ラーメン屋の開業で絶対押さえたい基本の流れ|開業資金を抑えるコツとは?

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ラーメン屋の開業で絶対押さえたい基本の流れ|開業資金を抑えるコツとは?

ラーメン屋を開業する際は、資金調達や事業計画など、やるべきことが数多くあります。

ご自身でラーメン屋を開業したい目標がある方からすれば、何から手を付ければ良いかわからないかもしれません。だからといって手当たり次第に準備を行うと、あとから大きな手間や費用が発生する可能性もあります。

そこで本記事では、ラーメン屋を開業する際に押さえておきたい基本や、開業資金を抑える方法について解説しました。失敗しないためのポイントも解説するほか、開業までの流れを図解付きでお伝えしていきますので、参考になれば幸いです。

関連記事:飲食店の独立資金はいくらかかる?調達方法と安く抑えるポイントを解説

ラーメン屋を開業するための基本情報

ラーメン屋を開業するための基本情報

ラーメン屋を開業したい方に向けて、押さえておきたい基本情報をまとめました。

以下の2点については、必ず知っておくべき情報です。

  • 必要な資格
  • 開業資金

それぞれ詳しく見ていきましょう。

必要な資格

ラーメン屋を開業するにあたり、必要な資格は以下の2つです。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者

食品衛生責任者

「食品衛生責任者」とは、衛生管理の責任者を指します。衛生管理に必要な計画書や手順書を作成したり、実施状況を記録したりする立場です。

厚生労働省が定める「食品衛生法施行規則」の別表第十七によれば、営業者は食品衛生責任者の意見を尊重することが義務付けられています。食品衛生責任者の資格は、都道府県が開催する養成講習会を受講すると取得できます。

たとえば「一般社団法人東京都食品衛生協会」では、講習時間は6時間・受講料は12,000円です。運転免許証かマイナンバーカードがあれば、オンラインでも受講できます。

詳しくは公益社団法人日本食品衛生協会のホームページをご覧ください。

防火管理者

「防火管理者」とは、消防計画を作成したり、避難訓練を実施したりするなど、火災による被害を防止する管理者です。

従業員も含め、収容人数が30人以上の飲食店では、防火管理者を設置する義務があります。

防火管理者は、甲種・乙種に区分けされています。甲種防火管理者はすべての建物で管理者になれますが、乙種防火管理者が選任できるのは小規模な建物(延べ面積が300㎡未満)のみです。

甲種・乙種での必要な講習時間や受講料は、下記のとおりです。

種類甲種防火管理者
(新規)
乙種防火管理者
講習の時間おおむね10時間(2日)おおむね5時間(1日)
受講料(税込)8,000円7,000円
参考:日本防火・防災協会「防火管理講習

講習の申し込みは電子申請も可能な場合があるため、日本防火・防災協会のホームページで検索してみてください。

参考:東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格
   日本防火・防災協会「防火管理講習

開業資金

ラーメン屋を構えるにあたって、開業資金がどのくらいかかるのか押さえておく必要があります。

開業資金はさまざまな要素で変動するものの、1,000~2,000万円が目安といわれます。

内訳としては、初期費用が1,000~1,500万円・運転資金が200~500万円ほどです。

初期費用・運転資金の内訳についても、詳しく見ていきましょう。

初期費用

初期費用にかかる内訳は下記のとおりです。

ラーメン屋の広さは15~20坪が平均的なので、15坪で計算しました。

地域や工事の内容によって大きく変動するため、あくまで目安としてご覧ください。

費用の内訳詳細内訳を占める割合金額の目安
物件取得費スケルトン:坪単価2万円~
居抜き:坪単価1万円~
※月額の12か月分として計算
スケルトン:25%
居抜き:17%
スケルトン:360万~
居抜き:180万~
内外装工事費スケルトン:坪単価30万円~
居抜き:坪単価15万円~
スケルトン:31%
居抜き:21%
スケルトン:450万~
居抜き:225万~
厨房設備費・コンロ
・ゆで麺機
・冷凍冷蔵庫
・グリーストラップ など
スケルトン:21%300万~
空調設備費・エアコン
・排気管
スケルトン:7%100万~
備品購入費・食器
・テーブル
・椅子 など
スケルトン:14%200万~
資格取得費受講費用スケルトン:0.13%
居抜き:0.19%
2万~
広告宣伝費・折り込みチラシ
・チラシ入りティッシュ配り
 など
スケルトン:2.8%
居抜き:3.8%
40万~
合計スケルトン:1,452万~
居抜き:447万~
(居抜きの場合は
・厨房設備費
・空調設備費
・備品購入費
を引いて計算しています。)

なお、スケルトン物件とは「内装・設備がまったくない躯体だけの状態」で、居抜き物件は「前入居者の内装・設備がそのまま残っている状態」を指します。

2つの違いについては下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:居抜き物件とは?スケルトンとの違いや契約の流れを解説

運転資金

運転資金の内訳と理想的な割合について、下記の表にまとめました。

費用の内訳詳細理想的な割合
人件費従業員を雇う費用売上の20~30%
家賃テナント物件の賃借料売上の10%以下
食材費食材の費用売上の30%以下
その他経費水道光熱費、広告宣伝費など売上の10~20%

金融庁からの「業種別の経営改善支援の効率化に向けた委託調査」を受けた公益財団法人日本生産性本部は、飲食店の利益率について、「10%程度の確保は目指したいところ」としています(参考:「業種別支援の着眼点」)。

ラーメン屋を開業した場合の運転資金として、15坪の居抜き物件(坪単価1万円)であると仮定し、具体例を計算してみました。

  • 家賃:15万円
    →15坪×坪単価1万円
  • 売上:150万円
    →家賃を売上の10%に収めるため、家賃の10倍で計算
  • 人件費:30~45万円
    →売上の20~30%
  • 食材費:45万円
    →売上の30%
  • その他経費:15~30万円
    →売上の10~20%

上記の数字はあくまで目安ですが、これらの運転資金を確保するには、一定の売上を連続で上げなければいけないと分かります。

初期費用と運転資金を合わせると、多額の資金が必要です。とはいえ、そこまで多額の資金を確保できない場合もあるでしょう。

そこで次の項目では、ラーメン屋の開業資金を抑えるコツについてお伝えしていきます。

ラーメン屋の開業資金を抑えるコツ

ラーメン屋の開業資金を抑えるコツ

ラーメン屋の開業資金を抑えるコツは、下記の5つが挙げられます。

  • 融資や給付金を活用する
  • 居抜き物件で開業する
  • 小さな店舗で開業する
  • メニューを絞る
  • 厨房機器は中古品を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

融資や給付金を活用する

日本政策金融公庫の融資や、自治体の補助金・助成金などの給付金を活用すると、開業資金を抑えられます。

たとえば日本政策金融公庫の「創業融資」では、無担保・無保証人で、創業にかかる資金を融資してくれます。審査を受ける際には、創業計画書や資金計画をしっかり作りこんでいるかが重要です。

日本政策金融公庫ではオンライン創業相談サービスも行っていますので、アドバイスが欲しいときは利用してみてはいかがでしょうか。

また、自治体の補助金・助成金を活用するのも有効な選択肢です。

東京都の創業助成金では、経費の3分の2を助成してくれます。ほかにも、都内の商店街で開業すると、「商店街起業・承継支援事業」の一環で、最大694万円の助成が受けられます。

開業時に使える給付金は、中小企業基盤整備機構のサイト「J-Net21」でも調べられますので、チェックしてみてください。

関連記事:飲食店の開業時に使える助成金・補助金|見逃さないための調べ方

居抜き物件で開業する

居抜き物件で開業すると、内外装工事の費用が抑えられます。

以前入居していたお店の内装・設備がそのまま残っているためです。水回りの工事費用は高額になるケースも多いですが、居抜き物件の状態によっては工事が不要となり、大きな節約になります。

スケルトン物件に比べて、居抜き物件での開業は、半額近くに抑えられる場合もあります。

ラーメン屋の居抜き物件を探す際には、インターネットや不動産会社の活用がオススメです。

「テナント連合隊」では、ラーメン屋・カフェなど、業種別に居抜き物件を検索できます。細かい条件付きで物件を探したいときに利用してみてください。

関連記事:ラーメン屋の居抜き物件の探し方&選び方|後悔しないためのチェックポイント

小さな店舗で開業する

ラーメン屋を小さな店舗で開業すれば、家賃や水道光熱費を抑えられます。

平均的なラーメン屋の広さは15坪以上と前述しましたが、カウンター席のみにすれば、10坪以下でも開業は可能です。

およそ3坪のお店を開き、初期投資を40万円に抑えた例もあります(参考:東洋経済オンライン「初期投資40万円でも成功したラーメン屋の秘密」)。

小さい規模の居抜き物件で開業し、内装はできる範囲でDIYするのも有効です。その際は月10万円以下の家賃の物件を探したり、厨房設備のこだわりをシンプルにしたりすると、成功に近づきます。

関連記事:小さい飲食店を開業するには?必要な資金や準備、成功のコツを紹介

メニューを絞る

提供するメニュー数を絞れば、食材にかかる費用や、調理の手間の削減が可能です。

メニュー数を絞ると、食材の廃棄が減る効果だけでなく、独自性を明確にすることにもつながります。

そのためには、お店のコンセプトを決める必要があります。出店したいエリアで商圏調査を行い、「競合に勝てる」もしくは「そもそも戦わなくて良い」コンセプトが設計できれば理想的です。

「開業資金を抑える」という目的からすると、コンセプト設計は一見遠回りに感じるかもしれません。しかし、ターゲットとお店の相性・ひいては売上に直結する部分なので、慎重に取り組むことをオススメします。

厨房機器は中古品を活用する

厨房機器は新品だけでなく、中古品の購入も検討してみてください。

ラーメン屋の開業に必要な厨房機器を揃えるには、新品で200万円前後かかるといわれます。しかし、中古だと100〜150万円で済ませることも可能です。

「〇〇(地域名) 厨房機器 中古」で検索すると、地域に根差したショップが調べられます。設置サポートやメンテナンスを行っているショップもありますので、いくつかの店舗を見比べてみるのがオススメです。

ラーメン屋の開業で失敗しないためのポイント

ラーメン屋の開業で失敗しないためのポイント

「ラーメン屋を開業したいけど、失敗しないかどうか不安」という方に向けて、押さえておきたいポイントをまとめました。

  • ほかの店舗で修行する
  • ターゲットやニーズを明確にする
  • 余裕のある資金計画をたてる
  • 広告・集客にお金をかけすぎない
  • 効率的な内装にする

せっかく開業した後、早期に閉店する結果を迎えないために、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ほかの店舗で修行する

ラーメン屋の開業で失敗しないためには、ほかの店舗で修行することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

実際に成功している店舗を間近に見ると、ビジネスの全体像を把握するきっかけになります。

自分が経営する立場として、以下の項目を観察してみるのがオススメです。

  • お店の立地
  • 厨房の作り
  • スタッフのオペレーション・教育
  • 宣伝の戦略

ただの店員やアルバイトとしてではなく、「自分が経営者であればどうするか?」という視点で観察すると、吸収も早く、良いトレーニングになります。

修行先のお店を選ぶときは、繁盛しているラーメン屋の求人を探しましょう。経営に成功しているお店のほうが学びも多いからです。

求人サイトだけでなく、ラーメン屋の公式ホームページに採用情報が掲載されているケースもあります。

あくまで自身が開業する際の修行と割り切り、時給や給料はあまり気にせず、作りたい味に近いお店を選ぶのがオススメです。

ターゲットやニーズを明確にする

ラーメン屋を開業する前に、ターゲットやニーズを明確にするステップも欠かせません。

どれだけ味にこだわっていても、ターゲットやニーズが合っていないと、経営として失敗する可能性が高いためです。

たとえばヘルシー志向の女性向けに、野菜たっぷりのラーメンを作り、オフィス街で出店したとします。しかし、このオフィス街でのランチ需要が「提供スピード」だった場合は、ターゲットに対してミスマッチです。

このような失敗を防ぐために、市場調査を行いましょう。人口や人の流れ・街のイメージを調べると、ターゲットやニーズを明確にする手助けとなります。

余裕のある資金計画をたてる

ラーメン屋の経営が安定するまでは時間がかかるため、余裕のある資金計画をたてましょう。

職人気質な店主が美味しさばかり追求し、資金計画を後回しにするケースがあります。どんぶり勘定な資金計画で開業すると、たちまち経営が立ち行かなくなる可能性は高いです。

赤字の期間も発生すると考慮し、余裕を見て半年程度の運転資金をあらかじめ用意しておくのがオススメです。

広告・集客にお金をかけすぎない

念願の開業にこぎ着けたとしても、広告・集客にお金をかけすぎないように注意しましょう。

広告・集客の施策を積極的に行って顧客を集めたくなりますが、開業初期に気合を入れすぎると運転資金を圧迫してしまいます。

大々的なコマーシャルやキャンペーンにお金を使い、運転資金が足りなくなった例もあります。

まずは無料で作れるホームページやSNSなどから、集客を始めてみるのも有効です。美味しそうなラーメンは写真映えするため、SNSのなかでもInstagramと特に相性が良く、効果的に魅力を伝えられます。

広告・集客にいきなり資金を投入するのではなく、手軽に試せるSNSやホームページなどから試していくのがオススメです。

効率的な内装にする

ラーメン屋の経営を成功させるためには、効率的な内装が鍵となります。

効率的な内装は、顧客の回転率を上げる効果があるためです。

たとえば食べ終わった食器を下げる動線が遠回りだと、無駄な時間がかかります。ほかにも、ラーメンを調理するスタッフと、サイドメニューを調理するスタッフの動線が交差するようでは、思わぬ事故が発生する危険もあります。

効率的な内装にするためには、以下のような対策を行いましょう。

  • 券売機を導入する
  • レジは出入口近くにする
  • メニュー別に調理スペースを分ける
  • U字型のカウンター席にする

厨房から直接ラーメンを届けられるU字型のカウンターは、動線が短くなるため効率的です。

顧客と従業員の効率的な動きを考え、内装を設計してみてください。

ラーメン屋を開業する流れ

「ラーメン屋を開業したいけど、どのような流れで進めていけばいいかわからない」という方に向けて、開業の流れをまとめました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ターゲット・コンセプトを決める

ラーメン屋を開業するにあたって、まずはターゲットや、店のコンセプトを決めます。

最初にコンセプト設計を行うのは、ターゲットに合わせたメニューを作るためです。独自性のあるコンセプトを設計できれば、競合店との差別化にもつながります。

コンセプトを設計する際は、ターゲットが自身のラーメン屋に来店したくなる理由を考えてみましょう。利用目的が設定できれば、出店する場所を決める方針にもなります。

たとえば「安くて満足感のあるラーメンが食べたい」という理由で来店したくなるお店を作るなら、若い男性が来やすい駅前や繁華街の近くが候補になるでしょう。

実際にコンセプトを設計していく際は、「5W1H」に沿って埋めていくと考えやすいです。

項目
Who(誰が・誰に)食べ盛り・働き盛りな若い男性
Why(なぜ)満足感のあるラーメンが食べたい
When(いつ)昼休み・終業後
Where(どこで)駅前・繁華街
What(何を)安くてボリュームのあるラーメン
How(どのように)早い提供スピード

上記の内容はあくまで1つの例なので、女性向け・ファミリー向けによっても変わります。

より具体化していくには、コンセプトシートに記入して言語化していくのがオススメです。コンセプトシートとは、開業時の方向性や経営戦略についてまとめる文書を指します。

ターゲットやコンセプトを決める目安は、開業の1年以上前です。

メニューを開発する

ターゲットやコンセプトが決まったら、できる限り早い段階でメニュー開発に取り掛かります。

後述する「事業計画書を作成する」ステップで必要になるためです。

たとえば食べ盛り・働き盛りの若い男性をターゲットにするなら、濃い味のラーメンやチャーシューが開発の候補になるでしょう。

さらに、メニュー開発ではラーメンの味だけを追い求めるわけにはいきません。以下の項目もあわせて考えていく必要があります。

  • サイドメニュー
  • トッピング
  • 手順の効率化
  • 価格設定
  • 必要な設備
  • 食材の仕入れ先

メニューの原価率は30%が目安ですが、仕入れ先によって高額になってしまう場合もあります。

質の良い食材を安定的に仕入れるために、仕入れ先の選定も慎重に行いましょう。

メニュー開発を仕上げるまでの期間の目安は、開業の4か月前です。

出店する立地・物件を選ぶ

ターゲットやコンセプトを明確にしたうえで、出店する立地・物件を選びます。

立地や物件選びが終わっていない状態で事業計画書を作成すると、具体性や実現性に欠けるため、融資の申請が通らない可能性もあります。そのため、立地や物件選びを行うのは、事業計画書の作成・資金調達の前です。

立地や物件を選ぶ際は、学生街やオフィス街・飲み屋街など、エリア別のメリット・デメリットを押さえておく必要があります。安易に「人が集まるから駅チカ・繁華街の物件にしよう!」と決めると、高い賃料で資金繰りに苦しむ可能性が高いです。

希望する物件の周辺に実際に行って、通行量や通行人の属性などを調べます。「内装と外装の工事を行う」の項目で必要になるので、内見は施工会社の担当者に同席してもらうとスムーズです。

希望の物件に申し込む際は、まだ融資申請を終えていないため、オーナーに手付金を支払い、待ってもらうケースがあります。

物件探し・契約を完了させる期間の目安は、開業の6か月前です。

事業計画書を作成する

これまでの項目を参照しながら、事業計画書を作成していきます。

事業計画書とは、創業の目的や経緯をまとめた文書であり、金融機関による融資・自治体の補助金を受ける際に必要です。

実際に作成する際は、自身の経歴や事業目的、コンセプト・売上目標などを記載していきます。

スムーズに資金調達するために、数値やデータを入れて分かりやすく書き、具体性を高めるのがポイントです。以下のサイトでは、事業計画書のテンプレートを無料で配布しています。

各地の商工会議所では事業計画書作成のサポートを行っているため、必要に応じて利用してみるのもオススメです(商工会議所検索)。

事業計画書を作成する期間の目安は、開業の5か月前です。

資金を調達する

事業計画書が作成できたら、金融機関の融資・自治体の補助金などを活用して資金を調達します。

補助金を申請する際は、認定支援機関に相談するとさまざまなサポートを受けられます。

認定支援機関とは、中小企業を支援する実務能力が一定レベル以上にあると国が認めた機関です。具体的には、税理士や中小企業診断士・商工会議所などを指します。

中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」を使うと、支援実績や業種別に調べられます。資金調達について相談したい際にご活用ください。

一般的には、融資を申請するのは創業の3か月前がベストといわれます。

関連記事:飲食店は開業資金ゼロでも始められる?8種類の資金調達方法を徹底解説

内装と外装の工事を行う

資金調達を行い、物件の契約が完了したら、内装と外装の工事を行います。

内装工事の打ち合わせや施工をしっかり行わないと、以下のような失敗が起こりやすいため、注意が必要です。

  • 収納が足りない
  • 水漏れが起きる
  • 使いにくい
  • イメージと合わない
  • テーブルの高さが合わず、顧客が食べにくい

内装・外装工事は高額な費用がかかるため、気軽にやり直しができません。複数回の打ち合わせを行い、担当者と完成イメージを共有しておくのがオススメです。

費用を抑えるには、複数の施工会社に見積もりを依頼しておきましょう。

また、「届出を申請する」の項目で必要になるため、内装の図面が完成した時点(着工前)で保健所に確認してもらう必要があります。

内装と外装の工事を行う期間の目安は、開業の1~3か月前です。

設備を導入する

内装と外装の工事が完了したら、必要な設備を導入します。

ラーメン屋の開業にあたって必要なものは下記のとおりです。

  • 冷凍冷蔵庫
  • 製氷機
  • 食器洗浄機
  • ゆで麺機
  • ローレンジ・五徳
  • 作業台
  • ガステーブル
  • スープ台
  • 2槽シンク

このほか、提供するメニューによっては、コールドショーケースや餃子焼き機など、別の設備も必要です。冷凍冷蔵庫やシンクなどには、保健所の検査にあたって守るべき基準があります。事前に管轄の保健所へ相談しておきましょう。

設備を導入する際は、「業務用の厨房機器販売店で購入する」「中古で購入する」などの選択肢があります。

設備を導入する時期の目安は、内外装の工事とあわせて開業の1~3か月前です。

必要な資格を取る

ラーメン屋開業にあたって、必要な資格である「食品衛生責任者」「防火管理者」を取得します。詳しくは前述の「必要な資格」をご覧ください。

届出を申請する」の項目で説明する「飲食店営業許可」を申請するには、食品衛生責任者の資格が必要なので、事前に取得しておきましょう。

飲食店を開業する場合、調理師免許は必須というイメージもあると思いますが、必ずしも取得する必要はありません。

それぞれの講習は事前申し込み制なので、早めに取得するのがオススメです。

資格を取得する時期の目安は、開業の1~2か月前です。

届出を申請する

ラーメン屋を開業する際には、複数の届出を申請する必要があります。届出の名称と申請先を、下記の表にまとめました。

届出対象申請先
飲食店営業許可必須保健所
防火対象設備使用開始届収容人数30人以上の店舗消防署
火を使用する設備等の設置届必須消防署
開業届個人事業主として開業する場合税務署
青色申告承認申請書確定申告で青色申告をしたい場合税務署

上記の届出のほかに、従業員を雇う場合は労災保険・雇用保険の加入手続きが必要です。

飲食店営業許可を申請する際は、管轄の保健所を厚生労働省の「保健所管轄区域案内」で調べられます。

届出を申請する時期の目安は、資格取得と並行して開業の1~2か月前です。

参考:厚生労働省「一般的な営業許可手続きの流れ

採用・販促活動を行う

開業前後は、お店をスムーズに軌道に乗せるため、人材採用と販促活動を行います。

人材採用は、忙しい時間帯を把握したうえで行うと無駄がありません。開店数か月は自分や家族のみでお店を回し、人手が必要な時間帯を把握したうえで従業員を雇うと良いでしょう。

とはいえ、頼れる人手を確保できない場合もあると思います。

そのような場合は、従業員を雇ったうえで、手順や接客など教育する期間が必要です。効率の良い動きをしてもらうために、オペレーションマニュアルを作成しておきます。

また、ターゲットに来店してもらうには、販促活動も重要です。

広告・集客にお金をかけすぎない」項目で前述したとおり、無料・安価でできることから始めて見るのが良いでしょう。

たとえばGoogleビジネスプロフィールを使えば、店舗の情報を検索結果に掲載できます。営業時間を公開したり、写真・動画を共有したりできます。

ほかにも、自社のホームページやSNSアカウントを作り、お店の情報を広めていくのが有効です。

採用や販促活動を行う時期の目安は、開業の2週間前です。

ラーメン屋の開業時にテナント物件を探すなら「テナント連合隊」!

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ラーメン屋を開業するときには、必要な資格を取得し、開業資金も調達しなければなりません。自分のお店を持つなら、失敗は最小限に抑えて軌道に乗せたいところです。

貸店舗・貸事務所をお探しの際は、地域特化型テナント物件探し専門ポータルサイト『テナント連合隊』を活用してみてはいかがでしょうか。

路面店、居抜き物件コーナーなど、事業者目線で詳細な検索ができるようになっています。
『テナント連合隊』が、これから出店を考えている事業者様のお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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