
いや〜、久々に逃げられた。
それも、私が担当している、ブラックリスト(悪質家賃滞納者リスト)で一番長いお付き合いの滞納者、5年間にわたり、家賃をごまかしごまかし取り続けた女。
社内では、私の天敵と言われている。
この女、借金取りの対応になれてるというか、督促の電話をしても、あくまでも低姿勢 ひたすら謝り、ウソを突き通す。
この間も
女 「今、家賃を振り込みました」と電話が来る。 私 「振込み用紙の控えあるか?」 女 「あります」 私 「FAXで送れ」 女「FAX無いんで」
私 「じゃ、今から確認に行くんで部屋で待っていろ。入金してなければ、
カギブロックだからな!」 女 「わかりました」
部屋に行くと、女が出てきて 女 「振込み用紙、探したけどないみたい」 私「なにぃ〜」 女 「いや、車の中に落ちてるかも?」 私 「じゃあ、車を探せ」 車の中を、一生懸命に探しているふり 女 「おかしいなあ〜、無いなあ〜」 私 「おい、振り込んでないんだろ ! 正直に言ったら、カギブロックはしないよ」 女 「スイマセン、振り込んでません」
私は、すかさず持っていたカギブロックを本人の目の前でドアノブに設置した。 女 「正直に言ったら、掛けないと言ったのにぃ〜」 私 「これがウソと言うんだよ、ウソをつかれた気持ちがわかるだろ。家賃持ってこ
ないとあけないからな !」 と言って、私はその場を去った。ちょっと快感、スッキリした。
こんな、バトルを何回も繰り返している女から、今月も電話がきた。 私 「今月は、いつ 家賃振り込むんだ」 女 「実は、部屋には、もう荷物は無いのだけれども」
私 「逃げたのか?」 女 「いえ、荷物を出しただけです」 私 「それを、逃げたと言うんだよ !」 私 「移り先は?」 女 「まだ、決まっていません」 私 「決まってないで、荷物を移せる訳ないだろう。移転先を言わないのだら、
こちらで分かっているお前の携帯番号と職場の電話番号をアパートの方に張 り出すぞ」 女 「それだけは、カンベンしてください。住所は、○○○です」 私 「残っている家賃、全額払って貰うからな」
たぶん女は、サラ金・友人などの取立てに耐えられなくなり、逃げたのだろう。
今のところ、彼女の債権回収では、私の会社が携帯番号・職場・移転先住所も押せえているので一番有利。たぶん、滞納家賃は全額回収できるだろう。
早速、女が逃げた部屋を見に行くと、荷物は全てキレイになくなっていた。 おまけに、掃除までしてある、夜逃げしたと電話してくるし、良い夜逃げ手本だね。
あれだけ苦労させられた女だが、最後だけは誉めてやっても良い。
大家さんに事情を説明すると、大家さんも私が苦労して何年にも渡り、家賃を取り立てていることが分っているので、大変喜んでくれた。
「いや〜、逃げてくれて良かった良かった、これでタムタム君に、もう迷惑掛けな いし、取れてない家賃は、どうでもいいよ」と言ってくれた。 しかし、夜逃げして、こんなに感謝される夜逃げも珍しい。
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