テレワークによる地方移住は可能?メリットやデメリット、成功のコツを紹介

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テレワークによる地方移住は可能?メリットやデメリット、成功のコツを紹介

テレワークには、オフィスから離れた場所で仕事ができるメリットがあります。

テレワーク制度を活用すれば、好みの都道府県や市町村に居住地を移し、理想的なライフスタイルを構築できます。

ただし、都会から地方へと移住するなど、移動距離が遠くなるほど手続きに手間がかかる点には注意が必要です。

そのため、地方移住を検討中にしっかりと情報を調べ、計画的に行動することが大切です。

本記事では、テレワークによる地方移住のメリットやデメリット、移住方法について詳しく解説します。成功のコツも紹介していますので、本記事を読むとスムーズな移住が実現します。

テレワークの現状とは?地方移住への関心を後押し

テレワークの現状とは?地方移住への関心を後押し

株式会社パーソル総合研究所が2023年7月に実施した「第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」によると、正社員向けのテレワーク実施率は22.2%と、2020年4月以降で最も低い水準を記録しました。

一方、従業員のテレワーク継続希望率は81.9%で過去最高を記録。働き手にとってテレワークは、魅力的な働き方の選択肢である点がうかがえます。

このような働き方に対する価値観の変化は、地方移住への関心を後押しする一因です。

2021年には、東京23区で初めて転出者が転入者を上回り、都心から別の地域へと移動する流れが加速しています。

テレワークによる地方移住のデメリット

テレワークによる地方移住のデメリット

テレワークを機に地方移住を検討する際は、そのメリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。

ここでは、まずテレワークによる地方移住の2つのデメリットを解説します。

  • 移住先によっては住みにくく感じる可能性がある
  • 移住コストがかかる

移住先によっては住みにくく感じる可能性がある

都市から地方へと移り住む場合は生活環境が大きく変化するため、人によっては住みにくく感じる可能性があります。

特に過疎化が深刻な地域では、周囲にコンビニやスーパーの数が少ないケースも珍しくありません。また、駅からの距離が遠く、バスの運行本数が少ない地域もあります。

このような課題を解消するためには、前もって移住先の情報を入念に調べることが重要です。

地方のなかでも政令指定都市は生活の利便性に優れます。商業施設や娯楽施設が多く、公共交通機関の種類も豊富なので、都会との生活環境のギャップを感じにくいでしょう。

移住コストがかかる

新しい居住先のエリアによっては、高額な移住コストがかかる点にも注意が必要です。

移住時に必要な費用には、主に次のような種類があります。

  • 現住まいの退去費用(ハウスクリーニング費や設備の修繕費など)
  • 新しい住まいの初期費用(敷金・礼金や前家賃など)
  • 新しい住まいへの引越し代
  • 家具や家電などの買い替え費用
  • 新たに自家用車を取得するための費用

また、現住まいより遠くに引っ越すと、オフィスへと出勤する際に通勤コストが高額になります。

そのため、事前に必要な費用を洗い出し、適切な予算や資金計画を立てておきましょう。

テレワークによる地方移住のメリット

テレワークによる地方移住のメリット

続いて、テレワークによる地方移住の3つのメリットを解説します。

  • 中長期的なランニングコストを抑えやすい
  • 仕事を変えずに地方移住を実現できる
  • 家族と一緒に過ごす時間を大切にできる

中長期的なランニングコストを抑えやすい

都会から地方へと移住すると、生活コストを抑えやすい傾向があります。地方は都会に比べ、家賃や食費などのコスト水準が低いためです。

前述したように、移住時には初期費用が高額になりがちですが、中長期的な視点で見るとランニングコストを削減できる可能性があります。

例えば、新しい住居の契約料や引越し代などに50万円の初期費用が発生したとします。一方、移住によって家賃や食費などを月5万円抑えられるなら、10ヶ月で移住コストのもとが取れるでしょう。

以降は収支に余裕が生まれるため、余剰資金を金融投資に振り向けたり、新たな趣味や勉強を始めたりと、より充実したライフスタイルへと発展します。

仕事を変えずに地方移住を実現できる

本来、別の地域へと移住する場合は、仕事を探し直すケースが一般的です。

移住後に転職をするにしても、不慣れな環境で仕事をするのは難しいものです。また、移住先によっては求人数が少なく、なかなか転職の機会に恵まれない場合も考えられるでしょう。

しかし、テレワーク制度の活用により、移住後も転職せずに済むメリットが生まれます。

仕事探しに割く時間や労力を削減すれば、移住地域の比較や物件探しに集中できます。

家族と一緒に過ごす時間を大切にできる

テレワークでは自宅で過ごす時間が長くなるため、家族との時間を大切にできるのが利点です。

また、家族とともに過ごすには、地方での生活が向いています。

都会に比べて地方では、保育施設の待機児童数が少ない場合も珍しくありません。適度な過疎状態で土地面積にゆとりがある地域は、公園やレジャースポットといった子どもの遊び場が充実しています。

テレワークを活用して地方へと移住すると、家族とともにいる時間を増やせるほか、穏やかな環境でより濃厚な時間を過ごせるでしょう。

テレワークによる地方移住の3パターン

テレワークによる地方移住の3パターン

テレワークによる地方移住には、主にUターン・Jターン・Iターンの3つのパターンがあります。

UターンやJターンなどの移住パターンは、自治体が提供する補助金や助成金の条件になっている場合もあるため、重要な要素です。以下でそれぞれの特徴を解説します。

Uターン

Uターンとは、生まれ育った場所とは異なる地域で就職し、再び地元に戻ってくる行為です。

地元がある田舎から、就職するために東京都へと移り住み、経験を積んだ後に実家へと戻ってくるようなイメージです。一般的には、Uターン後に慣れ親しんだ地元の企業に転職するケースが多いでしょう。

その点、テレワークを活用すれば、都会での仕事を辞めずに生活環境のみを変えられます。

実家に住んで高齢の親の面倒を見る、地元の町おこしに協力するなど、Uターンならではのライフスタイルを確立できます。

Jターン

Jターンとは、地元から都会へ出て就職し、その後別の地域で転職する行為です。主に地元から近い地域で転職するのが一般的です。

移住先が地元から近い場合でも、都道府県や市町村が異なる場合は、UターンではなくJターンに該当します。

例えば、群馬県から上京して就職し、一度退職した後に栃木県の企業に転職するようなイメージです。テレワークを活用する際は、居住先のみ栃木県に移し、東京都での仕事を在宅などで続行します。

居住経験のない地域で新たな生活を送れるため、新鮮な気持ちで仕事に臨めるのが利点です。

Iターン

Iターンとは、出身地以外の場所に移住する行為です。地元から別の地域への動きが一直線になるため、Iターンという名称が付いています。

テレワークを活用する場合は、地元の企業で就職し、別の地域へと居住先のみを移します。

出身地以外の場所で生活するのは、新たな人脈形成や価値観創出につながるチャンスです。

田舎で住んでいる方は都会へ、都会に住んでいる方は田舎へと、移住によって大きく生活環境を変えてみるのも一案です。

テレワークでの地方移住には徹底した準備を!成功のポイント3選

テレワークでの地方移住には徹底した準備を!成功のポイント3選

テレワークを活用した移住を成功させるには、事前準備を徹底することが大切です。

以下の3つのポイントを押さえると、スムーズに移住先の検討や物件選びを行えます。

余裕のある資金計画を立てる

地方への移住には何かと費用がかかるため、予算に余裕を持たせたうえで、綿密な資金計画を立てることが重要です。そのためにも、賃貸物件の初期費用や引越し代など、必要な費目を洗い出すと良いでしょう。

資金計画を立てる際は、補助金や助成金の活用を検討することをおすすめします。

自治体が提供する補助金は移住支援金が代表的です。

東京圏から地方へと移住し、特定の条件を満たすと、60~100万円(18歳未満の帯同者がいる場合は1人あたり100万円加算)が支給されます。移住前の業務をテレワークで継続して行う場合でも支給対象に含まれます。

そのほか、自治体によって住宅関連の補助金や子育て支援などの制度を提供しているため、ホームページをチェックして自分に合う制度を見つけましょう。

※2023年11月に執筆した記事です。最新情報は内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生|移住支援金をご確認ください(詳細は各自治体のホームページを参照)。

ゴールを明確にしたスケジュールを策定する

さまざまな手続きが必要になる地方移住だからこそ、検討段階で具体的なスケジュールを策定しましょう。

移住を検討する際は、主に次のような準備をする必要があります。

  1. 移住先の候補に関して情報を集め、複数の選択肢を比較・検討する
  2. 現地訪問や相談窓口などを活用しながら特定の移住先を決定する
  3. 移住先での仕事や働き方を決める(テレワークの場合は不要)
  4. 移住後の住まいを探す
  5. 引越し業者の比較や見積もり依頼を行う
  6. 賃貸契約の解除や電気・ガスの停止、転出入の届け出などの手続きを行う

このような手順をスケジュールに織り込み、スムーズな行動を心がけましょう。

なお、地方への移住は2024年までに実行するのがおすすめです。

地方移住で活用できる移住支援金は、2019~2024年までを目途にした制度なので、期間中に移住したほうがお得だといえるでしょう。

※2023年11月に執筆した記事です。移住支援金は制度延長の可能性も考えられるため、最新情報は内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生|移住支援金をご確認ください。

体験移住制度を活用する

自治体によっては、短期間だけ現地に住める体験移住制度を提供している場合があります。

自治体が用意した家具・家電付きの住居や、民間宿泊施設などで短期間だけ暮らせるため、現地のリアルな住み心地を体感できるのが利点です。

例えば、北海道岩見沢市では、3泊以上の宿泊者向けに「岩見沢市お試し暮らし事業」を提供しています。

1人につき最大2万円までの宿泊費(3,000円×宿泊日数)を支給しているため、お得に体験移住を活用できるのが特徴です。

※2023年11月に執筆した記事です。最新情報は岩見沢市ホームページ|岩見沢市お試し暮らし事業をご確認ください。

関連記事:移住先に岩見沢市が選ばれる理由とは?街の魅力と支援制度を紹介

テレワーク制度を活用して理想的な地域に移住しよう

テレワーク制度を活用して理想的な地域に移住しよう

テレワーク制度を活用することで、現在の仕事を変えずに理想的な地域へと移り住めます。

地方移住の際には事前準備が重要なので、まずは資金計画やスケジュールを立て、計画的に移住先を検討しましょう。

地方へと移住するメリットや注意すべきポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

複数の記事を参考に、より詳細な知識を身に付け、スムーズな移住を実現してください。

関連記事:地方移住のメリットとは?理想の生活を実現させるコツを解説

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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