福岡市東区の香椎エリアは、古事記や日本書紀にも地名が登場するほど、歴史の長い地域です。最近は再開発が進んでおり、人の流れがますます活発化しています。
香椎エリアは、店舗や事務所を構えたい方にとっても、魅力的な地域です。とはいえ、どのような部分が魅力的なのか、具体的には分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、香椎エリアにテナント・店舗物件を借りたい方に向けて、物件を選ぶポイントや、地域ならではのメリットもお伝えしていきます。
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目次
香椎でテナント・店舗物件を選ぶポイント

福岡市東区の香椎エリアで、テナント・店舗物件を選ぶポイントについて、下記の2点を解説していきます。
- ニーズの調査
- 駐車場の有無
香椎エリアならではの特徴を挙げて解説していきますので、参考になれば幸いです。
関連記事:テナント物件探しのコツ!失敗しないための事前準備も解説
ニーズの調査
香椎エリアでテナント・店舗物件を選ぶ際は、ニーズを見極める必要があります。
人の流れや客層でニーズは大きく異なるため、業種によって相性の良さが変わるからです。香椎エリアにおける特徴は、以下のとおりです。
- 学生が多い
- 子育て世代に適している
学生が多い
香椎エリアには福岡女子大学・九州産業大学といった教育機関があり、合計で1万人以上の学生が在籍しています。
数の多さからぜひターゲットにしたいところですが、学生向けの事業は以下のデメリットがあります。
- 長期休暇中の集客が落ちる
- 客単価が低い
学生向けの事業では、自然と客単価も低くなりがちです。低い客単価で売上を確保するなら、客数の増強か、経費削減といった方法があります。
たとえば開業準備の際に、工事・設備などの初期費用を抑えたいのであれば、居抜き物件がオススメです。以前の借主が同じ業種で出店していた場合は、顧客の引継ぎにも寄与するため、学生間での口コミによる集客が狙えるでしょう。
関連記事:居抜き物件の5つのメリットを徹底解説!居抜きに向いているのはこんな人
子育て世代に適している
香椎エリアは子育て世代に適しており、ファミリー層をターゲットにできます。
遊園地や美術館・複数の学習塾があり、教育に向いた環境が整っているためです。
香椎小学校の児童数推移をみると、2010年から上昇し続けており、ファミリー層が増えているとうかがえます(参考:福岡市東区「東区の各校区データ集」)。
子育て中のファミリー層には、以下のようなお店が喜ばれやすいです。
- 個室・半個室がある
- おむつ交換台がある
- キッズスペースがある
内装を自由にデザインしたいなら、スケルトン物件をオススメします。工事・設備費用はかかりますが、理想に近い内装を実現しやすいです。
また、ロードサイド店舗もファミリー層の利用に向いています。ロードサイド店舗とは、大きな道路沿いに出店している店舗です。多くは郊外の道路沿いにあるため、賃料を抑えやすいメリットがあります。
関連記事:ロードサイド店舗とは?メリット・デメリットや特徴などを紹介
駐車場の有無
テナント・店舗物件を香椎エリアで選ぶなら、駐車場の有無も確認しておきたいところです。
香椎エリアはJRや西鉄の駅があり、複数の公共交通手段が選べるほかに、国道3号や都市高速道路も走っています。そのため、自動車で移動する人も多いです。
自動車を使うユーザーを顧客として狙うなら、駐車場があるテナント・店舗物件は、顧客の来店しやすさや、回転率の向上につながります。
近隣施設や主要道路からのアクセスによっては、駐車場のあるテナント・店舗物件を選ぶのがオススメです。
香椎のテナント・店舗物件の家賃相場

この項目では、福岡市東区の香椎エリアで、テナント・店舗物件の家賃相場を調べました。
「福岡不動産連合隊」の「家賃相場表」で、JR鹿児島本線の「香椎駅」周辺で調査したところ、平均家賃は24万8,519円でした(2024年3月時点)。
物件数が最も多い価格帯は「12万~16万円」、ついで「32万~36万円」です。高額なテナント・店舗物件が多いエリアもあるため、香椎エリアの家賃相場は比較的手ごろといえるでしょう。
また、香椎エリアの家賃相場を比較するために、地価についても調査してみました。
地点 | 公示価格(円/㎡) |
---|---|
全用途 | 510,400(平均) |
香椎台1丁目1754番55 | 111,000 |
香椎3丁目910番33 | 81,500 |
香椎4丁目2083番19 | 220,000 |
香椎駅東4丁目530番58 | 81,500 |
住宅地や商業地などを含めた全用途の平均と比べると、香椎エリアの地価は低めです。
テナント・店舗物件の予算を抑えたい方に適しています。
香椎のテナント・店舗物件に入居するメリット

福岡市東区の香椎エリアのテナント・店舗物件に入居するメリットについて、以下の業種に分けて解説していきます。
- 美容室
- 飲食店
- 事務所
美容室を出店したい人向け
美容室を出店したい方にとって、香椎のテナント・店舗物件に入居するメリットは、下記のとおりです。
- アクセスが良い
- 人通りが多い
- 治安が悪くない
香椎エリアは西鉄貝塚線とJR鹿児島本線の路線が走っており、交通のアクセスが良いです。美容室の利用客は帰宅途中に店舗へ寄るケースもあるため、アクセスの良さは集客につながります。
人通りの多さも、美容室を出店したい方にとって大きな魅力といえます。
香椎エリアは福岡市の副都心とも呼ばれ、商店街やショッピングセンターがあり、人の流れは活発です。
また、JR九州が公表している「駅別乗車人員上位300駅(2022年度)」によると、香椎駅の乗車人員は1日あたり12,412人です。上位300駅中で10位にランクインしており、人通りが多いとうかがえます。
さらに、美容室の利用客は女性が多い点を考慮すると、治安の良さも重要です。
以下の表では、福岡市における行政区別の犯罪発生状況を比較しました。
行政区 | 人口千人当たり発生件数 |
---|---|
東区 | 7.6 |
中央区 | 16.3 |
博多区 | 13.7 |
早良区 | 8.1 |
南区 | 6.2 |
中央区や博多区に比べると、香椎エリアのある東区は、犯罪の発生件数が約半分となっています。インターネット上の口コミを見ても、「治安が良い」という内容が複数見受けられました。
もちろん、香椎エリアのなかでもさまざまな地域があるものの、「治安が悪い」というイメージが少ない点は大きなメリットです。
飲食店を出店したい人向け
飲食店を出店したい方にとって、香椎のテナント・店舗物件に入居するメリットは、下記の点が考えられます。
- ファミリー層の利用が見込める
- ロードサイド店舗なら時給を抑えやすい
- 学生のアルバイトが集めやすい
「子育て世代に適している」の項目で前述したとおり、香椎エリアはファミリー層の利用が見込めます。小さい子ども連れでくつろげるお店は貴重なため、ファミリー層はリピーターになってくれやすいです。また、子育て中はママ友・パパ友同士で交流する機会が多く、口コミの効果も狙えます。
さらに、香椎エリアの国道3号沿いにはロードサイド店舗が多いです。ロードサイド店舗は都心部に比べて時給を抑えやすいので、コストカットにつながります。
飲食店を出店するテナント・店舗物件の候補に加えてみてはいかがでしょうか。
学生アルバイトが集めやすいのも魅力的です。
香椎エリアは「学生が多い」の項目で前述したとおり、学生街としての一面もあります。未経験者が多い分、人件費を抑えやすく、土日のシフトにも入ってくれやすいです。
事務所を開きたい人向け
事務所を構えたい方にとって、香椎エリアのテナント・店舗物件に入居するメリットは、下記の点が考えられます。
- 交通アクセスが良い
- 治安が良い
- 地震の不安が少ない
訪問客や従業員にとって、事務所へのアクセスが良い点は重要です。クライアントからの好印象につながるほか、新規顧客の獲得数UPにも寄与します。香椎エリアはJRの路線が2つあるうえに路線バスも充実しており、交通アクセスの良さは十分です。
事務所を構える際は、治安の良さもチェックします。遅くまで残業して帰宅する際に、安心して外を歩けないと危険だからです。「美容室を出店したい人向け」の項目で前述したとおり、香椎エリアの犯罪認知件数は博多区・中央区より少ないため、強い不安は抱かずに済みます。
また、事務所を選ぶ際は、耐震性が気になる方も多いのではないでしょうか。
「東区揺れやすさマップ」によると、香椎エリアはおおむね緑色~黄色に区分けされており、震度6弱程度の揺れが予想されています。博多区や中央区は、およそ半分の地域がオレンジ~赤色(震度6強以上の予想)に区分けされています。
博多区や中央区と比べると、香椎エリアは揺れがやや小さいです。
とはいえ、地震の発生する位置や規模によっては、予想以上の震度になる可能性が考えられます。
「あなたの店舗は安全ですか?出店者が知っておくべき災害対策と復旧手順」では、災害に強いテナント・店舗物件の選び方を解説していますので、あわせてご覧ください。
参考:福岡市「博多区揺れやすさマップ」・「中央区揺れやすさマップ」
香椎の基本情報

この項目では、福岡市東区の香椎エリアにおける基本情報をお伝えしていきます。
歴史
福岡市東区の香椎エリアが指す区域は広く、地元の方は千早地区まで含めていることが多いです。
歴史ある土地としても有名であり、とくに1,800年以上前からある神社・香椎宮は、パワースポットとしても知られています。
戦後は住宅不足解消のため宅地化が進み、ベッドタウンとして発展してきました。近年は再開発が進んでおり、人の流れが多い副都心の一つです。
参考:グッドライフマガジン「歴史的神社に見守られ、日々成長する香椎のまちとヒト」
情報
項目 | 内容 |
---|---|
人口 ※以下の校区を合計 ・香椎 ・香住丘 ・城浜 ・香椎東 ・香椎浜 ・香椎下原 ・千早 ・千早西 ・香陵 ・照葉 | 96,127人(2019年) |
周辺施設 | ・イオンモール香椎浜 ・香椎浜西公園 ・アイランドシティ中央公園 ・福岡東郵便局 ・香椎税務署 |
教育機関 | ・九州産業大学 ・福岡女子大学 ・福岡県立香椎高等学校 ・福岡県立香椎工業高等学校 ・福岡県立香住丘高等学校 |
最寄り駅 | ・JR鹿児島本線「香椎駅」 ・JR香椎線「香椎駅」 ・西鉄貝塚線「香椎宮前」 |
人口千人当たり刑法犯認知件数(2018年) ※以下の校区を参照 ・香椎 ・香住丘 ・城浜 ・香椎東 ・香椎浜 ・香椎下原 ・千早 ・千早西 ・香陵 ・照葉 | 平均:6.67 最大:11.6(香住丘) 最小:2.4(香陵) |
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福岡市東区の香椎エリアは、学生が多く、子育て世代に適した環境もそろっています。
人通りが多く、交通アクセスも良いため、美容室や飲食店を出店したい方にメリットが多いです。
「香椎エリアが魅力的な立地であることは分かったけど、自分に合ったテナント・店舗物件を探すのは大変…」
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香椎エリアでお店や事務所を構えたい方の参考になれば幸いです。