
このごろ、仕事が忙しくてホームページの更新ができなくて、スイマセン。その原因というのも、競売物件の激増と、住宅ローンを支払えなくなった方の査定依頼が、急激に増えたためである。
諸悪の根源は、住宅金融公庫の ゆとり返済(ステップアップ償還)という返済方法。簡単に説明すると、これは最初の5年間は支払い額が低いが、6年目以降は急に支払い額が増えるというもの。
建てた当初は、6年もたてば給料も上がっているだろうから 何とか払っていけるだろうと思って建てたのだろうが、今や給料が上がるどころか、2割〜3割カットは当たり前、リストラ・倒産で、仕事自体が無い状態である。
それで、去年から今年にかけて、住宅ローンが支払えなくなり、家を売って住宅ローンを清算して、やり直そうと言う方からの査定依頼が急増している。しかし、実際に査定をすると、住宅金融公庫の借入金は、5年間支払っていても 元金は、ほとんど減っておらず、(金利が先に支払われるようになっている)3000万借入していると、ほとんど3000万元金がのこっている。
5年間で家の価値は下がってきているし、ここ数年 土地の価格も下がってきているわけだから、当然、査定価格(実際に売れる価格)も低くなります。
売買するためには、抵当権を抹消しなければなりません。 判りやすく言うと、3000万借金が残っていれば、売る時に3000万用意しなければならないので、実際に売れる価格が2200万だと、差額の800万を自分達で用意しなければ、売ることが出来ない。(追い銭)
住宅ローンを支払えなくて、家を売ろうと考えている人が800万なんて用意出来るわけもなく、800万も有れば、家を売る必要が無いわけだから、ローンは支払えない、家を売るにも売れないという状態である。残る道は、競売にかかるまでローンを支払わず、引越し代をためるという道しかない。
本人の無計画さが、まねいた事態とはいえ、建てた建築業者もかなり悪質と思われる営業をしているケースがある。
営業セールス時に「今、当社で新築していただければ、新車の購入代金も、住宅ローンに組み入れるように、操作致しますので、新しい家に住み、新車に乗る事が出来ますよ」などや、「サラ金等の支払いでお困りなら、金利の低い住宅ローンに組み込んで家を新築して、サラ金へは一括返済して、新しい家で、新しい人生をやり直しましょう」などと、甘い言葉をかけ、ガンガン建てさせた。
そのような建築業者が分譲した団地は、向こう3軒両隣が全て競売物件という状態の場所もあり、まさしく、競売ニュータウンとなっている。
家を新築する、又は中古物件を買うにしろ、一生に一度の買い物ですから、じっくり考え決断致しましょう。(2000/06/14 )
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