福岡県の博多エリアは九州最大の都市であり、アジアの重要な拠点です。空港・駅・港がそろっており、優れた立地条件と都市開発が進む博多エリアは、ビジネスチャンスに溢れています。
本記事では、博多エリアに進出する際の注目点や、オススメの業種、物件探しのコツなどを詳しく解説します。
博多での起業や出店を検討している経営者や起業家の方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事では博多駅周辺エリアを「博多」として解説しています。
目次
ビジネス進出に博多が注目される理由

「博多」は博多駅周辺のエリアを指します。商業・工業によって発展してきた歴史があり、福岡市の代表的なオフィス街です。
起業や開業を考えている人に注目される理由として、次のようなものがあります。
- 九州経済の中心部
- 交通アクセスが良好
- 観光客やビジネス客の流入が多い
- 人材や企業の集積する都市
- 起業のサポートが充実している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
九州経済の中心部
博多区は、事業所数・従業者数ともに福岡市でもっとも企業数の多いエリアです。次に多いのが中央区で、福岡市内の半数以上の事業所が博多区と中央区に集約しています。
2021年の統計では、事業所数や従業者数は次のとおりでした。
エリア | 事業所数 | 従業者数 |
---|---|---|
福岡市 | 73,223 | 952,085人 |
博多区 | 21,688 | 348,890人 |
中央区 | 18,325 | 232,626人 |
また、博多駅周辺には公的機関・金融機関・商業施設・企業の支店など、ビジネスに必要な機関がそろっています。
事業所数と環境を考慮すると、博多は九州経済の中心部と言っても過言ではありません。
交通アクセスが良好
博多区は博多駅・福岡空港・博多湾と陸海空の主要インフラを擁し、国道や高速が縦断しています。
交通アクセスの良さは抜群で、国内はもちろん、国外からも往来しやすいエリアと言えるでしょう。博多は輸出入業や観光業など、さまざまなビジネスチャンスに満ちています。
地下鉄・JR
博多にはJR博多駅と地下鉄博多駅があります。一日当たりの乗車人員は下記のとおりです。
- JR西日本 博多駅…19,320人(2022年)
- JR九州 博多駅…108,383人(2022年)
- 地下鉄 空港線 博多駅…92,202人(2020年)
新幹線も合わせて1日に約20万人以上が利用する九州最大のターミナル駅です。
2023年3月27日には福岡市地下鉄七隈線で天神南駅から博多駅まで延伸・開業し、地下鉄博多駅のアクセスはさらに向上しました。
人流・物流の中心地であり、ビジネスの機会も多いエリアです。
参考:JR西日本 なんでもランキング
JR九州旅客鉄道株式会社 駅別乗車人員
地下鉄の主要駅の乗降客数
新幹線
博多駅には九州新幹線と東海道・山陽新幹線が発着し、次のエリアへ移動が可能です。
種類 | 発着駅 | 時間 |
---|---|---|
九州新幹線 | 博多駅~熊本駅~鹿児島中央駅 | 熊本駅まで30~50分(※) 鹿児島中央駅まで約2時間 |
東海道・山陽新幹線 | 博多駅~新大阪駅~東京駅 | 新大阪駅まで約2時間30分 東京駅まで約5時間 |
2022年9月23日に西九州新幹線(武雄温泉~長崎間)が開業し、商業・観光の両面から注目を集めています。博多~武雄温泉駅は在来線で行けるため、博多から長崎まで最速80分で行き来が可能になりました。
博多駅の利用者がさらに増えることが見込まれます。
参考:JRTT 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
福岡空港
博多区には福岡空港があります。地下鉄博多駅から2駅(6分)で地下鉄福岡空港駅に到着する利便性の高い空港です。
国内線は28路線が就航しており、日本各地へ移動が可能です。国際線は19路線が就航し、11カ国の直行便があります。
※2024年4月の情報です
アジアの玄関口として観光やビジネスで活用され、コロナ前の2018年には利用者が690万人に達し、日本一過密している空港と言われていました。
そのような状況を変えるべく、2023年には立体駐車場の供用や旅客機の搭乗橋を増やすなど、さまざまな対策が行われました。2024年11月には到着ロビーが増床されるほか、2025年には第2滑走路が供用を開始する予定です。
福岡航空は世界水準の国際空港を目指しており、今後もアジア・日本の重要な拠点として発展することが予測されます。
参考:FlyTeam 福岡空港
国土交通省 30年後の福岡空港の将来イメージ
フェリー
博多港にはフェリー・クルーズ船・コンテナ船など、さまざまな種類の船が寄港します。旅行や仕事で移動する際には、博多港から出ているフェリーやクルーズ船の利用が可能です。
博多港からの航路の例として、次のようなものがあります。
種類 | 行先 | 時間 |
---|---|---|
国内 | 対馬市(長崎県) | 約5時間 |
国内 | 五島(長崎県) | 8時間30分 |
市内 | 志賀島(福岡市東区) | 30分 |
市内 | 玄界島(福岡市西区) | 35分 |
市内 | 能古島(福岡市西区) | 10分 |
海外 | 釜山(韓国) | 5時間30分※ |
※釜山から博多港の移動時間は約11時間30分
また、貨物を運ぶRORO船は那覇・松山・東京・苫小牧など日本全国に定期輸送しており、九州の経済と物流を支えるうえで欠かせない存在です。
国際的にも、中国・韓国・台湾などに定期航路があり、東アジアにおける拠点港湾としてコンテナを多数取り扱っています。
博多港は福岡空港と合わせると貿易額が6兆円を超え、九州全体で見ると3割を占めるなど、非常に重要な港です。
2011年には「国際戦略総合特区」に指定されており、今後も観光・ビジネス・物流・人流において博多港は欠かせない存在と言えるでしょう。
観光客やビジネス客の流入が多い
日本の玄関口として機能している博多は人の流入が多く、ビジネスチャンスに恵まれたエリアです。
観光客
福岡市には観光名所が数多くあり、博多どんたく港まつりや博多祇園山笠などの著名なお祭りも開催されます。
各地にはグルメや商業施設が充実しており、2022年には1,860万人もの人が観光を目的に福岡市へ訪れました。コロナ前には年間2,148万人が訪問していたことを考えると、今後も観光客数が増えると想定されます。
博多は駅や空港があることから、福岡市にやってきた観光客の多くが最初に訪れる場所です。買い物や飲食で利用する人は多いと考えられます。
実際に、2023年の統計では、福岡市で人気観光地のトップは博多の「キャナルシティ博多」でした。博多は集客に有利で、飲食・宿泊・小売業など多くの業種でチャンスがあります。
参考:「福岡市の観光・MICE」2024年版(福岡市観光統計)
福岡市 観光情報サイト YOKANAVI 福岡の祭り
ビジネス客
前述の「九州経済の中心部」で説明した通り、博多は福岡市でもっとも事業所数の多いエリアです。当然、ビジネス客の訪問も多く、活発な経済活動が期待できます。
これから起業する人にとって博多は、ビジネスパーソンと人脈を作りやすかったり、優秀な人材を採用しやすかったりといったメリットが考えられます。
また、東京都に比べて家賃が低いため、ビジネスの拠点と住居を同じにすることも可能です。通勤時間の短縮により、ビジネスパーソンの時間節約にも一役買えるエリアと言えるでしょう。
人材や企業の集積する都市
福岡市が起業の支援を積極的に行っていることもあり、2013年以降、毎年50社以上の企業が福岡市に拠点を置いています。
当然、アクセスに優れた博多にも、数多くの企業が集まっています。
博多は古来より貿易の拠点として栄えてきました。土地柄的に外から来た人を受け入れる土壌ができており、優秀な人材も集まりやすい特徴があります。
2020年の統計を見ても、福岡市の中で労働力率がもっとも高いのは博多区の72.2%です。
参考:Qualities 働きやすさは? 人材はいる? 福岡でビジネスをするということ
令和2年国勢調査就業状態等基本集計結果概要(福岡市)
起業のサポートが充実している
福岡市は起業や創業に手厚い支援を提供している都市です。
たとえば、福岡市と事業者が連携して創業支援セミナーなどを実施する「特定創業支援等事業」があります。受講すると会社設立時に登録免許税が減免されるなどのメリットが得られる制度です。
ほかにもさまざまな支援制度があります。詳細については関連記事「福岡で起業・開業する人向けの支援制度や相談窓口|飲食店ならではのポイント」と「福岡でスタートアップ・中小企業が資金調達を成功させる方法」で解説していますので、ご覧ください。
支援が充実していることもあり、福岡市は21大都市の中でもっとも高い開業率です。また、5年連続で開業率1位をキープしています。
※2023年11月の統計
特に、博多はアクセスの良さが抜群で、金融機関・商業施設・公的施設などが集中しており、起業家にとって魅力の多いエリアです。
博多の都市開発

ここでは、博多の都市開発について解説します。
- 博多の由来と歴史
- 100年に一度の再開発
- 博多コネクティッド
- 博多駅空中都市プロジェクト
博多の由来と歴史
「博多」の名称は「続日本紀」(759年)に「博多大津」という名で出てきます。由来は次のように諸説あります。
1.鳥が羽を伸ばしたような地形から「羽形」から「博多」となった。
2.泊潟からきた。
3.人や物が多く集まり、土地が広博であることからきた。
4.船の泊まる潟がなまった。
引用元:博多の魅力 「博多」「福岡」の名前の由来
博多は博多湾を通して国内外から多くの人が集まる貿易都市でした。3世紀後半ごろから栄えてきたことが分かっており、博多港は日本最古の港の一つと言われています。
遣隋使や遣唐使による中国との外交の中心地であり、大宰府の外港として重要な位置付けにありました。
戦国時代には合戦場所となって荒廃するも、豊臣秀吉による都市整備が行われ博多の基礎ができました。江戸時代に福岡藩を与えられた黒田官兵衛によって福岡城と城下町が作られ「福岡」が生まれます。
こうして、武士の町「福岡」と商人の町「博多」の二つの都市は繫栄しました。
明治22年(1889年)に福岡と博多は統合し、市名を「福岡市」と「博多市」のどちらにするか紛糾し、投票が行われました。投票の結果、市名は「福岡市」に駅名は「博多駅」にすることで落ち着いたという経緯があります。
福岡市博多区はこうして誕生しました。
現在、「博多」には次のように、さまざまな定義があります。本記事では博多駅周辺を博多として解説しています。
- 福岡市(博多市と呼ぶ人もいる)
- 博多区
- 博多駅周辺(博多駅中央街、博多駅前、博多駅東、博多駅南など)
- 博多部(博多区北西部の博多川(那珂川分流)と御笠川に挟まれたエリア)
- 博多部周辺(博多部・博多駅・博多埠頭および中央埠頭周辺などのエリア)
100年に一度の再開発
博多・天神の福岡市における中核エリアでは、「100年に1度」と言われる再開発が進められています。
福岡空港に近い福岡市には、航空法による建築物の高さ制限などがありました。しかし、2014年に福岡市は国家戦略特区に指定され、都市機能を向上するために再開発が計画されました。
博多でも容積率を緩和し、老朽化した建物の建て替えや整備が行われるようになったのです。
2022年8月には博多駅筑紫口の近隣に、NTT都市開発と大成建設が開発したオフィスビル「博多イーストテラス」が竣工され、営業が開始されました。志筑口駅前広場でも36年ぶりに再整備が行われ、雨天に影響されず移動が可能です。
2025年に竣工予定の「(仮称)博多駅前三丁目プロジェクト」や2026年竣工予定の「西日本シティ銀行本店本館建替えプロジェクト」など、続々と再開発の計画が進行中です。
博多コネクティッド
「博多コネクティッド」は前述の「100年に一度の再開発」で解説した都市開発計画の総称です。博多駅から半径約500メートル、約80ヘクタールが対象地域です。
「コネクティッド(connected)」は「つながる」を意味し、博多駅の賑わいを周辺エリアにもつなげて活性化をはかる目的があります。
2019年から開始され、2028年までに約20棟の建て替えを目指す計画です。10年間の建設投資効果は約2,600億円、建て替え完了後の経済活動波及効果は約5,000億円と算出されており、雇用者数も約1.6倍になる予定です。
福岡市内の大規模な再開発計画には「天神ビックバン」もあります。警固断層などの地震のリスクに備えて、耐震性が高く先進的なビルへ建て替えを進める計画です。
天神についての詳細は、関連記事「天神で飲食店を開業したい!エリアごとの魅力とテナント物件の探し方」で解説しているので、興味のある方はご覧ください。
博多と天神の再開発により、福岡市のさらなる発展が見込まれます。ビジネスにかかわる人は、再開発の動きと今後の顧客のニーズを把握することが、成功のカギとなるでしょう。
参考:フクリパ 『博多コネクティッド絵巻』其の一 ~~福岡市都心再開発の現在・過去・未来~~
新・公民連携最前線 博多駅周辺で10年間にビル20棟の建て替え誘導、福岡市「博多コネクティッド」
博多駅空中都市プロジェクト
博多コネクティッドの中でも注目を集めるのが、2028年竣工予定の「博多駅空中都市プロジェクト」です。
「国際ビジネス都市・国際観光都市に相応しい機能を備えた最先端複合ビル」をコンセプトに、博多駅の線路上空に新たな「都市」となる複合ビルを建設予定です。
敷地面積は約5,200㎡で、近年まれにみる大事業と言えるでしょう。
施設としては、オフィス・ホテル・商業施設・広場などが含まれ、博多駅直結で観光客・ビジネス客の利用が見込まれます。
博多でおすすめな業種とは

ここでは、博多で需要の多い業種をご紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
小売業・飲食業
小売業や飲食業はインバウンドの増加により売上が増加しており、オススメの業種と言えるでしょう。
福岡市経済の概況で見ると、小売業は非常に好調です。博多区では大型小売店・小売店が合わせて約2,900店(2023年の情報)もあり、需要の高さがうかがえます。また、福岡市の卸売業の5割が博多区に集まっています。
しかし、2024年4月に歴史的な円安を記録しました。小売業は直接・間接的に円安の影響を受けやすい業種です。食品・嗜好品などの仕入れ値だけでなく、燃料価格の高騰により店舗の電気・ガス代でもコストが掛かります。
今後は、消費者のニーズに応えられる販売価格と仕入れ値のバランスに考慮が必要です。また、インバウンドが好調なので、日本で製造される日本酒や緑茶など「日本ならでは」「博多ならでは」の商品にシフトすることでビジネスチャンスを生み出せるかもしれません。
飲食店も博多で需要の高い業種です。博多には空港・駅・港が集まっています。到着・出発の際に飲食店を利用する人の率は非常に高いと言えるでしょう。
博多駅前はオフィスやホテルが多いのでビジネスパーソンと観光客の利用が見込めます。博多駅の東側は公共企業や民間企業のオフィスが多く、ランチや夜間の食事・飲酒などに需要があります。
美容関連
博多では美容室やサロンなど、美容関連の業種に高い需要があります。
2024年3月の博多区の人口は、男性111,607人、女性119,966人の計231,573人で、女性の比率が高い傾向です。年齢は20~40代がボリュームゾーンで、美容室やサロンを使う女性も多いと予測されます。
また、観光客が旅先でおしゃれや疲れを癒す目的で、ネイル・脱毛・まつげエステ・フェイシャル・エステティックなどのサロンを利用することも考えられます。
博多のオフィスの多さも、美容関連で有利です。男女問わず、ビジネスパーソンは会社から自宅までの通勤経路で美容室を探す人が多く、潜在的な顧客が多いと言えるでしょう。
特に、「博多コネクティッド」によって博多の都市開発が進めば、人の流入も増加すると予測され、集客のしやすいエリアです。
スタートアップ・ベンチャー企業
博多は福岡市の主要なビジネスエリアの一つです。スタートアップ・ベンチャー企業にとって九州はもちろん、国内・海外でのビジネス進出に適した場所と言えるでしょう。
福岡空港があり、東京(羽田空港)まで約1時間40分で行き来が可能です。首都へのアクセスの良さは、ビジネスをするうえで大きなアドバンテージになります。
海外展開のビジネスを考えている人にも博多は有利です。福岡空港の国際線からは8カ国13路線が運航しています(2023年2月の情報)。また、貿易に関するビジネスであれば、博多港までの近さがメリットになるでしょう。
博多にはオフィスビル・店舗が数多くあり、ビジネスの拠点にオススメです。
福岡市でオフィスの賃貸可能面積がもっとも大きいのが博多駅前地区(23.9%)です。また、博多区のオフィスビル・店舗の賃料は、東京に比べると約8,000円も低い価格です(2024年3月の情報)。オフィスビルの棟数が多い分、競争原理が働き割安感があります。
2024年3月のオフィス空室率は、下記のとおりでした。
- 博多駅前地区:4.18%
- 博多駅東・駅南地区:5.89%
参考:三鬼商事株式会社 福岡ビジネス地区
空室率は過去3カ月を比較すると若干上がり気味ですが、ほぼ横ばいと判断できます。
オフィスビルの賃料や空室率を見ると、博多はスタートアップやベンチャー企業に非常に有利と言えるでしょう。
また、福岡市では、福岡市内に新たに拠点を置く企業に助成金や交付金を用意しています。たとえば、福岡市立地交付金制度や地方拠点強化税制などです。分野によっては助成金や交付金が受けられます。次のような分野で福岡市へ進出を考えている人は、確認してみましょう。
- IT・コンテンツ・医療・環境等の研究開発オフィス
- コールセンターなど
- 本社機能
- 物流関連業
- 都市型工業
- グローバルビジネス(外資系)
博多のテナント物件の相場

博多は再開発が進み、次々にオフィスビルやテナントビルが建てられているエリアです。一方で、築年数の古いオフィスビルも多数あります。博多は賃料の二極化が激しくなっています。
福岡市のビジネス街でもある博多・天神・渡辺通でテナントの賃料を比較してみましょう。
博多で竣工されたばかりのテナント物件や、駅に直結したオフィスビルは非常に高額な賃料です。一方で博多駅から徒歩10~15分の物件や築年数30年以上の物件は賃料が低く、目的によって物件の選択肢を変えられます。
天神と比較すると、博多は圧倒的な利便性の高さを持ちつつ賃料の低い物件が散見されます。
また、博多の業種ごとの賃料は次のとおりでした。
業種 | 最低賃料 | 最高賃料 |
---|---|---|
飲食店全体(重軽食・軽飲食・バー・クラブ・スナックを含む) | 121,000円 | 833,580円 |
小売・物販 | 110,000円 | 833,580円 |
美容・健康・介護 | 110,000円 | 2,125,970円 |
事務所 | 77,000円 | 9,725,100円 |
これらの業種に関しての賃料は高めですが、博多は集客面で非常に有利です。
初期費用を抑えて開業したいという人は、居抜き物件を探してみましょう。居抜き物件とは前店舗の設備・備品がそのまま使える物件です。内装や外装は自分で選べませんが、開店までの期間を短くできるなどのメリットがあります。
博多エリアの物件詳細についてはこちらからご覧ください。
関連記事:福岡でテナントを構えるのにおすすめのエリアは?街の特徴や物件の選び方を解説
居抜き物件の5つのメリットを徹底解説!居抜きに向いているのはこんな人
博多でビジネス進出するメリットとデメリット

ここでは博多で起業・開業する方へ向けて、メリット・デメリットを解説します。
デメリット
他のエリアより賃料が高い
博多はビジネス街で有名な天神や渡辺通と比較すると、最高賃料が高いエリアです。
特に竣工したばかりのオフィス・テナントビルには付加価値の高いインテリジェントビルなども含まれており、高い賃料設定です。
競合・競争が多い
陸・海・空の玄関口である博多は人の流入が多く、ビジネスチャンスがある分、競合や競争の激しいエリアでもあります。
出店前に綿密なマーケティングを行い、出店場所のニーズを把握したうえで独自路線をとらないと、競合店にお客様が流れてしまう可能性が高いでしょう。
人手が足りない可能性がある
博多には企業・飲食店・小売店など多くのビジネスが展開しています。今後、博多コネクティッドで雇用創出が促進されると、採用される側にとっても選択肢が増え、賃料や待遇によっては応募してもらえない可能性もあるでしょう。
人手不足に陥らないよう、賃金相場の把握や福利厚生など、相応の待遇が求められます。
メリット
博多で起業・開業する際のメリットには次のようなものがあります。
利便性に対し家賃が低い
前述の「デメリット」では「他のエリアより家賃が高い」と説明しました。しかし、それは近年竣工されたビルや店舗が対象です。
アクセスの良さや再開発が進んでいる活況を考慮すると、博多の賃料は低いものも多い傾向です。築年数が古かったり、面積の少ない物件だったりすれば、駅から徒歩5分以内でも10万円を切るテナントや店舗があります。
同じようにアクセスに優れビジネスに適した東京と比較しても、「スタートアップ・ベンチャー企業」で解説したとおり、約8,000円も賃料が低い設定です。
他のエリアより賃料が高いとしても、メリットの多さを考えると博多の賃料は低いと言えるでしょう。
ビジネスに有利な環境
福岡空港から博多駅までは地下鉄で約6分と非常に移動時間が短く、東京をはじめ国内各地とアジア各国へのアクセスに優れています。フットワークや対面によるコミュニケーションを重視するビジネスパーソンにとって、アクセスの良さは大きなメリットです。
また、2022年の博多区の生産年齢人口(15~64歳)は167,377人でした。2022年の博多区の総人口が235,391人であることを考えると、働き盛りの人が多いと分かります。
地理的にも人材的にも博多はビジネスにオススメのエリアと言えるでしょう。
参考:新・公民連携最前線 全国自治体 人口増減率ランキング2017-22
集客で有利
博多は国内外の窓口として機能しており、観光客・ビジネスパーソン・地元住民とさまざまな人が利用します。そのため、店舗経営をする人にとって集客面で有利です。
旅行やビジネスの際に、到着・出発した駅で食事やお土産を購入した経験のある人は多いでしょう。博多区には駅・空港・港があります。
マーケティング戦略は必要ですが、需要に合ったメニューや商品を用意すれば、飲食店や小売業など集客が必要な業種で成功しやすいエリアです。
博多で成功する物件の探し方

博多はビジネスチャンスに満ちていますが、一方で競合の多いエリアです。ここでは、博多で経営を安定させるために必要なポイントと、物件の探し方について解説します。
テナント選定のポイント
博多はテナント物件の賃料の差が大きいため、重視するポイントを決めることが成功のカギとなります。
ターゲット層の選定
飲食店・小売店・美容・ITなど業種によってテナント物件に求めるものは違います。しかし、どんな業種であっても、まずターゲット層を定めなければ店舗のコンセプトが決められません。
たとえば、飲食店を例にすると、ターゲットが観光客かビジネスパーソンかによってメニューや価格が変わります。
観光客であれば、国内・海外から「博多ならでは」の食事を求める可能性が高いでしょう。博多ラーメン・博多天ぷら・博多もつ鍋・水炊きなどは博多を代表するグルメと言われています。
一方、ビジネスパーソンは定食や軽食のニーズが高いと考えられます。また、土日祝日は来客数が減ることを想定した経営戦略が必要です。
博多は特にさまざまな人が集まるエリアです。年齢・性別・国内外・収入層など、メインターゲットを決めることが成功の第一歩になるでしょう。
立地・建物
ターゲット層に合わせて立地や建物を選定します。
観光客が対象であれば、「はかた駅前通り」のような大きな通り沿いが有利です。
土地勘のない人にとっては、大きな通りや1階店舗(路面店)のような「分かりやすさ」は利用するハードルを下げる重要なポイントです。ただし、そのような立地は賃料が高いので、ターゲット層が本当に利用してくれるか綿密な調査が求められます。
一方、ビジネスパーソンが対象なら、博多駅前や博多駅東側のオフィス街に店舗を構えると良いでしょう。
日々忙しいビジネスパーソンであれば、「昼食や夕食はゆっくり食べたい」「エステや美容室は静かなところが良い」という希望があると考えられます。
落ち着いた雰囲気を求める人も多いため、喧騒から離れられる2階以上のテナント物件が有利になる場合もあります。1階よりも2階の方が賃料が低いことが多く、コストダウンにもつながるでしょう。
また、近年博多で竣工されたビルや、建設中のビルはインテリジェントビルやスマートビルです。最先端の設備や情報通信機能などが取り入れられており、賃料は高いもののIT系の起業を考えている人に適しています。
建物は必ず内見し、周辺環境についても朝・昼・晩と時間を変えて確認しましょう。
テナント物件の内見については、関連記事「テナントを内見する際の注意点|9つのチェックポイントを徹底解説」で解説しているので、参考にしてみてください。
賃料
賃料は売上の7~10%が適切と言われています。
賃料が10万円だとしたら、一カ月に70~100万円の売上が必要です。業種によって売上の目標額は異なりますが、起業・開業前に必ず毎月かかる必要経費や売上の計算を行いましょう。
博多は賃料の幅が広いので、売上の予想に合わせて物件を選択することが可能です。
物件探しのコツ
博多で物件を探すなら、不動産ポータルサイトがオススメです。
不動産ポータルサイトは物件情報をインターネット上で見られるサービスです。スマートフォンやパソコンでいつでも検索でき、日々データが更新されるので、賃料相場の把握にも役立つでしょう。
特に地域情報に特化した福岡テナント連合隊は、博多のテナント物件や店舗をお探しの人に適しています。賃料・立地・設備・業種・居抜きなどの条件を入れて検索可能なので、希望の物件が見つかる可能性が高くなります。
不動産会社から希望の物件を紹介してもらえる「テナント物件リクエスト」というサービスもあるので、合わせてご利用ください。
博多で物件を探すなら福岡テナント連合隊

博多は博多駅・博多港・福岡空港によって国内外から人が集まるため、ビジネスチャンスの多いエリアです。
また、博多コネクティッドという再開発計画によって駅周辺のオフィスビルやテナントビルが立て替えられており、今後もさらに活性化することが見込まれます。
最新のビルは非常に賃料が高額です。しかし、築年数が古かったり駅から徒歩10分以上だったりと、条件によっては賃料を抑えることもできます。博多はテナント物件の選択肢が多いのが特徴です。ご予定のビジネスに合わせて探してみてください。
博多でテナントをお探しの方には、福岡テナント連合隊がオススメです。路面店、居抜き物件コーナーなど、事業者目線で詳細な検索ができるようになっています。
これから出店を考えている事業者様のお役に立てれば幸いです。