自分好みにリフォームができるとして近年人気を集めている古民家。北海道には多くの古民家があり、昔ながらの雰囲気ある優良物件も出回っています。
北海道の古民家をお探しの方のなかには、「実際にどのような古民家があるのか」「良い古民家をみつけるにはどうしたら良いだろう」と、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
古民家を探すうえで、物件の具体的な事例を知ることは選択肢が広がることにつながるため、とても重要です。
本記事では、北海道で古民家を探す際のポイントや便利な支援制度を紹介していますので、古民家探しの参考にしてみてください。
目次
地方移住で古民家に住むなら北海道がおすすめ

古民家は、文化庁が定める登録有形文化財制度において、「築50年以上の木造軸組構法の伝統構法および在来工法で建てられた住宅」と定義されています。木材本来の魅力を味わえるだけでなく、間取りの広さを活かし、リフォームやリノベーションで自由に住宅をアレンジできるのがメリットです。
北海道には、築50年以上の古民家が多く現存しています。
地域によっては、「一般社団法人 北海道古民家再生協会」や「NPO法人 小樽民家再生プロジェクト」、「厚真町古民家再生プロジェクト」など、古民家をより長く存続させようと活動する団体やプロジェクトが存在します。
また、地域の古民家で短期的な移住体験ができる自治体も多いことから、北海道は古民家を探すための恵まれた環境が整っているでしょう。
北海道の古民家を探す方法

北海道で古民家を探すにはいくつかの方法があります。
さまざまな方法を知っておくと、よりスムーズに理想的な物件が見つかるでしょう。
空き家バンクの利用
空き家バンクとは、自治体(または別の管理団体)が運営している空き家情報サイトです。
空き家を売りたい・貸したい所有者が空き家バンクに物件情報を登録することで、広く情報を発信することができます。買い手や借り手にとっては、自治体やサイトの運営団体が交渉手続きをサポートしてくれることがあり、知識がない方でも安心して利用できるのがメリットです。
北海道で古民家を探す場合、空き家バンクのなかでも現地の情報に特化した「北海道空き家情報バンク」がおすすめです。
また、空き家の購入では、補助金制度が適用される場合もあります。空き家の取得に関する補助金や住宅の改修に関する補助金など、国や自治体が行っている制度を活用すれば、より安価に古民家の購入・リフォームができるでしょう。
不動産会社を利用する
既に住みたい地域がある程度定まっている場合は、その地域に特化した不動産会社の利用がおすすめです。
地域に密着した不動産会社は、その地域の特徴をよく理解しており、要望をもとに適切な古民家を提案してもらえます。
また、サイトに掲載されていない非公開物件を紹介してくれることもあります。
不動産会社を利用して北海道の古民家を探す場合は、地域密着型ポータルサイト「北海道不動産連合隊」がおすすめです。「にぎやかな商店街」をコンセプトに掘り出し物の優良物件や、一風変わった物件など幅広く取り揃えています。
まずは、お好みの条件で検索してみてください。
地域の人から譲り受ける
古民家のなかには、「知らない人に使ってほしくない」などの理由で、所有者が空き家バンクや不動産情報サイトなどに情報を掲載していない物件も少なからず存在します。そのため、地域の人とつながることで、売りに出ていない物件に出会える可能性があります。
ただし、地域の人と親密な関係を築くには、ある程度の時間がかかる点には注意が必要です。地域住民と広いつながりがある人や、自治体の職員などに尋ねてみると良いでしょう。
SNSやネットを活用する
SNSやネットを活用することも有効な手段の1つです。
近年急速に普及が進むSNSでは、良い条件で好みの古民家を購入できる可能性があります。
ハッシュタグ機能やスレッドを立ち上げる、広告を出すといった方法で古民家を募集することで、古民家の所有者とつながれます。
北海道で古民家を探す際のポイント

古民家を探す際、いくつかのポイントに留意する必要があります。
購入後に後悔しないためにも、あらかじめ確認しておきましょう。
移住先地域の住みやすさ
古民家を購入する際は、まず移住先を決めますが、その地域が住みやすいかどうかは非常に重要な要素です。住みやすい地域かどうかは、以下のポイントを参考に確認してみてください。
- 気候
- 周辺施設や医療機関
- 子育てのしやすさ
- 仕事の見つけやすさ
- 交通の利便性
これらは、生活するうえで不便に感じることなく、健康でいられるかどうかを決める重要なポイントです。
加えて、都心へのアクセスも考慮しておくと、仕事で出張する際や帰省する際に便利です。パートナーと移住する場合は、お互いの実家との距離も考えて決めると良いでしょう。
古民家の劣化具合を確認する
古民家は、築50年以上のものがほとんどであり、物件によっては建物内の老朽化が酷く進んでいることもあります。そのため、古民家を購入する際は、実際に建物の劣化具合を目視で確認することが大切です。
特にチェックしておきたい箇所は次の通りです。
- 水回りの配管・柱・梁・壁・床・天井
- 建物の傾き
- 隙間の有無
柱や床などは、シロアリがいないかどうかや雨漏りの有無を確認します。
特にキッチンやトイレなど、水回りの配管は問題の多い箇所なので、購入後の補修やリノベーションも視野に入れておくと良いでしょう。
これらは、リフォーム会社や住宅診断会社に建物の性能診断をしてもらったり、下見の際に所有者と一緒に劣化した部分を確認したりすることがおすすめです。あまりにも劣化が酷い場合は、リフォーム費用がかさむため、劣化箇所がどれくらいあるのか事前に確認しましょう。
支援制度の有無
移住先の地域に、住宅取得・改修に関する支援制度があると、古民家を安価に購入・リフォームできます。
支援制度には中古物件や空き家購入に関する支援、リフォームやリノベーションに関する支援などの種類があります。さらに、東京圏から地方へ移住する人を支援する「移住支援金」などもあるため、条件に当てはまる場合は積極的に活用しましょう。
支援制度は、自治体によって内容が異なるため、あらかじめ確認が必要です。
資金に余裕があるか
古民家を購入する場合、リフォームが必要になるケースがほとんどです。そのため、購入費用だけでなく、リフォーム費用も用意しておく必要があります。
資金が用意できておらず、満足にリフォームできなかった場合、リフォームしていない劣化した箇所によって生活に支障が出ることもあるでしょう。
とはいえ、古民家自体の取得金額とリフォーム代金を合わせると高額な予算が必要です。特に、住宅ローンを活用する場合は、長期的な視点で資金計画を立てておきましょう。
資金計画を立てる際は以下の手順で進めるのが一般的です。
- ライフプランニングシート(今後の収支予測を可視化した図)を作成
- 現在の自己資金や貯蓄状況を確認
- 今後の収支と現在の資金状況から無理なく返済できる金額を算出
住宅ローン・住宅ローン控除の適用範囲内か
住宅ローンを使って古民家を購入する場合は、住宅ローン控除の適用範囲かどうかも確認しておきましょう。
住宅ローンの審査基準には築年数が含まれていることから、古民家は住宅ローンの審査に通りにくいのが一般的です。住宅ローンの審査に通過すれば、住宅ローン控除が適用される可能性があります。
2022年の税制改正により、住宅ローン控除を利用する際はほとんどのケースにおいて、新耐震基準を満たしていることを証明する「耐震基準適合証明書」の提出が不要になりました。しかし、1982年よりも前に建てられた建物の場合は、住宅ローン控除を適用するために耐震補強工事を行い、耐震基準適合証明書を提出する必要があります。
耐震補強工事には多額の費用が必要となるものの、自治体によって設けられた補助金制度を活用することで費用を安く抑えられます。
道内で利用できる住宅に関する支援制度

北海道内には、自治体ごとにさまざまな住宅に関する支援制度があります。
支援制度を活用することで、住宅の購入・改修費用を抑えられるため、古民家購入前にあらかじめ確認しておきましょう。
住宅関係支援制度
道内には、新築住宅の取得に関する補助金や、空き家の取得・リフォームに対する助成金など、必要な費用の一部を補助する支援制度があります。
これらの制度を利用すれば、古民家の購入・改築の際などに、捻出する費用を抑えられます。ほとんどの自治体が住宅関係支援制度を提供していますが、内容は住む地域によってさまざまです。
北海道の公式ホームページでは、支援制度の一覧が紹介されています。
北海道空き家情報バンクでも、振興局名から市町村ごとの支援制度を検索できるため、気になる地域の支援制度を探してみてください。
ちょっと暮らし
ちょっと暮らしは、北海道が独自に提供している体験移住制度です。
自治体または民間事業者が運営する家具・家電付きの施設に、短期間だけ居住でき、北海道に移住を検討している方が気軽に移住体験ができます。自治体によっては古民家の物件を取り扱っている場合があり、移住する前に住み心地や生活感を体感できるでしょう。
ただし、自治体によっては制度を提供していないケースもあるため、各自治体の公式ホームページを確認してみてください。
以下では、ちょっと暮らしを提供している自治体の一部を紹介します(自治体によって制度の名称が異なる場合があります)。
※2025年1月に執筆した記事です。最新情報はそれぞれのリンク先をご確認ください。
函館市
道南に位置する函館市は、海産物やさまざまな観光名所が有名な北海道の主要都市です。医療機関や子育て環境に恵まれ、東京都への新幹線も開通していることから、移住先におすすめの街としても知られています。
「ちょっと暮らし in はこだて」は、函館市内にあるホテルや旅館に住んで移住体験ができる制度です。この制度を活用すると、通常のプランより安い宿泊費で施設を利用できます。
函館市または道南地域への移住を検討している方は、ぜひ活用してみてください。
参考:函館不動産連合隊 売買物件一覧
浦河町
道央に位置する浦河町は、海に面した地形と約200ヶ所の牧場で知られている地域です。夏は涼しく、冬は道内の他地域に比べてやや暖かい気候が特徴で、「北海道の湘南地方」と呼ばれるほど自然環境に恵まれています。
浦河町では、古民家で移住体験ができる「生活体験住宅」を実施しています。古民家での生活を試してみたい方におすすめの制度です。
小樽市
道央に位置する小樽市は石狩湾に面し、ガラス工芸や酒蔵で有名な港湾都市です。小樽運河沿いのレトロな街並みが特徴で、海の幸や酒蔵で造られたウイスキーが楽しめます。
小樽市では、ちょっと暮らしでマンションでの長期滞在や、ホテル、コテージ、一軒家で移住体験ができます。新鮮な海の幸やお酒を身近に味わえる生活を体験してみたい方は、ぜひ試してみてください。
関連記事:小樽に移住したい!街の魅力や支援制度は?必要な費用等も詳しく解説
参考:小樽不動産連合隊 小樽市売買物件一覧
砂川市
道央に位置する砂川市は、札幌市と旭川市の中間に位置する街です。JR函館本線や国道12号線があることで、札幌圏・旭川圏のそれぞれの地域にアクセスしやすいメリットがあります。
また、お菓子が美味しい街としても知られており、「すながわスイートロード」と呼ばれる約20店舗の菓子店が並んだ道路が特徴的です。
そんな砂川市では、3種類の物件で移住体験ができる「すながわお試し暮らし」を提供しています。築50年程度の古民家物件も用意されています。
古民家を買う前に移住体験をしておきたい方は、ぜひ試してみてください。
北海道で古民家を探すなら「北海道不動産連合隊」

北海道にはさまざまな古民家があり、住む場所としてはもちろん、事業用としても利活用できます。古民家で移住体験ができる自治体もあるため、北海道の古民家に移住したい方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
北海道の古民家をお探しの方には、地域密着型の不動産サイト「北海道不動産連合隊」がおすすめです。住宅用の古民家はもちろん、事業用として利用できる古民家物件まで取り揃えています。
地元に特化した北海道不動産連合隊だからこそ、思わぬ掘り出し物や優良物件が見つかるでしょう。まずはお好みの条件で検索してみてください。