域によっては治安が悪い |
繁華街・飲み屋街の物件は人気が高いため、高い家賃がかかります。飲食店が集まっているので、競合も多いです。
メリットとしては、集客のしやすさが挙げられます。人通りが多く、一度行列が作れればさらなる宣伝効果が見込めるでしょう。とくに居酒屋の周辺であれば、「お酒のシメにラーメンを食べたい」という需要が見込めます。
繁華街・飲み屋街でラーメン屋を開業する場合は、立地に合わせてお酒やおつまみを提供したり、個性的なメニューで関心を呼んだりする戦略が考えられます。多くのライバルに埋もれないようなお店づくりを行いましょう。
オフィス街・学生街
提供スピードと美味しさ・安さを兼ね備えた店舗であれば、オフィス街・学生街に適しています。
ビジネスパーソンや学生は、限られた予算と昼休みの時間でランチを終えたいからです。
オフィス街・学生街でラーメン屋を開業するメリット・デメリットは、下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・リピーターが付きやすい ・口コミで拡散しやすい | ・昼休み以降や土日は客入りが落ちる |
昼休み以降や土日・長期休暇中は客入りが落ちてしまいます。お客様がランチに集中することを考えると、限られた時間で売上を確保しなければなりません。
一方で、ビジネスパーソンや学生は、限定されたエリアでお店を選ばなければいけないので、リピーターが付きやすいです。また、学生は気に入ったお店をSNSで紹介してくれるケースが多いため、口コミによる拡散も見込めます。
時間内で食べ終えたいビジネスパーソン・学生を満足させるためには、効率を重視することが重要です。スムーズなオペレーションを研究したり、セルフサービスで対応できる部分はお客様にお願いしたり、工夫していくと良いでしょう。
ほかにも、リピーターになってもらうために、ポイントカードやクーポンを活用する手段もあります。
住宅街
ファミリー層を狙いたいのであれば、住宅街での開業も選択肢の1つです。
住宅街は飲食店の競合が少なく、手軽に食事を取りたいお客様がリピーターになってくれる可能性があります。
住宅街でラーメン屋を開業するメリット・デメリットは、下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・家賃を抑えられる ・競合が少ない傾向にある | ・繁華街に比べて集客しにくい ・スタッフを採用しにくい |
デメリットは、繁華街に比べて人通りが少なく集客しにくい点です。
また、住宅街は周辺の人の流れが固定されているため、学生街やオフィス街のように新しい人が出入りする可能性は多くありません。そのため、新しいスタッフが必要になったとしても、すぐには採用しにくいでしょう。
一方で、都心部に比べて家賃を抑えやすく、飲食店が少ない点はメリットです。
住宅街でラーメン屋を開業する際は、テイクアウトやデリバリーも行うと、自炊がおっくうなときに利用してもらいやすいです。外食で手軽に食事を済ませたいニーズに合わせ、戦略を考えてみてはいかがでしょうか。
駅チカ
十分な予算を確保できるのであれば、駅チカ物件もラーメン屋の開業に適しています。
駅チカ物件の周辺は人通りが多く、集客しやすいためです。
メリット | デメリット |
---|---|
・認知度を上げやすい ・商業地域であれば、ショッピングの合間に利用してもらいやすい | ・家賃が高い ・競合店に埋もれやすい |
駅チカ物件は人気なので家賃が高く、競合店に埋もれやすい点がデメリットです。一定の売上を継続的に上げられる状態でなければ、経営は厳しいでしょう。
一方で、人通りが多いため認知度を上げやすいメリットがあります。
また、近くに商業施設がある駅チカ物件なら、ショッピングの合間に食事をしたいニーズがあり、利用してもらいやすいでしょう。
駅チカ物件でラーメン屋を開業するなら、高い家賃を継続して払い続けるために、ほかの部分のコストは削減していきたいところです。プロモーションはSNSを活用して、低コストで行っていくのがオススメです。
ラーメン屋を開業する立地の選び方

この項目では、ラーメン屋を開業する立地の選び方として、以下の3つを解説していきます。
- 交通量・人通りが多い
- 視認性が高い
- 周辺店舗の客層と合う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
交通量・人通りが多い
ラーメン屋を開業する際には、交通量や人通りが多い立地を選ぶのがオススメです。
多くの人が行き交う場所は、自然と店の認知度が高まりやすいです。
交通量や人通りが多ければそれだけで良いともいえませんが、集客に有利ではあります。
開業を検討しているエリアについて、交通量・人通りのデータを事前にチェックしましょう。また、実際に現地を訪れて、自分の目で確認してみると、意外な発見があるかもしれません。
具体的には、地元の商工会議所や自治体のデータなどを利用すると、正確な情報が得られます。
例として、北海道の帯広商工会議所では、市街地で歩行者の通行量を継続的に調査し、公表しています。調査結果の分析や、歩行者の実際の声なども掲載していますので、立地選びの参考になるでしょう(参考:帯広商工会議所「調査結果」)。
このように商工会議所では参考になるデータを掲載している場合があるため、希望エリアの商工会議所について、一度調べてみてはいかがでしょうか。
視認性が高い
交通量・人通りの多さに加えて、視認性の高さもチェックします。
「視認性が高い」とは、道路を歩いているときにその物件が見やすく、分かりやすいという意味です。
周辺の人通りが多くても、そもそも見えなければお店を認知してもらえません。細い路地裏にこぢんまりとあるお店は、隠れ家カフェとしては有効かもしれませんが、ラーメン屋として行列を作りたいなら、あまり適していないといえます。
視認性を高めるには、店舗の看板を設置することが有効です。
ラーメン屋だと瞬時に判断できる分かりやすいデザインが望ましいです。
物件に面した道路から見えやすいか、実際に歩いてみて確認しましょう。
周辺店舗の客層と合う
ラーメン屋を開業する際は、周辺店舗の客層が自店舗とマッチする立地をオススメします。
ターゲットが目的のお店に行くついでに、立ち寄ってくれる可能性があるためです。
たとえばパチンコ店の利用者は、家系ラーメンを好む層が多く、ついでに寄ってくれる可能性も高いです。
客層と合うような周辺店舗を探し、近隣の空き物件を見ていきましょう。
ラーメン屋を激戦区で開業するのはアリ?

この項目では、「せっかくラーメン屋を開業するなら、激戦区で出店してみたい!」という方に向けて、以下の内容を解説していきます。
- 激戦区に出店するメリット・注意点
- 激戦区で生き残るポイント
それぞれ詳しく見ていきましょう。
激戦区に出店するメリット・注意点
激戦区と呼ばれるエリアには、人気のラーメン屋が数多く出店しています。ラーメン屋を激戦区に出店するメリット・注意点は下記のとおりです。
メリット | 注意点 |
---|---|
・ラーメン愛好家を集客しやすい ・口コミの効果も期待できる | ・オペレーションの不慣れさが比較されてしまう |
まず注意点としては、初めての出店で激戦区を選ぶと、オペレーションの不慣れさが他店と比較され、際立ってしまう点が挙げられます。
ラーメンの完成度が高くても、そもそも人気店が軒を連ねる激戦区では、突出して目立つ可能性は低いです。しかし、スタッフの動きやラーメンの提供スピードは、経験値が如実に現れます。経営初心者の時点で激戦区を選ぶのは、ハードルが高いです。
一方で、激戦区はラーメン愛好家にもともと知られているエリアなので、集客しやすいメリットがあります。コアなファンを満足させられれば、口コミの効果も期待できるでしょう。ラーメンだけでなく、経営のノウハウにも自信があるなら、激戦区での出店は良い選択肢になります。
激戦区で生き残るポイント
ラーメン激戦区で生き残るには、ターゲットを明確にすることが重要です。
ターゲットの明確化は、そのお店ならではの独自性につながるためです。
たとえばターゲットを若い女性に絞っているラーメン屋もあります。化学調味料無添加のラーメンやスイーツを提供していたり、若い女性でも入りやすい外観・内装にしたりして、独自性ある店舗づくりを行っています。
「ほかのお店ではなく、このラーメン屋に行きたい」と思ってもらうために、性別や年代などでターゲットを絞ってみましょう。ほかにも、利用客のニーズや悩みに焦点を当てれば、オリジナリティある店舗づくりに近づけます。
ラーメン屋の開業時に物件を探すなら「テナント連合隊」!

ラーメン屋の開業時に適した立地を探すには、ターゲットに合った場所を選ぶことが重要です。「どのようなラーメンを提供したいか」「どのような人に提供したいか」を考え、適した立地を選びましょう。
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