地方起業のアイデア7選!思い浮かばないときの見つけ方も紹介

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地方起業のアイデア7選!思い浮かばないときの見つけ方も紹介

地方は都会に比べて市場規模が小さく、都会とは異なるニーズを持つ場合があります。そのため、なかなか起業の良いアイデアが見つからないことも考えられるでしょう。

そこで、地域特有の課題に着目することで、斬新なビジネスモデルが思い浮かびやすくなります。実際に特定の地域に住んでみると、人々がどのようなことに悩んでいるかが見えてきます。

とはいえ、いきなり移住を検討するのはハードルが高いため、まずは事例研究を通じてアイデアの源泉を探るのがおすすめです。さまざまな事例を参考にすることで、地方起業の成功に結びつくヒントが得られるでしょう。

本記事では、地方起業に関する7つのアイデアや、アイデアの見つけ方を紹介します。

地方起業におすすめのアイデア7選

地方起業におすすめのアイデア7選

地域の特色を活かした事業や地方特有の課題を解決する事業など、さまざまなアイデアを参考にすると、地方起業をする際の貴重なヒントとなります。

ここでは、実際に地方起業で活用された7つのアイデアを紹介します。

特産品を活かした商品を実店舗と通信販売で提供

「PIZZERIA DEL CAPITANO(ピッツェリア デル カピターノ)」は、北海道江別市の特産品を使ったピザを提供しています。

創業者の宮本翼氏は創業前に「えべつ観光特使」を務めたり、ピザ職人の世界大会に出場したりと、地元とピザには人一倍愛着を持った人物です。江別市の特産品である小麦を使い、食を通じて地元の魅力をアピールすべく起業を決意しました。

起業した2022年4月は、まだ新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時期です。

そこで、単一事業に依存しない飲食店経営を構築するため、実店舗販売と通信販売を同時期にスタートします。実店舗は夕方以降と週末に、通信販売は平日の日中に取り組むなど、時間帯によって販売方法を変えることで、コロナ禍の影響を受けにくい運用体制を確立しました。

参考:日本政策金融公庫|地域の魅力を凝縮したピッツア 実店舗と通信販売で提供

地域の需要を徹底調査してUターン起業

「B.Chance(ビーシャンス)」は、宮城県石巻市にあるデザインカラーを得意とする美容室です。

創業者の伊藤恭平氏は、開業前に地元である石巻市に帰省しました。

その際、自身が施術したデザインカラーを友人に見せると、「地元には需要があるものの美容師が少ない」という話を耳にします。起業に興味があった伊藤氏は、SNSで市場調査を実施しました。

すると、自身のSNSアカウントに、短期間で3,000人を超えるフォロワーがつきました。地元にはデザインカラーの需要があることを読み取った伊藤氏は、即座に起業を決意したといいます。

その後、デザインカラーに特化した美容室を無事開業し、予約が1か月待ちになるほどの人気を集めています。

参考:日本政策金融公庫|Uターン創業を決めた地方でのデザインカラーのニーズ

コミュニティナースが地元高齢者の生活をサポート

栃木県那珂川町で地域おこし協力隊として活動していた佐藤豊彦氏は、活動終了後に合同会社 繋ごう農村を設立しました。

同社は、車が重要な生活基盤となる地方で、高齢者向けの生活支援サービスや移動販売サービスを提供しています。また、「コミュニティナース」と呼ばれる取り組みを行っているのも特徴です。

コミュニティナースは、看護師が患者の容体を見守るように、地元住民の医療と生活を支える取り組みを指します。

合同会社 繋ごう農村では、移動販売車にコミュニティナースが同乗し、歩行困難者の付き添いや服薬のサポートなどを実施しています。

同地域は、チラシや広告ではターゲットにアプローチしにくい過疎地です。そのため、対象者の自宅を一軒ずつ訪問し、直接的なコミュニケーションを図っています。

参考:創業手帳|話題のコミュニティナースとは?移動スーパーで高齢者を見守る看護師

フードデリバリー×ネットショップ×動画配信のバーチャルレストラン

「吉田調理技術研究所」は、実店舗を持たないバーチャルレストランを運営しています。

北海道江別市出身の創業者は、フードデリバリーとネットショップ、調理動画の配信をかけ合わせた新しい業態の飲食店を持ちたいという想いから起業を決意。先輩経営者からの助言を参考に吉田調理技術研究所を開業しました。

加えて、1日1組限定で予約制の「美食会」も展開し、参加者の好みに合った本格的な和食を提供しています。

メインターゲットは25〜35歳の女性です。集客にはInstagramをはじめとするSNSを活用し、味覚だけでなく視覚的にも楽しめるアプローチを展開しています。

デジタル上のあらゆるチャネルを最大限に活かした好事例だといえるでしょう。

参考:日本政策金融公庫|レストランの味を家庭に届けるバーチャルレストラン

趣味と地域の特徴を組み合わせたオリジナルブランド展開

アパレルメーカーの企画デザインに携わっていた木下潤一氏は、岐阜県岐阜市で「PEPS(ペップス)」というオリジナルブランドショップを開業しました。

この店舗には、創業者の趣味が大きく反映されているのが特徴的です。木下氏が好きな釣りと、地元に流れる木曽三川、さらにアメリカンカジュアルのイメージを融合させた、「Kiso Three Rivers」という独自ブランドを展開しています。

特にマーチャンダイジング(企画から価格設定までに至る戦略的な商品化計画)に力を入れており、販売実績や顧客の声にもとづいた販売戦略を構築しています。実店舗に加え、ネットショップでも商品を販売することで、コロナ禍でも創業計画通りの売上を確保できているようです。

今後は店舗がある柳ヶ瀬周辺を中心に、ブランドの賛同者を増やしつつ地域活性化に貢献する予定です。

参考:日本政策金融公庫|地元資源を活用したオリジナルブランドショップ

地方旅館で快適なリモートワークをサポート

「蓼科 親湯温泉」は、長野県茅野市にある老舗旅館です。

蓼科 親湯温泉は、企業が在宅勤務制度を相次いで導入するなかで、子ども連れの宿泊客を対象とした「リモートワークプラン」を提供しました。宿泊期間中は、小学生2名までの料金が無料になり、基本宿泊料も10%割引が適用されます。

客室内の無料Wi-Fiやロビーに設置されたプリンターなど、リモートワークに最適な環境が整っています。

ITの普及により地方でも在宅勤務を行いやすくなった昨今。地方で起業する際は、このような時代や環境の変化をビジネスアイデアに取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考:ジャパン・ビジネス・ニュース|地方旅館を活用した子連れリモートワークの働き方

地域おこし協力隊の経験を活かした地元の魅力アピール

山形県酒田市出身の阿部彩人氏は、「合同会社COCOSATO(ココサト)」を立ち上げ、地元の魅力を積極的に発信しています。

それまで東京で勤務していた阿部氏は、地元を離れたことで改めて地方の良さに気づきました。そこで、地元の地域おこし協力隊に参加し、情報発信やイベント企画などを担当していました。

地域おこし協力隊のなかで仕事をするうち、域内人口の減少や特産品の少なさといった酒田市特有の課題を目の当たりにします。このような課題を解消することが起業を決意したきっかけです。

開業後は、地域で採れた野菜や米などを使用して特産品を開発したり、キッチンカーでオリジナル商品を販売したりと精力的に活動しています。

参考:日本政策金融公庫|地域おこし協力隊の経験を経て地域の魅力を発信する事業を

地方起業アイデアの見つけ方

地方起業アイデアの見つけ方

ここまでに紹介したアイデアには、地方起業のヒントとなるいくつかの共通点があります。

事例を参考にするだけでなくアイデアを出すコツやポイントを押さえたり、それぞれを組み合わせたりすることで、独自のビジネスプランが生まれやすくなります。

どうしてもアイデアが思い浮かばない方は、次のポイントを押さえると良いでしょう。

  • 地元の友人に相談する
  • 家族や親戚のキャリアを参考にする
  • 興味があることや趣味を事業にする
  • 既存の商品やサービスを参考にする
  • Webや本からヒントを得る
  • 複数の地域で実際に暮らしてみる

地元の友人に相談する

地方起業のアイデアを見つけるためには、地元に住んでいる友人に相談するのが効果的です。

起業したい旨を伝えるだけでなく、地元での生活で困ったことがないか聞いてみましょう。

自分の頭だけでイメージするよりも、第三者の意見を聞くほうが実態に即したニーズを探れます。

家族や親戚のキャリアを参考にする

人生経験が豊富な親や親戚に相談するのも方法の一つです。

充実したキャリアにもとづき、起業に関するアドバイスや優れたアイデアを得られる可能性があります。

また、自分たちの世代にはない悩みや課題の発見につながるのも利点です。

興味があることや趣味を事業にする

趣味を続けているうちに収益化のチャンスが生まれることもあります。

たとえば、先ほどの事例で紹介したPEPSの木下氏は、趣味である釣りと洋服デザインの経歴を組み合わせ、独自の店舗を開業しました。

自分の好きなことをビジネスにする場合、副業からでもスタートしやすいメリットがあります。本業の収入があるうちに一歩を踏み出し、趣味の延長線上でビジネスができないか考えるのも良いでしょう。

既存の商品やサービスを参考にする

地域の魅力を活かした既存の商品やサービスをヒントに、アイデアを考えるのもおすすめです。同じような商品やサービスでも、地域やターゲットユーザーを変えるだけで新たな商機が生まれることも考えられます。

既存の商品やサービスから着想を得る際には、次の3つの視点が活用できます。

  • 鳥の目:
    鳥が空から地上を眺めるように、境界を越えた視点で既存商品・サービスを見つめる。商品やサービスに含まれている本質が、ほかの領域や分野に応用できないかを探る。
  • 魚の目:
    特定の箇所で川の流れを眺め続ける魚の気持ちになって、時代の流れをさかのぼる。既存商品・サービスがどのような経緯で現在の状態に至ったのか、その歴史を知ることで未来の姿を予測する。
  • コウモリの目:
    コウモリが木の枝にぶら下がって反転した世界を見るように、逆転の発想で既存商品・サービスを眺める。一見無関係な領域と組み合わせたり、固定観念を覆したりすることで、斬新なアイデアが生まれやすい。

Webや本からヒントを得る

Webや本には数多くの情報が掲載されており、効率良くアイデアを収集できるメリットがあります。

まずは費用がかからずに済むWeb上から情報を集めましょう。面白そうなキーワードが見つかった場合は、より専門的な情報を求めて専門書や関連書籍を購入するのがおすすめです。

単に「起業のアイデア」といったキーワードで情報を探すだけでなく、世界が注目する最先端技術や新たなビジネスモデルなどに着目するのも良いでしょう。

以下の記事では、地方起業で成功した事例を7つ紹介しています。数多くの事例に触れることで、ユニークなアイデアをイメージしやすくなります。

関連記事:地方起業の成功例7選|事例からわかる成功のコツを解説

複数の地域で実際に暮らしてみる

アイデアが思い浮かばない場合は、UIJターンや短期移住などを通じて、さまざまな地域で実際に暮らしてみましょう。

現地に暮らしてみてはじめて、その地域の課題やニーズが見えてきます。

また、不便に感じる点や生活の困りごとを自身で体感できるのも利点です。アンケート調査やヒアリングなどで聞き取った近隣住民の悩みに対して、共感が生まれやすく、そこからアイデアにつながる可能性があります。

さまざまなアイデアを参考に理想とする地方起業を実現しよう

さまざまなアイデアを参考に理想とする地方起業を実現しよう

地方起業のアイデアを探るには、知り合いへの相談やWeb検索など多様な手段があります。なかでも実際に現地に移住することで、その地域特有の課題やニーズが見つかりやすくなります。

とはいえ、いきなり生活環境を変えるのはハードルが高いため、まずは短期移住からスタートしてみてはいかがでしょうか。

なかでも北海道は短期移住に向いている地域です。北海道には「ちょっと暮らし」という独自の体験移住制度があり、短期間だけ現地に移住できる自治体が数多く存在します。この期間中に複数の施設を回遊したり、現地の人々から悩みを聞いたりすることで、より具体的な起業のヒントが生まれるでしょう。

こちらの記事で紹介しているように、北海道に移住すると多くの恩恵を得られるため、まずはお試し感覚で始めてみてください。

関連記事:北海道移住って実際どう?食べ物や住環境などメリット14選

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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