田舎暮らしの現実は厳しい?向いている人の特徴とトラブル回避のコツ

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コロナ禍によりリモートワークが普及し、生活スタイルが大きく変化しつつある今、都会を離れて田舎暮らしをしたいという人が増えているようです。

しかし「それまでの生活を変えて知らない土地で生活することに不安がある」「田舎暮らしにあこがれはあるけど、現実はどうなのだろう?」と考えている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、田舎暮らしにまつわる現実について、生活と仕事それぞれの面から詳しく見ていきます。

また、田舎暮らしに向いている人の特徴や移住に失敗しないためのコツについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

東京圏在住者の約半数が田舎暮らしに関心を持っている

東京圏在住者の約半数が田舎暮らしに関心を持っている

2020年9月、内閣官房は東京圏在住者に対し「東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査」を行いました。

調査結果によると、「地方で暮らすことについて関心がありますか」という問いに対し、「関心がある」「やや関心がある」が全体の48.2%を占めています。理由としては「将来のライフプランを考えたこと」「現在の生活や仕事に違和感や限界を感じたこと」などが挙げられています。

しかし同時に、地方移住への不安要素として「働き口が見つからない」(39.4%)「生活利便性が低い」(35.6%)「現在と比べ賃金が安くなってしまう」(34.2%)といった回答もあり、田舎暮らしはしたいが仕事や生活の面で不安を感じているという人も少なくないようです。

参考:東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査

実際のところ、田舎暮らしの現実はどのようになっているのでしょうか。

仕事面と生活面、それぞれの観点から詳しく見ていきましょう。

田舎暮らしの現実(仕事)

田舎暮らしの現実(仕事編)

「田舎には仕事がない」とは限らない

冒頭の調査結果にもあったように、田舎は働き口がないのではないかと不安に感じている方は多いようです。

たしかに都会に比べて人口も企業の数も少ない田舎では、求人数自体は少ないかもしれません。しかし、雇用という形にこだわらなければ、仕事はたくさんあります。

代表的なのは農業です。新規就農者としてゼロから始める方法のほかに、既存の農家から土地やノウハウを引き継ぐ「事業継承」という手もあります。

全国的に農業の担い手不足は深刻で、高齢のため農業を続けられなくなった方が都会から来た若者に農地を貸し出すというケースも多いようです。農業だけでなく、田舎ならではの仕事はほかにもあります。

【田舎で探せる仕事の例】

  • 区役所など公務員の臨時職員
  • 地域おこし協力隊
  • 収穫など農業のアルバイト
  • 狩猟
  • 食材の加工販売

上記のような仕事はひとつひとつの規模が小さいため、求人広告やWebサイトには載っていないことがほとんどです。
実際に田舎暮らしを始めてから地元の人と知り合い、「こんな仕事があるよ」と紹介してもらうケースが多いようです。

都会での転職活動に比べると、自分から動いて情報を探す大変さはありますが、田舎暮らしでも仕事を見つけることは十分可能といえます。

給与水準は低いが、生活費も安い

都会に比べると、田舎の給与水準が低いのは事実です。しかしそのぶん物価も安い傾向にあるので、結果的に生活費も安く済みます。

さらに家賃や土地の値段が都会とは比べものにならないほど安かったり、近所の人から畑で採れた野菜をおすそわけしてもらえて食費を抑えられたりと、低コストで暮らせるのも田舎暮らしの魅力です。

満員電車や長時間通勤から解放される

毎日の通勤で満員電車がとにかく苦痛だという方も多いのではないでしょうか。また、少しでも家賃を抑えるために郊外に住み、都心まで長時間かけて電車通勤している方も少なくありません。

一方で田舎暮らしであれば車での移動が中心になるため、満員電車のストレスから解放されます。

電車で通勤するにしても、都会ほど混雑することはないため快適に通勤できるでしょう。

田舎暮らしの現実(生活編)

田舎暮らしの現実(生活編)

都会と同じ家賃でより広い家に住める

田舎は都会に比べて家賃相場が安いため、都会と同じ家賃でも今までより広い家に住めます。

購入するにしても、土地代が安いことからマイホームが持ちやすいです。

食生活が豊かになる

食生活の豊かさは、田舎暮らしの最大のメリットといっても過言ではありません。野菜や海産物など、地元の新鮮な食材が簡単に安く手に入るため、料理の幅が広がります。

レストランなどの外食でも、その土地ならではのグルメを味わえるのは田舎暮らしならではのメリットです。

自然の中でのびのびと子育てできる

海や山、川などの自然が身近にある田舎暮らしは、子育てにもぴったりの環境です。

都会で子育てをしていると、屋外の遊び場の選択肢が少なかったり、子どもが騒いでしまってご近所の方からクレームがきたりと、肩身のせまい思いをしている方も多いのではないでしょうか。

一方田舎では、自然の中でのびのびと子どもを遊ばせることができます。土地が広く家どうしが離れているため、騒音の心配も少ないです。

「田舎暮らしを始めてから、子どもの表情が明るくなった」という話もよく耳にします。

また、地域によっては医療費助成や紙おむつの支給といった子育て支援制度が充実しており、子育てをしやすい環境が整っています。

地域によっては車がなくても生活できる

田舎は車がないと生活できないイメージが強いですが、必ずしもそうとは限りません。

一口に田舎といってもさまざまな場所があり、離島や山間部など公共交通機関が発達していない地域であれば、たしかに車がないと生活が成り立たないでしょう。

しかし県庁所在地など田舎の中でも中心的な都市であれば、公共交通機関や自転車だけでも十分に生活できます。

「運転免許がない」「車がない」という理由で、田舎暮らしをあきらめる必要はないでしょう。

地域住民と密に交流できる

地域にもよりますが、田舎暮らしをしていると地元の方と交流する機会が多くなります。

自治会やボランティア活動、町のお祭りなど、さまざまな地域活動に積極的に参加することで、都会ではなかなか得られない人とのつながりが感じられるでしょう。とくに子育て世帯の場合、地域の方が子どもの顔を覚えて声をかけてくれると心強いものです。

親だけでなくまわりの大人が子育てに関わってくれることで、親としても安心感や余裕が生まれます。

田舎暮らしに向いている人の5つの特徴

田舎暮らしに向いている人の5つの特徴

仕事がない、不便だというイメージを持たれがちな田舎暮らしですが、工夫次第では都会以上に楽しく自由に暮らすこともできます。

具体的には、どんな人が田舎暮らしに向いているのでしょうか。いくつか特徴をご紹介します。

1つでも当てはまるものがあれば、田舎暮らしを検討してみる余地があるといえそうです。

食への関心が高い

新鮮な野菜や採れたての魚介類など、その土地ならではの食材が手に入りやすいのが田舎暮らしのメリットです。

毎日食べるものにはこだわりたい、子どもには質の高い食事を与えたいなど、食への関心が高い人は田舎暮らしに向いているでしょう。

都会でなくても楽しめる趣味がある

田舎暮らしにはさまざまな魅力がありますが、都会に比べるとどうしても娯楽施設が少ないため、人によっては退屈に感じてしまうかもしれません。

ゲーム・手芸・ガーデニングなど、都会でなくても楽しめる趣味を持っていると、田舎でも飽きずに暮らしていけそうです。

自分で仕事を作り出せる

「田舎には仕事がない」とは限らない」でも紹介した通り、会社員や雇用という形にこだわらなければ田舎にも仕事はたくさんあります。

しかし裏を返せば、自分から動いて仕事を取りにいかなければならないというシビアな環境です。

知り合いがいない状況でゼロから田舎暮らしを始める場合、受け身にならず能動的に仕事を作り出す力は必要になるでしょう。

人付き合いが苦にならない

田舎暮らしでは、人付き合いも重要なポイントです。

都会ではマンションの隣人がどんな人かわからないこともよくありますが、田舎暮らしは住民同士の距離が近く、地域独特のマナーや慣習もあります。

田舎特有の密な人付き合いが苦にならず、慣れない環境でも溶け込もうとする意思がある人は、田舎暮らしに向いているといえます。

不便さを楽しみに変えられる

リモートワークやオンラインショッピングが普及した今、都会と田舎の差は昔に比べて少なくなってきました。とはいえ物理的な距離や気候などの面で、どうしても不便さを感じる場面もあるでしょう。

そんな中で不便さを嘆くだけではなく、楽しみに変えていけるポジティブさも田舎暮らしには必要です。

田舎暮らしで失敗やトラブルを避ける5つのコツ

田舎暮らしで失敗やトラブルを避ける5つのコツ

実際に田舎暮らしを始めようと思ったら、事前の準備や情報収集などやるべきことがたくさんあります。失敗やトラブルを避けるために、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

ここでは具体的な5つのコツをご紹介します。

田舎暮らしの目的を明確にする

実際に移住する前に、何のために田舎暮らしをしたいのか目的を明確にしておきましょう。

今の仕事をリモートワークで続けながら田舎でのんびりしたい、自然の中でのびのびと子育てをしたいなど、人によって目的はさまざまです。

最初に目的を決めておけば、住むエリアや仕事選びの基準も明確になり、迷うことが少なくなります。

住宅事情や支援制度についてリサーチする

住みたいエリアの家賃相場はどのくらいか、移住希望者のための補助金や家賃補助などの支援制度はあるのか、できるだけ事前に調べておきたいところです。

引っ越し代や住居の取得費、地域によっては車の購入など、田舎暮らしを始めるには何かとお金がかかります。できるだけ費用を抑えるためにも、事前にしっかりと情報収集しておきましょう。

また、最近では多くの自治体が「移住コンシェルジュ」を設置しています。専門の相談員が移住にまつわる悩みに答えてくれるというものです。

現地だけでなく、東京や大阪といった大都市に相談窓口を設けているところも多いので、ぜひ利用してみましょう。

何度か現地を訪れて知り合いを作っておく

可能であれば、住みたいエリアを事前に何度か訪れ、知り合いを作っておくのがおすすめです。

地域住民とのつながりができれば、物件や仕事の情報が手に入ることもあります。行政や民間団体の移住支援窓口を頼ってみるのもいいでしょう。

また最近では、「お試し移住」の制度を設けている自治体も多くあります。家具家電付きの住宅や宿泊施設に格安で滞在でき、1週間から数か月など一定期間を過ごすことで、移住生活をお試しで体験できるというものです。

いきなり移住するのは不安という方は、お試し移住で田舎暮らしを体験してみるのもいいかもしれません。

仕事を確保する

移住前の仕事をリモートワークで続ける、あるいはすでに個人で稼ぐ手段を持っている場合をのぞき、仕事は早めに確保しておきたいものです。

最近では、移住希望者の就職支援に力を入れている自治体も増えています。

地元企業と移住者のマッチングサービスを行っていたり、特定の職種に就業するとお祝い金がもらえたりと、自治体ごとのさまざまな支援制度をぜひ活用しましょう。

近所付き合いを大切にする

繰り返しになりますが、田舎では地域住民どうしの距離が近く、生活していくうえで人付き合いは重要になってきます。

その土地ならではの文化や習慣を理解し、受け入れていく柔軟性を持つことが大切です。

自治会の活動やお祭りなどの行事に積極的に参加し、地域に溶け込もうとする姿勢があれば、ゼロからの田舎暮らしでもスムーズに人間関係を作っていくことができます。

田舎暮らしの現実をよく理解したうえで決断しよう

まとめ:田舎暮らしの現実をよく理解したうえで決断しよう

自然豊かな環境でのびのびと暮らせる、都会に比べて生活コストを抑えられるなど、田舎暮らしには多くのメリットがあります。しかし一口に田舎といっても、暮らしぶりや人付き合いの密度は地域によってさまざまです。

十分に情報収集を行い、何度か事前に現地を訪れてみるなどして、相性のいい地域をじっくり探してみることをおすすめします。

近年は移住支援に力を入れている自治体も多いため、就職支援や家賃補助といった移住促進制度も存分に活用したいところです。

生活面から仕事面まで、田舎暮らしの現実をしっかりと理解したうえで移住を実現させましょう。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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