焼肉屋向けの居抜き物件を選ぶポイント!物件探しに使える相談先

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焼肉屋の開業時に初期費用を節約したいなら、「居抜き物件」でお店を持つのが有効です。

居抜き物件とは、前テナントが設備や内装をそのまま残している店舗物件を指します。躯体だけの「スケルトン物件」と比べて、コストを抑えられるのがメリットです。

とはいえ、焼肉屋に適した居抜き物件がよくわからないという方もいるかもしれません。

そこで本記事では、焼肉屋を居抜き物件で開業したい方に向けて、選び方のポイントや費用を解説していきます。

焼肉屋向けの居抜き物件を探す際に使える相談先も紹介していますので、参考になれば幸いです。

関連記事:焼肉屋を開業するには?間違いたくない流れや必要な知識の学び方を解説

焼肉屋向けの居抜き物件を選ぶポイント

焼肉屋向けの居抜き物件を選ぶポイント

焼肉屋の開業に適した居抜き物件を選ぶ際は、以下のポイントをチェックします。

  • 排気設備・排煙設備
  • 排水設備
  • 厨房設備
  • 床や壁などの内装
  • 席数やレイアウト

入居してから「思っていた物件とちがう!」という事態にならないように、それぞれ詳しく見ていきましょう。

なお、飲食店の居抜き物件を探す際のポイントについては、下記の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:飲食店の居抜き物件を探す際のポイント!メリットや注意点も解説

排気設備・排煙設備

煙や強い匂いが発生する焼肉屋では、排気設備・排煙設備のチェックが重要です。

店外にそのまま煙を排出すると近隣住民の迷惑になるほか、クレームにつながる可能性もあります。居抜き物件のオーナーによっては、近隣住民からのクレームを避けるために、焼肉屋の開業を認めないケースもあるほどです。

煙や匂いによるトラブルを防ぐためには、排煙設備の設置が欠かせません。

焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際は、排煙設備について以下の点をチェックすると安心です。

  • 排煙設備(ダクト)は設置されているか?
  • 排煙設備は問題なく動くか?
  • 広さに対して排煙の容量は十分か?

ダクトが設置されている物件であっても、オーナーの希望によってはさらに工事が必要になる場合もあります。たとえば、煙や匂いが強い業種の場合は、ダクトをさらに建物の上まで延ばしてほしいと希望されるケースです。

「焼肉屋」での開業が可能かという点もあわせて、確認しておきましょう。

また、排煙設備の部品である「防火ダンパー」は、火災の延焼を防ぐ役割があります。出火を防ぐために、防火ダンパーが正常に作動するかチェックしてください。

排水設備

焼肉屋では排水管に油分が付着しやすく、放置すると詰まってしまいます。開業後まもなく排水管のつまりが発生するという事態を避けるために、定期的に洗浄していたかどうかチェックしましょう。

また、グリストラップの有無も重要です。グリストラップとは「油脂分離阻集器」とも呼ばれ、厨房から出た油やゴミが排水管に直接流れていかないようにせき止める装置です。

グリストラップの設置は自治体によって義務ではないところもあります。ただ、排水管を詰まらせて第三者に損害を与えた場合は、賠償しなければなりません。過去には数百万円の賠償額が発生した事例もありました。

とくに焼肉屋は油を多く排出するため、グリストラップの設置をオススメします。

すでにグリストラップが設置されている居抜き物件なら、設置費用を節約できます。メンテナンスがしやすいグリストラップかどうかもチェックしておきましょう。

参考:八幡市「日常の維持管理(飲食店等)

厨房設備

厨房設備の状態が悪いと、営業開始後に予想外の費用やトラブルが発生する可能性もあります。トラブルを未然に防ぐために、以下のポイントに注目して選びましょう。

  • ガスコンロ:火が付くか?すぐに消えないか?
  • 冷凍冷蔵庫:十分に冷えるか?
  • 厨房:水漏れはしないか?
  • 各設備:使用年数はどれくらいか?寿命が近いものはないか?
  • 引継ぎ元:リース契約の設備はないか?
  • ガスの種類:都市ガス・プロパンガスのどちらか?

ガスレンジを新たに購入する場合、ガスの種類は事前に調べておく必要があります。

設備の種類や使用状況を調べ、できるだけ良い状態のものを選ぶのがオススメです。

床や壁などの内装

内装の状態が悪いと、清掃や維持が大変で、お客様に不衛生な印象を与えてしまいます。床を歩いたときに粘っこい感覚がある店は、適切にメンテナンスされていないか、掃除しにくい材質である可能性があります。

内装に関しては、メンテナンスがしやすいかという観点でチェックしていきましょう。チェックするポイントは下記のとおりです。

  • 床材
  • 壁材
  • 内装の構造

焼肉屋は肉の油やタレが飛び散るので、床が汚れやすくなります。

ビニール系の床材のように、滑りにくく汚れを落としやすいタイプがオススメです。また、水拭きできるタイプを選ぶと、掃除が簡単になります。

壁材は、「メラミン化粧合板」や「ガラス系の壁材」・「ウレタンコート素材」などが油で汚れてもメンテナンスしやすいです。

内装の構造は、凹凸やつなぎ目が多いとメンテナンスがしづらくなります。焼肉屋では食材のゴミも落ちるため、なるべく平坦な内装を選びましょう。

席数やレイアウト

席数やレイアウトに関しては、「スタッフやお客様がスムーズに動けるか?」という観点でチェックします。

焼肉屋では多くの皿を並べる必要があるため、テーブルは広めのものを選ぶとよいでしょう。テーブルが狭いと、せっかく多くの注文をしてもらっても、皿が置けず窮屈な食事になってしまいます。

また、コンセプトにもよりますが、席と席の間隔は広めに取っておくと、周囲の音や匂いが気になりにくいです。一般的な店舗では、1坪あたり1.5~2席を設けるのが目安なので、参考にしてみてください。

さらに、スタッフとお客様がぶつからないように、動線も確認しましょう。厨房から席までの動線がスムーズだと、配膳の効率が上がります。

焼肉屋向けの居抜き物件の費用

焼肉屋向けの居抜き物件の費用

ここまで焼肉屋向けの居抜き物件を選ぶポイントについて解説してきましたが、実際にどのくらい費用がかかるものなのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

そこで、ラルズネットが運営する不動産ポータルサイト「テナント連合隊」で、居抜き物件の費用について調べました。

焼肉屋の居抜き物件の費用

各エリアの「焼肉屋の居抜き物件」の費用は、下記のとおりです。

エリア 最安値(月額) 最高値(月額)
札幌 11万円 175万円
函館 30万円
仙台 30万円
浜松 なし
名古屋 なし
神戸 39万円
福岡 12万円 132万円
参考:テナント連合隊(2024年7月時点)※四捨五入してあります

最高値が100万円以上の物件もありますが、20〜30万円台の物件も複数見受けられました。

重飲食向けの居抜き物件の費用

前テナントが焼肉屋を経営していた物件は少ないものの、「重飲食向けの居抜き物件」で検索すると、ヒット数が増加します。

「重飲食向けの居抜き物件」の費用についても、下記の表にまとめました。

エリア最安値(月額)最高値(月額)
札幌3万円285万円
函館5万円50万円
仙台8万円78万円
浜松6万円106万円
名古屋10万円21万円
神戸12万円504万円
福岡5万円228万円
参考:テナント連合隊(2024年7月時点)※四捨五入してあります

物件選びの参考になれば幸いです。

焼肉屋向けの居抜き物件を探す際に使える相談先

焼肉屋向けの居抜き物件を探す際に使える相談先

「焼肉屋を居抜き物件で開業したいけど、なかなか良い物件が見つからない」という方に向けて、相談先となる窓口を紹介します。

自治体に設置されているビジネス支援センターでは、物件情報の検索をサポートしてくれる場合があります。

そのなかの1つが、東京都にある「東京都企業立地相談センター」です。

「東京都企業立地相談センター」では、都内で店舗や事務所・倉庫などの物件を探している方に向けて、情報提供を行っています。専門のアドバイザーが希望条件をヒアリングしてくれるため、効率的な情報収集が可能です。

お住まいの自治体に似たような支援センターがないか、調べてみてはいかがでしょうか。「〇〇(自治体名)空き店舗 相談窓口」と検索すると、ヒットする場合があります。

ただ、自治体によっては、適した相談窓口がない場合もあるでしょう。お住まいの自治体に相談窓口がない方や、より幅広いエリアで物件情報をキャッチしたい方には、「テナント物件リクエスト」をオススメします。

「テナント物件リクエスト」とは、希望するエリアや事業内容・予算を入力すると、対象地域の不動産会社が条件に合った物件をメールで紹介してくれるサービスです。希望する物件がなかなか見つからないときに活用してみてください。

焼肉屋を居抜き物件で開業するメリット・注意点

焼肉屋を居抜き物件で開業するメリット・注意点

焼肉屋を居抜き物件で開業するにあたって、メリットや注意点を押さえておきましょう。

メリット注意点
・初期費用を節約できる
・前テナントの知名度を引き継げる
・焼肉屋の居抜き物件は数が少ない

なお、居抜き物件での開業に向いているタイプについては、下記の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:居抜き物件の5つのメリットを徹底解説!居抜きに向いているのはこんな人

注意点

焼肉屋を居抜き物件で開業する際の注意点は、「前テナントが焼肉屋だった居抜き物件は数が少ない」ことです。

同じ重飲食の居抜き物件でも焼肉屋を開業することは可能ですが、設備が引き継げるメリットを考えると、できれば前テナントが焼肉屋だった物件を探したいところです。

しかし、「テナント連合隊」で検索したところ、焼肉屋の居抜き物件の数は多くありませんでした。エリアによっては登録数が1件もないところもあります。

理想的な条件の居抜き物件を探すのは、非常に難しいという点を覚えておきましょう。

メリット

焼肉屋を居抜き物件で開業する際のメリットは、下記のとおりです。

  • 初期費用を節約できる
  • 前テナントの知名度を引き継げる

居抜き物件は、前テナントの設備や内装が残っているため、初期費用を節約できます。節約できた分をほかの項目に回せば、安定した経営基盤を築くのに役立つでしょう。

また、前テナントが同じ焼肉屋で、かつ評判の良いお店だった場合は、知名度を引き継げるのもメリットです。何もなかったところでゼロからスタートするより、効率的に集客できます。

焼肉屋の居抜き物件を探すならテナント連合隊!

焼肉屋の居抜き物件を探すならテナント連合隊!

焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際は、排煙設備や内装の材質などをチェックすると、スムーズな開業につながります。

前テナントが焼肉屋だった居抜き物件は数が少ない傾向にありますが、自治体の相談窓口や「テナント物件リクエスト」などを活用し、希望条件に近い物件を探してみてください。

貸店舗・貸事務所をお探しの際は、地域特化型テナント物件探し専門ポータルサイト『テナント連合隊』を活用してみてはいかがでしょうか。

路面店、居抜き物件コーナーなど、事業者目線で詳細な検索ができるようになっています。
『テナント連合隊』が、これから出店を考えている事業者様のお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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