二地域居住とは?注意点やおすすめエリア、成功のコツを解説

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二地域居住とは?注意点やおすすめエリア、成功のコツを解説

新型コロナウイルスの影響によりテレワークが普及したことから、働き方やライフスタイルを柔軟に選べるようになり、地方移住への関心が高まっています。

そのなかで近年注目されているのが、「二地域居住」という暮らし方です。

二地域居住とは、環境が異なる2つの地域に拠点を構える生活スタイルです。平日は都市部で仕事を行い、休日のみ田舎でリラックスするような活用ができます。

本記事では、二地域居住の実践例や成功ポイントについて詳しく解説します。

二地域居住のメリットやデメリットも紹介していますので、理想的な生活を実現する際の参考にしてください。

二地域居住とは?

二地域居住とは?

二地域居住とは、「都会と地方」あるいは「地方と地方」といったように、複数の生活拠点を持つ居住スタイルです。

テレワークが普及し、場所にとらわれない働き方ができるようになったことで、生活拠点を地方に移してのんびり暮らしたいというニーズが高まってきました。

二地域居住は完全な地方移住とは異なり、都会の便利な暮らしと自然豊かな田舎暮らしを両立するような、地域それぞれのメリットを活かした暮らしを実現できる利点があります。

二地域居住に注目が集まっている背景

二地域居住に注目が集まっている背景

二地域居住が注目されるようになった背景は、主に以下の3つです。

  • コロナ禍により地方暮らしへの関心が高まっている
  • 働き方が多様化し、どこでも仕事ができるようになった
  • 政府や自治体が二地域居住を推進している

コロナ禍により地方暮らしに注目が集まっている

二地域居住に注目が集まる大きな要因の一つは、新型コロナウイルスの影響により、都会を離れて地方で暮らしたい人や、二拠点居住に関心を持つ人が増えていることが挙げられます。

2021年に国土交通省が行った調査では、コロナ禍で地方暮らしへの関心が「高まった」「やや高まった」という回答の合計が、半数近くを占めるという結果が明らかになりました。

さらに、希望する地方暮らしのスタイルは「二地域居住」という回答が42.4%を占めており、二地域居住へのニーズの高さがうかがえます。

参考:国土交通省|空き家等の活用を通じた二地域居住の推進

働き方が多様化し、どこでも仕事ができるようになった

テレワークの普及により、地方にいながら都会での仕事を続けられる環境が整ってきたことも、二地域居住が普及しつつある要因の一つです。

テレワークを推進する企業が増えたことで、より快適な仕事環境を求めて地方に拠点を移す動きが加速しています。

二地域居住であれば、普段は地方で働き、出社が必要な時だけ都会に出向くといった、フレキシブルな働き方にも柔軟に対応できます。

政府や自治体が二地域居住を推進している

人々の暮らしや働き方が変化するとともに、政府や自治体も二地域居住を推進しています。このような背景には、各地域における空き家問題の深刻化や地方の活性化などの影響があります。

例えば、国土交通省は2021年3月に全国二地域居住等促進協議会を設立しました。

この協議会では、情報発信や事例の共有などを通して二地域居住の促進に取り組んでおり、二地域居住を検討している方にとっても、貴重な情報ソースとなるでしょう。

二地域居住のデメリットとメリット

二地域居住のデメリットとメリット

二地域居住にはデメリットとメリットがあり、その両面を踏まえて自分の生活スタイルを検討することが大切です。

ここでは、二地域居住の長短についてご紹介します。

二地域居住のデメリット

住居や移動のコストがかかる

住まいを2つ持つことによる住居の取得費や改修費、両エリア間を行き来する交通費などのコストがかかります。

家具家電付きの物件を選ぶ、気軽に移動できる距離の地域を選ぶといった工夫が必要です。

公的サービスが受けられないことがある

住民票のない地域では公的施設が利用できない、十分な医療サービスが受けられないことがあります。

住民票はより滞在期間の長いほうの地域に置くようにすると良いでしょう。

防犯対策をしっかりと行う必要がある

一方の地域に滞在すると、もう一方は留守になるため、セキュリティリスクが高まりやすいのも難点です。

防犯カメラやホームセキュリティを導入するなどの対策をしっかりと行いましょう。

二地域居住のメリット

生活にメリハリが生まれる

二地域を移動しながら使い分けることで、仕事とプライベートを区切ってメリハリをつけることができます。

都会でバリバリと仕事をする、田舎でのんびりと休暇するなど、ライフスタイルに柔軟性が生まれます。

新しい視点や価値観を得られる

二地域それぞれの文化や風土を体感できるのも二地域居住のメリットです。

1か所に留まっていると得られない多様な価値観に触れられるでしょう。

移住よりも気軽に田舎暮らしができる

特定の地域へと移住した場合は、移住後に失敗や後悔があっても、なかなか新しい居住先に移るのは難しいものです。

しかし、二地域居住では、一方の地域で不満や住みにくさを感じた場合でも、もう片方の地域でカバーできるため、比較的安心だといえます。

新しい人間関係を築ける

人脈を広げて仕事に活かしたり、趣味のコミュニティに所属したりして人間関係を広げられるのがメリットです。

二地域居住の利点を活かせるよう、さまざまな地域の人々と積極的に関係を構築すると良いでしょう。

二地域居住の実践例3パターン

二地域居住の実践例3パターン

一概に二地域居住といっても、働き方や生活スタイルによって暮らし方が変わってきます。

ここでは、二地域居住の代表的なパターンをご紹介します。

  • 都会で働きながら休暇を地方で過ごす
  • 都会と地方、それぞれ別の仕事を持つ
  • 本格的な移住の前にお試しで暮らす

都会で働きながら休暇を地方で過ごす

二地域居住の最も一般的なやり方は、都会にメインの拠点を持ちながら、地方にもセカンドハウスとして生活拠点を置く方法です。

セカンドハウスには賃貸物件を借りる、空き家を購入する、シェアハウスに住むなど、さまざまなスタイルがあります。

仕事とプライベートのメリハリをつけやすく、都会とは別の拠点を持つことで、新たな価値観や人間関係を形成できるのもメリットです。

都会と地方、それぞれ別の仕事を持つ

2つの拠点で生活する際は、都会と地方それぞれで別の仕事を持つのも一案です。

都会でメインの仕事をしながら地方でパートタイムに従事する、都会での経験を活かして地方で新たに事業を立ち上げるなど、さまざまな方法があります。

二地域居住はどうしても住居費や交通費などのコストがかさみます。

しかし、この方法であれば複数の収入源を確保できるため、二地域居住を行う際のコスト負担を和らげることが可能です。

本格的な移住の前にお試しで暮らす

二地域居住は、本格的な移住の前に、お試し感覚で暮らしぶりを確認する際にも役立ちます。

例えば、「将来的に地方移住を考えてはいるものの、仕事や家族の都合でしばらくは今の暮らしを続けたい」という方には、このパターンが適切です。

移住したい地域に仮住居を構えて、雰囲気や暮らしぶりを体感することで、最終的に移住を決める際のヒントを集められます。自治体によっては体験移住制度を提供していることもあり、積極的に活用すると良いでしょう。

土地勘や人間関係がないままいきなり移住するのに比べて、後悔したりギャップを感じたりするリスクを減らせるのもメリットです。

二地域居住を成功させる3つのポイント

二地域居住を成功させる3つのポイント

2つの地域で快適な生活を送るには、二地域居住の検討中に資金計画の立案やシミュレーションを行っておくことが重要です。

以下のポイントを参考に、成功に向けた一歩を踏み出しましょう。

十分な資金計画を立てる

二地域居住を実現する際に大きな課題となるのが資金面です。

二地域居住にかかるお金は、住宅の取得費用や家具家電の購入費用といった初期費用と、実際に暮らし始めてからかかる家賃や光熱費、交通費といったランニングコストがあります。

さらに地域によっては、冬場の光熱費や車の維持費なども考慮する必要があるでしょう。

新しい拠点で物件を購入する場合、現在住んでいる家の住宅ローンが残っていると、ローンの審査が通りにくいことも考えられます。

金融機関や不動産会社とも相談しながら、しっかりと資金計画を立てておきましょう。

距離・移動頻度・費用をもとにシミュレーションを行う

二拠点生活によるメリットが、新しい生活によって発生する負担(デメリット)を上回るのか、しっかりと検証する必要があります。

例えば、二拠点目へ移動するために毎回飛行機のチケットを予約しなければならないようなら、手間や費用ばかりかかる、あるいは移動だけで疲れてしまうかもしれません。これでは、二地域居住が割に合わないと感じるでしょう。

反対に、車だけで1〜2時間程度で手軽に移動できる距離にある、二拠点目ではリモートワークで腰を落ち着けて仕事をするので移動頻度が低いというような場合は、負担が少ないといえます。

距離・移動頻度・費用の3要素をもとに、無理のない範囲で生活できるかをシミュレーションしておくことが大切です。

過度な期待を持たずに二地域居住の課題と冷静に向き合う

「二地域居住をすれば自分の理想的なライフスタイルが送れる」といったように、過度な期待を持つと、実際に暮らし始めてから理想と現実のギャップを目の当たりにし、拠点間の移動が億劫に感じてしまうケースも珍しくありません。

例えば、東京圏のような都会で生活している人が、いきなり都市機能に乏しい地方に移住するとします。

すると、住居や仕事の探しにくさ、移動する際の不便さ、虫が多いことによるストレスなど、生活環境が異なりすぎて戸惑ってしまう可能性があるでしょう。

田舎への移住は数多くのメリットがあるものの、まずは二地域居住の課題という現実を直視し、適切な心構えを持つことが何よりも重要です。

居住先となる2つの地域に大きなギャップが生まれないよう、現在都市に住んでいる場合は、二拠点目に県庁所在地などの地方都市を選ぶのがおすすめです。もし地方都市でも満足のいく暮らしができれば、その後は希望に応じて徐々に田舎へと移っていくと良いでしょう。

二地域居住に北海道が向いている理由

二地域居住に北海道が向いている理由

「二地域居住に興味が出てきたけれど、二拠点目をどこにするか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。

新たな拠点としておすすめなのが、観光地や移住先としても人気の北海道です。

ここでは、二地域居住に北海道が向いている理由を5つお伝えします。

大自然を満喫できる

北海道には広大な土地が広がり、豊かな自然を満喫できます。

山や海に囲まれ、四季折々の風景が楽しめる生活は、都会で暮らしている人ほど新鮮に感じられるはずです。

札幌市や旭川市などの大都市でも、街の中心から少し離れるだけで大自然と触れ合えます。郊外や地方では、より多くの自然を満喫できるため、落ち着いた環境で暮らしたい方にはうってつけです。

二地域居住をきっかけに、写真撮影やアウトドアといった趣味を始めてみるのもおすすめです。

新鮮で美味しい食材が手に入りやすい

海産物や乳製品、スイーツなどのグルメが充実しているのも、北海道の大きな魅力です。

スーパーで買える野菜や果物が、都会とは比べものにならないほど美味しいという声もよく聞こえてきます。

旅行や観光で北海道を訪れるのとは違い、特定のエリアに住み続ける二地域居住の場合、外食ばかりでなく自炊をする場面も増えてくるでしょう。北海道であれば、地元産の新鮮な食材が安く購入でき、自炊を行う際にも便利です。

真夏でも快適に過ごしやすい

北海道の夏は平均気温20度前後と、本州に比べて涼しく、梅雨もないためカラッとしていて過ごしやすいのが特徴です。

その分、冬の寒さや雪が心配になるところですが、北海道のなかでも太平洋に面した道東の地域は、積雪量が少ない傾向にあります。雪を避けたい場合、釧路市などの道東エリアを選ぶと安心です。

また、函館市をはじめとする道南エリアは、道内においても比較的暖かい気候に特徴があります。

関連記事:釧路は住みやすい?移住のメリットと注意点を徹底解説

関連記事:サポート・サービスを活用して函館に移住しよう

多くの自治体がお試し移住制度を設けている

北海道には、移住や定住を考えている方向けに「ちょっと暮らし」という体験移住制度があります。

ちょっと暮らしでは、自治体が提供する体験移住用の施設で一定期間の生活を送れます。その結果、現地の気候や暮らしぶりを肌身で体感できるのがメリットです。

移住したいエリアが自分に合っているか、じっくりと見極められるため、本格的な二地域居住を始める前の準備として活用しましょう。

※2023年9月に執筆した記事です。最新情報は北海道で暮らそう!|体験移住「ちょっと暮らし」をご確認ください。

他の地域と比べて家賃相場が低い

北海道は他の地域と比べて家賃相場が低いため、コストを理由に二地域居住をためらっている方には魅力的な選択肢です。

「北海道不動産連合隊」の賃貸物件家賃相場表によると、北海道全域の平均家賃は約5万1,000円です。これに対し、東京都全域の平均家賃は約10万3,000円であることから、都市圏に比べて家賃相場が低いといえます。

北海道不動産連合隊では、エリアや家賃などのこだわりたい条件で絞り込み検索ができるほか、気になる物件をリスト登録して比較検討もできます。

納得のいく物件選びのために、ぜひ活用してみてください。

※2023年9月に執筆した記事です。最新情報は北海道不動産連合隊東京不動産連合隊をご確認ください。

事前にしっかりと準備を整えて二地域居住を検討しよう

事前にしっかりと準備を整えて二地域居住を検討しよう

二地域居住のメリットやデメリット、具体的な実践例や成功のコツについてお伝えしました。

現在の生活を維持しながら別の拠点で新たな生活を始められる二地域居住は、場所にとらわれず働ける現代ならではのライフスタイルといえます。もちろん、コストや移動時間などの課題は出てきますが、しっかりと事前準備を行うことで理想の暮らしに近づけるでしょう。

二拠点目をどこにするか、迷っている方には、大自然やグルメを満喫できて生活コストも抑えられる北海道がおすすめです。

北海道に移住するメリットについては以下の記事でも詳しくお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:北海道移住って実際どう?食べ物や住環境などメリット14選

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この記事を書いた人: ラルズネット編集部

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