本州の厳しい猛暑を避けるため、北海道へ長期滞在する人が増えています。
しかし、北海道は面積が広いため、エリアごとに平均気温が大幅に異なります。7月でも夜間に暖房が必要な地域もあれば、エアコンがないと眠りづらい地域もあるため、イメージだけで長期滞在すると後悔しかねません。
さらに、人気エリアの別荘やコンドミニアムは早い時期から予約が埋まり始めるため、希望する滞在先を確保するには、エリア選びとあわせて早めに準備を進めることが大切です。
本記事では、おすすめの避暑地や1か月の滞在費用、中古別荘を確保する際の注意点まで、北海道での避暑について詳しく解説します。
目次
夏の北海道が避暑地に選ばれる理由
本州の夏は年々厳しさを増しており、最高気温が35度を超える猛暑日が続くことも珍しくありません。
対して北海道は、北緯41度半ば〜45度半ばという地理的な特徴から、夏は本州よりも過ごしやすいといわれています。ただし、北海道の地域ごとの気候特性を理解しておくことが大切です。たとえば、北海道でも内陸部や日本海側は、夏に猛暑日が続くこともあります。
本州と異なる夏の涼しい気候
北海道の夏は、太平洋高気圧の影響を強く受ける本州と比べて湿度が低く、カラッとした爽やかな風が吹くのが特徴です。
通称「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ばれる雨の多い年もあるものの、基本的に梅雨はありません。気象庁が発表する梅雨入りや梅雨明けも、北海道は対象外です。
近年は北海道でも猛暑日が増えましたが、エリアによっては最高気温が30度を超える日でも日陰に入れば過ごしやすく、夕方以降は涼しくなる日が多いため、体力を消耗しにくい環境といえます。
本州の厳しい熱帯夜から解放されるだけでも、日々の睡眠の質の向上や、心身ともに健やかな生活を取り戻すきっかけにつながるでしょう。
エアコン不要で過ごせる快適さ
近年は北海道でも猛暑日や熱帯夜が観測されるようになり、1996年には約15%だったエアコン普及率は、2025年には約60%まで上昇しました。
しかし、残りの世帯では、夏の間も窓を開けたり、扇風機を使ったりして過ごしています。
釧路や根室などの道東では、朝晩は気温が20度以下まで下がることが多く、自然の涼しさの中で心地よく目覚められるでしょう。
下記に釧路、根室の2025年の気温をまとめたので、参考にしてみてください。
| エリア名 | 8月の平均気温(度) | 8月の最低気温(度) | 8月の最高気温(度) |
|---|---|---|---|
| 釧路市 | 22.1 | 16.8 | 28.3 |
| 根室市 | 20.5 | 14.6 | 29.2 |
参考:釧路(釧路地方) 2025年8月(日ごとの値) 主な要素
根室(根室地方) 2025年8月(日ごとの値) 主な要素
エアコンを24時間つけっぱなしにする本州の電気代が月2万円(12畳を想定)かかると仮定すれば、北海道では窓を開けるだけでエアコンにかかる電気代を大幅に抑えられます。
浮いたお金でグルメやレジャーを楽しむなどのメリットも得られるでしょう。
長期滞在向けの北海道避暑地4選
北海道は、エリアによって気候や生活利便性、周囲の自然環境が大きく異なります。長期滞在を成功させるためにも、それぞれの地域が持つ特徴やライフスタイルとの相性を事前に把握することが大切です。
また、人気の物件は春先に満室になるケースもあるため、早めに予約状況を確認しましょう。
おすすめ避暑エリア1:夏でも涼しい釧路
釧路は夏でも平均気温が20度前後に留まることが多く、全国有数の涼しさを誇るエリアとして注目を集めています。
参考:気象庁 釧路(釧路地方) 2025年(月ごとの値) 主な要素
霧が発生しやすい気候特性があり、これが天然のクーラーの役割を果たして街全体を優しく冷やしてくれます。
釧路湿原をはじめとする雄大な自然がすぐそばにありながら、医療機関や商業施設などの都市機能が充実しているため、生活に不便を感じることは少ないでしょう。夏の暑さから逃れて、静かで落ち着いた環境の中で心身をリフレッシュしたい方におすすめの地域です。
ただし、日照時間が短く霧が多い日もあるため、事前に現地の気候特性を理解しておきましょう。
関連記事:夏は釧路で過ごそう!避暑にオススメな理由を徹底解説
おすすめ避暑エリア2:リゾート地ニセコ
スキーリゾート地として有名なニセコは、夏は緑豊かなアクティビティ天国へと姿を変えます。7月、8月に30度を超える日もありますが、夜間は20度前後に下がるため、平均気温は高くありません。
下記は、ニセコと隣接する倶知安の月別平均気温(推移)です。
参考:気象庁 倶知安(後志地方) 2025年(月ごとの値) 主な要素
※ニセコの気象データがないため、隣接する倶知安町のデータを使用しています。
洗練されたコンドミニアムやおしゃれなカフェ、レストランが立ち並び、海外のリゾート地を訪れたかのようなモダンな雰囲気を楽しめます。
羊蹄山を望む美しい景観の中で、ゴルフやラフティング、トレッキングなどのアウトドアを日常的に楽しめるのは大きな魅力です。
ニセコ町全体に光回線が整備されているためリモートワーク環境も快適で、仕事と趣味を高い次元で両立させたいアクティブな層に支持されています。
コンドミニアムは国内外から予約が殺到するため、2月頃からの早期確保を強くおすすめします。
下記の記事では、ニセコに関する情報が解説されているので、こちらもお役立てください。
関連記事:ニセコ移住で押さえるべき基礎情報!仕事や教育、支援制度を徹底解説
おすすめ避暑エリア3:観光も楽しめる富良野
北海道のほぼ中央に位置する富良野は、夏の風物詩であるラベンダー畑や美しい丘陵地帯が広がる、観光の拠点としても人気のエリアです。
内陸性気候のため日中は暑さの厳しい日があるものの、夜は気温が下がって涼しくなります。2025年の7月に最高気温36度を記録しましたが、同日の最低気温は18.3度でした。平均気温で見ると、年間を通して過ごしやすいことがわかります。
参考:気象庁 富良野(上川地方) 2025年(月ごとの値) 主な要素
地元産の新鮮な野菜や果物、ワインなどを日常の食卓に取り入れながら、北海道らしい田園風景に囲まれた暮らしを満喫できるでしょう。
週末ごとに周辺の観光地や温泉地へ足を伸ばすなど、アクティブな長期滞在を計画している方におすすめです。観光シーズンはレンタカーの確保も難しくなるため、宿と同時に移動手段も押さえましょう。
おすすめ避暑エリア4:温泉に癒やされる洞爺湖
有珠山などの火山が生み出した洞爺湖エリアは、豊かな温泉と穏やかな気候が魅力の避暑地です。湖畔沿いには温泉街が広がり、滞在中は日常的に名湯に浸かって日々の疲れを癒やせます。
洞爺湖に近い伊達市のデータでは、7月・8月の平均気温は23.8度でした。7月に最高気温31.9度を記録した日もありますが、同日の最低気温は21.1度で夜間は過ごしやすいといえるでしょう。
参考:気象庁 伊達(胆振地方) 2025年(月ごとの値) 主な要素
※洞爺湖の気象データがないため、隣接する伊達市のデータを使用しています。
夏の間は湖上で花火が打ち上げられ、テラスや客室からその美しい光景を眺める贅沢な日常が手に入ります。
新千歳空港や札幌市内からのアクセスも比較的良好で、本州からの移動や急な出張にも対応しやすく、二地域居住のスタート地点としても適しています。
豊かな温泉と美しい湖畔の暮らしは、日々の喧騒を忘れさせてくれる極上の癒やしとなるでしょう。
北海道に長期滞在するデメリット
快適な避暑地ライフを実現するためには、魅力的な側面だけでなく、現地での生活のデメリットにも目を向ける必要があります。
事前の心構えと対策をしておくことで、滞在中の思わぬトラブルやストレスを未然に防げ、快適な滞在につながります。
夏でも暖房が必要になる寒さ
北海道の夏は涼しくて快適な反面、時期や地域によっては寒さへの対策が必要になることがあります。
たとえば、釧路では2025年7月に最低気温10.2度を記録しており、朝晩や雨が降った日などは、気温が15度を下回ることも珍しくありません。
参考:気象庁 釧路(釧路地方) 2025年7月(日ごとの値) 主な要素
本州の感覚で軽装しか用意していなかった場合、室内にいても肌寒さを感じ、急遽ストーブなどの暖房器具を稼働させることになりかねません。
長期滞在の荷物には、厚手のカーディガンやフリース、ウインドブレーカーなどの防寒着を用意しておくと安心です。
移動に車が必須となる生活環境
札幌などの大都市中心部を除き、北海道の多くの避暑地では日常生活の移動手段として自家用車やレンタカーが欠かせません。
スーパーや病院、役所などの生活に必要な施設まで数キロメートル以上離れていることも多く、公共交通機関の便数も限られています。
車がないと日々の買い物が困難になる場合があり、行動範囲が著しく制限されてしまうリスクがあります。
ペーパードライバーの方は事前に運転の練習をしておいたり、滞在期間中のレンタカー費用をあらかじめ予算に組み込んでおいたりするなどの準備をしておきましょう。
下記記事で北海道で生活するメリット・デメリットを解説しているので、こちらもお役立てください。
関連記事:「北海道移住はやめとけ」「後悔する」という意見の理由と、対策方法を解説
北海道に長期滞在するメリット
夏の北海道での長期滞在には、デメリットを補って余りある魅力が満ち溢れています。都市部の喧騒や厳しい夏の気候から距離を置くことで、仕事の生産性や、プライベートな時間の充実が期待できます。
猛暑から解放され仕事に集中できる
本州の厳しい暑さは、エアコンの効いた室内にいても知らず知らずのうちに体力を奪い、集中力や作業効率を低下させる要因になります。
北海道の涼しく澄んだ空気の中では、クリエイティブな業務やデスクワークが驚くほどスムーズに進むと感じる人も少なくありません。
朝の涼しい時間帯に仕事を済ませ、午後は自然の中でリフレッシュする充実したワークライフバランスを実現できるでしょう。
静かな環境はオンライン会議にも適しており、リモートワーカーにとって贅沢なオフィス環境となりえます。下記記事で、地方移住でテレワークを行うメリットを解説しているので、あわせてお読みください。
関連記事:テレワークで地方暮らしを始めよう!北海道移住で使える補助金を解説
豊かな自然でアクティビティを楽しめる
広大な大地と美しい森、澄んだ湖や川が広がる北海道は、アウトドアやアクティビティの宝庫です。
週末や仕事の合間に、ハイキングやカヌー、フィッシングなどを気軽に楽しめます。
広々とした道路をドライブしたり、地元の直売所で手に入れた新鮮な食材でバーベキューを楽しんだりする時間は格別です。
このような体験は、北海道での長期滞在だからこそ得られる最大の恩恵といえるでしょう。
北海道に1か月滞在する費用目安
長期滞在を具体化するにあたって、気になるのが現地での生活費です。
滞在スタイルや移動手段、エリアによって総額は大きく変動するため、事前に大まかな予算の内訳を把握し、無理のない資金計画を立てましょう。
| 費用項目 | 目安金額(1か月) | 備考 |
| 滞在費(コンドミニアム) | 100,000円 〜 250,000円 | エリアや物件のグレードにより変動 |
| 移動費(レンタカー) | 40,000円 〜 250,000円 | 長期割引プランの利用を推奨 |
| 生活費(食費・雑費) | 45,000円 〜 70,000円 | 自炊・外食の比率によって変動 |
| 合計目安 | 185,000円 〜 570,000円 | 初期費用やアクティビティ代は除く |
賃貸やコンドミニアムの賃料
1か月単位の長期滞在では、マンスリーマンションや家具家電付きの賃貸アパート、リゾートコンドミニアムなどを利用するのが一般的です。
賃料はエリアやシーズンによって大きく異なります。一般的なコンドミニアムの滞在費は約10万円から25万円が相場です
ただし、人気のニセコや富良野などのリゾート地にあるハイグレードなコンドミニアムでは、1か月で20万円から50万円以上の予算が必要になることもあります。
一方で、マンスリーマンションを使用した場合、月額5万円前後から探すことも可能です。
お試し移住制度を実施している自治体の体験住宅を利用すれば、さらに費用を抑えて滞在できる場合もあるため、予算に合わせて選びましょう。
関連記事:北海道にお試し移住!体験移住のメリットや自治体の制度を解説
現地での生活費とレンタカー代
滞在中の移動手段としてレンタカーを利用する場合、1か月のレンタル料はコンパクトカーで約4万〜10万円が目安です。ただし、車種やクラスによっては20万円以上かかることもあります。これにガソリン代が加わります。
食費については、地元のスーパーや道の駅、直売所を上手に活用することで、新鮮で質の高い食材を安価に入手できるでしょう。
外食ばかりになると食費がかさみますが、キッチン付きの物件を選んで自炊をメインにすれば、生活費全体を大幅に抑えることが可能です。
光熱費はエアコンを使用しない分安くなりますが、朝晩に暖房を使用する時期は灯油代やガス代が少し上乗せされる点を考慮しておきましょう。
北海道の避暑地に別荘を持つという選択肢
毎年のように北海道を訪れるのであれば、賃貸ではなく、自分の別荘を持つことも選択肢に入ります。
憧れのログハウスや一戸建ての所有は魅力的ですが、購入費用だけでなく、維持管理に伴うリスクやコストについても正しく理解しておきましょう。
中古ログハウス購入の費用
北海道内の中古別荘市場では、木の温もりを感じられるログハウスや、広大な敷地を持つ一戸建てが比較的リーズナブルな価格で流通しています。
エリアや築年数、状態にもよりますが、300万円から1,000万円程度で魅力的な物件を見つけることも難しくありません。
新築で建てる場合と比べて初期投資を大幅に抑えられるため、浮いた資金をリノベーションや薪ストーブの設置、趣味の道具などの購入に充てられます。
ただし、購入前には必ず建物の基礎や雨漏りの有無、水道管の劣化状態などを専門家に確認してもらい、購入後のトラブルを防ぎましょう。
「別荘あげます」に潜む維持費リスク
インターネット上で「北海道の別荘を無償で譲ります」などの魅力的な情報を目にすることがありますが、慎重な判断が必要です。
売り手側が無償で譲渡したい理由として、固定資産税や、別荘地全体の管理費などの「見えない負債」が隠れている場合があるからです。
とくに、長年放置された建物は大規模な修繕が必要なことも多く、結果的に数百万円の出費になったり、手放したくなっても買い手が見つからなかったりなどのリスクが考えられます。
また、無償であっても、別荘を取得した場合は、不動産取得税や贈与税が発生することも把握しておきましょう。
デメリットを理解したうえで、別荘を無償譲渡してもらうのは問題ありません。しかし、無料という言葉に惑わされず、物件が抱える法的な義務や将来的な維持コストをシビアに見極める姿勢が必要です。
北海道の避暑地滞在でよくある質問
北海道での長期滞在や別荘購入を検討するにあたり、多くの人が疑問に思うポイントをまとめました。本州の避暑地との違いや、所有した後に発生するランニングコストを把握し、計画の参考にしてください。
Q1.本州の避暑地との違いは?
A1.軽井沢や那須などの本州の代表的な避暑地は、標高の高さで涼しさを得られることが多く、リゾート地として日常から離れられるのが魅力です。
また、本州の避暑地の多くは、大都市圏からのアクセスが良好な点も特徴です。一方、北海道の避暑地は、海風や気候そのものの影響で夏でも低温になるエリアがあり、より実生活に近い感覚で長期滞在や二地域居住を送れます。北海道の避暑地は、スケールの大きな自然と、地域ごとに異なる独自の生活文化を楽しめる点も大きな魅力です。
Q2.別荘の年間維持費はいくら?
A2.別荘を所有した場合、年間にかかる維持費は一般的に60万〜100万円程度が目安といわれています。
エリアや建物の状態によって、維持費は大きく変わります。内訳として挙げられるのは、固定資産税、管理費(年間数万〜十数万円)、水道光熱費の基本料金、火災保険料などです。さらに北海道特有のコストとして、豪雪地帯であれば屋根や敷地内の除雪費用、建物の雪囲い費用などが必要となります。これらのランニングコストをあらかじめ予算に組み込み、無理なく維持できる物件を選べば、長期的な別荘ライフを楽しめるでしょう。
北海道で理想の避暑地ライフを送ろう!
本州の厳しい猛暑から逃れ、北海道で快適な避暑生活を送るためには、エリアごとの気候や利便性を理解する必要があります。また、賃貸や別荘購入にかかる費用と維持管理の手間をシビアに見極めることも大切です。
まずは1か月のお試し滞在からスタートし、現地の空気感や暮らしやすさを肌で感じてみてはいかがでしょうか。
北海道の避暑地の特徴を把握したうえで別荘をお探しになるなら、不動産連合隊をぜひご活用ください。北海道の地域密着型の不動産会社が多数の物件を掲載しており、条件で検索することも可能です。
本記事が、理想の避暑地ライフを叶える一助になれば幸いです。