喫茶店の開業にあたって居抜き物件を探しているものの、どのように探すべきか悩んでいませんか?
物件探しに悩んでいると、「そもそも自分に居抜き物件は向いているのか?」と考え込んでしまうかもしれません。
そこで本記事では、喫茶店開業のために居抜き物件を探すポイントについて解説しました。あわせて、「居抜き物件がオススメなタイプ」「スケルトン物件がオススメなタイプ」についてもお伝えしていきます。
記事の最後には、喫茶店開業に必要な設備チェックリストも記載しておりますので、参考になれば幸いです。
目次
喫茶店の物件はどっちがオススメ?

喫茶店を開業するための計画を始めたとき、気になるのは「どんな物件がオススメなの?」ということではないでしょうか。
テナント物件には、大きく分けて「居抜き物件」と「スケルトン物件」があります。それぞれのオススメなタイプは下記のとおりです。
- 居抜き物件→開業資金を抑えたい人・慎重な人
- スケルトン物件→理想通りのカフェを設計したい人・経営の知識やノウハウに自信がある人
それぞれの根拠や詳しい内容を見ていきましょう。
居抜き物件がオススメなタイプ
開業資金を節約したい人には、居抜き物件がオススメです。
居抜き物件とは、前入居者が使用していた設備・内装・什器などが全て、もしくは一部残ったままの物件を指します。
設備や内装などの費用を節約できる特徴から、おもに以下のタイプに適しています。
- 開業資金を抑えたい
- 早くオープンしたい
- 理想の内装と現実に折り合いをつけられる
- 契約の注意事項を慎重に確認できる
後述するスケルトン物件に比べて、費用が半分以下で済むケースもある一方、内装の自由度は低いデメリットがあります。そのため、理想を追い求めすぎず、居抜き物件の間取りや内装に納得したうえで、上手く活用できる方に向いているでしょう。
また、中古の設備や機器を譲り受けるため、内見時には細かいところまでチェックが必要です。
長い目で見るとメンテナンス費用がかかる場合もあるので、ランニングコストの計算もしておくべきです。契約の際には慎重な確認が必須といえます。
関連記事:居抜き物件の5つのメリットを徹底解説!居抜きに向いているのはこんな人
スケルトン物件がオススメなタイプ
理想通りのカフェを設計したい人には、スケルトン物件がオススメです。
スケルトン物件とは、内装・設備などが何もなく、コンクリートがむき出しの物件を指します。
一から内装や設備を準備するため、以下のタイプに適しています。
- スタッフの動線をしっかり作りこみたい
- 物件探しをスムーズに行いたい
- 初期費用を十分に準備できる
- 経営の知識・ノウハウに自信や実績がある
スタッフが効率的に作業できる動線を整えることができれば、働くうえでストレスも溜まりにくく、顧客満足度の向上にも寄与します。理想とする動線を設計したい場合は、一から内装をデザインできるスケルトン物件が最適です。
さらに、スケルトン物件は居抜き物件より数が多いため、テナント探しを比較的スムーズに行えます。
一方で、初期費用が高くなるケースも多いため、資金を十分に準備できる人に適しています。また、居抜き物件に比べて検討すべき項目が多いので、経営の知識・ノウハウに実績があるとスムーズに進められるでしょう。
以上の点から、スケルトン物件での喫茶店開業は、居抜き物件に比べて全体的に中級者向けといえます。
関連記事:スケルトン物件とは?契約前に知っておきたいデメリットやメリットを解説
喫茶店の開業にあたり居抜き物件を探す5つのポイント

喫茶店を居抜き物件で開業すると決めたら、さっそく物件を探すステップに移ります。
物件探しのポイントは、下記の5つです。
- 立地とターゲット層の相性を考える
- 内見時の第一印象を覚えておく
- 設備の有無・動作を確認する
- 費用負担を確認する
- 前テナントの退去・業績悪化の理由を調べる
喫茶店をできるだけスムーズに開業できるように、それぞれのポイントを押さえておくのがオススメです。
関連記事:居抜き物件を探す際の注意点|よくある7つのトラブルをもとに解説
立地とターゲット層の相性を考える
まずは、立地の顧客層が自身のターゲット層と一致するか確認します。以下に確認するポイントの例を挙げてみました。
- 顧客層と市場規模は?
- 分かりやすい場所か?
- 再開発の予定はないか?
どのような客層が多いか・市場規模はどれくらいかを調査します。
顧客層と市場規模は、喫茶店のコンセプトや集客に大きな影響を及ぼすからです。たとえば若い人をターゲットとしても、学生を狙うと長期休暇時は収益が発生しない可能性もあります。
分かりやすい立地・外観も重要です。たとえ最高の内装を施したとしても、外観が分かりにくければ集客しづらくなってしまいます。
メニューや価格を積極的に掲示し、外へのアピールを欠かさないようにすると、入店しやすいお店作りに繋がります。
また、希望エリアに再開発の予定がないか、事前にチェックしておくと安心です。再開発は集客に影響が出るばかりか、最悪の場合は立ち退きを強いられるケースもあります。
せっかくオープンした店舗を手放さずに済むよう、入居前に「エリア名 再開発」で検索しておくのがオススメです。
内見時の第一印象を覚えておく
外観で受ける第一印象は、将来のお客様が感じる気持ちに近いです。
以下の項目は内見時にしかチェックできないため、主観的な意見を記録しておきます。
- 人目につくか?
- 間口は広いか?
- 騒音はないか?
- 日当たりは良いか?
集客を望むのであれば、人目につきやすいか否かは重要な項目です。「隠れ家カフェ」というコンセプトもありますが、宣伝方法や収益化が難しく、経営初心者が挑戦するには難易度が高いといえます。人目のつきやすさは高いほうが、集客のハードルが上がりません。
間口が狭ければ、「店舗の奥が見えず、空いているか分からない」状況になりがちで、貴重な来店客を逃すことになりかねません。そのため、広い間口を備えた物件が望ましいです。
騒音や日当たりの良さもチェックし、将来のお客様が心地良く過ごせる喫茶店をオープンできそうかイメージしてみると良いです。
設備の有無・動作を確認する
喫茶店を居抜き物件で開業するなら、設備の有無・動作の確認は必須といえます。居抜き物件には、設備自体はあっても不具合が出るケースも多くあります。
とはいえ、購入するより修理したほうが安く済むパターンも多いです。
以下の表では、ガステーブルの購入金額と修理費用を比べました。
購入金額 | 修理費用目安 |
---|---|
新品 | バーナー清掃:4,000円~ コック交換:6,000円~ パイロット交換:4,000円~ |
174,900円 | 14,000円~ ※別途出張費 |
参考:モノタロウ「タニコーガステーブル」、兼八産業株式会社 名古屋営業所「サービス・料金」
あくまでも目安であるため、厳密な比較はできませんが、修理費用のほうが安いとお分かりいただけるのではないでしょうか。新品を揃えるより、残置物を修理して活用したほうが、費用を抑えられる可能性は高いです。
修理が必要な年数は、飲食店業用設備の耐用年数が8年と定められているため、それ以前の5年前後が目安となるでしょう。(参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」)
設備の有無・動作を確認する際は、修繕の時期に備えて以下の項目もチェックしましょう。
- 設備の購入時期
- 設備の説明書
- 設備の入れ替えに関する許可
既存の設備以外に使いたいものがある場合、追加の工事が必要になる場合があります。しかし、設備の所有権はオーナーにあるため、入れ替えには許可が必要です。
このように厨房機器のチェック項目は多岐にわたるため、2回は内見を行い、隅々まで確認しておくと安心です。「思っていた設備と違ったから不要な出費が増えた!」という展開を防げます。
費用負担を確認する
喫茶店を居抜き物件で開業する場合は、設備の修繕費用を誰が負担するのか確認しておきます。
前述の「設備の有無・動作を確認する」項目どおりに入念なチェックを行っても、想定外の事態が起こる可能性はゼロではありません。
引き継いだ設備が故障していた場合、誰が修理費用を支払うのか確認しておきましょう。
既存設備にリース品が含まれている可能性もあるため、残債の有無についてしっかり質問することをオススメします。
喫茶店の設備でリースできるものは、以下のような内容が挙げられます。
- エスプレッソマシン
- オーブン
- 冷蔵庫
- 食器
- 家具
- 音響システム
- 会計用レジスター
確認する際の参考になれば幸いです。
前テナントの退去・業績悪化の理由を調べる
理想的な居抜き物件が見つかったとしても、前テナントの退去・業績悪化の理由を調べずに入居を決めるのは、リスクが高すぎます。
もし、業績悪化が物件のせいである場合、ご自身も同じルートをたどりかねないからです。物件の立地や外観に、自分では気づけない問題が隠れている可能性もあります。
そのため、前テナントのトラブルの有無や、集客がどのくらい成功していたかなど、評判を調べておくことが重要です。
以前の評判を調べたいときは、以下の方法があります。
- Google検索してみる
- グルメ系の口コミサイトで検索してみる
- アンケートを取る
Googleやグルメ系の口コミサイトでは、以前の店舗に関する情報が残っているケースもあります。実際に利用したお客様の感想は、コンセプト設計やニーズの調査としても参考になるでしょう。
また、手間や費用はかかりますが、アンケートを取るのも手段の一つです。アンケートを上手く活用できれば、希望エリアのニーズが分かり、立地や商圏とのミスマッチに気づくチャンスにもなります。
居抜き物件に入居を決める前に、前テナントの評判を調べておくと、同じ失敗をする可能性が減ります。
喫茶店開業ではどの業種の居抜き物件がオススメ?

「喫茶店を居抜き物件で開業すると決めたものの、どの業種の居抜きが適しているか分からない」という方に向けて、オススメする前テナントのタイプを解説していきます。
オススメしないタイプ・オススメするタイプを以下にまとめました。
オススメしない前テナントのタイプ | オススメする前テナントのタイプ |
---|---|
・厨房設備が不足している ・古すぎる ・設備が顧客層に合わない | ・厨房設備がすでに整っている |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オススメしない前テナントのタイプ
喫茶店開業にあたってオススメしない前テナントのタイプは、以下のとおりです。
- 厨房設備が不足している
- 古すぎる
- 設備が顧客層に合わない
厨房設備が不足している居抜き物件とは、コンビニやオフィスなどが挙げられます。調理スペースを備えているコンビニもありますが、ご自身が求めるスペックを備えているかは確認が必要です。
また、古い建物の居抜き物件で喫茶店をオープンすると、外観とのミスマッチさから安っぽい印象を醸し出してしまう場合があります。この場合はレトロな雰囲気を活用した喫茶店にして、建物の古さと協調していく姿勢が必要です。
設備が顧客層に合わない物件は、おしゃれなバーの居抜き物件が挙げられます。バーの居抜き物件自体は喫茶店にも適している一方、顧客層によっては設備が合わないケースもあります。
たとえば年齢層の高い住民をターゲットにしている場合、バー特有の座面が高い椅子はくつろぎにくいです。このようなケースでは、家具だけ顧客層に合わせて購入するのも選択肢の一つといえます。
オススメする前テナントのタイプ
反対に喫茶店の開業にオススメできる前テナントのタイプは、厨房設備がすでに整っている物件です。とはいえ、軽飲食のみ提供するケースであれば、焼き肉屋・中華料理店のような設備までは不要です。
具体的には、同じく軽飲食店であるバーやスナックの居抜き物件が向いています。
ラルズネットが運営する「テナント連合隊」では、「喫茶店を出店するのにおすすめの物件」「喫茶店・カフェの居抜き物件」を絞って検索できますので、ぜひ利用してみてください。
喫茶店の開業に必要な設備チェックリスト

この項目では、喫茶店の開業にあたって必要になる主な設備を、チェックリストとしてまとめました。

居抜き物件の内見時や、設備を揃える際のチェックなどにご活用ください。
喫茶店の開業にあたり居抜き物件を探すなら「テナント連合隊」!

喫茶店を初めて開業するなら、居抜き物件は有効な選択肢の一つです。
居抜き物件を探すときは、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 立地とターゲット層の相性を考える
- 内見時の第一印象を覚えておく
- 設備の有無・動作を確認する
- 費用負担を確認する
- 前テナントの退去・業績悪化の理由を調べる
理想に近い喫茶店をオープンするための準備に役立てば幸いです。
貸店舗・貸事務所をお探しの際は、地域特化型テナント物件探し専門ポータルサイト『テナント連合隊』を活用してみてはいかがでしょうか。
路面店、居抜き物件コーナーなど、事業者目線で詳細な検索ができるようになっています。
『テナント連合隊』が、これから出店を考えている事業者様のお役に立てれば幸いです。