自宅から通えない距離の大学に進学を予定している場合、一人暮らしをしなければなりません。
しかし、大学に合格してから物件探しを始めると、「条件の良い部屋はほとんど空いていなかった」といった事態が考えられます。
そのため、「大学の合格発表前にアパートの仮押さえをしておきたい」と考える人もいるでしょう。
本記事は大学に入学する前の部屋探しについて、詳しく解説しています。大学生活を充実させる一助になれば幸いです。
関連記事:大学生の一人暮らし!部屋探しのポイント6選|よくある失敗を避けるには?
目次
大学の合格前にアパートを仮押さえすることは可能?

大学進学で初めて一人暮らしをするなら、安全性が高く過ごしやすい部屋に住みたいですよね。ここでは、早めに部屋を押さえる方法として、次の3つについて解説しています。
- 入居申し込み
- 合格前予約
- 先行申し込み
詳しく見ていきましょう。
入居申し込み
一般的な賃貸アパートやマンションに「仮押さえ」という制度はありません。不動産会社にとって、「仮押さえ」とは「入居申し込み」に当たります。
入居の申し込みをすると、入居審査が1週間程度かかります。入居審査が通るまでの期間であればキャンセルしても基本的にキャンセル料は発生しません。
また、大学の近隣や、学生がメインで居住するエリアの物件であれば、家賃の発生日を延長してくれる場合があります。物件探しを依頼した不動産会社に相談してみましょう。
メリット
入居申し込みから契約まで行えば、確実に部屋を確保できます。「先行申し込み」で解説しているとおり、先行申し込みの状態であっても、部屋を押さえておく拘束力は強くありません。別の人が契約に進めば、そちらが優先されます。
条件の良い部屋であれば、先に契約してしまうのがオススメです。
デメリット
入居申し込みから契約まで進んだ場合、家賃が発生するため、入居まで期間があればあるほど費用がかさみます。
たとえば、大学入学の3カ月前に契約した場合は、3カ月分の家賃が必要です。
合格前予約
「合格前予約」とは、大学の合格発表前に希望する部屋を選んで、無料で確保できる制度です。主に学生会館(学生寮)・学生向けマンションなどがサービスを提供しています。
大学と提携しており、通学しやすい立地に物件が建っていることが多いです。
メリット
大学合格前に予約しても、合格発表日まで無料で部屋を確保してくれるため、経済的な負担が減らせます。
8~12月などの早い時期に部屋を確保できるため、受験勉強に集中できるうえに、合格後も部屋探しに時間を取られません。余裕をもって新生活の準備ができます。
また、不合格になった場合はキャンセル料がかかりません。
デメリット
一般的なマンションと違い、学生会館や学生向けマンションが近隣にない大学もあります。「必ずしも合格前予約のできる物件があるわけではない」という点はデメリットと言えるでしょう。
また、自己都合での解約にはキャンセル料が発生する場合があります。合格前予約は「合格したら契約する」という前提のもとに物件を押さえてもらっているからです。
たとえば、「合格したけれど、別の物件に入居したい」といった理由や「内見したら思っていたのと違った」といった理由はキャンセル料が発生するので注意しましょう。
先行申し込み
「先行申し込み」とは、内見前に賃貸物件に申し込む方法です。
物件に入居する際には、内見をした後に入居申し込みを行うのが一般的な流れです。
しかし、先行申し込みは、前入居者がまだ居住している状態だったり、アパートが建築中だったりなどの理由で内見できない場合に行われます。
- 一般的な入居の流れ:内見→入居申し込み→入居審査→本契約
- 先行申し込みの流れ:入居申し込み→入居審査→内見→本契約
大学の卒業は通常3月です。そのため、入居者の退去を見越して1~2月中に先行申し込みを行うパターンがあります。
メリット
先行申し込みは、気に入った物件を他の人に取られてしまう心配が減り、前入居者が退去したタイミングで内見を優先してもらえるのがメリットです。
また、先行申し込みは内見後にキャンセルしても、キャンセル料が発生しません。
デメリット
先行申し込みは原則1件です。複数の不動産会社に先行申し込みを行うことはできません。
不動産会社やオーナーからすると複数申し込んだ状態は、「契約する気もない物件に申し込んだ人」という扱いになります。
「他社の申し込み状況はわからないのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、不動産会社が違っていてもオーナーや管理会社が同じという例があります。複数の先行申し込みが判明すれば、物件を紹介してもらえなくなったり、契約を断られたりといったペナルティが考えられます。
また、「先行申し込み」は「先行契約」に比べると物件の拘束力が強くありません。
「先行契約」は内見せずに契約を結ぶことを指します。同時期に先行契約まで進んだ人がいた場合、入居はできません。
先行申し込みは、入居時期がずれる可能性も考慮しましょう。前入居者の利用状況によっては、部屋のクリーニングなどに時間がかかる場合があります。
予定した日に確実に入居したい人にはオススメできません。
賃貸物件を仮押さえする際の注意点は?

合格発表前の仮押さえの方法として、「入居申し込み」「合格前予約」「先行申し込み」の3つを解説しました。
ここでは、アパートを仮押さえする際の注意点を見ていきましょう。
キャンセル料が発生する期間を確認する
「入居申し込み」をした場合、入居審査の結果が出るまでの間であれば、基本的にキャンセル料が生じません。そのため、「入居審査の期間」を「仮押さえ」と考える人も多いようです。
しかし、オーナー側からすると、入居申し込みは「入居の意思を示すこと」です。入居審査が通った後はキャンセル料が発生する可能性が高くなります。
もちろん、契約締結後にキャンセルはできません。「契約後の解約」という扱いになるため、違約金を求められる場合もあります。
キャンセル料が発生するタイミングは不動産会社や管理会社ごとに違うので、事前に確認しましょう。
ただし、キャンセル料の有無を細かく確認すると「入居の意思が薄い」と判断される可能性もあります。場合によっては、不動産会社が積極的に物件を紹介してくれないといった事態も考えられるので、注意が必要です。
キャンセルすると部屋探しが不利になる場合がある
入居審査中や、審査の通過後にキャンセルした場合、利用した不動産会社に履歴が残ります。結果として、入居審査が通りづらくなったり、同一の不動産会社の利用を断られたりする可能性が出てきます。
不動産会社やオーナーからすると、入居者が早く決まるに越したことはありません。しかし、申し込みをしたのにキャンセルした場合、「また同じことをする可能性がある」と警戒されてしまいます。
入居申し込みをする際は、よほどの理由がない限り、気軽にキャンセルしないようにしましょう。
本契約するまで確実ではない
「入居申し込み」や「先行申し込み」は、本契約まで進まない限り、部屋の確保という点で確実ではありません。
不動産会社は、契約してくれる人を最優先にします。「入居申し込み」や「先行申し込み」は、あくまでも「申し込み」をした状態です。
別の人が契約まで進んだ場合、狙っていた部屋はあきらめなければなりません。
気に入った部屋を見つけ、確実に住みたいというのであれば本契約してしまうのがオススメです。
アパートを探し始めるタイミング

独立行政法人日本学生支援機構の令和4年度学生生活調査結果では、「下宿・アパート・その他」に居住する人は、国立大学で60.4%、公立大学で55.2%でした。
大学進学を機会に、半数以上の人はアパートなどに住んで一人暮らしをしています。
ここでは、アパートを探すタイミングについて解説しています。
1~3カ月前が一般的
大学進学にともなう部屋探しは、引っ越し予定日の1~3カ月前から開始するのが一般的です。推薦入学者は11~12月に、一般選抜者は2~3月に部屋探しを開始すると言われています。
早めに部屋探しをするメリットとして、物件の選択肢が多く、条件の良い部屋が見つけやすいという点が挙げられます。
また、大学進学で一人暮らしをする場合、家具・家電・日用品を用意しなければなりません。早めに部屋を契約すると、そういった準備に時間をかけられるのも利点です。
引っ越しの準備に関しては下記の記事で解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:ストレスフリーな引っ越し準備のコツは?各種手続きについても解説
合格発表後に部屋探しをする人も多い
部屋探しを大学の合格発表後に行う人もいます。
「合格発表後の3月以降は部屋がほとんど残っていないのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。しかし、大学卒業後に退去する人や、異動などの理由で3月以降に退去する社会人もいます。
合格発表後であっても部屋自体はあるので安心しましょう。
ただし、大学に近い物件や条件の良い部屋ほど、早めに決まってしまいます。「これだけは譲れない」という条件がある人は、早めに探しましょう。
合格発表後の部屋探しのメリットとして、仮押さえの期間がない分、費用が抑えられる点が挙げられます。
大学進学前の部屋探しの方法
部屋探しの際には、大学近隣の不動産会社を選びましょう。地域の情報に詳しく、求める条件に合った物件を紹介してくれる可能性が高くなります。
ただし、家が遠方で「何度も不動産会社に足を運べない」という場合は、不動産ポータルサイトやオンラインで部屋を紹介してくれる不動産会社の利用がオススメです。
不動産ポータルサイトとは、複数の不動産会社が物件を掲載しているサイトです。たとえば、ラルズネットの不動産連合隊は地域に特化したさまざまな賃貸物件を載せています。間取りや住所などの条件検索が可能なので、ぜひ、ご利用ください。
また、オンラインや動画で内見させてくれる不動産会社があります。「遠方で内見に行けない」という人でも、映像で確認できるので安心です。
不動産連合隊には「WEB面談対応可」というチェック項目があり、オンラインによる面談や内見をさせてくれる不動産会社の検索が可能です。
さらに、時期によっては物件を探す学生や新社会人に向けた「春から家賃発生OK」というチェック項目も設けております。活用してみてください。
アパート・学生寮・学生マンションの違いは?

ここでは大学進学で一人暮らしの際によく利用される、アパート・学生寮・学生マンションの違いについて解説します。
それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで物件を探しましょう。
アパートは自由度が高い
アパートは一般的な賃貸物件です。学生に限らず誰でも入居できます。
メリット
自由度が高く、生活スタイルを自分で決められます。友人や恋人を家に呼んで交流することも可能です。
また、自炊や家計など、すべてを自分で管理するので、生活力が身につきます。
デメリット
アパートは誰でも入居できるという点から、セキュリティ面が弱いと言えるでしょう。騒音や隣人トラブルが発生した場合、自分の力で解決することが求められます。
体調管理も自分で行わなければなりません。家事を覚えないと、あっという間に不健康な生活になってしまいます。
また、費用面でもアパートは負担がかかります。独立行政法人日本学生支援機構の令和4年度学生生活調査結果では、自宅に比べてアパートは32~53万円ほど生活費が高いという結果でした。
学生寮には管理人がいる
学生寮または学生会館とは、学生のみが住む賃貸です。
通常のアパートと違うのは、次のような点です。
- 管理人が寮生活をサポートしてくれる
- 門限がある
- ルールがある
- 朝食・夕食が提供される
メリット
管理人がいるので、サポートが受けられます。「初めて親元を離れるので不安」という人にオススメです。
また、食事を出してもらえるので、炊事の手間がなく、健康管理がしやすくなります。ベッドや勉強机は備え付けなので、家具・家電の購入費用が抑えられるのもメリットです。
家賃には食費が含まれており、アパートや学生マンションより一カ月の生活費が抑えやすい傾向です。
門限があり、大学生しか住んでいないため、セキュリティは高いと言えるでしょう。同じ年頃の学生と交流を持つ機会が多いのもメリットの一つに数えられます。
学生寮・学生会館は基本的に大学の近くにあるので、通学も便利です。
デメリット
門限やルールが決まっており、自由度は低めです。
また、トイレ・風呂・ランドリーなどの設備は共用のところが多いので、ストレスを感じる人もいます。その代わり、風呂・トイレの掃除は外注しており、やらなくて済むというところも多いようです。
部屋は完全個室のところもあれば、ルームメイトと共有のところもあります。生活するうえで他人と共用する部分が多いので、「プライバシーを守って生活したい」という人には、学生寮は向かないでしょう。
下記の記事は北海道大学の寮について解説しています。費用や設備について記載されているので、参考にしてみてください。
関連記事:北海道大学の4つの寮を徹底解説!費用や入寮手順も紹介
学生マンションは費用が高め
学生マンションとは、学生のみが入居できる賃貸マンションです。
学生寮と違い管理人のサポートなどはなく、通常のアパート・マンションと同様に一人暮らしができます。
メリット
「学生のみが入居できる」という点以外は一般的なマンションやアパートと変わりなく、自由度の高い生活が可能です。
学生マンションによっては、食事を提供するサービスもあります。そういったところを選べば、炊事の手間が省けるでしょう。
また、学生マンションの大きなメリットとして、高いセキュリティが挙げられます。オートロックや防犯カメラのようなシステムが充実しており、身元のわかる学生のみが入居しているので、安心して生活できます。
デメリット
一般的なアパート・マンションや学生寮と比べると家賃は割高です。セキュリティが充実し、大学に近い分、価格設定は高くなっています。
また、更新は年に1回のところが多いです。通常の賃貸は2年に1回の更新なので、更新料が毎年発生します。費用を抑えたい人には、学生マンションは向きません。
安全性が高いので学生マンションを選びたい人もいるかもしれませんが、一般的なアパート・マンションよりも物件数が少なめです。早めに申し込まないと埋まってしまう可能性が高いでしょう。
また、物件が気に入っていても、卒業したら原則退去という点もデメリットです。
関連記事:学生マンションが向いているのはどんな人?メリットとデメリットを総まとめ
大学合格前に部屋を探すなら不動産連合隊!

大学進学の際に一人暮らしを始める人も多いでしょう。
しかし、大学の合格発表後だと、条件の良い物件が埋まってしまっていることもあります。
本記事では、合格発表前に部屋を押さえる方法として、「入居申し込み」「合格前予約」「先行申し込み」について解説しました。それぞれメリット・デメリットがあるので、把握したうえで利用しましょう。
遠方の賃貸物件を探すなら、不動産ポータルサイト不動産連合隊がオススメです。複数の不動産会社が多数の賃貸物件を掲載しており、いつでもどこでも気軽に検索できます。
不動産連合隊では進学する人に向けて、期間限定で春から家賃が発生する物件もご紹介しております。条件を入力する際に「春から家賃発生OK」にチェックを入れてご検索ください。該当物件があれば表示されます。
大学合格発表前のお部屋探しに役立てば幸いです。