あるお客様が、相当安かったので中古住宅の競売物件を買ったのだが、買ってから家の中を見ると、とても住めるような状況ではないので、家を直して売るか、貸そうかということで相談に来られた。
早速、その物件に行って見ると、部屋の中はネコの糞尿のため目を開けていられないほどの強烈な臭い。臭いを我慢しつつ、さらに良く見ると、居間の隅にミイラ化したネコの死骸が一匹、さらに台所付近にも1匹死んでいる。
部屋の中のクロスは、ネコの引っかいた跡でズタズタ。相当、苦しんだのであろう、居間の木の柱が、ネコが引っ掻いたために、柱の4分の1ほどが削れている。何度も、窓から脱出しようとしたのだろう、ネコがこんなにジャンプ力があるのかと思われるほどの、高い天井付近にも引っかいたキズが残っている。
また、台所には冷蔵庫が残っていたが、何とか食料にありつこうとしたのだろう、ドアの下地のステンレスまで達している、怨念のこもった爪あとが無数ついている。
隣の家のご主人から聞いた所によると、前の住人が逃げた直後から、ネコの鳴き声がヒドク、夜も寝られないほどだったという。あまりに、ネコがかわいそうなので、よっぽど窓ガラスを割り、ネコを逃がしてやろうかと思ったが、犯罪になるとこまるので、玄関の郵便入れの窓から食パンなどを落として1ヶ月ほど食料を与えていたが、ついに泣き声がしなくなった。
逃げた家族は なぜ、こんな仕打ちをするをする必要があったのだろう。
ネコを一緒に連れて行けないなら、ノラネコとして生きる道を残してあげればいいじゃないか、家に閉じ込めて餓死させるのは、動物虐待のなにものでもない。
ちなみに、この家は私の会社では、売ることも貸すことも、しませんでした。
こんな事が、後から入居者に分かると絶対、問題になるよ。
その後、この家がどうなったかは、知りません。
●逃げるときには、ペットもご一緒に ! by tamtam
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